82 / 181
6章:スタンピード!
さぁ!戦争を始めよう!
しおりを挟む
勇み足で強行軍した貴族の私設軍が壊滅している頃、運良く後方に騎馬でいた私設軍の者達が来た道を戻り、帝国軍本体に事情を報告しに戻った。
「大変です!先遣隊として先行していた貴族私設軍が魔物に襲われて壊滅しました!」
戻ってきた者の報告に帝国軍の本体は驚愕した。本来は先遣隊ではなくろくに休憩も取らずに、ただ先行しただけの部隊ではあったが300人はいた部隊が1時間ほどで壊滅したと言うのが信じられ無かった。すぐに伝令者は最高司令官であるシャーマンは進軍しながら騎馬の上で事情を聞いた。
「私設軍勢は300人はいたはずだが?どうして1時間足らずで壊滅した!?」
伝令者は畏縮しながら答えた。
「わ、我々は城塞都市を一望できる丘の上まで進軍しました。そこで信じられないほどの数の魔物の大群を目視しました。そこで傭兵団が逃げ出してしまい人数が半減しました。傭兵団を繋ぎ止めようと内輪揉めしている時に、近付いている魔物に気付かずに襲われ・・・壊滅しました・・」
伝令者の最後の方の声は小さくなっていた。この報告に帝国軍国境総大将シャーマンは頭が痛くなった。進軍を1度止めて、斥候を出しその間に至急、高位官僚を集めた。
「既に話は聞いていると思うが、先行していた貴族私設軍が壊滅した。そしてこの後は想像出来ないくらいの魔物と戦う事になる!ここまでは良いな?」
周りの官僚達は頷く
「故に、先行していた貴族達みたいに好き勝手に動かれては勝てん!ここは勝つためにも私の指示に従ってもらう!」
一部の高位官僚は渋い顔をしたが、シャーマン以上に上手く軍の運用が出来る訳でもなくしぶしぶ頷いた。誰だって死にたくは無いからだ。いつも難癖を付ける者も従ったのは300人の私設軍が1時間も経たず壊滅したという事実を聞いていたからだ。変な言い方だが、一部の部隊が壊滅したことにより、烏合の衆であった軍隊が良い意味で、全軍が大将シャーマンの下で1つになったのだ。
「城塞都市が心配だ!兵達に魔物との全面戦争を改めて通達しろ!進軍する!途中で斥候と合流して時間を短縮するぞ」
大将シャーマンの一言に辺りが騒がしくなる。進軍開始した帝国軍2500人は30分ほどで斥候と合流する。
「報告します!前方の丘に魔物が多数存在し、こちらに向かって来ています!丘の下から次々に登って来ているようです!」
シャーマンは直ぐに命令を下す!
「魔物が目視したら隊列を整え前進する!丘の上の魔物を一掃し、丘の上に陣を構える。その後、登ってくる魔物に対処しつつ城塞都市の突破口を開くぞ!」
シャーマンの指示は的確だった。戦いとは多くの場面で上からの方が攻撃しやすく有利なのだ。そして遂に魔物捉えた!
「魔物の種類はわかるか!?」
「確認出来る魔物の種類は、オークやゴブリン、ヘルハウンドが多くいます!少数でオーガとリザードマン!あ、後はラミアも数体確認!」
シャーマンと副将達も上位魔物対処に考えを伝える。
「重装歩兵を前に出せ!2列目に弓隊を配置し、3列目に魔法部隊を展開させろ!左右騎馬隊を配置し、魔法部隊が攻撃した後に突撃せよ!」
戦術はシンプルだった。まず重装歩兵を前に出し、下級魔物を狩り取りつつ弓隊で援護、上位魔物が現れたら弓隊が援護しながら更に後方から魔法部隊が一斉に魔法を放ち一掃する。そしてそこに騎馬隊が突入して撹乱し、離脱後歩兵部隊で一気に殲滅していく予定だ。
「さぁ!戦争の時間だ!我らの領地を襲った事を思い知らせてやれ!!!」
各部隊で細かな伝令が行き交いし、シャーマンの作戦概要が末端の兵にまで行き渡る。人数が足りなく各地から集めた兵達だったが、優れた指揮官の下で魔物を倒すという目的のために、熟練の軍隊並みに、足並みが揃っていた。
さぁ!戦争を始めよう!
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【後書き】
愚者の声
「遂にぶつかるんだなぁ~」
シオン
「そうですわね・・・パリパリ」
ポテチ美味しい
愚者の声
「なに緊張感のない事をしてるの!」
シオン
「だってフィリアス領地でも無いですし、別にどうでもいいですわ」
愚者の声
「そんな他人事でどうするの!主人公でしょう!」
シオン
「だって悪役令嬢ですもの♪」
愚者の声
Σ(´□`;)なんだってー!
「大変です!先遣隊として先行していた貴族私設軍が魔物に襲われて壊滅しました!」
戻ってきた者の報告に帝国軍の本体は驚愕した。本来は先遣隊ではなくろくに休憩も取らずに、ただ先行しただけの部隊ではあったが300人はいた部隊が1時間ほどで壊滅したと言うのが信じられ無かった。すぐに伝令者は最高司令官であるシャーマンは進軍しながら騎馬の上で事情を聞いた。
「私設軍勢は300人はいたはずだが?どうして1時間足らずで壊滅した!?」
伝令者は畏縮しながら答えた。
「わ、我々は城塞都市を一望できる丘の上まで進軍しました。そこで信じられないほどの数の魔物の大群を目視しました。そこで傭兵団が逃げ出してしまい人数が半減しました。傭兵団を繋ぎ止めようと内輪揉めしている時に、近付いている魔物に気付かずに襲われ・・・壊滅しました・・」
伝令者の最後の方の声は小さくなっていた。この報告に帝国軍国境総大将シャーマンは頭が痛くなった。進軍を1度止めて、斥候を出しその間に至急、高位官僚を集めた。
「既に話は聞いていると思うが、先行していた貴族私設軍が壊滅した。そしてこの後は想像出来ないくらいの魔物と戦う事になる!ここまでは良いな?」
周りの官僚達は頷く
「故に、先行していた貴族達みたいに好き勝手に動かれては勝てん!ここは勝つためにも私の指示に従ってもらう!」
一部の高位官僚は渋い顔をしたが、シャーマン以上に上手く軍の運用が出来る訳でもなくしぶしぶ頷いた。誰だって死にたくは無いからだ。いつも難癖を付ける者も従ったのは300人の私設軍が1時間も経たず壊滅したという事実を聞いていたからだ。変な言い方だが、一部の部隊が壊滅したことにより、烏合の衆であった軍隊が良い意味で、全軍が大将シャーマンの下で1つになったのだ。
「城塞都市が心配だ!兵達に魔物との全面戦争を改めて通達しろ!進軍する!途中で斥候と合流して時間を短縮するぞ」
大将シャーマンの一言に辺りが騒がしくなる。進軍開始した帝国軍2500人は30分ほどで斥候と合流する。
「報告します!前方の丘に魔物が多数存在し、こちらに向かって来ています!丘の下から次々に登って来ているようです!」
シャーマンは直ぐに命令を下す!
「魔物が目視したら隊列を整え前進する!丘の上の魔物を一掃し、丘の上に陣を構える。その後、登ってくる魔物に対処しつつ城塞都市の突破口を開くぞ!」
シャーマンの指示は的確だった。戦いとは多くの場面で上からの方が攻撃しやすく有利なのだ。そして遂に魔物捉えた!
「魔物の種類はわかるか!?」
「確認出来る魔物の種類は、オークやゴブリン、ヘルハウンドが多くいます!少数でオーガとリザードマン!あ、後はラミアも数体確認!」
シャーマンと副将達も上位魔物対処に考えを伝える。
「重装歩兵を前に出せ!2列目に弓隊を配置し、3列目に魔法部隊を展開させろ!左右騎馬隊を配置し、魔法部隊が攻撃した後に突撃せよ!」
戦術はシンプルだった。まず重装歩兵を前に出し、下級魔物を狩り取りつつ弓隊で援護、上位魔物が現れたら弓隊が援護しながら更に後方から魔法部隊が一斉に魔法を放ち一掃する。そしてそこに騎馬隊が突入して撹乱し、離脱後歩兵部隊で一気に殲滅していく予定だ。
「さぁ!戦争の時間だ!我らの領地を襲った事を思い知らせてやれ!!!」
各部隊で細かな伝令が行き交いし、シャーマンの作戦概要が末端の兵にまで行き渡る。人数が足りなく各地から集めた兵達だったが、優れた指揮官の下で魔物を倒すという目的のために、熟練の軍隊並みに、足並みが揃っていた。
さぁ!戦争を始めよう!
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【後書き】
愚者の声
「遂にぶつかるんだなぁ~」
シオン
「そうですわね・・・パリパリ」
ポテチ美味しい
愚者の声
「なに緊張感のない事をしてるの!」
シオン
「だってフィリアス領地でも無いですし、別にどうでもいいですわ」
愚者の声
「そんな他人事でどうするの!主人公でしょう!」
シオン
「だって悪役令嬢ですもの♪」
愚者の声
Σ(´□`;)なんだってー!
0
お気に入りに追加
1,360
あなたにおすすめの小説
悪徳領主の娘に転生しました。『魔法学園恋愛編!』たぶん!
naturalsoft
恋愛
別タイトル『悪徳領主の娘に転生しました。貧乏領地を豊かにします!』
の、続編になります。
前回の幼少期から成長して学園に入学する所から始まります!
果たして、シオンの恋心はどうなるのか?
(ファンタジー強めです)
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
骸骨と呼ばれ、生贄になった王妃のカタの付け方
ウサギテイマーTK
恋愛
骸骨娘と揶揄され、家で酷い扱いを受けていたマリーヌは、国王の正妃として嫁いだ。だが結婚後、国王に愛されることなく、ここでも幽閉に近い扱いを受ける。側妃はマリーヌの義姉で、公式行事も側妃が請け負っている。マリーヌに与えられた最後の役割は、海の神への生贄だった。
注意:地震や津波の描写があります。ご注意を。やや残酷な描写もあります。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
妹に傷物と言いふらされ、父に勘当された伯爵令嬢は男子寮の寮母となる~そしたら上位貴族のイケメンに囲まれた!?~
サイコちゃん
恋愛
伯爵令嬢ヴィオレットは魔女の剣によって下腹部に傷を受けた。すると妹ルージュが“姉は子供を産めない体になった”と嘘を言いふらす。その所為でヴィオレットは婚約者から婚約破棄され、父からは娼館行きを言い渡される。あまりの仕打ちに父と妹の秘密を暴露すると、彼女は勘当されてしまう。そしてヴィオレットは母から託された古い屋敷へ行くのだが、そこで出会った美貌の双子からここを男子寮とするように頼まれる。寮母となったヴィオレットが上位貴族の令息達と暮らしていると、ルージュが現れてこう言った。「私のために家柄の良い美青年を集めて下さいましたのね、お姉様?」しかし令息達が性悪妹を歓迎するはずがなかった――
[連載中]蔑ろにされた王妃様〜25歳の王妃は王と決別し、幸せになる〜
コマメコノカ@異世界恋愛ざまぁ連載
恋愛
王妃として国のトップに君臨している元侯爵令嬢であるユーミア王妃(25)は夫で王であるバルコニー王(25)が、愛人のミセス(21)に入り浸り、王としての仕事を放置し遊んでいることに辟易していた。
そして、ある日ユーミアは、彼と決別することを決意する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる