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4章:戦争は大変なのです!
まさかの・・・討伐依頼です!
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「どんな魔物か掴めていなのですか?」
私はギルド長に聞いた。
「ウルフ系と言う事は判明しております。まず、今お話しをした近道にいた冒険者が5メートル以上ある大きな獣が横切って行ったのを目撃しております。一瞬の事で、影しか見えなかったそうです。その後、更にオーガーやリザードマンといった二足歩行出来る知性ある魔物が追いかけていったそうです。その冒険者はすぐに近道を使い、城塞都市に報告に来ました。しかし、東の森に入っていた他の冒険者が何人か犠牲になりました」
冒険者が犠牲になったと言って私は俯く
「シオンお嬢様が気にされる事ではありません。運が悪かったとしか言えません!それに、たまに東の森に強い魔物が現れる事はあるのです。その場合はすぐに冒険者ギルドが緊急クエストを発動し、討伐します。生態系が変わって強い魔物が多くなると危険ですからね」
なるほど、冒険者ギルドは魔物を間引いて生態系を護る事もしているのかー!
「現在、東の森の立ち入りを禁止して高位冒険者に討伐クエストを依頼したのですが、思ったより数が多いそうでまだ討伐出来ていないそうです」
「どれくらいの数が東の森に入ったのですか?」
「確認が取れているだけで、オーガーが10匹、リザードマンが20匹、それに付き従うゴブリンやコボルトが50匹前後です」
私は、はて?と首を傾げる。
「オーガーとリザードマンって協力関係なんですか?」
私は素朴な疑問を聞いてみる。
「いえ、協力はあり得ません!オーガーはリザードマンを喰いますので。なので、今は東の森で互いに殺しあっているみたいですよ」
またまた???になる
「まだ憶測の域を出ませんが、手負いの魔物をお互いに倒そうと追いかけて来たのは間違いありません。もしかしたら、手負いの魔物を倒した方がその魔物の狩場を抑えられ、活動地域を広められるのかも知れません」
なるほど、魔物も生活範囲があるからね。他の魔物の地域を手に入れる事が出来れば、仲間も増やせるし必死なんだな。
「暫くの間、様子を見てお互いに数を減らした所で大量の冒険者を投入して一気に攻め滅ぼすのがベストなのですが、我々・・・いえ、フィリアス公爵様には時間が無いと思い相談に来ました」
あっ!そんなに悠長に待ってたら魔物の誘導作戦が出来なくなっちゃう!
「しかも、早期に大量の冒険者を投入して、帝国の目を引くのも嫌ですからな・・・どうしたものやら」
「そうですわね。帝国もバカではないので、国境に兵を増員したとはいえ、別の所で大量の冒険者達が何かしようとすれば察知される可能性は高いわね」
「只でさえ、大人数の移動には目を光らせているでしょう」
一同はう~んと悩んだ。
ピコーーン!
「だったら少数精鋭で、手負いの魔物だけ先に倒してしまいましょうか?」
「なるほど、オーガーやリザードマンは遭遇戦以外は身を隠して元凶の魔物だけ叩けば、奴等も戻って行くかも知れませんね」
「魔物の誘導作戦まで3週間しかありません。移動に1日掛かりますので、なるべく早くに方を決着けたいですね。問題は─」
そんな話し合いの最中に、お父様が戻ってきた。
「緊急の用事と聞いて急いで戻ってきた。部屋の雰囲気から察するに、大事な話みたいだな」
お父様に紅茶を差し出して、今までの経緯を話した。
「なるほど・・・問題は誰が倒しに行くかだな?」
お父様はすぐにこれからの事に気付き皆には問い掛ける
「そうなのですよ。隠れながらにしても限度がありますし、手負いの魔物の強さも分かりません」
そんな時に、声が響いた。
『ちょっと良いかしら?』
最近はめっきり威厳を落としたダメガミ・・じゃなくて、堕(落)精霊王さんだった。
ひかりさんは何も無い空間から人形になって、部屋の中に顕現する。
「今回の魔物討伐なんだけど、シオンを同行させて下さい」
みんなが驚く。ギルド長さんが光さんに物申す
「光の精霊王様、前回は城塞都市を護って頂きありがとうございました。街の者を代表してお礼申し上げます」
ギルド長さんはソファーから立ち上がると、片膝を付いて最敬礼をする。光さんはいつも通りにいいのよ~と、軽くしてねと伝える。
「光の精霊王様にお尋ね致します。シオンお嬢様を危険の無いように、魔物退治が急務になっている所に、シオンお嬢様をお連れするのはどうかと思うのですが・・・?」
ギルド長は躊躇がちに光さんに疑問を尋ねる。
「そうね。ただ、ちょっと気になるのよ!僅かに、東の森の辺りから神力を感じるの。もしかしたら、その獣は神獣かも知れないわ」
ひかりさんの言葉に私を除くみんなが唖然とした。
えっ!?みんな知ってるの?私だけわかんないですけどーーー!?
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【後書き】
愚者の声
「久々のひかりさん登場です!」
シオン
「ひかりさんも最近は人間と変わらなくなりましたね」
愚者の声
「実はそこがフィリアス領の方々に愛される所にもなっているんです」
シオン
「あらまぁ!」
愚者の声
「意外な所でした」
シオン
「ひかりさんは皆様に愛される精霊王様ですかね」
愚者の声
「誰かさんもみならっヘブッシ!」
シオン
「口は災いの門ですわ♪」
私はギルド長に聞いた。
「ウルフ系と言う事は判明しております。まず、今お話しをした近道にいた冒険者が5メートル以上ある大きな獣が横切って行ったのを目撃しております。一瞬の事で、影しか見えなかったそうです。その後、更にオーガーやリザードマンといった二足歩行出来る知性ある魔物が追いかけていったそうです。その冒険者はすぐに近道を使い、城塞都市に報告に来ました。しかし、東の森に入っていた他の冒険者が何人か犠牲になりました」
冒険者が犠牲になったと言って私は俯く
「シオンお嬢様が気にされる事ではありません。運が悪かったとしか言えません!それに、たまに東の森に強い魔物が現れる事はあるのです。その場合はすぐに冒険者ギルドが緊急クエストを発動し、討伐します。生態系が変わって強い魔物が多くなると危険ですからね」
なるほど、冒険者ギルドは魔物を間引いて生態系を護る事もしているのかー!
「現在、東の森の立ち入りを禁止して高位冒険者に討伐クエストを依頼したのですが、思ったより数が多いそうでまだ討伐出来ていないそうです」
「どれくらいの数が東の森に入ったのですか?」
「確認が取れているだけで、オーガーが10匹、リザードマンが20匹、それに付き従うゴブリンやコボルトが50匹前後です」
私は、はて?と首を傾げる。
「オーガーとリザードマンって協力関係なんですか?」
私は素朴な疑問を聞いてみる。
「いえ、協力はあり得ません!オーガーはリザードマンを喰いますので。なので、今は東の森で互いに殺しあっているみたいですよ」
またまた???になる
「まだ憶測の域を出ませんが、手負いの魔物をお互いに倒そうと追いかけて来たのは間違いありません。もしかしたら、手負いの魔物を倒した方がその魔物の狩場を抑えられ、活動地域を広められるのかも知れません」
なるほど、魔物も生活範囲があるからね。他の魔物の地域を手に入れる事が出来れば、仲間も増やせるし必死なんだな。
「暫くの間、様子を見てお互いに数を減らした所で大量の冒険者を投入して一気に攻め滅ぼすのがベストなのですが、我々・・・いえ、フィリアス公爵様には時間が無いと思い相談に来ました」
あっ!そんなに悠長に待ってたら魔物の誘導作戦が出来なくなっちゃう!
「しかも、早期に大量の冒険者を投入して、帝国の目を引くのも嫌ですからな・・・どうしたものやら」
「そうですわね。帝国もバカではないので、国境に兵を増員したとはいえ、別の所で大量の冒険者達が何かしようとすれば察知される可能性は高いわね」
「只でさえ、大人数の移動には目を光らせているでしょう」
一同はう~んと悩んだ。
ピコーーン!
「だったら少数精鋭で、手負いの魔物だけ先に倒してしまいましょうか?」
「なるほど、オーガーやリザードマンは遭遇戦以外は身を隠して元凶の魔物だけ叩けば、奴等も戻って行くかも知れませんね」
「魔物の誘導作戦まで3週間しかありません。移動に1日掛かりますので、なるべく早くに方を決着けたいですね。問題は─」
そんな話し合いの最中に、お父様が戻ってきた。
「緊急の用事と聞いて急いで戻ってきた。部屋の雰囲気から察するに、大事な話みたいだな」
お父様に紅茶を差し出して、今までの経緯を話した。
「なるほど・・・問題は誰が倒しに行くかだな?」
お父様はすぐにこれからの事に気付き皆には問い掛ける
「そうなのですよ。隠れながらにしても限度がありますし、手負いの魔物の強さも分かりません」
そんな時に、声が響いた。
『ちょっと良いかしら?』
最近はめっきり威厳を落としたダメガミ・・じゃなくて、堕(落)精霊王さんだった。
ひかりさんは何も無い空間から人形になって、部屋の中に顕現する。
「今回の魔物討伐なんだけど、シオンを同行させて下さい」
みんなが驚く。ギルド長さんが光さんに物申す
「光の精霊王様、前回は城塞都市を護って頂きありがとうございました。街の者を代表してお礼申し上げます」
ギルド長さんはソファーから立ち上がると、片膝を付いて最敬礼をする。光さんはいつも通りにいいのよ~と、軽くしてねと伝える。
「光の精霊王様にお尋ね致します。シオンお嬢様を危険の無いように、魔物退治が急務になっている所に、シオンお嬢様をお連れするのはどうかと思うのですが・・・?」
ギルド長は躊躇がちに光さんに疑問を尋ねる。
「そうね。ただ、ちょっと気になるのよ!僅かに、東の森の辺りから神力を感じるの。もしかしたら、その獣は神獣かも知れないわ」
ひかりさんの言葉に私を除くみんなが唖然とした。
えっ!?みんな知ってるの?私だけわかんないですけどーーー!?
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【後書き】
愚者の声
「久々のひかりさん登場です!」
シオン
「ひかりさんも最近は人間と変わらなくなりましたね」
愚者の声
「実はそこがフィリアス領の方々に愛される所にもなっているんです」
シオン
「あらまぁ!」
愚者の声
「意外な所でした」
シオン
「ひかりさんは皆様に愛される精霊王様ですかね」
愚者の声
「誰かさんもみならっヘブッシ!」
シオン
「口は災いの門ですわ♪」
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