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謁見の始まり
しおりを挟む大勢の視線が集まる中を真っ直ぐ歩いて行きます。
なんでしょうね。
周りの貴族達の視線が痛いですわ。
シオンは緊張している兄の手を繋いだ。
コソッ
「大丈夫です。胸を張って下さい」
「うん」
前を歩く両親が立ち止まり片膝を着きました。
私達もそれに習います。
「よく来てくれた!イージス男爵よ!」
「はっ!皇王陛下の招集に参りました!」
皇王ルークは隣に控えていた宰相に目配りした。
「まずは、長年に渡りイージス領で生産されていた地酒がヴァーボンド伯爵家によって中身を入れ替えられ不当に『転売』されていた問題について、気付くのが遅れてしまい大変申し訳ございませんでした。そのお詫びとして、ヴァーボンド伯爵家の隣接する領地の一部をイージス男爵領に組み込み、『イージス子爵』として陞爵致します」
「はっ!ありがたく拝命致します!」
宰相は周囲の貴族達を見渡して言った。
「アルト王弟殿下から現在の地酒の生産量を3倍に上げるよう申請があったと思いますが、いつ頃から増産できそうでしょうか?」
地酒『精霊の水』は貴族の間では大人気なのだ。本日集まった貴族達の1番の気になる事案であった。
「はい!ちょうど話がくる前に酒造を増築した所で、現状の5倍の生産量になる見込みです!」
おおっ!?
貴族達から歓喜の声が上がった。
ようやく手に入り易くなるからだ。
「それは素晴らしい!ただ、出来ればもう少し増産してくれるとありがたい。これは隣国の王家にプレゼントしたところ大変気に入られて、交易にも使えそうなのだ。徐々にで構わないので味が落ちないよう増産を宰相としてお願いしたい」
なんと!
隣国でも人気なんだね。
「かしこまりました!至急、人を集めてさらなる酒造を増築致します!」
ワアァァァァァアアアア!!!!!!
歓声が上がった。
皇王も止めることもなく嬉しそうな顔で見守った。
「それは良かった。これで価格も落ち着くでしょう」
うんうん!
金貨10枚なんてあり得ないですわ!
まぁ、金貨1枚でも多いと思いますけどね。
「イージス男爵………失礼、イージス子爵に感謝する!」
「ははっ!」
お父様は上げていた顔を下げて礼を取った。
「さて、ここまではイージス子爵の英断に感謝しよう。問題はこれからの議題である!」
急に空気が変わった。先程まで騒いでいた貴族達も敏感に感じとり口を閉じた。
シオンは話される前に口を止めるには今しかないと思い口を開いた。
「お待ち下さい!不敬を承知で申し上げます!その議題について先王様と元教皇様が国が混乱するので身内でよく議論してから公開するよう進言があったはずです!」
シオンの叫ぶような声が響いた。
なんでしょうね。
周りの貴族達の視線が痛いですわ。
シオンは緊張している兄の手を繋いだ。
コソッ
「大丈夫です。胸を張って下さい」
「うん」
前を歩く両親が立ち止まり片膝を着きました。
私達もそれに習います。
「よく来てくれた!イージス男爵よ!」
「はっ!皇王陛下の招集に参りました!」
皇王ルークは隣に控えていた宰相に目配りした。
「まずは、長年に渡りイージス領で生産されていた地酒がヴァーボンド伯爵家によって中身を入れ替えられ不当に『転売』されていた問題について、気付くのが遅れてしまい大変申し訳ございませんでした。そのお詫びとして、ヴァーボンド伯爵家の隣接する領地の一部をイージス男爵領に組み込み、『イージス子爵』として陞爵致します」
「はっ!ありがたく拝命致します!」
宰相は周囲の貴族達を見渡して言った。
「アルト王弟殿下から現在の地酒の生産量を3倍に上げるよう申請があったと思いますが、いつ頃から増産できそうでしょうか?」
地酒『精霊の水』は貴族の間では大人気なのだ。本日集まった貴族達の1番の気になる事案であった。
「はい!ちょうど話がくる前に酒造を増築した所で、現状の5倍の生産量になる見込みです!」
おおっ!?
貴族達から歓喜の声が上がった。
ようやく手に入り易くなるからだ。
「それは素晴らしい!ただ、出来ればもう少し増産してくれるとありがたい。これは隣国の王家にプレゼントしたところ大変気に入られて、交易にも使えそうなのだ。徐々にで構わないので味が落ちないよう増産を宰相としてお願いしたい」
なんと!
隣国でも人気なんだね。
「かしこまりました!至急、人を集めてさらなる酒造を増築致します!」
ワアァァァァァアアアア!!!!!!
歓声が上がった。
皇王も止めることもなく嬉しそうな顔で見守った。
「それは良かった。これで価格も落ち着くでしょう」
うんうん!
金貨10枚なんてあり得ないですわ!
まぁ、金貨1枚でも多いと思いますけどね。
「イージス男爵………失礼、イージス子爵に感謝する!」
「ははっ!」
お父様は上げていた顔を下げて礼を取った。
「さて、ここまではイージス子爵の英断に感謝しよう。問題はこれからの議題である!」
急に空気が変わった。先程まで騒いでいた貴族達も敏感に感じとり口を閉じた。
シオンは話される前に口を止めるには今しかないと思い口を開いた。
「お待ち下さい!不敬を承知で申し上げます!その議題について先王様と元教皇様が国が混乱するので身内でよく議論してから公開するよう進言があったはずです!」
シオンの叫ぶような声が響いた。
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