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やってきたよー!
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シオンが修道院へやって来てちょうど1ヶ月経った。もう1ヶ月と思うか、まだ1ヶ月と思うかは当事者の心情によるだろう。
まさに濃い1ヶ月であった。守護精霊スフィアと契約をして、エルフの集落を魔物から助けて、山頂に封印されし龍王を呪縛から救いだし、そして人魚のセレスと知り合った。
まさに、波乱万丈の人生であった。
そしてシオンは北方修道院(シャングリラ)で、静かに幸せに暮らしましたとさ。
おしまい。
・
・
・
・
・
・
・
・
「よ~し!できた!!!」
シオンは机から立ち上がると、う~んと背伸びをして身体を伸ばした。
「あら?シオン、ようやく終わったの?」
ちょうど洗い物を終わらせたスピカがやって来た。どうやらシオンは朝からやっていたらしい。
「ええ、ちょうど終わったわ♪ふっふっふっ、この【自伝】が野に出回ればベストセラー間違い無しよ!なろう出版社のランキング上位を独占し、コミカライズ化やアニメ化など間違い無しよ!うへへへ♪」
「へ、へぇ~?」
よく分からないと言った感じのスピカだったが取り敢えず凄そうな感じだったので頷いた。
どうやらシオンは【日記】を書いていたらしい。まったく紛らわしい事をしやがって!
「日記じゃなくて自伝だってーの!!!」
(o゜∀゜)=○)´3`)∴グフッ
「シオン、誰にいっているの?」
相変わらずのシオンの行動に、やれやれとスピカはため息を付くのだった。
そして、穏やかな日の昼下がり─
コンコンッ
コンコンッ
誰も来るはずのない修道院に来訪者が訪れた。
ビクッ!?
「だ、誰かきたよ!?どうしよう!」
急にアワアワと狼狽えるシオンに、守護精霊スフィアが何の躊躇いもなく、はーい!と言って扉を開いた。
「あっ!ちょっと待ちなさい!?」
シオンの心の準備が整う前に能天気精霊は扉を開けてしまった。
「シオン、どうしたのですか?」
「あんたこそ、どうして確認もせずに扉を開くのよ!扉の向こうにいるのが暗殺者だったらどうするの!死ぬわよ!?」
シオンの物言いにスフィアはお腹を抱えて笑った!
「あははははっ!シオン、それは心配し過ぎですよ~小説の読みすぎです」
そして、笑いながら扉の外に視線を戻すと…………
「はぇへ?」
スフィアの頭上から振りかぶった槍の刃が襲い掛かってきた!?
間の抜けた声を出したスフィアは、何が起こったのか理解出来なかった。せめてもの救いは、槍の刃はスフィアのすぐ横を通り過ぎて、修道院の床に大きな傷を付けるに至っただけだった。
少しして、スフィアは何が起こったのか理解し、跳び跳ねて叫んだ!
「うぎゃーーーーーーーー!!!!!!何?なんなの?何これ!?何コレ!??何なんですかーーーーーーー!!!!!!」
パニックになったスフィアはシオンに抱きついた。
「ぐぇっ!?苦しいって!だから言ったじゃん!」
「えぐえぐえぐっ!!!ごわがっだよ~!」
あ~よしよしよし…………
スフィアを慰めながら、外をみると誰かが倒れていた。
「二人ともじゃれていないで、見に行きますよ」
冷静な?スピカが外に出てみると、見知った顔の人物が倒れていた。
「あ、あれ?セレス!?」
そう、人魚のセレスであった。
「ねぇ!しっかりして!!!」
「み、みず…………」
うわごとの様にセレスは言った。
「よし!ミミズが欲しいんだね?」
スパッン!
「そんなボケは要りません!はい、水ですよ」
スピカがすぐに水を持ってきた。
ごくごくっ!
「ふぁっ~助かりました。ちょっと日射しが強くて立ち眩みしてしまいました」
セレスを修道院へ入れて詳しく事情を聞いた。
「突然、槍が頭から落ちてくるのでビックしましたよ!」
プリプリと可愛く怒るスフィアに、セレスは頭を下げて話した。長い槍トライデントは人魚族の主流の武器だそうだ。立ち眩みで倒れて、槍もそのまま倒れたのだろう………
「この前は本当にありがとうございました。シオンさんから頂いた樹縛玉には助かりました。簡単に魚人族を撃退出来ました」
「役に立てて良かったです」
そして、セレスは本題に入った。
「あの断崖の砂浜なのですが、シオンさんのご好意で、すでに50人(匹)ほどの人魚が砂浜へ移住し、すでに住みかも整いつつあります。シオンさんの建てられたコテージでしたか?とても他の人魚達に好評で喜んでおります」
うんうん♪喜んでくれているみたいで良かったよ!良いことはするもんだね♪
するとセレスは腰にある、前にあげたカバンをテーブルに置いた。
「本日は御礼にきたのです。取り敢えずこれをどうぞ」
カバンからは【大粒の真珠】が出てきた。それも装飾品として加工させているもので、ネックレスやイヤリング、指輪など様々であった。
かなりの精巧な作りで、コーラルやシェルといった物と組み合わせてあり、とても美しい作りであり見る者を魅了した。
「綺麗………」
スピカとスフィアもその宝石類に釘付けである。
「シオンさんには、もう一軒コテージを建てて欲しいと思いお持ち致しました。これは前金代わりです。後日、またお持ちしますのでお願い出来ますか?」
「はいっ!お任せ下さい!」
シオンはマッハで返事をするのであった。
まさに濃い1ヶ月であった。守護精霊スフィアと契約をして、エルフの集落を魔物から助けて、山頂に封印されし龍王を呪縛から救いだし、そして人魚のセレスと知り合った。
まさに、波乱万丈の人生であった。
そしてシオンは北方修道院(シャングリラ)で、静かに幸せに暮らしましたとさ。
おしまい。
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シオンは机から立ち上がると、う~んと背伸びをして身体を伸ばした。
「あら?シオン、ようやく終わったの?」
ちょうど洗い物を終わらせたスピカがやって来た。どうやらシオンは朝からやっていたらしい。
「ええ、ちょうど終わったわ♪ふっふっふっ、この【自伝】が野に出回ればベストセラー間違い無しよ!なろう出版社のランキング上位を独占し、コミカライズ化やアニメ化など間違い無しよ!うへへへ♪」
「へ、へぇ~?」
よく分からないと言った感じのスピカだったが取り敢えず凄そうな感じだったので頷いた。
どうやらシオンは【日記】を書いていたらしい。まったく紛らわしい事をしやがって!
「日記じゃなくて自伝だってーの!!!」
(o゜∀゜)=○)´3`)∴グフッ
「シオン、誰にいっているの?」
相変わらずのシオンの行動に、やれやれとスピカはため息を付くのだった。
そして、穏やかな日の昼下がり─
コンコンッ
コンコンッ
誰も来るはずのない修道院に来訪者が訪れた。
ビクッ!?
「だ、誰かきたよ!?どうしよう!」
急にアワアワと狼狽えるシオンに、守護精霊スフィアが何の躊躇いもなく、はーい!と言って扉を開いた。
「あっ!ちょっと待ちなさい!?」
シオンの心の準備が整う前に能天気精霊は扉を開けてしまった。
「シオン、どうしたのですか?」
「あんたこそ、どうして確認もせずに扉を開くのよ!扉の向こうにいるのが暗殺者だったらどうするの!死ぬわよ!?」
シオンの物言いにスフィアはお腹を抱えて笑った!
「あははははっ!シオン、それは心配し過ぎですよ~小説の読みすぎです」
そして、笑いながら扉の外に視線を戻すと…………
「はぇへ?」
スフィアの頭上から振りかぶった槍の刃が襲い掛かってきた!?
間の抜けた声を出したスフィアは、何が起こったのか理解出来なかった。せめてもの救いは、槍の刃はスフィアのすぐ横を通り過ぎて、修道院の床に大きな傷を付けるに至っただけだった。
少しして、スフィアは何が起こったのか理解し、跳び跳ねて叫んだ!
「うぎゃーーーーーーーー!!!!!!何?なんなの?何これ!?何コレ!??何なんですかーーーーーーー!!!!!!」
パニックになったスフィアはシオンに抱きついた。
「ぐぇっ!?苦しいって!だから言ったじゃん!」
「えぐえぐえぐっ!!!ごわがっだよ~!」
あ~よしよしよし…………
スフィアを慰めながら、外をみると誰かが倒れていた。
「二人ともじゃれていないで、見に行きますよ」
冷静な?スピカが外に出てみると、見知った顔の人物が倒れていた。
「あ、あれ?セレス!?」
そう、人魚のセレスであった。
「ねぇ!しっかりして!!!」
「み、みず…………」
うわごとの様にセレスは言った。
「よし!ミミズが欲しいんだね?」
スパッン!
「そんなボケは要りません!はい、水ですよ」
スピカがすぐに水を持ってきた。
ごくごくっ!
「ふぁっ~助かりました。ちょっと日射しが強くて立ち眩みしてしまいました」
セレスを修道院へ入れて詳しく事情を聞いた。
「突然、槍が頭から落ちてくるのでビックしましたよ!」
プリプリと可愛く怒るスフィアに、セレスは頭を下げて話した。長い槍トライデントは人魚族の主流の武器だそうだ。立ち眩みで倒れて、槍もそのまま倒れたのだろう………
「この前は本当にありがとうございました。シオンさんから頂いた樹縛玉には助かりました。簡単に魚人族を撃退出来ました」
「役に立てて良かったです」
そして、セレスは本題に入った。
「あの断崖の砂浜なのですが、シオンさんのご好意で、すでに50人(匹)ほどの人魚が砂浜へ移住し、すでに住みかも整いつつあります。シオンさんの建てられたコテージでしたか?とても他の人魚達に好評で喜んでおります」
うんうん♪喜んでくれているみたいで良かったよ!良いことはするもんだね♪
するとセレスは腰にある、前にあげたカバンをテーブルに置いた。
「本日は御礼にきたのです。取り敢えずこれをどうぞ」
カバンからは【大粒の真珠】が出てきた。それも装飾品として加工させているもので、ネックレスやイヤリング、指輪など様々であった。
かなりの精巧な作りで、コーラルやシェルといった物と組み合わせてあり、とても美しい作りであり見る者を魅了した。
「綺麗………」
スピカとスフィアもその宝石類に釘付けである。
「シオンさんには、もう一軒コテージを建てて欲しいと思いお持ち致しました。これは前金代わりです。後日、またお持ちしますのでお願い出来ますか?」
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