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1章:まさかの異世界ですか!?
閑話
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アイオス・セフィリトSide
判別の儀式で僕は信じられない物を見た。雨風の強い日で、駆け足で教会に入ると同じ年齢の女の子が目に映った。とても美しい女の子だった。可愛いでは無く、この年齢で美しいと思った。強い雨風で髪が少し乱れていたが、それさえも綺麗に見えてしまう。そして何より、彼女の肩ぐらいに光る球体がプカプカと浮かんでいた。何だろう?お父様から付けられた護衛騎士&従者である者が驚愕し、私に耳打ちする。
「殿下、あれは光の精霊です。私も見るのは初めてですが間違いありません。信じられません」
何と!護衛騎士が驚くのも無理はない。昔は数多くの精霊がいたと言うが最近はめっきり数を減らし、滅多に見掛ける事は無いと言われていたからだ。自分と同じ年齢の女の子が光の精霊と契約している?!ただでさえ、光属性の使い手も近年現れて居ないのに精霊とは・・・何者なんだ?
すると、王家に仕える公爵家の当主の方が側に居たのを見つけ、元気に挨拶する。こんな人目のある所で礼儀を欠く訳にはいかない。
「フィリアス公爵殿!お久しぶりです!」
「フィリアス公爵おじ様、お久しゅうございます」
隣のイーリスも挨拶する。
「こちらこそ、ご無沙汰しております!王子に王女様。それと紹介致します。私の娘、シオンです」
なんと!公爵家のご令嬢だったのか!?公爵令嬢で光の精霊と契約している?驚きの連続だった。すると、相手も挨拶を返してきた。
「お初に御目にかかります。シオン・フィリアスです。以後、お見知りおき下さいませ」
片足を斜め後ろの内側に引き、もう片方の足の膝を軽く曲げ、背筋は伸ばしたまま挨拶をする彼女は大人の淑女に見間違う位に綺麗なカテーシーだった。ただ元気に挨拶をした自分と軽く会釈をして挨拶をしたイーリスと雲泥の差だった。自分が恥ずかしくなったが、意識を反らそうと光る球体の事を聞いた。
「此方こそよろしく。それと、その光る球体は・・?」
「これは万能精霊光さん!光の精霊です!」
肩の上にプカプカ浮かぶ光さんを紹介した。すると辺りがざわめき出した。当然だろう!漸く、本人が精霊と認めたのだから。
判別の儀式の時間になったが、僕達は1番最後なので待たなけれならない。・・・暇だ!
すると、シオン令嬢が光の精霊と戯れていた。プカプカ浮かぶ球体を追いかけたり、ボールの様に突いたり面白そうであった。ふと気付くと僕の服を摘まんで引っ張るイーリスがいてシオン令嬢を指差した。
うん、楽しそうだよね!僕はイーリスと一緒にシオン令嬢に近付き混ぜてくれないかと頼んだ。すると、シオン令嬢は友達になってくれたら良いよと言ってくれた。
王族として下心で近付いてくる者に最大限の注意をするように厳しく言われ続けたけれど、こんなに無邪気な笑顔で友達になってと言われたのは初めてだ。裏表の無い笑顔は僕達にはどんな宝石よりも価値があるように思えた。いつかシオン令嬢に相応しい男になりたいと本気で思ってしまった。
それからの時間は実に楽しかった!イーリスも同世代の対等な友達が出来て嬉しそうだった。僕も王族の事を忘れてただの五歳の子供として遊んでしまった。
光の精霊に触れると暖かく、この精霊がシオン令嬢・・・シオンを護ってくれていると思うと安心した。そしてこれからも大事な友達のシオンを護ってねとこっそりお願いした。イーリスも後から聞いたら同じような事をしていたらしく、二人で笑った。
楽しい時間はあっという間に過ぎて、遂に判別の儀式の順番がきた。シオンは光の精霊がいるので王族より後の1番最後になった。そして儀式で僕の適正属性は、光、火、土の3つで光属性!?があった。周りの驚きとざわめきが凄かった。次のイーリスは僕のせいでプレッシャーが掛かってしまったが、イーリスは、光、水、風の3つでまた光属性!?があった。
凄く嬉しい事ではあるが、僕とイーリスにはわかっていた。少し前までには、僕達には光属性なんて無かった・・・絶対に光の精霊の光さんが授けてくれたんだと。確証は無かったけど確信した思いが僕達にはあった。多分、シオンの仲の良い友達でいる事と、困った時にシオンを護れるように授けてくれたのだと・・・
その後、シオンが教会の奥に入って行った後に教会全体に眩い光が走った。何が起こったんだ!?僕は護衛達に騒ぎを静めるよう指示を出し、判別の儀式の部屋に誰も来ないよう厳命したのちシオンの元へ走った。そこで見たものは、目を押さえて床で転がっていたシオンと、儀式の水晶には火、水、風、土、光、闇の全属性適正と出ていた。
僕は唖然とした。司教殿も唖然とした理由がわかったからだ。これは大変な事になったぞ!するとシオンの父親のフィリアス公爵がシオンに伝える。
「全属性持ちなんて前代未聞だぞ!これからこの国の、王公貴族や他国の者に狙われる!」
当然だろう。シオンの子供にも才能が引き継がれる可能性が高いのだ。僕達の父親に関わらず、全ての貴族達がシオンの夫にと求婚してくるだろう。最悪、誘拐も考えられる。
「幸い、周りの者達は王族達が光属性と3つの属性適正があったので、そちらに気を取られている。だからー」
「シオンの全属性持ちを秘匿するのですね」
途中で僕が割り込んで理解を示す。
「察しが良くて助かります。王子、我が娘可愛さだけでは無く、無用な争いの種になるのは防がなければなりません」
フィリアス公爵がその場にいた関係者に片膝を付き、許しを乞うようにお願いをする。そんな事は言われなくても─
「フィリアスおじ様。お願いされなくても黙っていますわ」
「僕も同意見だね。父様と母様には報告はするけれど、それ以外に他言する事は無いと家名に誓います」
先に妹のイーリスに言われたのはちょっと悔しいけど、僕達の光属性はシオンを護る為に授けられたのだから─
何とか話が纏まり、帰り際にイーリスがシオンを城に誘っていた。僕にも勇気が有れば・・・
・・・なんとも濃い1日だった。城に戻ると僕達の事とシオンの事を父上と母上報告しなければ!そして、イーリスと共に大切な友達を護る為に、今まで以上に勉強に剣術、魔法を頑張っていこうと共に誓うのだった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【後書き】
愚者の声
「お嬢様に騙されている!?こんなに可憐じゃ無いから!」
シオン
「見る目のある人は違うのよ♪」
愚者の声
「眼科に行った方が良いのではw?」
シオン
「・・・そうね。ソノメヲクリヌキマショウ」
愚者の声
「え゛っ!?ちょ、じょーだn・・・ぎゃぁぁぁーーーーー!!!!」
判別の儀式で僕は信じられない物を見た。雨風の強い日で、駆け足で教会に入ると同じ年齢の女の子が目に映った。とても美しい女の子だった。可愛いでは無く、この年齢で美しいと思った。強い雨風で髪が少し乱れていたが、それさえも綺麗に見えてしまう。そして何より、彼女の肩ぐらいに光る球体がプカプカと浮かんでいた。何だろう?お父様から付けられた護衛騎士&従者である者が驚愕し、私に耳打ちする。
「殿下、あれは光の精霊です。私も見るのは初めてですが間違いありません。信じられません」
何と!護衛騎士が驚くのも無理はない。昔は数多くの精霊がいたと言うが最近はめっきり数を減らし、滅多に見掛ける事は無いと言われていたからだ。自分と同じ年齢の女の子が光の精霊と契約している?!ただでさえ、光属性の使い手も近年現れて居ないのに精霊とは・・・何者なんだ?
すると、王家に仕える公爵家の当主の方が側に居たのを見つけ、元気に挨拶する。こんな人目のある所で礼儀を欠く訳にはいかない。
「フィリアス公爵殿!お久しぶりです!」
「フィリアス公爵おじ様、お久しゅうございます」
隣のイーリスも挨拶する。
「こちらこそ、ご無沙汰しております!王子に王女様。それと紹介致します。私の娘、シオンです」
なんと!公爵家のご令嬢だったのか!?公爵令嬢で光の精霊と契約している?驚きの連続だった。すると、相手も挨拶を返してきた。
「お初に御目にかかります。シオン・フィリアスです。以後、お見知りおき下さいませ」
片足を斜め後ろの内側に引き、もう片方の足の膝を軽く曲げ、背筋は伸ばしたまま挨拶をする彼女は大人の淑女に見間違う位に綺麗なカテーシーだった。ただ元気に挨拶をした自分と軽く会釈をして挨拶をしたイーリスと雲泥の差だった。自分が恥ずかしくなったが、意識を反らそうと光る球体の事を聞いた。
「此方こそよろしく。それと、その光る球体は・・?」
「これは万能精霊光さん!光の精霊です!」
肩の上にプカプカ浮かぶ光さんを紹介した。すると辺りがざわめき出した。当然だろう!漸く、本人が精霊と認めたのだから。
判別の儀式の時間になったが、僕達は1番最後なので待たなけれならない。・・・暇だ!
すると、シオン令嬢が光の精霊と戯れていた。プカプカ浮かぶ球体を追いかけたり、ボールの様に突いたり面白そうであった。ふと気付くと僕の服を摘まんで引っ張るイーリスがいてシオン令嬢を指差した。
うん、楽しそうだよね!僕はイーリスと一緒にシオン令嬢に近付き混ぜてくれないかと頼んだ。すると、シオン令嬢は友達になってくれたら良いよと言ってくれた。
王族として下心で近付いてくる者に最大限の注意をするように厳しく言われ続けたけれど、こんなに無邪気な笑顔で友達になってと言われたのは初めてだ。裏表の無い笑顔は僕達にはどんな宝石よりも価値があるように思えた。いつかシオン令嬢に相応しい男になりたいと本気で思ってしまった。
それからの時間は実に楽しかった!イーリスも同世代の対等な友達が出来て嬉しそうだった。僕も王族の事を忘れてただの五歳の子供として遊んでしまった。
光の精霊に触れると暖かく、この精霊がシオン令嬢・・・シオンを護ってくれていると思うと安心した。そしてこれからも大事な友達のシオンを護ってねとこっそりお願いした。イーリスも後から聞いたら同じような事をしていたらしく、二人で笑った。
楽しい時間はあっという間に過ぎて、遂に判別の儀式の順番がきた。シオンは光の精霊がいるので王族より後の1番最後になった。そして儀式で僕の適正属性は、光、火、土の3つで光属性!?があった。周りの驚きとざわめきが凄かった。次のイーリスは僕のせいでプレッシャーが掛かってしまったが、イーリスは、光、水、風の3つでまた光属性!?があった。
凄く嬉しい事ではあるが、僕とイーリスにはわかっていた。少し前までには、僕達には光属性なんて無かった・・・絶対に光の精霊の光さんが授けてくれたんだと。確証は無かったけど確信した思いが僕達にはあった。多分、シオンの仲の良い友達でいる事と、困った時にシオンを護れるように授けてくれたのだと・・・
その後、シオンが教会の奥に入って行った後に教会全体に眩い光が走った。何が起こったんだ!?僕は護衛達に騒ぎを静めるよう指示を出し、判別の儀式の部屋に誰も来ないよう厳命したのちシオンの元へ走った。そこで見たものは、目を押さえて床で転がっていたシオンと、儀式の水晶には火、水、風、土、光、闇の全属性適正と出ていた。
僕は唖然とした。司教殿も唖然とした理由がわかったからだ。これは大変な事になったぞ!するとシオンの父親のフィリアス公爵がシオンに伝える。
「全属性持ちなんて前代未聞だぞ!これからこの国の、王公貴族や他国の者に狙われる!」
当然だろう。シオンの子供にも才能が引き継がれる可能性が高いのだ。僕達の父親に関わらず、全ての貴族達がシオンの夫にと求婚してくるだろう。最悪、誘拐も考えられる。
「幸い、周りの者達は王族達が光属性と3つの属性適正があったので、そちらに気を取られている。だからー」
「シオンの全属性持ちを秘匿するのですね」
途中で僕が割り込んで理解を示す。
「察しが良くて助かります。王子、我が娘可愛さだけでは無く、無用な争いの種になるのは防がなければなりません」
フィリアス公爵がその場にいた関係者に片膝を付き、許しを乞うようにお願いをする。そんな事は言われなくても─
「フィリアスおじ様。お願いされなくても黙っていますわ」
「僕も同意見だね。父様と母様には報告はするけれど、それ以外に他言する事は無いと家名に誓います」
先に妹のイーリスに言われたのはちょっと悔しいけど、僕達の光属性はシオンを護る為に授けられたのだから─
何とか話が纏まり、帰り際にイーリスがシオンを城に誘っていた。僕にも勇気が有れば・・・
・・・なんとも濃い1日だった。城に戻ると僕達の事とシオンの事を父上と母上報告しなければ!そして、イーリスと共に大切な友達を護る為に、今まで以上に勉強に剣術、魔法を頑張っていこうと共に誓うのだった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【後書き】
愚者の声
「お嬢様に騙されている!?こんなに可憐じゃ無いから!」
シオン
「見る目のある人は違うのよ♪」
愚者の声
「眼科に行った方が良いのではw?」
シオン
「・・・そうね。ソノメヲクリヌキマショウ」
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