悪役令嬢の追放エンド………修道院が無いじゃない!(はっ!?ここを楽園にしましょう♪

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遂に第1準備が整った!

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とある昼下がり、アクエリアス家の筆頭執事であるセバスがやって来た。

「お久しぶりでございます。シオンお嬢様!」

優雅にお辞儀をするセバスにシオン達は歓迎した。

「久しぶり!セバス。元気だった?」
「ほっほっほっ!元気でございます。それより、ようやく旦那様………いえ、アクエリアス家の移住が完了しましたのでご報告にきたしだいです」

セバスの言葉にシオンは驚きの声を上げた。

「えっ!?もう?」

「左様でございます。シオンお嬢様が考案されましたアクエリアス家の秘伝の『収納』魔術により、大きな荷物の移動は軽減されました。まぁ、戦争などにも使えるので、アクエリアス家の者しか教えないようにしていますがね」

意外な設定で、この世界では収納魔術が無かったのだ。
※オイッ!設定ってゆーな!

「まだ住民の移動は終わっていませんが、少しずつこちらの領地へやって来ています」

???

「んっ?住民の移動って?」

シオンはそこで初めてセバスから、アクエリアス領の領民がこの地に移住してくる話を聞いたのだった。

「なんだってーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!?」

びっくり仰天のシオン!

「ほっほっほっ、驚いて頂いて黙っていた甲斐がありましたぞ」

愉快に笑うセバスにシオンは項垂れるのだった。

コソコソ…………
「ねぇ?シオンが特別だと思っていたけれど、アクエリアス一家(いっか)がおかしいんじゃないかしら?」
「そうよねぇ?領民全て移住なんて普通は考えないわよね?」

いつの間にか、アクエリアス家全体が頭のおかしい事になっていた。

「こら!そこっ!?私はまともだから!」

1番まともじゃない人がそういうのよね♪

「まぁまぁ、驚かれるのも無理はありません。何万人もの大移動ですからね。軍隊の移動と違い、多くの荷馬車や女、子供、老人もいますので大変なのですよ」

セバスも遠い目をしながら、その様子を思い浮かべていた。

「おっと、そうでした。ここからが本題なのですが、シオンお嬢様には新しいアクエリアス領の首都を建築して頂きたいと思っているのですよ。現在の元子爵の住まいからここまでは少し遠いので、森の手前ぐらいに作れませんか?」

つい最近では、龍族の集落を作ったばかりなので出来なくは無かったが─

「う~ん…………出来るけど、森には魔物もいるし、エルフや獣人族がいるからあんまり近い所で人間の街を作るのは………」

珍しくシオンが他の種族の事に付いて考えていた。
ジーーーーーン!!!!

「シオン!私は貴女の事を誤解していたわ!貴女はワガママ放題の常識はずれの人物だと思っていましたが─」

「あら?そんな事を思っていたのかしら?」

ニコニコとゴゴゴッ!とオーラを出しているシオンだった。

ひぃぃぃぃぃぃ!!!!

「な、何でもありません!」

ビシッと敬礼するスピカを前に、玉藻が言った。

「ふむ、人の世では何が起こるかわからのじゃが、多分大丈夫じゃと思うぞぇ?」

「おや?どうしてそう思うのかしら?」

玉藻はセバスを見据え言った。

「そちらのご老体もすでに把握しているじゃろうが、龍族の存在じゃよ?」

「ほっほっほっ、その通りでございます。森で悪さをする者には龍族の方に殺されても文句は言えないと御触れを出すのです。無論、森には検問所を作り、魔物の対処と盗賊の侵入を防ぐようにします。ただ、一部のダンジョンまでの道のりと、貴重な薬草の採取などの立ち入り許可をお願いしたいと思いますが…………それは、森に住む方々の意思にお任せ致します」

セバスの言葉にシオンやスフィア達が唸った。

「そうだね。龍族が側にいれば無謀なバカ以外はそうはやって来ないけど、近くに人間の街が出来ると、森に暮らす種族が不安に思うかも知れないから、少し考えさせて?みんなと相談したいから」

「かしこまりました。ただ住居不足はどうしてもありますので、3日ほどの距離にある村に住居を建てて頂く事は可能でしょうか?」

「うん、そうだね。取り敢えずそこに住居を建てよう。アクエリアス領の住民が移動してくまで、まだしばらく時間があるよね?その間に話合うよ!」

セバスはシオンにありがとうございますと頭を下げるのであった。







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