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3章:動き始めた国々です!
私は、たらしではありません!
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お父様の一言に私達は頷く
「ま、待ってくれ!本当に戦争を起こす気か!?」
隊長さん・・・マチスさんで良いか。マチスさんが言ってくる。
「ああ、本当だ。家族を傷付けられて黙ってられん!」
「私も同感です!家族が・・あと一歩で死んでたかと思うと・・私は!?」
あの時の光景を思い出して目から涙が零れる。
「シオン!大丈夫だ。僕達が付いているからね」
お兄様が私を抱擁する。
「私達の娘にトラウマを植え付けた罪は重いわ。産まれてきた事を後悔させてやりますわ」
お母様が1番恐いことを言うのよね!マチスさんは私達を信じられないと言う顔で見ている。
「・・・フィリアス家は温厚な人柄で代々、民の為に魔の森の対処をしてきたと、記憶していたが戦争で領土が荒れ果て、民が苦しむとは思わないのか!?」
「無論、民に被害が出ないように戦うだけだ!」
「ふざけるな!お前達も帝国の奴等と同じだ!自分達の下らないプライドの為に貴族以外の民がどうなっても良いと思っている!」
マチスさんの目には悔しそうな表情が見て取れる。今まで嫌な貴族に呪いを掛けられ、汚い仕事をさせられ続けて来たのはどんな気持ちだっただろうか。
「マチスさん、私達は決して民を蔑ろにはしません!嘘だと思うなら傍で見ていて下さい」
私の発言に周りの目が集中する。
「お嬢様!さすがにそれは!?」
「お嬢!ついさっきまで殺し合いをしていたんだ。それは無いだろう?」
騎士団長から否定的な声が上がるが、お母様から擁護の声が掛かる
「シオン、何か考えがあるのかしら?」
「はい!お母様。確かに先ほどまで殺し合いをしていましたが、マチスさんは隷従の紋様で無理矢理従わされていただけですし、私達に無い技術を持っています!きっと力になってくれますよ!」
「・・・何で俺にそんなに気に掛けるんだ?俺はお前達を襲ったんだぞ!この後は死刑だろう!さっさと殺せばいいだろうが!俺には誰も心配してくれる奴なんかいないんだからな!」
パッン!
心地よい音が響いた。
シオンがマチスを叩いたのだ!
「死に逃げないで下さい!甘えないで下さい!確かに、貴方の境遇には同情します。呪いのせいで嫌な貴族に使えて、汚い仕事を押し付けられて・・でも!」
私はマチスさんに抱き付き、胸に顔を押し付けて泣き声を隠す。
「で、でも貴方の部下の人達を治療した時、皆さん隊長の事を案じていましたよ?貴方が隊長になってから部隊の死亡者が減って精強な部隊になったと誇らしげでしたよ!貴方は1人じゃない!貴方を思ってくれている人達は確かにいるんです!」
自分の胸の中で必死に訴え掛けるシオンを見て、マチスは胸を打たれる。
「あ、あいつら・・・!?」
マチスさんは静かに泣いた。それは短い間だったけれどその間は誰も声を上げなかった。
「・・・フィリアス公爵様、恥を忍んでお願いします。俺を使って下さい。何でもします!心配なら呪いを掛けてもいい!自分の意思でこの子の為に働かせて下さい!」
マチスさんはその場で土下座をして懇願する。
「ふぅ、やれやれ。シオンに忠誠を誓う者を無下にはできんな・・」
「シオンお嬢様が庇うとこうなるのだよ」
「お嬢は天然のたらしですからね」
「本当にね。しかも男女問わずたらし込むのが問題だ!」
おおい!たらしってなんだよ!マチスさんの隠密としてのスキル、技術、そして闇属性の魔法。私達に無い、国王様にいたNINJAの職種に近い物を持っているからだよ!
「マチスを雇い入れよう。ただし、暫くは監視を付けさせてもらう。信用されたければしっかりと働きたまえ」
マチスさんはありがとうございます!と言ってむせび泣いたのだった。実は泣きやすいのかな?
「私はまだ許していない!お嬢様を狙った事は絶対に許さない!」
エミリアは団長の中で1番シオンに心酔しているので、拒否反応があるみたいだ。
「まぁまぁ、どんな者でも平等に癒すのがシオンお嬢の素晴らしい所だろう?」
年長のシール団長が嗜める。
気付けば、さっきまでの重苦しい空気は無く、団長達を初めみんなが雑談を始めてる。
確かにまだマチスさんの本当の心内は分からないけど、私には見えていたんだ。ここにいるみんなが肩を並べて酒を飲み交わし、ワイワイと騒ぐ光景が・・・
こうして、フィリアス家に心強い新しい仲間が入ったのだった。
(ちなみに、治療した隊長さんの部下の何人かも雇いました~帝国より厚待遇で提示したら即決でしたよ♪)
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【後書き】
愚者の声
「天然のたらしって恐いねー!
シオン
「おーーーーほっほっほ!とうぜんですわ!」
愚者の声
「ダメだこりゃ!」
シオン
「失礼な!?」
愚者の声
「本編のシオンちゃんを見習え!」
シオン
流し目で儚げそうに訴える。
「ごめんなさい・・」
ドッキューン!
愚者の声
ギャップ萌えしてしまった。orz
「ま、待ってくれ!本当に戦争を起こす気か!?」
隊長さん・・・マチスさんで良いか。マチスさんが言ってくる。
「ああ、本当だ。家族を傷付けられて黙ってられん!」
「私も同感です!家族が・・あと一歩で死んでたかと思うと・・私は!?」
あの時の光景を思い出して目から涙が零れる。
「シオン!大丈夫だ。僕達が付いているからね」
お兄様が私を抱擁する。
「私達の娘にトラウマを植え付けた罪は重いわ。産まれてきた事を後悔させてやりますわ」
お母様が1番恐いことを言うのよね!マチスさんは私達を信じられないと言う顔で見ている。
「・・・フィリアス家は温厚な人柄で代々、民の為に魔の森の対処をしてきたと、記憶していたが戦争で領土が荒れ果て、民が苦しむとは思わないのか!?」
「無論、民に被害が出ないように戦うだけだ!」
「ふざけるな!お前達も帝国の奴等と同じだ!自分達の下らないプライドの為に貴族以外の民がどうなっても良いと思っている!」
マチスさんの目には悔しそうな表情が見て取れる。今まで嫌な貴族に呪いを掛けられ、汚い仕事をさせられ続けて来たのはどんな気持ちだっただろうか。
「マチスさん、私達は決して民を蔑ろにはしません!嘘だと思うなら傍で見ていて下さい」
私の発言に周りの目が集中する。
「お嬢様!さすがにそれは!?」
「お嬢!ついさっきまで殺し合いをしていたんだ。それは無いだろう?」
騎士団長から否定的な声が上がるが、お母様から擁護の声が掛かる
「シオン、何か考えがあるのかしら?」
「はい!お母様。確かに先ほどまで殺し合いをしていましたが、マチスさんは隷従の紋様で無理矢理従わされていただけですし、私達に無い技術を持っています!きっと力になってくれますよ!」
「・・・何で俺にそんなに気に掛けるんだ?俺はお前達を襲ったんだぞ!この後は死刑だろう!さっさと殺せばいいだろうが!俺には誰も心配してくれる奴なんかいないんだからな!」
パッン!
心地よい音が響いた。
シオンがマチスを叩いたのだ!
「死に逃げないで下さい!甘えないで下さい!確かに、貴方の境遇には同情します。呪いのせいで嫌な貴族に使えて、汚い仕事を押し付けられて・・でも!」
私はマチスさんに抱き付き、胸に顔を押し付けて泣き声を隠す。
「で、でも貴方の部下の人達を治療した時、皆さん隊長の事を案じていましたよ?貴方が隊長になってから部隊の死亡者が減って精強な部隊になったと誇らしげでしたよ!貴方は1人じゃない!貴方を思ってくれている人達は確かにいるんです!」
自分の胸の中で必死に訴え掛けるシオンを見て、マチスは胸を打たれる。
「あ、あいつら・・・!?」
マチスさんは静かに泣いた。それは短い間だったけれどその間は誰も声を上げなかった。
「・・・フィリアス公爵様、恥を忍んでお願いします。俺を使って下さい。何でもします!心配なら呪いを掛けてもいい!自分の意思でこの子の為に働かせて下さい!」
マチスさんはその場で土下座をして懇願する。
「ふぅ、やれやれ。シオンに忠誠を誓う者を無下にはできんな・・」
「シオンお嬢様が庇うとこうなるのだよ」
「お嬢は天然のたらしですからね」
「本当にね。しかも男女問わずたらし込むのが問題だ!」
おおい!たらしってなんだよ!マチスさんの隠密としてのスキル、技術、そして闇属性の魔法。私達に無い、国王様にいたNINJAの職種に近い物を持っているからだよ!
「マチスを雇い入れよう。ただし、暫くは監視を付けさせてもらう。信用されたければしっかりと働きたまえ」
マチスさんはありがとうございます!と言ってむせび泣いたのだった。実は泣きやすいのかな?
「私はまだ許していない!お嬢様を狙った事は絶対に許さない!」
エミリアは団長の中で1番シオンに心酔しているので、拒否反応があるみたいだ。
「まぁまぁ、どんな者でも平等に癒すのがシオンお嬢の素晴らしい所だろう?」
年長のシール団長が嗜める。
気付けば、さっきまでの重苦しい空気は無く、団長達を初めみんなが雑談を始めてる。
確かにまだマチスさんの本当の心内は分からないけど、私には見えていたんだ。ここにいるみんなが肩を並べて酒を飲み交わし、ワイワイと騒ぐ光景が・・・
こうして、フィリアス家に心強い新しい仲間が入ったのだった。
(ちなみに、治療した隊長さんの部下の何人かも雇いました~帝国より厚待遇で提示したら即決でしたよ♪)
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【後書き】
愚者の声
「天然のたらしって恐いねー!
シオン
「おーーーーほっほっほ!とうぜんですわ!」
愚者の声
「ダメだこりゃ!」
シオン
「失礼な!?」
愚者の声
「本編のシオンちゃんを見習え!」
シオン
流し目で儚げそうに訴える。
「ごめんなさい・・」
ドッキューン!
愚者の声
ギャップ萌えしてしまった。orz
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