父と母は転生者!そして私は悪役令嬢・・らしいです?

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1章:過去編

閑話1『国作りはめんどくさい!』

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王国から独立する事になった。ほとんど思い付きでやった事で、急な事だったが街の人々は歓迎してくれた。ミスレイン領全てに【独立】の事を知らせ、各街や村の長を屋敷に招き今後の事を話し合った。

「まず、重大な案件を私の独断でしてしまい申し訳ありません」

私は皆に頭を下げた。

「あ、頭を上げてださい!アルフォード様に感謝こそあれ、頭を下げられるいわれはありませんよ!」

「アルフォード様のおかげで村の収穫量が増えて大変感謝しております」

「私の村では子供に学問を教えて頂き、商人になった者がおります。しかもアルフォード様が卒業生を斡旋してくれたとか・・本当に感謝していますよ」

みんなが私の事を誉めてくれる。嘘偽りなく感謝されるが、それとこれとは話が別だ。

「一歩間違えば、他の領地のように、いくら稼いでも搾取されるだけの地獄のような場所になっていました。本当に上手く行ったから良かっただけで、本当に申し訳ないと思っています」

再度頭を下げる。

「アルフォード様、もうよしましょう。我らの領地が狙われたのです。貴方は最善を尽くした。ここにいる皆さんは貴方の事をわかっています。これからのことを話しましょう」

戦でも最前線で戦ってくれたグラン男爵が皆を纏まとめる。ミスレイン領だけでは無く、私に付いて来てくれた帝国側の南西領地もこの度、ミスレイン領に統合され1つの土地となるのだ。他の領地持ち下級貴族達も参加している。

「我々にはありがたい申し入れです。今まで以上にアルフォード様の庇護下に入れるのですから」

嬉しそうに頷く参加者達。

「学校の入学から卒業後、圧倒的に少なかった細かい計算の出来る者が育って、領地の運営が楽になりました。まだまだ貧乏領地ですがアルフォード様の考案した肥料や農作技術で収穫量がかなり上がり、先の大飢饉も乗り越える事が出来ました。今後は小さな領地が個々で行っていた政策を、ミスレイン領で統一してアルフォード様のもと一括で行う事になれば政策の速度が上がるかと思われます」

具体的な提案や意見が次々に出てきて、話し合いは夜遅くまで続いた。1日では終わらないので屋敷に泊まって頂き、次の日も話し合いが行われた。そして、個人的にはどうでもよくない?と思う案件に議論がヒートアップした。

「アルフォード様は新たに国を興され、国王になられるのです!新たな国旗を創るべきです!」

「いや、すでにあるミスレイン領が独立するのだからミスレイン家の家紋を国旗にするべきだ!その方が民や近隣の諸国にも分かりやすい!」

「国とは言っているがアルフォード様は自治を認められた独立都市をメインに考えられている。そもそもまだ国の【樹立宣言】を諸外国にしていない!その事から話し合うべきだ!」

そうなのだ、独立するとは言っても正式な国としての体を取るのか、地球のバチカン市国見たいに自治をメインに運営していくのか考えがまとまっていなかったのだ。・・・本当、どうしよう?

新たに国を創るに当たっては、法律を整備してさらに硬貨も自国の物を作ったりと、はっきり言ってめんどくさい。国なった事によって迅速な行動が採れなくなる場合も想定される。ただし、法律は今の物を手直しして、硬貨もそのまま利用する事も可能だ。なにより1国の国王になる事によって、海上貿易で多額の利益を得ているミスレイン領の格が上がり、契約時に有利になる事が出来る。帝国とかも対等な立場で謁見出来る様になる。

自治のままの場合は、王国に税を払わなくて良くなり政策に口を出されなくなるので、自由に活動が出来る。ただし貿易の契約の時に、トラブルになった場合は国の後ろ楯が無くなるので不利になる場合がある。

どっちもどっちなんだよなー、こんなことならシュミレーションゲームもっとやっておくんだったorz

「バカなこと言って無いでそろそろ決めましょう。領土的に王国の1/4を手に入れたのだから自治領地では大きすぎるので、【国】として動いて行きましょう!」

シリカが途中から仕切り、あれよと言う間に決定していく。あれ?もしかして俺、要らなくない???

「アルにはシルバリオンに言ってもらうわ。交渉宜しく♪」

現在、ミスレイン領と対等に付き合ってくれる国が、シルバリオンだけだからだ。クリスのやつ元気かなぁ~1国でも対等に見てくれる所があればうちの格も上がる。交渉の余地はあるね!ただシルバリオンは遠いよ!?王国最南から北の国に行くまで片道2週間は掛かる。そんなに領地を空けていられないよ?

「ふっふっふ・・・」

シリカが意味深に笑う。なんだろう?

「遂に完成しました!転移魔法!!!!やったぜ!!!!」

シリカが壊れた・・・orz

ずっと研究していた魔法が完成して早く言いたかったらしい。よくある魔法使いがゲートを開くタイプでは無くて、ポ○スポット・・じゃなくて、ストーンサークル見たいな転移魔法陣を作りその円の中に入るとのある所に転移する仕組みだ。大きさはたたみ16畳の2部屋ぐらいの大きさで20人ぐらい同時に移動出来る広さだ。これと同じ物をシルバリオンの王宮奥深くに秘密裏に作ったのだ。クリスとはマブダチだしな。

「ようやく向こうの準備が出来て魔力が通ったのが確認出来たから今から行って欲しいのよ」

シリカは嬉しそうに言うが私は騙されないぞ!

「シリカさん?勿論、既に実験は成功して行ったり来たりは出来ているんだよ・・ね?ね?」

シリカが可愛くウインクして舌をだす(クソッ!可愛い)

「テヘペロ♪」

シリカーーーーーーーー!!!!!私を実験台にするなーーーーー!!!!!

え?!ちょっっっっっっと待ってーーーー!!!!!
私はいつの間にか脇に来た兵士に引きづられて転移装置の所まで連れて行かれる。因みに、屋敷の中庭にある。

「さぁ!起動するよ!あ、これ荷物ね。贈り物と契約書が入っているからね」

シリカに旅行カバンを渡される。夕方ぐらいには戻って来てねと言われた。・・・戻って来れるよね?ね?

起動は簡単、特殊加工した魔石を埋め込んだ指輪に行き先を唱えるだけ・・

ブォーン

一瞬魔力が充ちて、景色が変わる。
シュンッとゆっくり目を開け辺りを見渡すと声が上がった。

「本当に現れた!!!!!」

目の前にはクリスが居た。ずっと待っていたのかなと思ったが、シリカに手紙で今日の日付でこの時間帯に来ることを伝えられていたらしい。

「よう!久しぶり!」

私達は久しぶりに親交を温めあった。クリスが言うにはミスレイン領に軍が仕向けられた時、シルバリオン国も私を助けるためエルネシア王国に軍を派遣しようと動いていたらしい。只でさえエルネシア自体、大飢饉で他国に輸出出来る作物が無かったのにシルバリオンは自国の生産量で乗り切った。私が教えたジャガイモのおかかなりの料理も考案され、年に1回芋料理大会も出来たそうだ。

「君の危機に助けに行けず本当にすまなかった」

クリスは頭を下げたが私は気にしていない。その心意気だけで十分だったからだ。その後はお仕事をしっかりして契約書に家紋の印鑑を押して終わり。もうスムーズに終わったよ。だって書類を読んで印鑑を押すだけの簡単なお仕事です。もっと内容を議論するかなーと思ったけど、ただ国として認める事と対等な取引を出来るようにする事を認める書類だったからあっさり終わりました。
ただシルバリオンとミスレインは隣接していないので大量の物資を運ぼうとするとエルネシア王国の関税と輸送費で高額になってしまう。

だ・か・ら・こ・その転移魔法なんだよね!

大きな木箱でも2部屋の広さがある転移陣に十分、入るから一瞬で物資の移動が出来るようになる。ただ当分は秘密にしてちょっとした連絡用と貴重品の運搬専用にして、一部の者のみに伝えて極秘にしたよ。悪用されたらヤバいしね。だからクリスに王宮の奥に作って貰ったんだから。
仕事が終わるとシルバリオンを観光させて貰った。雪国ならでわの街並みや料理に舌を打ったよ。勿論お土産は忘れない!後が怖いから・・・ね。
( ノД`)

楽しい時間はあっという間過ぎて夕方に帰る事になった。そこでクリスにとんでもない提案があった。

「将来、君の子供と私の子供を結婚させないか?」

!?

まだ結婚もしてないし、シリカとそんな羨ましい事なんてしてないよ!(赤面)まだ手を繋いでデートして食事したり買い物したりするぐらいだし!まだ15歳なんだよ!?

「いや、十分適正年齢だろう・・・」

クリスが呆れ顔で呟く。そして・・・建国記念日に結婚式を挙げて更に注目度を上げれば良いじゃないかと言った。
な、なんだとーーーー!?確かに良いかも知れない!よし善は急げだ!クリスと転移の部屋に来て急ぎ帰る。今度はこちらから遊びに行くと言われた。

またまたブォーン・・・

戻って来れました。するとシリカや各責任者の方々も待って居た見たいで、お帰りなさいと言われた。私はシリカに無言で近付くとシリカの肩を掴んで言った。


「私と建国記念日に結婚してください!幸せにします!!!」


・・・・時間が止まった。


どれくらいの時間がたったかわからないがシリカが状況を把握して真っ赤になり俯いた。そしてー

「喜んでお受け致します。あ、あなた。」




ああ、可愛いなぁ~


幸せって身近にあるんだね。








◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【後書き】

《愚者の声》
久々に登場!この姿の時は遠慮無く言えちゃうんだ。まず主人公の娘さんの話になかなか行かないのですみません。挿絵の練習もしてていずれは下手なりにキャラの絵も入れれたらなーと思っています。多分、次で両親の話が終わる予定なのでもう少しお付き合い下さい。

《シオンお嬢様》
まったくいつまで待たせるのですの!この無能!バシッ!バシッ!

《愚者の声》
ぎゃっ!すみません!すみません!頑張りますのでお許しおー!(あ、ちょっと気持ちいい・・)

《シオンお嬢様》
皆様、お見苦しい所をお見せして申し訳ありません。私の敬愛する両親の幸せな結末をお楽しみ下さい。
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