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8章:エルフの国のエロフ!
過去編:光の精霊王は氷の女帝!
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あれは100年もの昔の事である。
パチパチッ
夜営の準備をしている多種連合軍は、魔族と魔物の戦いに追われていた。
「光の精霊王様、どうぞお休み下さい。後は我々が見張りを行います!」
人族の兵士が敬礼をしながら声を掛けてきた。
「もうそんな時間か?では後は任せる」
「はっ!!!」
光の精霊王は大きめの簡易テントへと入っていった。
「ふぅ~、流石は光の精霊王様だ。とんでもない威圧感があるな………」
先ほどの兵士が冷や汗を描きながら、見張りへと向かった。
「でも、あの『方々』が味方であるなら負ける気もしない。絶対に勝つぞ!」
「ああ!そうだな!」
魔族と魔物の戦いは激戦となっていったが、各兵士達の士気は高かった。それは一重に、各精霊王の存在が大きかったのだ。
「あら?ようやく戻ってきたのね?」
「光の!お疲れ様じゃの」
光の精霊王がテントへ入ると、風の精霊王と水の精霊王が椅子に腰掛けて寛いでいた。
「ああ、遅くなってすまない。二人は十分に休めたか?」
光の精霊王の言葉に二人の精霊王答えた。
「ええ、貴女のお陰でだいぶん魔力が回復したわ♪」
「うむ、我も大丈夫じゃ」
二人の言葉に光の精霊王は表情を変えずに頷いた。
「そうか。それはよかった。では明日の作戦は頼んだぞ」
そういった光の精霊王に水の精霊王が呆れて言い返した。
「全く御主は変わらんのぅ?もっと嬉しそうにできんのか?」
「光の精霊王は働き過ぎなのよ。もっと気を緩めたら?いつもピリピリしていたら疲れるわよ?」
二人で頷きながら続けていった。
「今の御主をみると【氷の精霊王】ではと疑ってしまうぞ?」
「ぶはっ♪まさにピッタリねw」
光の精霊王は無言で風の精霊王に近付き、頬っぺたをつねった。
「氷の精霊王など存在しない。私を笑ったのはこの口か?」
「いたたたた!!!!!!」
無表情で言ってくる光の精霊王はちょっぴり怖かった。
「………だが、確かに休まぬと体力、魔力が持たないもの事実だ。御言葉に甘えさせて貰おう」
そう言って光の精霊王は奥のベットへ休むのだった。
光の精霊王が寝入ったの確認すると他の精霊王達が静かにテントを後にした。
「やれやれ………もっと私達を頼ってくれれば良いのにのぅ?」
「そうだね。いつも限界まで頑張るんだから」
「光の精霊王は休んだのかい?」
ふと目をやると、火の精霊王と地の精霊王がやってきた。
「ええ、限界だったみたいで深い眠りについたわ」
「なら、かねてより我々だけで次の作戦を遂行するとしようか」
「そだね。たまにはリーダーである光の精霊王を休ませたいしね」
各精霊王達は身を削って戦う光の精霊王を少しでも休ませようと、次の作戦を自分達のみで決行しようとしていた。
「次の魔族は水を毒に変える。そして通常より手強い魔物達が相手だ。水の精霊王よ、頼むぞ?」
「任せておけい!妾の娘もだいぶん育ってきたしのぅ。毒の沼地を清浄な水源に変えれば逆に魔物達は衰退する。腕の見せ所じゃ」
夜営地にいた一部の兵士と各精霊王達は次の戦場へと暗い内に向かうのであった。
・
・
・
・
・
・
・
敵の領地にやってくると、毒の沼地からの強烈な臭いで皆が口と鼻を押さえた。
「ぐっ………酷いな」
「私に任せて!」
風の精霊王は突風を巻き起こし、臭いを周辺から消し飛ばした。
「これは一時しのぎよ。早く水を浄化しないとね」
「うむ、妾の出番じゃな!すまぬが暫く集中するので露払いは任せたのじゃ」
水の精霊王は毒の沼地にソッと手を浸けると、魔力を高め浄化作業に取り掛かった。
「おっと、やってきたみたいよ?」
向こうから大勢の魔物が向かってくるのがわかった。
「ならば、思う存分に暴れようかな!」
「負けませんよ♪」
「油断するなよ!」
各精霊王達は、水の精霊王を守りながら魔物達と対峙した。
各地で戦いが始まり、魔法の着弾音が響き渡った。
「皆、もう少し頑張って!」
すでに水の精霊王により周辺の毒の沼地は浄化され、以前よりも綺麗な水になりつつあった。しかし、水の精霊王はここから水脈を伝って、この地域周辺の汚染水を遠くまで浄化しているのだ。
「はぁはぁ………もう少し………」
極限まで集中し、魔力を使っているため疲労が大きかった。
!?
「これは!?」
突然の異変を感じてその場を飛び去ると、先ほどまでいた場所に禍々しい槍が刺さっていた。
「何者です!」
水の精霊王が叫ぶと、水の中から魔族が現れた!
「やれやれ………清浄な水は俺には『毒』だというのに。せっかく居心地のよい場所を作ったっていうのによぅ?余計なことをしてくれたな水の精霊王よ!」
そう言うと魔族は身体から魔力を解放し、威圧してきた。
「くっ!?なんて魔力………名乗りなさい!かなり『位』の高い魔族と見たわ!」
「クックック、良かろう。俺の名は『アスタロト』魔将軍が一柱の1人よ!」
!?
「魔族の王の側近の1人とはね。意外な大物が出てきたわね」
各精霊王達は散り散りに魔物と戦っている。すぐには来れないだろう。
体力と魔力を使い、疲労困憊な状態で水の精霊王は魔将軍アスタロトと戦う事となったのだった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【後書き】
愚者の声&シオン
「…………だれ?」
コソコソッ
愚者の声
「シオンさん、この光の精霊王さんは『誰』なんでしょうか?メチャクチャクールでカッコいいんですけどー!」
シオン
「嘘よ嘘!こんなのひかりさんじゃないわよ!?」
ふっふっふっ………………
「「誰だ!!!?」」
遂に封印されていた私の真の姿を御披露目するのですね。
ひかり
「さぁ!刮目してみるのだぁ~!!!」
愚者の声&シオン
『『絶対別人だよ!!!!』』
『よろしければ感想、評価、ブックマークよろしくお願いします!』
パチパチッ
夜営の準備をしている多種連合軍は、魔族と魔物の戦いに追われていた。
「光の精霊王様、どうぞお休み下さい。後は我々が見張りを行います!」
人族の兵士が敬礼をしながら声を掛けてきた。
「もうそんな時間か?では後は任せる」
「はっ!!!」
光の精霊王は大きめの簡易テントへと入っていった。
「ふぅ~、流石は光の精霊王様だ。とんでもない威圧感があるな………」
先ほどの兵士が冷や汗を描きながら、見張りへと向かった。
「でも、あの『方々』が味方であるなら負ける気もしない。絶対に勝つぞ!」
「ああ!そうだな!」
魔族と魔物の戦いは激戦となっていったが、各兵士達の士気は高かった。それは一重に、各精霊王の存在が大きかったのだ。
「あら?ようやく戻ってきたのね?」
「光の!お疲れ様じゃの」
光の精霊王がテントへ入ると、風の精霊王と水の精霊王が椅子に腰掛けて寛いでいた。
「ああ、遅くなってすまない。二人は十分に休めたか?」
光の精霊王の言葉に二人の精霊王答えた。
「ええ、貴女のお陰でだいぶん魔力が回復したわ♪」
「うむ、我も大丈夫じゃ」
二人の言葉に光の精霊王は表情を変えずに頷いた。
「そうか。それはよかった。では明日の作戦は頼んだぞ」
そういった光の精霊王に水の精霊王が呆れて言い返した。
「全く御主は変わらんのぅ?もっと嬉しそうにできんのか?」
「光の精霊王は働き過ぎなのよ。もっと気を緩めたら?いつもピリピリしていたら疲れるわよ?」
二人で頷きながら続けていった。
「今の御主をみると【氷の精霊王】ではと疑ってしまうぞ?」
「ぶはっ♪まさにピッタリねw」
光の精霊王は無言で風の精霊王に近付き、頬っぺたをつねった。
「氷の精霊王など存在しない。私を笑ったのはこの口か?」
「いたたたた!!!!!!」
無表情で言ってくる光の精霊王はちょっぴり怖かった。
「………だが、確かに休まぬと体力、魔力が持たないもの事実だ。御言葉に甘えさせて貰おう」
そう言って光の精霊王は奥のベットへ休むのだった。
光の精霊王が寝入ったの確認すると他の精霊王達が静かにテントを後にした。
「やれやれ………もっと私達を頼ってくれれば良いのにのぅ?」
「そうだね。いつも限界まで頑張るんだから」
「光の精霊王は休んだのかい?」
ふと目をやると、火の精霊王と地の精霊王がやってきた。
「ええ、限界だったみたいで深い眠りについたわ」
「なら、かねてより我々だけで次の作戦を遂行するとしようか」
「そだね。たまにはリーダーである光の精霊王を休ませたいしね」
各精霊王達は身を削って戦う光の精霊王を少しでも休ませようと、次の作戦を自分達のみで決行しようとしていた。
「次の魔族は水を毒に変える。そして通常より手強い魔物達が相手だ。水の精霊王よ、頼むぞ?」
「任せておけい!妾の娘もだいぶん育ってきたしのぅ。毒の沼地を清浄な水源に変えれば逆に魔物達は衰退する。腕の見せ所じゃ」
夜営地にいた一部の兵士と各精霊王達は次の戦場へと暗い内に向かうのであった。
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敵の領地にやってくると、毒の沼地からの強烈な臭いで皆が口と鼻を押さえた。
「ぐっ………酷いな」
「私に任せて!」
風の精霊王は突風を巻き起こし、臭いを周辺から消し飛ばした。
「これは一時しのぎよ。早く水を浄化しないとね」
「うむ、妾の出番じゃな!すまぬが暫く集中するので露払いは任せたのじゃ」
水の精霊王は毒の沼地にソッと手を浸けると、魔力を高め浄化作業に取り掛かった。
「おっと、やってきたみたいよ?」
向こうから大勢の魔物が向かってくるのがわかった。
「ならば、思う存分に暴れようかな!」
「負けませんよ♪」
「油断するなよ!」
各精霊王達は、水の精霊王を守りながら魔物達と対峙した。
各地で戦いが始まり、魔法の着弾音が響き渡った。
「皆、もう少し頑張って!」
すでに水の精霊王により周辺の毒の沼地は浄化され、以前よりも綺麗な水になりつつあった。しかし、水の精霊王はここから水脈を伝って、この地域周辺の汚染水を遠くまで浄化しているのだ。
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「何者です!」
水の精霊王が叫ぶと、水の中から魔族が現れた!
「やれやれ………清浄な水は俺には『毒』だというのに。せっかく居心地のよい場所を作ったっていうのによぅ?余計なことをしてくれたな水の精霊王よ!」
そう言うと魔族は身体から魔力を解放し、威圧してきた。
「くっ!?なんて魔力………名乗りなさい!かなり『位』の高い魔族と見たわ!」
「クックック、良かろう。俺の名は『アスタロト』魔将軍が一柱の1人よ!」
!?
「魔族の王の側近の1人とはね。意外な大物が出てきたわね」
各精霊王達は散り散りに魔物と戦っている。すぐには来れないだろう。
体力と魔力を使い、疲労困憊な状態で水の精霊王は魔将軍アスタロトと戦う事となったのだった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
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「…………だれ?」
コソコソッ
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「シオンさん、この光の精霊王さんは『誰』なんでしょうか?メチャクチャクールでカッコいいんですけどー!」
シオン
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ふっふっふっ………………
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遂に封印されていた私の真の姿を御披露目するのですね。
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