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8章:エルフの国のエロフ!
とある国境にて─(地図を新しく作り直しました力作です)
しおりを挟む【新】
見よ!このクオリティの差を!!!!!
【旧】
シオン達が帝国から戻ってしばらく経った頃の話である。
ゴオオオオォォォォォォオオオオオ!!!!!
「燃やせ!燃やし尽くすのだ!!!」
東の方にある【聖ローラ神国】と【エルフ国】の国境にて激しい戦闘が起こった。
「くっ!この外道どもめ!!!無関係な村人を巻き込むとは恥を知れ!」
この2つの国の国境にある小さな村は、人間と獣人が共に共存し暮らしていた。しかし急遽、神国側が武装し攻めてきたのだ。
しかも近くの村も少し前に襲われていた。
「黙れ!亜人という悪魔と一緒に暮らしていたなど背徳者である!炎という浄化以外に救いなどないわ!」
!?
「相変わらず話の通じないクズが!」
国境を守るエルフ国の兵士は獣人とエルフの混合兵であった。強靭な肉体を持つ獣人が先頭に立ち、エルフが弓と魔法で援護するスタイルだ。一方、神国側は同じくフルアーマーで武装した重装歩兵を先頭に、魔法使いと神官が援護していた。
本来であれば総合的戦力はエルフ国が上であった。特に森の中では鼻の効く獣人とエルフは無敵を誇った。
しかし、神国側の方が人数が上であった。しかも、村を焼き討ちにするという非人道的な悪逆無道の行いに、エルフ国の兵士は表に出て村人を守りながら戦わねばならず、劣勢を強いられていた。
「半円の陣を取れ!村人達を先に逃がす!」
「「「オオオォォォォォ!!!!」」」
亜人と呼ばれる獣人やエルフ達は同族の結束が高い。如何に劣勢でも士気は高かった!
「怯むな!!!奴等は動けん!一気に畳み掛けろ!!!」
こうしてお互いの兵士がぶつかり合った。
「死ねーーー!!!」
「こちらこそ許さん!!!」
ギンッ!!!
ギンッ!!!
ガギーーーーーン!!!
一刻ほど経った後、お互いの戦力が削られておびただしい数の兵士が死んでいった。
そしてジリジリと数の少ないエルフ国側が押されていくことになる。
「しぶといな。しかしここまでよ!後方の予備隊を投入せよ!傷付いた前線部隊と入れ替え、一気に殲滅する!」
神国側の指揮官はなかなか有能な指揮官で、戦況を良く眺め、好機に攻める指示をだした。
「クソッ!?もう持たない………」
最初にいた半数もの仲間が倒れており、他の者も満身創痍であった。このまま神国側の物量に押し潰される寸前の時に援軍がやってきた!
『我が同胞を護る風の刃よ。目の前の敵を暴風で薙ぎ払え!ウインド・ストーム!』
ゴオオオオォォォォォォオオオオオ!!!!!
突然、戦場に竜巻🌪️が起こった。
「ぐわぁぁぁぁああああ!!!!」
竜巻に巻き込まれた神国軍は重装歩兵であってもバラバラにされていった。
「な、何が起こった!?これは魔法なのか?こんな強大な魔法など有り得るのか!?」
竜巻はすぐに収まったが、神国軍の被害は甚大で混乱に陥った。
「やむおえん!撤退だ!撤退するぞ!!!」
神国軍は怪我人を担ぎながら撤退していき。エルフ国軍も満身創痍のため、追撃はせずに息のある者の治療に当たるのであった。
「エゼルミア様、援軍ありがとうございました!」
エルフ軍の指揮官は援軍にきた人物に頭を下げた。
「いいや、当然の事をしたまでだ。それより治療を優先させろ。私も手を貸そう『エリア・ヒール』!」
エゼルミアと呼ばれた人物が魔法を唱えると、数十人もの怪我人の傷が癒えていった。そしてそれを何回か繰り返し唱えた。
「ぐっ………はぁはぁ………、私の魔力ではここまでか」
急激に魔力を使い果たして、マインド・ダウンを起こし掛けた。
「エゼルミア様!もう結構です!ご自身をご自愛下さい。先ほども、上級魔法を使ったばかりではありませんか!?エゼルミア様のお陰で大勢の者が救われたのですから」
「…………すまぬ。少し休ませてもらうぞ」
エゼルミアは手を借りながら他の兵士に連れられていった。
「エゼルミア様ばかりに負担は掛けられん!いいか!我が民を護る為に勇敢に戦った者達を1人でも多く救うのだ!」
「「「了解であります!!!」」」
こうして、神国との戦いの事後処理をしている間に、魔力を使い果たしたエゼルミアは簡易テントにいた。
「エゼルミア様、お加減は大丈夫でしょうか?」
「ああ、問題ない。少し休めば大丈夫だ」
エゼルミアと呼ばれた人物はエルフであり、長美しい金髪を靡かせ、エメラルドの瞳で戦場を見つめていた。
「最近、神国側が慌ただしいな。帝国側の兵をこちらに集めているようだ」
「はい。密偵から、帝国側で古龍が暴れて王位継承権を争っていた王子達が殺されたそうです」
!?
「古龍だと?」
「はい、複数からの報告が上がっておりますので間違いありません。神国も古龍が暴れている帝国にちょっかいは出したくないのでしょう。帝国が内部の建て直しをしている間は、向こうの国境は大丈夫だと判断して、こちらに戦力を投入してきたみたいです」
ふむ………
「迷惑な話だ。しかし神国の連中の上層部は何か焦っている感じもしたな?何か裏があるかも知れん」
「引き続き情報収集に務めます。そしてエゼルミア様もお気をつけ下さい。貴女はエルフ国の姫であり、次の女王になる御方なのですから」
エゼルミアはそう言われて目を瞑り、国を出ていった【姉】を思い浮かべるのだった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【後書き】
愚者の声
「お久し振りです!ようやく続きを書くことが出来ました」
シオン
「いつまで待たせるのよ!この無能の愚者が!」
ゲシゲシッ
愚者の声
「痛い!痛い!許してーーー!」
シオン
「早く私が世界を統べる話を書きなさい!」
愚者の声
「あれ?そんな話の小説でしたっけ?」
てな訳で、連載再開です!
しばらくは1週間に1度の更新になります。
書き溜めて余裕がでてこれば更新頻度を上げますね。
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