悪役令嬢の追放エンド………修道院が無いじゃない!(はっ!?ここを楽園にしましょう♪

naturalsoft

文字の大きさ
上 下
42 / 100

迷路!迷子!?助けてーーー!

しおりを挟む
シオン達は巨大な熊の魔物を倒した後、周囲を探索し、ドワーフが住んでいると思われる人工物を発見した。

「さて、この扉をどうしようか?」

検問所の様な堅牢な作りの建物に、鉄で出来た頑丈な扉があり閉じていたのだ。

「う~ん!開きませんね~」

スフィアが扉を一生懸命に押したが、うんともすんとも言わなかった。

「ちょっとスフィア!不用意に触ると危ないわよ?」

「えっ?」

シオンの忠告に振り替えると、シオン達の足下が割れてシオン達は地面に落ちていった。

「シオーーーーン!!!みんなーーーー!!!!」

少し離れた場所にあった馬車には、スピカと獣人族の道案内が居て無事だった。

「「「キャーーーーーーーーーーー!!!!」」」

ポフッ!?

落ちた地面は砂地で、怪我はなかった。

「あたたた…………いったい何が?」

辺りを見渡すと、光ゴケが生えていて地下なのにある程度、見えていた。

「地下に落ちた?」

上を見るとすでに閉まっており、光は見えなかった。

「ここがドワーフの住む場所なのかしら?」
「どうかのぅ?魔物を落として始末する落とし穴じゃぞ?」

確かに、上からどんどん落ちてくるとヤバいよね!

「取り敢えず進みましょうか?」
「ええ、そうね。このダメ精霊様のせいで大変な事になっているからね!」

スフィアは涙目で訴えた。

「落とし穴があるなんてわかりませんよ~!」

「あ~はいはい!泣かない泣かない!」

グズっているスフィアの手を繋ぎ、歩き始めた。

テクテクテク…………
テクテクテク…………

似たような場所を歩いている感じではあったが、迷路のような地下通路を進んでいくシオン達。

「あっ!そこに罠っぽいのがあるわよ?」

「ほぇ?」

シオンの言葉に一歩遅れて止まったスフィアの足は、何かを踏んでしまった。

シュッ!!!

壁から弓矢が飛んできて、スフィアの目の前を通り過ぎた。

「…………………え?」

スフィアは何が起こったのか分からず、茫然としていた。

はっ!?

「うぎゃーーーーー!!!!!何ですか!これーーーーー!!!!!」

手をバンザーイの状態でパニックったスフィアをシオンは黙らせた!

といっ!

「ふぎゅっ!」

頭にチョップを喰らわせ、スフィアは涙目でシオンを見た。

「何するんですか!?」

「パニクらないの!あちらこちらに罠があるみたいだから、下手に歩き廻ると危険よ?」

ブルブル
ガクガク

スフィアや玉藻などは顔を青くして頷いた。
シオン達はゆっくりと慎重に移動した。

ある所では、落とし穴に(トゲ付き)にスフィアが落ちそうになり、またある時は丸い石が転がってきてスフィアが追い掛けられ、さらにまたある時は、天井が降りてきてスフィアがプレスされそうになったり……………


「ちょっと待って下さい!なんで私ばかり罠に掛かるんですか!悪意を感じます!リテイクを申請します!」

スフィアが訳のわからない事を言い出してきたので、シオンは言った。
(スフィア、リテイクはまた同じ事をやる事だよ?)

「だって貴女はボケ要員じゃない?」

ガーーーーン!!!!!

床に手を付き、打ちひしがれるスフィアだった。

「でも!シオンばかり罠を回避するのはおかしいです!」
「ああ、だって私は緑聖魔術で罠を回避しているからね」

!?

プルプルと震える手でシオンを指差していった。

「「先に教えなさい!!!!!」」

これには玉藻も便乗して叫んだ!

「ごめん!ごめん!でも、致死性の罠は避けてたでしょう?」

おかしい?スフィアはトゲ付き落とし穴などに掛かっていたような……………

「でもね?真面目に出口を探してたのよ?」

シオンは足下を指差すと、シオンの足下には小さな【植物の根】が伸びていた。

「これを先行させて、罠の場所を探っていたのよ♪」

「本当に緑聖魔術って便利ですよね~」

「でも、魔物も居るようだし道が複雑でまだ出口が見つからないのよね………」

シオンの顔が暗くなる。

「いや、シオンのお陰で罠を気にせず移動できるのは大きいぞぇ?本当に感謝じゃ!」

シオンとスフィアのテンションが上がりまた探索を進めるのだった。










「ハァハァ………」

随分と時間が経ったが、いまだに出口を見付けれないシオン達だった。

「1度、ここで本格的な休憩を取りましょう」

シオン達は行き止まりの通路で休憩することにした。一方通行なので、魔物に襲われたら逃げ場がないが、シオンが緑聖魔術で木の蔦で通路を塞いだ為に安心して休憩出来た。

問題は食料と水が無いことだ。いや、実はスフィアが魔法で水を出せるので、意外な所でスフィアが生命線と言っても良いだろう。

つまり、スフィアの機嫌を損ねると飲み水を出して貰えないため下克上がおきていた!?

……………ことは無かった。

「ほらスフィア、水を出して」
「はいっ!ただいま!」

この状態はスフィアのせいなので、シオンの機嫌を損ねると罠に嵌められて酷い目に合うので、スフィアは下手に出ているのであった。

「スフィア殿のお陰で何とか数日は大丈夫であるがのぅ…………正直、出られるのか不安じゃな」

「大丈夫よ!明日、もうしばらく探索して出口がなければ、最終手段を使うから」

シオンが自信満々に言い切った。






しおりを挟む
ツギクルバナー
感想 4

あなたにおすすめの小説

巻き込まれ召喚・途中下車~幼女神の加護でチート?

サクラ近衛将監
ファンタジー
商社勤務の社会人一年生リューマが、偶然、勇者候補のヤンキーな連中の近くに居たことから、一緒に巻き込まれて異世界へ強制的に召喚された。万が一そのまま召喚されれば勇者候補ではないために何の力も与えられず悲惨な結末を迎える恐れが多分にあったのだが、その召喚に気づいた被召喚側世界(地球)の神様と召喚側世界(異世界)の神様である幼女神のお陰で助けられて、一旦狭間の世界に留め置かれ、改めて幼女神の加護等を貰ってから、異世界ではあるものの召喚場所とは異なる場所に無事に転移を果たすことができた。リューマは、幼女神の加護と付与された能力のおかげでチートな成長が促され、紆余曲折はありながらも異世界生活を満喫するために生きて行くことになる。 *この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。 **週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?

はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、 強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。 母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、 その少年に、突然の困難が立ちはだかる。 理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。 一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。 それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。 そんな少年の物語。

【本編完結】転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!

ミミリン
恋愛
小学校教師として長年勤めた独身の皐月(さつき)。 退職間近で突然異世界に転生してしまった。転生先では醜いどうしようもない貴族令嬢リリア・アルバになっていた! 私を陥れようとする兄から逃れ、 不器用な大人たちに助けられ、少しずつ現世とのギャップを埋め合わせる。 逃れた先で出会った訳ありの美青年は何かとからかってくるけど、気がついたら成長して私を支えてくれる大切な男性になっていた。こ、これは恋? 異世界で繰り広げられるそれぞれの奮闘ストーリー。 この世界で新たに自分の人生を切り開けるか!?

公爵家次男はちょっと変わりモノ? ~ここは乙女ゲームの世界だから、デブなら婚約破棄されると思っていました~

松原 透
ファンタジー
異世界に転生した俺は、婚約破棄をされるため誰も成し得なかったデブに進化する。 なぜそんな事になったのか……目が覚めると、ローバン公爵家次男のアレスという少年の姿に変わっていた。 生まれ変わったことで、異世界を満喫していた俺は冒険者に憧れる。訓練中に、魔獣に襲われていたミーアを助けることになったが……。 しかし俺は、失敗をしてしまう。責任を取らされる形で、ミーアを婚約者として迎え入れることになった。その婚約者に奇妙な違和感を感じていた。 二人である場所へと行ったことで、この異世界が乙女ゲームだったことを理解した。 婚約破棄されるためのデブとなり、陰ながらミーアを守るため奮闘する日々が始まる……はずだった。 カクヨム様 小説家になろう様でも掲載してます。

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。

sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。 目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。 「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」 これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。 なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

側妃に追放された王太子

基本二度寝
ファンタジー
「王が倒れた今、私が王の代理を務めます」 正妃は数年前になくなり、側妃の女が現在正妃の代わりを務めていた。 そして、国王が体調不良で倒れた今、側妃は貴族を集めて宣言した。 王の代理が側妃など異例の出来事だ。 「手始めに、正妃の息子、現王太子の婚約破棄と身分の剥奪を命じます」 王太子は息を吐いた。 「それが国のためなら」 貴族も大臣も側妃の手が及んでいる。 無駄に抵抗するよりも、王太子はそれに従うことにした。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

処理中です...