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【完結】エピローグ☆
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ついにゼノン皇帝とシオン王妃の結婚式の日になりました。帝国中から多くの人々が訪れて大渋滞です。他国からも多くの人々が、祝にきてくれているのも予想以上に多かったのが原因でした。
あらかじめ帝都の外周に、一時的に選手村………コホンッ、仮設住宅を作り対応していました。
それでも足りないのでテントを張って結婚式の日まで頑張っている人々が大勢いました。
「これは、プランBをやらないとダメね」
今までは通例として金食い虫の妃を7人も娶っていただけで、平民には関係無かった事だが、今回のシオン王妃は平民の飢えを無くし職を斡旋し、生活を豊かにしてくれた恩人である。
そんな民に寄り添い、民の暮らしを良くしてくれる王妃様の結婚式!
ぜひともお祝いしたいと、帝国中から民が押し掛けてしまったという訳である。
「そうですね~~数ヶ月掛けて、帝国中をパレードしなければ、帝都がパンクしてしまいますものねぇ~」
ハルが呆れた顔で言った。
「シオン王妃様、そろそろ移動しましょう。時間ですわ」
アキが時間を気にして言ってきた。
「…………アキ、なんか変な物でも食べた?」
丁寧な口調のアキに違和感がありまくった。
ピキッ
「な、なんの事でしょうか?それより早く移動しませんと時間に遅れてしまいますわ」
「…………アキ、なんか変な物でも食べた?」
「こんちくしょーめ!なんで2回も言いやがりましたっ!?」
ムキー!とアキがキレた。
うん♪うん♪これでこそアキだよ♪
「良かった~和むわぁ~~~」
「こちとらメイド長から厳しい訓練を受けて、ここにいるんですよ!なんですか、その言い方ーーー!!!!」
「まぁまぁ、シオン王妃様も緊張しているのよ。アキの様なマスコットが入れば緊張も和むっていうことよ♪」
「ハル、それ褒めてないから………」
クスクスッと笑った。
そんな時、少し遅いとお母様がやってきました。
「シオン、とても綺麗よ」
「ありがとうございます」
お母様も涙ぐんでシオンの手を握った。
「本当は抱きしめたいけど、ウエディングドレスが崩れたら大変ですものね。………幸せになりなさい。私はいつでもシオンの幸せを願っているわ」
「………はい」
お母様の愛を感じつつ、ゼノンの待つ部屋に移動しました。
深呼吸しながらゼノンの待つ部屋に入るとお互いに息を呑んだ。
「カッコいい………」
「美しい。女神か………」
「はいはい、ごちそうさまです。サッサと会場へ行きますよ~~~」
アキが胸焼けしそうな顔で仕切った。
「はーい!」
そして、疑いもなくそれに着いていくシオンでした。
いつまで経ってもこんな単純な所は変わりませんね。
結婚式の会場は帝都にある一番大きな大聖堂で行われました。厳戒態勢が敷かれており、2人が一緒に来場した。
「病める時も健やかなる時も───」
神父様の言葉が始まりしっかりと耳を傾けます。
誓いの言葉を言った後、き、キスをします!
ああ、人生始めての異性とのキス。
うん?こんな大勢の目の前でするのって、今気付いたけど、めちゃくちゃ恥ずかしい!?
それから大勢の来客から温かい拍手を受けて、外にでました。これから、馬車に乗ってパレードです。
いや、本当に恥ずかしいよ!
パレード中、花びらが上から降り注ぎました。
「綺麗ね」
「そうだな」
まぁ、掃除が大変そうだけどね。と、どうでも良いことを考えるシオンでしたが、民に軽く手を振りながら帝都を廻りました。
市民から多くの感謝の声とお祝いの声が響いて嬉しかったです。
パレードが終わる頃には日も暮れてきており、今度は貴族だけの夜会です!
うん、忙しいねぇ~~
夜会は王城で開かれ、多くの他国の来訪者から挨拶を受けました。メイゲン伯爵家がお取り潰しとなり、真面目で厳格だと定評のある信用の置ける人物に後釜になってもらい、北の国との検問が強化された事で、少し北の国との関係が悪くなったのは事実です。
しかし、今の帝国には北の国が欲しくてやまない『砂糖』が前より安く手に入る為、関係を切る事ができないのです。
危険な品物をブロックしつつ、砂糖やシャープペンシルなど自国の物を多く輸出しているのと、正常化された帝国の軍事力は、北の国の数倍規模の為、戦争しても勝てません。それなら友好的に付き合った方が良いと言う判断なのでしょう。
そして遂に!
【初夜】
デス!デスーーーー!!!
・
・
・
・
・
・
・
・
チュンチュン………
うん、なにも語る事はありません。
ただ、今は眠らせて………ガクッ
それから一ヶ月ほどしてから、帝国中に顔見せと言う新婚旅行が始まりました。
何かと付き合いの長い東部から帝国を一周する予定です。日程が押している為、馬車の中でも書類仕事はやってますよ。これには前に紹介したシオン馬車が活躍しました。
いく先々で大歓声を受けながら帝国を廻り、ようやく西部も廻ることが出来て大満足です。
数ヶ月掛けての新婚旅行と言う名の、帝国市民への顔見せはこうして終了したのでした。
ああ、そうそう姿絵も多く量産されて各町の大きな会場などに飾られています。
お金のある方は自分の家にも飾っているそうです。
そして────
「うっ………!?」
シオン王妃様!?
新婚旅行から戻って少しして、シオン王妃が体調を崩されたと大騒ぎになった。
寝室の前には大勢の人々が心配そうに押し掛けた。
バタンッ
診察を終えて、部屋からシオンの母マリアがでてきた。
「マリア様!シオンの容態は!?」
「シオン様は大丈夫ですよねっ!?」
今にも泣きそうな顔で尋ねるゼノンやメイド達にマリアは深いため息を付いた。
「貴方達は心配し過ぎよ。仕事に戻りなさいよ」
呆れた様に言うが次の瞬間、顔が笑顔になった。
「シオンは大丈夫よ。だって『おめでた』ですもの♪」
!?
一同が驚きの表情で言葉をすぐに理解出来なかった。
「時期的に初夜で当ったわね。よくもまぁ~うちのシオンを傷者にしてくれて………」
口ではそう言うが、マリアの顔から涙が溢れた。
「まさか、こんなに早く孫の顔が見れるなんて思わなかったわ。おめでとう!」
「ほ、本当にシオンが妊娠………!?」
ワアァァァァァァァ!!!!!!
大歓声が生まれた。
「こらっ!うるさいわよ!シオンの体調を考えて静かにしなさい!」
「「「すみません………」」」
コントかっ!?と思うぐらい一斉に小声で謝った。
この情報は瞬時に帝国中に届けられた。
シオン王妃様が御懐妊!
そこからはもう大変だった。
食事などいっそう厳重になり、毒物など警戒して春夏秋冬のメンバーが食事を用意して、シオンは最低限の書類整理の仕事だけして数ヶ月過ごす事になる。
「まだ大丈夫だから仕事をさせてよ~~」
「黙りなさい!このワーカーホリックがっ!」
ハルが毒舌を吐いた。
「酷っ!?」
「最近は次期宰相さんの若手も育ってきたし、実力のある平民も雇って文官が充実しております。シオン王妃様の仕事はありません!」
「なんだってーーー!!!?」
ショボーン!
「あっ、ありました!」
「し、仕事があるの!?」
仕事、仕事をくれ~~~
仕事がやりたい病のシオンは明るくなった。
パァァァァ!!!!
「はい!元気な赤ちゃんを産むことです!」
「…………はい」
(´;ω;`)
しょぼーーーん。
こうしてなんやかんやで月日は流れて────
「大丈夫!私が絶対に元気な赤ちゃんを取り出して上げるから!」
シオンの母親が自ら助産師を買ってでて、専門家と一緒に出産に立ち会いました。幸いシオンの出産は安産だったようで、そんなに危ないこともなく、双子の赤ちゃんを出産しました。男の子と女の子です。
「はぁはぁ………私の赤ちゃん……」
「おめでとう!!!元気な赤ちゃんよ!それも双子!!!!」
元気な産声を聞きながらシオンは生まれた赤ちゃんを抱きました。
「お母様もこんな気持ちだったのね。もう言葉が出ないくらい嬉しいわ!」
「お疲れ様。本当に良かったわ」
お母様も泣いていました。
「シオン、大丈夫か………」
ゼノンも入ってきました。
「これが俺の子供………」
ゼノンは恐る恐る赤ちゃんを抱きました。
「シオン、ありがとう。本当にありがとう」
ゼノンも、むせるように泣きながら感謝の言葉を何度も言うのでした。
そして護衛の騎士達やハル、アキもお互いに抱き合い喜びを分かち合いました。
「よし!これで私の憂いは無くなった!」
はて?なんのこと???
護衛騎士の1人である宝塚風の男装礼人の女性騎士エリザが言った。
「リオン!結婚しようぜ!」
「うん!喜んで!!!!」
!?
「待て待て!どうしてそうなった!?特にエリザ、お前は百合じゃなかったの!?」
アキが慌てて突っ込んだ。
「まぁ、可愛い女の子も好きだよ?でもシオンお嬢、シオン王妃様を見てたら、女の幸せって素敵だなぁ~と思ってね」
「だからいきなり結婚ってどういうことですか!」
1番動揺したのはミスティだった。
まさか男装の女性が1番早く結婚だと!許さんぞ!!!!
「ってか、リオンも喜んでじゃないわよっ!」
「えっと、いや………俺たち前から付き合っていたし………」
!???
「バカなっ!?」
「嘘でしょう!?」
仲の良かったアキとミスティが驚きの声を上げた。
「前に私のポカでシオン様や仲間を危険な目に合せたじゃない?その時、倒れている私を命懸けで守ってくれたリオンに恋しちゃって………ポッ」
ガシッ!
「よーし!ちょっと体育館裏にいこーか?」
「そうね。エリザ、親友の私にも黙ってた言い訳をきこーか?」
「えっ?えっ???」
あーーーーれーーーーー!!!!!
アキとミスティに連れて行かれて悲鳴だけが残るのだった。
「まぁ、人の人生はそれぞれよね~~」
ハルだけは、あらあらまぁまぁな様子で見送るのでした。
そしてまた少しの月日が流れて────
「おかぁさまーー!!!」
「あらどうしたの?」
よちよちと歩く我が子を抱きしめるシオンがいた。
ガチャッ
「ああ、ここにいたのか?」
「あら?あなた。どうしたのですか?」
ゼノン皇帝が後ろに隠していた花束を出した。
「結婚記念日だ。受け取ってくれるか?」
「うふふっ、ありがとう♪嬉しいわ!」
花束を子供達にも見せた。
「きれい!」
「うん!きれいなの!」
キャッキャと騒ぐ我が子達は可愛い♪
「シオン、幸せかい?」
「ええ!とっても!」
【END】
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
【あとがき】
最後までお読み頂きありがとうございました。
100話超えで、毎日更新が1日も絶えずできたのは、読者の皆様のおかげでモチベーションが維持できたからだと思います。
まぁ、今回は半月ほど書き溜めてから投稿したので、余裕がありました。
今後の投稿について
この小説に集中する為に、他の更新が止まっている小説の続きを書きつつ、新たな連載予定の小説を、短編で一度投稿予定です。
短編で好評であれば連載していきたいと思っています。すでにほぼ書き終えているので近日中には投稿できると思います。
1万文字以上の大ボリュームですよ♪
ただ、タイトルがしっくりこないので変更する予定あり。良い案あったらコメントお願いします。
新作【タイトル】
『偉そうな幼女はオムレツが好き!妾はラブコメに飢えておる!はっ?何を言っているんだお前は?(真顔』
よろしくお願いします!
さらに、イラストを作ったけど作中に出せなかったイラストをここで公開致します。
夜の討ち入りばかりで昼間のシーン出せなかったんですよねー
では、また別の小説でお会いしましょう!
あらかじめ帝都の外周に、一時的に選手村………コホンッ、仮設住宅を作り対応していました。
それでも足りないのでテントを張って結婚式の日まで頑張っている人々が大勢いました。
「これは、プランBをやらないとダメね」
今までは通例として金食い虫の妃を7人も娶っていただけで、平民には関係無かった事だが、今回のシオン王妃は平民の飢えを無くし職を斡旋し、生活を豊かにしてくれた恩人である。
そんな民に寄り添い、民の暮らしを良くしてくれる王妃様の結婚式!
ぜひともお祝いしたいと、帝国中から民が押し掛けてしまったという訳である。
「そうですね~~数ヶ月掛けて、帝国中をパレードしなければ、帝都がパンクしてしまいますものねぇ~」
ハルが呆れた顔で言った。
「シオン王妃様、そろそろ移動しましょう。時間ですわ」
アキが時間を気にして言ってきた。
「…………アキ、なんか変な物でも食べた?」
丁寧な口調のアキに違和感がありまくった。
ピキッ
「な、なんの事でしょうか?それより早く移動しませんと時間に遅れてしまいますわ」
「…………アキ、なんか変な物でも食べた?」
「こんちくしょーめ!なんで2回も言いやがりましたっ!?」
ムキー!とアキがキレた。
うん♪うん♪これでこそアキだよ♪
「良かった~和むわぁ~~~」
「こちとらメイド長から厳しい訓練を受けて、ここにいるんですよ!なんですか、その言い方ーーー!!!!」
「まぁまぁ、シオン王妃様も緊張しているのよ。アキの様なマスコットが入れば緊張も和むっていうことよ♪」
「ハル、それ褒めてないから………」
クスクスッと笑った。
そんな時、少し遅いとお母様がやってきました。
「シオン、とても綺麗よ」
「ありがとうございます」
お母様も涙ぐんでシオンの手を握った。
「本当は抱きしめたいけど、ウエディングドレスが崩れたら大変ですものね。………幸せになりなさい。私はいつでもシオンの幸せを願っているわ」
「………はい」
お母様の愛を感じつつ、ゼノンの待つ部屋に移動しました。
深呼吸しながらゼノンの待つ部屋に入るとお互いに息を呑んだ。
「カッコいい………」
「美しい。女神か………」
「はいはい、ごちそうさまです。サッサと会場へ行きますよ~~~」
アキが胸焼けしそうな顔で仕切った。
「はーい!」
そして、疑いもなくそれに着いていくシオンでした。
いつまで経ってもこんな単純な所は変わりませんね。
結婚式の会場は帝都にある一番大きな大聖堂で行われました。厳戒態勢が敷かれており、2人が一緒に来場した。
「病める時も健やかなる時も───」
神父様の言葉が始まりしっかりと耳を傾けます。
誓いの言葉を言った後、き、キスをします!
ああ、人生始めての異性とのキス。
うん?こんな大勢の目の前でするのって、今気付いたけど、めちゃくちゃ恥ずかしい!?
それから大勢の来客から温かい拍手を受けて、外にでました。これから、馬車に乗ってパレードです。
いや、本当に恥ずかしいよ!
パレード中、花びらが上から降り注ぎました。
「綺麗ね」
「そうだな」
まぁ、掃除が大変そうだけどね。と、どうでも良いことを考えるシオンでしたが、民に軽く手を振りながら帝都を廻りました。
市民から多くの感謝の声とお祝いの声が響いて嬉しかったです。
パレードが終わる頃には日も暮れてきており、今度は貴族だけの夜会です!
うん、忙しいねぇ~~
夜会は王城で開かれ、多くの他国の来訪者から挨拶を受けました。メイゲン伯爵家がお取り潰しとなり、真面目で厳格だと定評のある信用の置ける人物に後釜になってもらい、北の国との検問が強化された事で、少し北の国との関係が悪くなったのは事実です。
しかし、今の帝国には北の国が欲しくてやまない『砂糖』が前より安く手に入る為、関係を切る事ができないのです。
危険な品物をブロックしつつ、砂糖やシャープペンシルなど自国の物を多く輸出しているのと、正常化された帝国の軍事力は、北の国の数倍規模の為、戦争しても勝てません。それなら友好的に付き合った方が良いと言う判断なのでしょう。
そして遂に!
【初夜】
デス!デスーーーー!!!
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チュンチュン………
うん、なにも語る事はありません。
ただ、今は眠らせて………ガクッ
それから一ヶ月ほどしてから、帝国中に顔見せと言う新婚旅行が始まりました。
何かと付き合いの長い東部から帝国を一周する予定です。日程が押している為、馬車の中でも書類仕事はやってますよ。これには前に紹介したシオン馬車が活躍しました。
いく先々で大歓声を受けながら帝国を廻り、ようやく西部も廻ることが出来て大満足です。
数ヶ月掛けての新婚旅行と言う名の、帝国市民への顔見せはこうして終了したのでした。
ああ、そうそう姿絵も多く量産されて各町の大きな会場などに飾られています。
お金のある方は自分の家にも飾っているそうです。
そして────
「うっ………!?」
シオン王妃様!?
新婚旅行から戻って少しして、シオン王妃が体調を崩されたと大騒ぎになった。
寝室の前には大勢の人々が心配そうに押し掛けた。
バタンッ
診察を終えて、部屋からシオンの母マリアがでてきた。
「マリア様!シオンの容態は!?」
「シオン様は大丈夫ですよねっ!?」
今にも泣きそうな顔で尋ねるゼノンやメイド達にマリアは深いため息を付いた。
「貴方達は心配し過ぎよ。仕事に戻りなさいよ」
呆れた様に言うが次の瞬間、顔が笑顔になった。
「シオンは大丈夫よ。だって『おめでた』ですもの♪」
!?
一同が驚きの表情で言葉をすぐに理解出来なかった。
「時期的に初夜で当ったわね。よくもまぁ~うちのシオンを傷者にしてくれて………」
口ではそう言うが、マリアの顔から涙が溢れた。
「まさか、こんなに早く孫の顔が見れるなんて思わなかったわ。おめでとう!」
「ほ、本当にシオンが妊娠………!?」
ワアァァァァァァァ!!!!!!
大歓声が生まれた。
「こらっ!うるさいわよ!シオンの体調を考えて静かにしなさい!」
「「「すみません………」」」
コントかっ!?と思うぐらい一斉に小声で謝った。
この情報は瞬時に帝国中に届けられた。
シオン王妃様が御懐妊!
そこからはもう大変だった。
食事などいっそう厳重になり、毒物など警戒して春夏秋冬のメンバーが食事を用意して、シオンは最低限の書類整理の仕事だけして数ヶ月過ごす事になる。
「まだ大丈夫だから仕事をさせてよ~~」
「黙りなさい!このワーカーホリックがっ!」
ハルが毒舌を吐いた。
「酷っ!?」
「最近は次期宰相さんの若手も育ってきたし、実力のある平民も雇って文官が充実しております。シオン王妃様の仕事はありません!」
「なんだってーーー!!!?」
ショボーン!
「あっ、ありました!」
「し、仕事があるの!?」
仕事、仕事をくれ~~~
仕事がやりたい病のシオンは明るくなった。
パァァァァ!!!!
「はい!元気な赤ちゃんを産むことです!」
「…………はい」
(´;ω;`)
しょぼーーーん。
こうしてなんやかんやで月日は流れて────
「大丈夫!私が絶対に元気な赤ちゃんを取り出して上げるから!」
シオンの母親が自ら助産師を買ってでて、専門家と一緒に出産に立ち会いました。幸いシオンの出産は安産だったようで、そんなに危ないこともなく、双子の赤ちゃんを出産しました。男の子と女の子です。
「はぁはぁ………私の赤ちゃん……」
「おめでとう!!!元気な赤ちゃんよ!それも双子!!!!」
元気な産声を聞きながらシオンは生まれた赤ちゃんを抱きました。
「お母様もこんな気持ちだったのね。もう言葉が出ないくらい嬉しいわ!」
「お疲れ様。本当に良かったわ」
お母様も泣いていました。
「シオン、大丈夫か………」
ゼノンも入ってきました。
「これが俺の子供………」
ゼノンは恐る恐る赤ちゃんを抱きました。
「シオン、ありがとう。本当にありがとう」
ゼノンも、むせるように泣きながら感謝の言葉を何度も言うのでした。
そして護衛の騎士達やハル、アキもお互いに抱き合い喜びを分かち合いました。
「よし!これで私の憂いは無くなった!」
はて?なんのこと???
護衛騎士の1人である宝塚風の男装礼人の女性騎士エリザが言った。
「リオン!結婚しようぜ!」
「うん!喜んで!!!!」
!?
「待て待て!どうしてそうなった!?特にエリザ、お前は百合じゃなかったの!?」
アキが慌てて突っ込んだ。
「まぁ、可愛い女の子も好きだよ?でもシオンお嬢、シオン王妃様を見てたら、女の幸せって素敵だなぁ~と思ってね」
「だからいきなり結婚ってどういうことですか!」
1番動揺したのはミスティだった。
まさか男装の女性が1番早く結婚だと!許さんぞ!!!!
「ってか、リオンも喜んでじゃないわよっ!」
「えっと、いや………俺たち前から付き合っていたし………」
!???
「バカなっ!?」
「嘘でしょう!?」
仲の良かったアキとミスティが驚きの声を上げた。
「前に私のポカでシオン様や仲間を危険な目に合せたじゃない?その時、倒れている私を命懸けで守ってくれたリオンに恋しちゃって………ポッ」
ガシッ!
「よーし!ちょっと体育館裏にいこーか?」
「そうね。エリザ、親友の私にも黙ってた言い訳をきこーか?」
「えっ?えっ???」
あーーーーれーーーーー!!!!!
アキとミスティに連れて行かれて悲鳴だけが残るのだった。
「まぁ、人の人生はそれぞれよね~~」
ハルだけは、あらあらまぁまぁな様子で見送るのでした。
そしてまた少しの月日が流れて────
「おかぁさまーー!!!」
「あらどうしたの?」
よちよちと歩く我が子を抱きしめるシオンがいた。
ガチャッ
「ああ、ここにいたのか?」
「あら?あなた。どうしたのですか?」
ゼノン皇帝が後ろに隠していた花束を出した。
「結婚記念日だ。受け取ってくれるか?」
「うふふっ、ありがとう♪嬉しいわ!」
花束を子供達にも見せた。
「きれい!」
「うん!きれいなの!」
キャッキャと騒ぐ我が子達は可愛い♪
「シオン、幸せかい?」
「ええ!とっても!」
【END】
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
【あとがき】
最後までお読み頂きありがとうございました。
100話超えで、毎日更新が1日も絶えずできたのは、読者の皆様のおかげでモチベーションが維持できたからだと思います。
まぁ、今回は半月ほど書き溜めてから投稿したので、余裕がありました。
今後の投稿について
この小説に集中する為に、他の更新が止まっている小説の続きを書きつつ、新たな連載予定の小説を、短編で一度投稿予定です。
短編で好評であれば連載していきたいと思っています。すでにほぼ書き終えているので近日中には投稿できると思います。
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新作【タイトル】
『偉そうな幼女はオムレツが好き!妾はラブコメに飢えておる!はっ?何を言っているんだお前は?(真顔』
よろしくお願いします!
さらに、イラストを作ったけど作中に出せなかったイラストをここで公開致します。
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では、また別の小説でお会いしましょう!
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(・ω・*)
エスパー!?
常闇の蜘蛛については確かに別の作品でも登場を検討中な組織ですね~
物語も佳境となっております。
最後までお楽しみ下さい。
クーデターの実行手段というか理由がしょーもない理由なんですけどねー。
この最後で最大の難関を越えることができるのか!?
乞うご期待