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2:成長期編
切実なのです!
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シルフィーは恥を忍んでトネリコの問題を伝えた。
「現在、トネリコの千年樹が枯れてきているのです。完全に枯れてしまうと、その周辺の薬草類や動植物にも多大な影響を与えるでしょう!」
「なんと!?それは大変ですね。しかし、原因はわかっているのですか?寿命とかだと手の打ちようがありませんが?」
「正直な所、何度も調査しましたが原因の特定には到っておりません。千年樹の樹の根や樹木、枝、葉など調べましたが、特に成分などには原因はありませんでした。周辺もくまなく調べてはおりますがわからずじまいです」
ミスレインの国王であるアルフは少し考えて答えた。
「原因がわからないのに、その助けが必要だというのは私達に出来る事があると確信しているようですね?」
「はいっ!千年樹には精霊が存在すると云われており、過去には本当にその存在を確認されていました。しかし、百年ほど前から世界中の精霊が消えてしまったのです。そこで、ミスレイン公国には精霊がいるとお聴きしまして、どうか千年樹の様子を精霊に聞いて欲しいのです」
「なるほど………そういうことですか」
「報酬は私達に用意できる限りお渡し致しますので!どうか!お願い致します!」
「報酬は【なし】で良いですよ。そういうことなら協力いたしましょう!」
「はっ?」
エルフ族長シルフィーは間の抜けた声を発した。
「国の一大事なのでしょう?報酬など入りませんよ?まぁ、滞在費ぐらいはお願いしますが、話を聞く限り精霊に好かれている私の子供達がトネリコに行けば良いだけのようですからね」
驚愕の顔でシルフィーはアルフ国王の顔を見た。
「それではこちらの気がすみません!」
「う~ん………報酬は問題解決の時に改めて決めましょうか?」
「ありがとうございます!」
笑顔でお礼を言うシルフィーにドワーフ族長のガルムも頭を下げていった。
「協力、感謝致す!それと今後はワシの所にいる腕の良いドワーフ達を何人かこの国で技術を学ばせて頂く事は出来ないですかのう?」
ガルムはダメ元で頼み込んだ。技術の流出は国に取っての損失であり、秘匿すべき事項である。普通であれば断られるのだが………
「ああ、そんな事ですか。良いですよ?現在、専門技術の学校には他国の留学生も数多く招いていますし、船の推進力の技術も公開していますので何人でも来て下さい」
「なんと!本当ですかな!?」
驚きに普段、感情を余り出さないガルムも顔色を変えた。
「ええ、まぁ現実的な人数であれば問題ありませんよ。最初は10人ぐらいで少しずつ増やしていく感じですかね?住む場所も用意しないといけませんので……」
「ミスレインの国王様よ。技術力は国の宝だ!それを他国に伝えてどうするのだ?」
アルフ国王は笑って答えた。
「技術力が全体的に高まれば民の暮らしが豊かになります。それに【なるべく】戦争に流用できる技術は公開と共同研究はしておりません。後は使う者の次第ですね」
ガルムは感動していた。
「僅か建国10年でここまでミスレイン公国が豊かになった理由がわかった気がしますな!」
アルフ国王は苦笑いをして誤魔化した。
『言えない!前世のチート知識のおかげなんて死んでも言えない!?』
などと内心で考えていました。
詳しい話はまた後でしましょうか。宴の準備も整ったようですし場所を移動しましょう!」
ミスレイン城の大広間に移動した。そして、目の前の豪華な料理に唖然とした。そして回転寿司のコーナーに目を引かれた。
「うわぁ!何これ!?何これ!?面白ーい!」
シルフィーの娘であるシルクなど子供達に大人気で、大人も動いてくるお寿司に興味があった。
「すごい!変わってますね♪料理が動いて、食べたい物を自分で選んで取るのですね?」
「ええ、そうです。エルフの方々は魚は大丈夫ですか?」
「お肉は余り食べませんが、川魚などは良く食します。まぁ、余り生臭い物は苦手ですが……」
「酢飯いう酸味のあるお米に乗せてありますので、余り生臭くないと思いますよ。どうぞ、この醤油に付けてお召し上がり下さい」
もぐもぐ…
もぐもぐ…………
「あら!美味しいですわ!?」
「美味しいよー!」
親子とも美味しそうに食べる。
「このお米の味付けが良いですね!エルフもお米は食しますが、この味付けは初めてですね!」
「しかも、色々な料理(ネタ)が流れてくるので味に飽きないよね♪」
夢中で、娘と一緒に食べるシルフィーだった。
そして─
「ぷはぁー!なんじゃこれは!ものすごく旨い酒ではないか!?」
「それは米から作った純米酒ですね。スッキリした味わいと爽やかな喉ごしが特徴です」
「なんと!米からも酒が作れるのか!?」
ドワーフのガルムはやっぱりお酒がお気に入りだった。
「これからは酒の取引もしたいくらいじゃ!」
「ははっ、ではそれも今後の交流の取り入れましょうか!」
大人達の食事会も進むのであった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【後書き】
愚者の声
「なかなか進まないなー」
シオン
「そうですわねー?」
愚者の声
「でも、まだミスレイン公国の街中とか案内したいからトネリコに行くのはもう少し先かなー?」
シオン
「なかなか難しいですわね……」
愚者の声
「頑張りますのでよろしくお願い致します!」
m(_ _)m
「現在、トネリコの千年樹が枯れてきているのです。完全に枯れてしまうと、その周辺の薬草類や動植物にも多大な影響を与えるでしょう!」
「なんと!?それは大変ですね。しかし、原因はわかっているのですか?寿命とかだと手の打ちようがありませんが?」
「正直な所、何度も調査しましたが原因の特定には到っておりません。千年樹の樹の根や樹木、枝、葉など調べましたが、特に成分などには原因はありませんでした。周辺もくまなく調べてはおりますがわからずじまいです」
ミスレインの国王であるアルフは少し考えて答えた。
「原因がわからないのに、その助けが必要だというのは私達に出来る事があると確信しているようですね?」
「はいっ!千年樹には精霊が存在すると云われており、過去には本当にその存在を確認されていました。しかし、百年ほど前から世界中の精霊が消えてしまったのです。そこで、ミスレイン公国には精霊がいるとお聴きしまして、どうか千年樹の様子を精霊に聞いて欲しいのです」
「なるほど………そういうことですか」
「報酬は私達に用意できる限りお渡し致しますので!どうか!お願い致します!」
「報酬は【なし】で良いですよ。そういうことなら協力いたしましょう!」
「はっ?」
エルフ族長シルフィーは間の抜けた声を発した。
「国の一大事なのでしょう?報酬など入りませんよ?まぁ、滞在費ぐらいはお願いしますが、話を聞く限り精霊に好かれている私の子供達がトネリコに行けば良いだけのようですからね」
驚愕の顔でシルフィーはアルフ国王の顔を見た。
「それではこちらの気がすみません!」
「う~ん………報酬は問題解決の時に改めて決めましょうか?」
「ありがとうございます!」
笑顔でお礼を言うシルフィーにドワーフ族長のガルムも頭を下げていった。
「協力、感謝致す!それと今後はワシの所にいる腕の良いドワーフ達を何人かこの国で技術を学ばせて頂く事は出来ないですかのう?」
ガルムはダメ元で頼み込んだ。技術の流出は国に取っての損失であり、秘匿すべき事項である。普通であれば断られるのだが………
「ああ、そんな事ですか。良いですよ?現在、専門技術の学校には他国の留学生も数多く招いていますし、船の推進力の技術も公開していますので何人でも来て下さい」
「なんと!本当ですかな!?」
驚きに普段、感情を余り出さないガルムも顔色を変えた。
「ええ、まぁ現実的な人数であれば問題ありませんよ。最初は10人ぐらいで少しずつ増やしていく感じですかね?住む場所も用意しないといけませんので……」
「ミスレインの国王様よ。技術力は国の宝だ!それを他国に伝えてどうするのだ?」
アルフ国王は笑って答えた。
「技術力が全体的に高まれば民の暮らしが豊かになります。それに【なるべく】戦争に流用できる技術は公開と共同研究はしておりません。後は使う者の次第ですね」
ガルムは感動していた。
「僅か建国10年でここまでミスレイン公国が豊かになった理由がわかった気がしますな!」
アルフ国王は苦笑いをして誤魔化した。
『言えない!前世のチート知識のおかげなんて死んでも言えない!?』
などと内心で考えていました。
詳しい話はまた後でしましょうか。宴の準備も整ったようですし場所を移動しましょう!」
ミスレイン城の大広間に移動した。そして、目の前の豪華な料理に唖然とした。そして回転寿司のコーナーに目を引かれた。
「うわぁ!何これ!?何これ!?面白ーい!」
シルフィーの娘であるシルクなど子供達に大人気で、大人も動いてくるお寿司に興味があった。
「すごい!変わってますね♪料理が動いて、食べたい物を自分で選んで取るのですね?」
「ええ、そうです。エルフの方々は魚は大丈夫ですか?」
「お肉は余り食べませんが、川魚などは良く食します。まぁ、余り生臭い物は苦手ですが……」
「酢飯いう酸味のあるお米に乗せてありますので、余り生臭くないと思いますよ。どうぞ、この醤油に付けてお召し上がり下さい」
もぐもぐ…
もぐもぐ…………
「あら!美味しいですわ!?」
「美味しいよー!」
親子とも美味しそうに食べる。
「このお米の味付けが良いですね!エルフもお米は食しますが、この味付けは初めてですね!」
「しかも、色々な料理(ネタ)が流れてくるので味に飽きないよね♪」
夢中で、娘と一緒に食べるシルフィーだった。
そして─
「ぷはぁー!なんじゃこれは!ものすごく旨い酒ではないか!?」
「それは米から作った純米酒ですね。スッキリした味わいと爽やかな喉ごしが特徴です」
「なんと!米からも酒が作れるのか!?」
ドワーフのガルムはやっぱりお酒がお気に入りだった。
「これからは酒の取引もしたいくらいじゃ!」
「ははっ、ではそれも今後の交流の取り入れましょうか!」
大人達の食事会も進むのであった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【後書き】
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「なかなか進まないなー」
シオン
「そうですわねー?」
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「でも、まだミスレイン公国の街中とか案内したいからトネリコに行くのはもう少し先かなー?」
シオン
「なかなか難しいですわね……」
愚者の声
「頑張りますのでよろしくお願い致します!」
m(_ _)m
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