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国内連合軍
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すでにシオンは目覚めてすでに体調も良くなっているのだが、ファーレン卿の建物から出られない軟禁状態であった。
「はぁ~、もう大丈夫でしょう?そろそろ工業都市を見て周りたいのだけれど?」
「ダメです!まだ襲撃犯の常闇の蜘蛛が捕まっていません」
ハルはダメですよ~~メッと子供に言い聞かす様に叱った。
「だって退屈なんですもの~~」
「せめてアキ達の傷が癒えるまで我慢して下さい」
グッ、と痛い所を突かれてシオンは言葉に詰まった。その代わりにと、ハルは多くの書物を運んできた。
「この地域の書物です。シオンお嬢様はお好きだと思いまして。これで今しばらくはお時間を潰して下さい」
「おおぉ~~♪流石はハル!わかってる~~~!!!!」
あれ?そう言えば、これは念願?の引きこもりライフの始まりでは?
しかも三食昼寝付き!?
やったじゃん!私!?
ここ最近忙しかったしね!
オーバーワークから解放だよ!!!
シオンは思考を切り替えてベットの上で読書を始めるのだった。
「………本当にお嬢様は単純で良かったですわ」
ハルはニッコリと微笑ながら部屋を後にした。
そしてシオンの知らない所で、帝国中の精鋭部隊が、ここ西部の工業都市に集結しつつあった。
集結している帝国騎士団は、すでに街中では泊まる所が確保できない為に、街の外にテントを張って寝泊まりしていた。
しかし、そこにいる兵士達は誰も文句をいわず、日々交代で犯人探しの捜索を行っていた。
そして殺る気に満ちていた。
「ようやく手がかりを見つけたぞっ!」
!?
「何だと!?」
伝令が戻ってきたようだ。
「西部から北部に向かう途中にある廃村を根城にしていた者がいるようです!最近まで利用していた形跡があります」
「しかし、浮浪者か盗賊が使っていた可能性があるのではないか?」
伝令が首を振った。
「その廃村の家の一つに、地下に繋がる隠し階段があり、そこには暗殺稼業者が使う武器や薬品類があったそうです!」
「よし!でかした!!!」
外周のテントには帝国中の貴族の施設軍がやってきており、最初は指揮系統がバラバラだった。
しかし、この地に皇帝陛下が来ているのと、もと元帥のルドルフ卿がいることで指揮系統が統一された。
すぐに情報は上に上げられ、待機組のほとんどが現地へ向かう事になった。
「どうだ!?」
「他の家にも地下がある所があった!」
「よし!徹底的に探すぞ!だが毒物などある。中を探すときは厚手袋をして十分に気をつける様に!」
はっ!と敬礼をしながら帝国騎士達は人海戦術でこの廃村を調べていた。
少し遅れてシオンの配下である春夏秋冬のメンバーも到着した。
「我々はシオンお嬢様の配下の者です!」
メンバーは皇帝陛下の命令書を見せた。
「はっ!ご苦労様です!お話は伺っております!」
ここに来たのはハルをリーダーに屋敷にいた春夏秋冬の予備メンバーだった。
「いいですか?万が一常闇の蜘蛛のメンバーに遭遇した場合はすぐに逃げて応援を呼ぶこと。私達が死ぬとシオンお嬢様が悲しむという事を忘れないように!」
「「はい!了解です!!!」」
仲間達は地下の見つかった家に向かった。
そこで念入りに秘密の抜け道がないかを探したのだ。
!?
その中で隠し通路を発見した。
「まさか我々が調べた時には気付かなかったぞ………」
帝国騎士達は少し悔しそうに呟いた。
「それは仕方がありません。人にはそれぞれ適材適所があります。我々は大き声では言えませんが、こういう特殊訓練を受けているのです。帝国騎士の皆さんには敵を追い詰めた時に活躍して貰いますので」
そう言われると頷くしかなかった。
そして、その隠し通路が足跡から最近使われた事が確認できた。
「少なくとも1日前後に着いた足跡です。蜘蛛の巣が新しく張られようとしています。時間的にみて帝国騎士がここ捜索している時、慌てて逃げたのだと思います」
「わかりました。他のメンバーは地上から散って跡を追いなさい。方向がわかったら狼煙で知らせるので、定期的に空に注意を払ってね」
「「了解しました!」」
こうして自体は大きく動きだすのだった。
「はぁ~、もう大丈夫でしょう?そろそろ工業都市を見て周りたいのだけれど?」
「ダメです!まだ襲撃犯の常闇の蜘蛛が捕まっていません」
ハルはダメですよ~~メッと子供に言い聞かす様に叱った。
「だって退屈なんですもの~~」
「せめてアキ達の傷が癒えるまで我慢して下さい」
グッ、と痛い所を突かれてシオンは言葉に詰まった。その代わりにと、ハルは多くの書物を運んできた。
「この地域の書物です。シオンお嬢様はお好きだと思いまして。これで今しばらくはお時間を潰して下さい」
「おおぉ~~♪流石はハル!わかってる~~~!!!!」
あれ?そう言えば、これは念願?の引きこもりライフの始まりでは?
しかも三食昼寝付き!?
やったじゃん!私!?
ここ最近忙しかったしね!
オーバーワークから解放だよ!!!
シオンは思考を切り替えてベットの上で読書を始めるのだった。
「………本当にお嬢様は単純で良かったですわ」
ハルはニッコリと微笑ながら部屋を後にした。
そしてシオンの知らない所で、帝国中の精鋭部隊が、ここ西部の工業都市に集結しつつあった。
集結している帝国騎士団は、すでに街中では泊まる所が確保できない為に、街の外にテントを張って寝泊まりしていた。
しかし、そこにいる兵士達は誰も文句をいわず、日々交代で犯人探しの捜索を行っていた。
そして殺る気に満ちていた。
「ようやく手がかりを見つけたぞっ!」
!?
「何だと!?」
伝令が戻ってきたようだ。
「西部から北部に向かう途中にある廃村を根城にしていた者がいるようです!最近まで利用していた形跡があります」
「しかし、浮浪者か盗賊が使っていた可能性があるのではないか?」
伝令が首を振った。
「その廃村の家の一つに、地下に繋がる隠し階段があり、そこには暗殺稼業者が使う武器や薬品類があったそうです!」
「よし!でかした!!!」
外周のテントには帝国中の貴族の施設軍がやってきており、最初は指揮系統がバラバラだった。
しかし、この地に皇帝陛下が来ているのと、もと元帥のルドルフ卿がいることで指揮系統が統一された。
すぐに情報は上に上げられ、待機組のほとんどが現地へ向かう事になった。
「どうだ!?」
「他の家にも地下がある所があった!」
「よし!徹底的に探すぞ!だが毒物などある。中を探すときは厚手袋をして十分に気をつける様に!」
はっ!と敬礼をしながら帝国騎士達は人海戦術でこの廃村を調べていた。
少し遅れてシオンの配下である春夏秋冬のメンバーも到着した。
「我々はシオンお嬢様の配下の者です!」
メンバーは皇帝陛下の命令書を見せた。
「はっ!ご苦労様です!お話は伺っております!」
ここに来たのはハルをリーダーに屋敷にいた春夏秋冬の予備メンバーだった。
「いいですか?万が一常闇の蜘蛛のメンバーに遭遇した場合はすぐに逃げて応援を呼ぶこと。私達が死ぬとシオンお嬢様が悲しむという事を忘れないように!」
「「はい!了解です!!!」」
仲間達は地下の見つかった家に向かった。
そこで念入りに秘密の抜け道がないかを探したのだ。
!?
その中で隠し通路を発見した。
「まさか我々が調べた時には気付かなかったぞ………」
帝国騎士達は少し悔しそうに呟いた。
「それは仕方がありません。人にはそれぞれ適材適所があります。我々は大き声では言えませんが、こういう特殊訓練を受けているのです。帝国騎士の皆さんには敵を追い詰めた時に活躍して貰いますので」
そう言われると頷くしかなかった。
そして、その隠し通路が足跡から最近使われた事が確認できた。
「少なくとも1日前後に着いた足跡です。蜘蛛の巣が新しく張られようとしています。時間的にみて帝国騎士がここ捜索している時、慌てて逃げたのだと思います」
「わかりました。他のメンバーは地上から散って跡を追いなさい。方向がわかったら狼煙で知らせるので、定期的に空に注意を払ってね」
「「了解しました!」」
こうして自体は大きく動きだすのだった。
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