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5章:帝国観光ですよ!

だって、悪役令嬢ですもの!対価を要求するわ!(挿絵あり

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アルフさんは行く気だ。都市グレンに知人にジークを預けて命を掛けて奥さんを救う気だ。

「お父さん!僕も行きます!お母さんを救いに!」
「ダメだ!自分の立場を考えろ!」


修羅場だ・・・どっちも正しいとか間違っているとかじゃないのよ・・元騎士団長のアルフさんがジークを、王族とか関係無く大切な息子を危険に晒さないよう都市グレンに逃がそうとしているのに対して、アルフさんを本当の父親と思っているジークも、命の危険があるアルフさんを行かせたく無いのと城塞都市に母親代わりのアルフさんの奥さんを助けたい想いがある。


罪悪感がパッなくて押し潰されそう(泣)
(心の中の声)




「お兄様・・・皆さん!私・・・」


私が言う前にお兄様が遮る

「ああ、シオン!わかってるよ」

「お嬢様!お心のままに」

「あらあら~これは行かなきゃですね~」

「みんなは、わらわが護るのじゃ!」

「帝国軍も援軍に動いておるじゃろう?上手くすればやれない事はないじゃろうて」

「お嬢が居れば誰にも負けませんよ!」



みんなが後押ししてくれる。脳内会議は無駄になったけどこれでいいのだ!


「アルフさん、ジーク!私達もお手伝い致します!」

この発言アルフさんは驚き、ジークは喜びの顔をする。

「何を仰られるのですか!?他国の貴族の方や、ましてや光の精霊王様を危険な目に合わせられません!」


アルフさんが慌てて拒否するが─

「大切な家族を救うのに何を言っているのですか!私達の事は兎も角、光の精霊王様が力を貸してくれれば、それだけ生還出来る確率上がります!奥様を助け出す可能性が上がるのですよ!?」


「うぐぅ・・」


「お父さん!僕も支援魔法が使える様になったんだよ!直接は無理でも力になりたいよ!」


「ジーク・・・すまない。力を貸してくれるか?」

「もちろん!!

ジークの頭を優しく撫でる姿は紛れもない親子だった。なんか良いなぁ~と思ったのは内緒だよ?

でもね?私は悪役令嬢なんだ。そう悪役令嬢だから悪い事をしちゃうのよ?ごめんね。


「アルフさん、力を貸す代わりに対価を頂いてもよろしいでしょうか?」


私の一言にお兄様や各騎士団長達が驚くの!


「シオン?」


お兄様が何か言おうとしたが、アルフさんが先に答える。

「シオンお嬢様のお言葉は最もです。危険な事に手を貸すのですから。私に出来る限りの御礼をさせて頂きます」


「その言葉に嘘偽りはないですね?ジークも良いかしら?」

「お母さんや街のみんなが助かるなら、僕も出来る限りの御礼をします!」


アルフさんとジークの言葉に、私は悪役令嬢らしい笑みを浮かべていったの!



「よろしいですわ!次期皇帝であるジークレスト・グランド様の援軍要請により、セフィリト王国フィリアス公爵家、シオン・フィリアス及び次期フィリアス公爵家当主レイン・フィリアスはジークレスト様を助力致します!」



私の言葉に、この場に居た全ての人が唖然としたが、次々に我に返り言葉の意味を理解した。


「シオン!君は何て事を思い付くんだ!」

お兄様も驚いていたが、私と同じように悪戯っ子みたいな笑みを浮かべている。


アルフさんは驚愕した顔で私を見ていた。


「シオンお嬢様!ジークを旗頭にして城塞都市を救おうと言うのですか!?」


私は頷く


「そうですわ、ジーク様が私達に助力を頼み、光の精霊王の加護の下にスタンピードを解決すれば、誰もがジークを次期皇帝と認めるでしょう!そして、光の精霊王とセフィリト王国がバックに付いて要るとわかれば、ある程度の後ろ楯となり、暗殺なども減るでしょう?」


「そ、そこまでお考えとは!?」


アルフさんは本当に驚いて声も出ない様子だった。でも、大事な事が1つ残っているんだよね。それはジークに皇帝になる意志があるかないかってこと!

「ジークはどうかな?皇帝になる気はある?」


ジークは戸惑いながらも答える

「正直な所、皇帝には余りなりたくはないです。お父さんとお母さんと城塞都市で暮らしていたい・・・」

まぁそうだよね。皇帝になったら今と同じ暮らしは出来なくなるからね。仕方ないか・・
私がわかったわと言おうとした所で、

「でも!最近、王国からの食糧の入荷が止まり生活が苦しくなって来ました。それが王宮の上の人達のせいならそれを正したいと思います!」

ジークの揺るぎない決意表明があった。アルフさんは成長したジークに目が涙ぐんでいるよ


「ジーク、良いのか?お前には私の出来る範囲で勉強や貴族の仕来たり、礼節は教えてきたが皇帝を目指すには命を狙われる危険もあるのだぞ?そして今の生活には戻れなくなる」


「それでもお父さんとお母さんが守れるなら!やってみせます!」

「ジーク・・・成長したんだな」

アルフさんはジークの成長に感慨深い表情で見つめた。


ジークの決意が固まった所で、私達も力になる事を約束し、身支度を急いで済ませるのだった。










◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【後書き】

愚者の声
ぶるぶる・・・



シオン
「ふっふっふ、どうしたのかしら?」


愚者の声
「悪役令嬢・・・」


シオン
「あら?ようやく気付いたのかしら?おーーほっほっほ!」


愚者の声
(;゜Д゜)・・・
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