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リーヴィルは驚愕していた。
龍族は力が強い方のいう事を聞く風習があるが、リーヴィルはシオンに辱しめられただけで、力で負けたとは思っていなかった。
機会があればリベンジすると決めていたのだ。
しかし…………
「これはっ!?」
リーヴィルの歓迎会と称してどんちゃん騒ぎの真っ只中である。
そして、シオンの手料理を食べたリーヴィルは…………
シオンの手料理の虜になったのでした♪
「うまーーーい!!!こんな美味な物、初めて食べた!」
う~ん?龍族の料理は焼くだけのアバウトな料理ばかりなので、カレーやシチューといった香辛料を使った料理は無かったのだ。
まぁ、そもそも龍の姿で徘徊して、魔物を丸飲みするのが普通なのだから。料理が発達してこなかったのもわかる。
「リーヴィル~!こっちの料理も出来たよ~!」
次々に運ばれてくる料理に、リーヴィルは当初の思いを忘れて、シオンの料理に夢中になっていた。
ガツガツッ!
ムシャムシャ!
ガツガツッ!
ムシャムシャ!
「ぷはっー!うまい!」
満足そうに唸るリーヴィルに、シオンは特製プリンを出した。
「食後に最適な特製プリンですよ~」
「プリン?」
「そう、満腹なお腹でも食べられる至高の逸品だよ♪食べたい?」
そーと、プリンを離していくシオン。
「待って!それを食べさせて!?」
「どーしよーかなー?」
「ああ!お願いします~♪シオン様~♪」
そこには最初の凛々しい姿は無かった。
すでに恋するトロトロに溶けた顔で目をハートマークにしたリーヴィルがそこにいた。
そう、シオンの手料理に恋しちゃったのだ!
「だったらドランとの馴れ初めを教えなさい♪どこが好きになったの~?」
「あ~ん!シオン様のイケズ!ドラン様とは何もないです。ドラン様は龍族でも強さが上位者ですし、現龍族の長の息子ですから憧れている者が多いのですよ~」
「えー!リーヴィルはドランの事が好きじゃないの?」
「ただの憧れですよ~♪早く、私に至高のプリンを~!」
なーんだ!つまんなーい!
シオンはリーヴィルにプリンを渡して残念がった。
こうして夜はふけていった。
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
翌朝─
ずーーーーーん!!!!!
自己嫌悪に陥ったリーヴィルがいました。
「私は、なんてことを…………うぅぅ!」
両手で顔を覆い、1人で泣いていた。
「リーヴィルさ~ん!起きてますか~?」
スフィアがリーヴィルを起こしにきた。
「んっ!?」
ごしごしと顔を拭いて、スフィアと一緒に食堂へ向かった。
「あっ、リーヴィル!おはよー!」
食事の用意をしていたシオンが挨拶をしながら、朝食を作っていた。
「シオン!お、お願いがある………」
最後の方は声が小さくなるリーヴィルであった。
「ん?なになにー?」
「もう1番だけ勝負をして欲しい。………真面目な勝負を………」
また辱しめられるかも?という恐怖があったが、龍族としての誇りに掛けて負けるなら正々堂々と拳を交えて負けたいと思ったのだ。
シオンは少し考えてから了承した。
「良いですかシオン?昨日と違って真面目に勝負をしてくださいね?」
「わかってるって!」
朝食を食べてから修道院の裏庭に出ると、人魚達が水浴びをしていた。
「あらあら?何かしら?」
「シオンだし面白いことだわ♪」
人魚達は娯楽に飢えていた。
人魚達の観衆の中、シオンとリーヴィルの決闘が始まろうとしていた。
「昨日の様にはいかないわ!」
真っ赤なビキニアーマーを着ており、手には槍を構えたリーヴィルが本気の態勢で挑んできた。
「さぁ!どっからでも掛かってきなさい!」
シオンも準備が整っている。
「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
地面を駆けて突進してきたリーヴィルに、シオンはウッド君を召喚した。
「ウッド君!出番だよ!」
一瞬で現れたウッド君に構わずリーヴィルは槍を突いた!
ガギンッ!?
ウッド君は左手を盾にして防いだが、槍は貫通してウッド君の左手を破壊していた。
「ウッド君!大丈夫!?」
シオンはすぐにウッド君の左手を回復させると、ウッド君は右手を剣に変えてリーヴィルに斬りかかった!
ギンギン!
ギンギン!
お互い応酬に、息を飲んで見守る周囲の観衆。手に汗を握る戦いとはこの事だろう!
ってか、リーヴィルの猛攻を俊敏に反応して動く姿は、ゴーレムではありえない動きであった。しかし、リーヴィルも負けてはいなかった!否、リーヴィルの方が押していたのだ。
そして遂にリーヴィルはウッド君を両断した。
「ウッドーーーーーーーくーーーーーーん!!!!!」
ウッド君は地面に溶けるように消えていった。
「ハァハァ…………、やったぞ!私の勝ちだ!」
?
「何を言っているの?所詮は【ノーマルウッド君】を倒したに過ぎないわ。彼は百天王(四天王)の中でも最弱の部類よ。本当の戦いはこれからだからね!」
シオンは99体のウッド君を召喚した。
「はっ!?」
リーヴィルは一瞬、理解が出来なかった。やっと倒したゴーレムが一気に99体も現れたのだから…………
ヒソヒソ
「うわぁ~えげつないですね~シオンは」
「シオンはやることが酷いのじゃ」
『シオンは凄いの~』
修道院のメンバーからも非難の声が上がった。
「チッチッチッ!このウッド君は手を出さないよ?私の力を知ってもらう為に召喚しただけだから。ここからは本当にタイマンで戦ってあげるわ!」
シオンの言葉にリーヴィルはシオンの力を思い知るのだった。
「舐めるな!直接なら負けない!」
リーヴィルは残りの気力を振り絞り、シオンへ向かっていった。
龍族は力が強い方のいう事を聞く風習があるが、リーヴィルはシオンに辱しめられただけで、力で負けたとは思っていなかった。
機会があればリベンジすると決めていたのだ。
しかし…………
「これはっ!?」
リーヴィルの歓迎会と称してどんちゃん騒ぎの真っ只中である。
そして、シオンの手料理を食べたリーヴィルは…………
シオンの手料理の虜になったのでした♪
「うまーーーい!!!こんな美味な物、初めて食べた!」
う~ん?龍族の料理は焼くだけのアバウトな料理ばかりなので、カレーやシチューといった香辛料を使った料理は無かったのだ。
まぁ、そもそも龍の姿で徘徊して、魔物を丸飲みするのが普通なのだから。料理が発達してこなかったのもわかる。
「リーヴィル~!こっちの料理も出来たよ~!」
次々に運ばれてくる料理に、リーヴィルは当初の思いを忘れて、シオンの料理に夢中になっていた。
ガツガツッ!
ムシャムシャ!
ガツガツッ!
ムシャムシャ!
「ぷはっー!うまい!」
満足そうに唸るリーヴィルに、シオンは特製プリンを出した。
「食後に最適な特製プリンですよ~」
「プリン?」
「そう、満腹なお腹でも食べられる至高の逸品だよ♪食べたい?」
そーと、プリンを離していくシオン。
「待って!それを食べさせて!?」
「どーしよーかなー?」
「ああ!お願いします~♪シオン様~♪」
そこには最初の凛々しい姿は無かった。
すでに恋するトロトロに溶けた顔で目をハートマークにしたリーヴィルがそこにいた。
そう、シオンの手料理に恋しちゃったのだ!
「だったらドランとの馴れ初めを教えなさい♪どこが好きになったの~?」
「あ~ん!シオン様のイケズ!ドラン様とは何もないです。ドラン様は龍族でも強さが上位者ですし、現龍族の長の息子ですから憧れている者が多いのですよ~」
「えー!リーヴィルはドランの事が好きじゃないの?」
「ただの憧れですよ~♪早く、私に至高のプリンを~!」
なーんだ!つまんなーい!
シオンはリーヴィルにプリンを渡して残念がった。
こうして夜はふけていった。
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翌朝─
ずーーーーーん!!!!!
自己嫌悪に陥ったリーヴィルがいました。
「私は、なんてことを…………うぅぅ!」
両手で顔を覆い、1人で泣いていた。
「リーヴィルさ~ん!起きてますか~?」
スフィアがリーヴィルを起こしにきた。
「んっ!?」
ごしごしと顔を拭いて、スフィアと一緒に食堂へ向かった。
「あっ、リーヴィル!おはよー!」
食事の用意をしていたシオンが挨拶をしながら、朝食を作っていた。
「シオン!お、お願いがある………」
最後の方は声が小さくなるリーヴィルであった。
「ん?なになにー?」
「もう1番だけ勝負をして欲しい。………真面目な勝負を………」
また辱しめられるかも?という恐怖があったが、龍族としての誇りに掛けて負けるなら正々堂々と拳を交えて負けたいと思ったのだ。
シオンは少し考えてから了承した。
「良いですかシオン?昨日と違って真面目に勝負をしてくださいね?」
「わかってるって!」
朝食を食べてから修道院の裏庭に出ると、人魚達が水浴びをしていた。
「あらあら?何かしら?」
「シオンだし面白いことだわ♪」
人魚達は娯楽に飢えていた。
人魚達の観衆の中、シオンとリーヴィルの決闘が始まろうとしていた。
「昨日の様にはいかないわ!」
真っ赤なビキニアーマーを着ており、手には槍を構えたリーヴィルが本気の態勢で挑んできた。
「さぁ!どっからでも掛かってきなさい!」
シオンも準備が整っている。
「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
地面を駆けて突進してきたリーヴィルに、シオンはウッド君を召喚した。
「ウッド君!出番だよ!」
一瞬で現れたウッド君に構わずリーヴィルは槍を突いた!
ガギンッ!?
ウッド君は左手を盾にして防いだが、槍は貫通してウッド君の左手を破壊していた。
「ウッド君!大丈夫!?」
シオンはすぐにウッド君の左手を回復させると、ウッド君は右手を剣に変えてリーヴィルに斬りかかった!
ギンギン!
ギンギン!
お互い応酬に、息を飲んで見守る周囲の観衆。手に汗を握る戦いとはこの事だろう!
ってか、リーヴィルの猛攻を俊敏に反応して動く姿は、ゴーレムではありえない動きであった。しかし、リーヴィルも負けてはいなかった!否、リーヴィルの方が押していたのだ。
そして遂にリーヴィルはウッド君を両断した。
「ウッドーーーーーーーくーーーーーーん!!!!!」
ウッド君は地面に溶けるように消えていった。
「ハァハァ…………、やったぞ!私の勝ちだ!」
?
「何を言っているの?所詮は【ノーマルウッド君】を倒したに過ぎないわ。彼は百天王(四天王)の中でも最弱の部類よ。本当の戦いはこれからだからね!」
シオンは99体のウッド君を召喚した。
「はっ!?」
リーヴィルは一瞬、理解が出来なかった。やっと倒したゴーレムが一気に99体も現れたのだから…………
ヒソヒソ
「うわぁ~えげつないですね~シオンは」
「シオンはやることが酷いのじゃ」
『シオンは凄いの~』
修道院のメンバーからも非難の声が上がった。
「チッチッチッ!このウッド君は手を出さないよ?私の力を知ってもらう為に召喚しただけだから。ここからは本当にタイマンで戦ってあげるわ!」
シオンの言葉にリーヴィルはシオンの力を思い知るのだった。
「舐めるな!直接なら負けない!」
リーヴィルは残りの気力を振り絞り、シオンへ向かっていった。
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