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精霊の贈り物
しおりを挟む「ま、まさか守護精霊様にお会いできるとは…………」
神父さんはブルブルと感動していた。
そして、私の家族もしばらくは呆然としていましたが、我に返るとシオンに詰め寄りました。
「さてと、シオン!色々と話してもらうぞ?」
これは………正直に白状するしかないですね。
シオンは観念して生まれ変わった事を正直に話した。両親と兄様はすごく驚いて口から魂が出ていましたわ。
「まさか守護精霊アリエル様の加護とは………実は私の夢枕に『神託』が降りたのです。本日の洗礼の儀式で何かが起こると」
白ヒゲのお爺さん司祭はフードを取って頭を下げた。
「お久し振りです。覚えておいでですかな?ワイズです」
!?
「あっ、まさか【ワイズ教皇】様ですか!?」
シオンが叫ぶとワイズはニッコリと笑った。
シオンの家族はギョッとまた固まってしまった。
「もう引退しております。今は別の者に教皇の位を譲り、身体が動く内に国内を色々と見て廻っているのですよ」
カカカッと笑う姿は好感が持てる姿だった。
「アリエル様の言う通りですね。私の事がわかるという事は、シオン皇后様で間違いない!またお会いできて嬉しいですぞ!」
ワイズ教皇様は、近年稀に見る素晴らしい聖職者で、教会の腐敗を防ぎ、貧民の為に炊き出しを自ら行い、孤児院の援助にも積極的だった。
そしてそのカリスマ性も非常に高く、彼を慕う者は多かった。
それから少し長い時間を話し合ってまたお会いしましょうと言って帰っていった。
あ、神父さんには口止めをして帰りました。下手に言い触らすとアリエル様から罰がくだりますと言ったら激しく首を振って頷いてましたね。
うふふふ。
家に帰ってから家族とも長い時間を掛けて話し合いました。
「私は前世の記憶があるとはいえ、私はまぎれもなくお父様とお母様の娘です。お兄様も含めて大切な家族だと思っています」
「…………そうだな。いくらシオン皇后様の記憶を持っているとはいえ、お前は私達の大切な娘に変わりはない」
こうして改めて家族としての絆を確かめるきっかけになりました。
「今世では前世の知識を活用して、大切な家族の為に裕福な生活を送れるよう頑張りますわ!」
慎ましい暮らしも結構ですが、お金はあっても困りませんからね♪
「そういえばアリエル様が裏の森に行けば良いものが見つかると仰っていましたね」
「そうだね。なんだろうね?」
精霊様の言葉を信じますか!
翌日、お父様は仕事があるので、お母様とお兄様の三人で裏の森の探索に出掛けました。
それなりに広い森です!
「昔はここにも火山灰が降って植物が枯れたのよね~」
「こんな所までですか!?」
うちの屋敷は辺境の地でも中央寄りなのですが、本当に広範囲に降ったのですね。
「でも木々ばかりで何もないな?」
木々が深く薄暗いです。
「そうね~あるのは草ばかり。アリエル様は何があると言ったのかしら?」
確かに生い茂る草ばかりね…………うん?
なんだろう?昔の………前世で見た事があるような……?
シオンは目の前の草を抜いて、ジロジロと観察してみると──
「これですわーーーーーー!!!!!!」
大声で叫んでしまった。
「びっくりするだろ!それでその草がどうかしたの?」
「これは薬草ですわ」
お母様も観察すると首を傾げた。
「確かに似ていますが、いつものポーションになる薬草とは違っているわよ?」
そうでしょうね。いつもの薬草とは違いますもの♪
「ええ、そうでしょう。これは上級ポーションの原料になる『上級薬草』ですわ!滅多に自生しているものには、お目に掛かれない品物です!」
!?
「えっ!?この雑草が?」
「ええ、確か標高の高い所にしか生えないので、普段は冒険者に頼んで採ってきてもらうんです。王妃時代に献上されたのを見た事があります」
ざっと見渡して、ここに生えている上級薬草だけでも一財産ですわ♪
これは男爵家の一大プロジェクトになる予感ですわね♪
神父さんはブルブルと感動していた。
そして、私の家族もしばらくは呆然としていましたが、我に返るとシオンに詰め寄りました。
「さてと、シオン!色々と話してもらうぞ?」
これは………正直に白状するしかないですね。
シオンは観念して生まれ変わった事を正直に話した。両親と兄様はすごく驚いて口から魂が出ていましたわ。
「まさか守護精霊アリエル様の加護とは………実は私の夢枕に『神託』が降りたのです。本日の洗礼の儀式で何かが起こると」
白ヒゲのお爺さん司祭はフードを取って頭を下げた。
「お久し振りです。覚えておいでですかな?ワイズです」
!?
「あっ、まさか【ワイズ教皇】様ですか!?」
シオンが叫ぶとワイズはニッコリと笑った。
シオンの家族はギョッとまた固まってしまった。
「もう引退しております。今は別の者に教皇の位を譲り、身体が動く内に国内を色々と見て廻っているのですよ」
カカカッと笑う姿は好感が持てる姿だった。
「アリエル様の言う通りですね。私の事がわかるという事は、シオン皇后様で間違いない!またお会いできて嬉しいですぞ!」
ワイズ教皇様は、近年稀に見る素晴らしい聖職者で、教会の腐敗を防ぎ、貧民の為に炊き出しを自ら行い、孤児院の援助にも積極的だった。
そしてそのカリスマ性も非常に高く、彼を慕う者は多かった。
それから少し長い時間を話し合ってまたお会いしましょうと言って帰っていった。
あ、神父さんには口止めをして帰りました。下手に言い触らすとアリエル様から罰がくだりますと言ったら激しく首を振って頷いてましたね。
うふふふ。
家に帰ってから家族とも長い時間を掛けて話し合いました。
「私は前世の記憶があるとはいえ、私はまぎれもなくお父様とお母様の娘です。お兄様も含めて大切な家族だと思っています」
「…………そうだな。いくらシオン皇后様の記憶を持っているとはいえ、お前は私達の大切な娘に変わりはない」
こうして改めて家族としての絆を確かめるきっかけになりました。
「今世では前世の知識を活用して、大切な家族の為に裕福な生活を送れるよう頑張りますわ!」
慎ましい暮らしも結構ですが、お金はあっても困りませんからね♪
「そういえばアリエル様が裏の森に行けば良いものが見つかると仰っていましたね」
「そうだね。なんだろうね?」
精霊様の言葉を信じますか!
翌日、お父様は仕事があるので、お母様とお兄様の三人で裏の森の探索に出掛けました。
それなりに広い森です!
「昔はここにも火山灰が降って植物が枯れたのよね~」
「こんな所までですか!?」
うちの屋敷は辺境の地でも中央寄りなのですが、本当に広範囲に降ったのですね。
「でも木々ばかりで何もないな?」
木々が深く薄暗いです。
「そうね~あるのは草ばかり。アリエル様は何があると言ったのかしら?」
確かに生い茂る草ばかりね…………うん?
なんだろう?昔の………前世で見た事があるような……?
シオンは目の前の草を抜いて、ジロジロと観察してみると──
「これですわーーーーーー!!!!!!」
大声で叫んでしまった。
「びっくりするだろ!それでその草がどうかしたの?」
「これは薬草ですわ」
お母様も観察すると首を傾げた。
「確かに似ていますが、いつものポーションになる薬草とは違っているわよ?」
そうでしょうね。いつもの薬草とは違いますもの♪
「ええ、そうでしょう。これは上級ポーションの原料になる『上級薬草』ですわ!滅多に自生しているものには、お目に掛かれない品物です!」
!?
「えっ!?この雑草が?」
「ええ、確か標高の高い所にしか生えないので、普段は冒険者に頼んで採ってきてもらうんです。王妃時代に献上されたのを見た事があります」
ざっと見渡して、ここに生えている上級薬草だけでも一財産ですわ♪
これは男爵家の一大プロジェクトになる予感ですわね♪
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