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(お)シマイダヨ?
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シオンの王妃宮に皇帝陛下が訪ねてきた。
「ご無沙汰しております。本日はどういった御用件でしょうか?」
応接室に通すとシオンが応対して尋ねた。
「明後日の夜会の前にシオンの母君に挨拶したいと思ってな。呼んで貰えるだろうか?」
なるほど。お母様に会いたかったと言うことでしたか。
メイドに呼びに行かせると、少し経ってからお母様がやってきました。
「失礼致します。帝国の太陽、ゼノン皇帝陛下にお目通りできて恐悦至極でございます」
………マジか。
私はメッチャ、フランクに話していたわよ!
シオンの母、マリアは部屋に入ると同時に、ドレスの裾を掴んで挨拶した。
「…………シオンには姉君がいらしたのか?母君と挨拶したかったのだが?」
???
皇帝陛下?ボケてるの???
「おほほほっ、皇帝陛下も冗談が御上手ですこと。私(わたくし)がシオンの母であるマリア・オリオンでございます」
!!???
「えっ?」
ゼノン皇帝陛下は、マリアとシオンを何度も交互に見て驚いていた。
「本当に???」
「ゼノン皇帝陛下、マジです!」
「マジなのか!?」
腕を組んで生命の神秘を感じるゼノンだった。
「コホンッ、大変失礼した。お世辞抜きでとても若くて美しいので勘違いしました」
「いえいえ、お気になさらずに。それに、どうやらうちのシオンとも良好な関係を築けているようで安心しましたわ」
シオンと皇帝のやり取りをみて、ようやくマリアの目が優しくなった。
「はい。シオン令嬢には大変助けられています。感謝してもしたりないぐらいです。だから、俺がシオン令嬢を守ると誓います」
「なるほど。私のシオンは人質同然に向かい入れられたと思っていたのですが、今回、皇帝陛下は妃を1人しか娶らないと伺いました。その理由を伺ってもよろしいでしょうか?」
ゼノンはしっかりとマリアの目をみて答えた。
「恥ずかしい話ですが、代々7人もの妃を迎えたせいで、帝国の財政が厳しいのが理由です。それと行き違いになりましたが、シオン令嬢を守る為に、本気で妃になりたい者だけ集まるように連絡したのです。嫌なら来なくても良いと言う意味で」
「なるほど。うちのシオンは帝国中を見て周っていたと伺っています。それについては何も言いません。ただ1つだけ教えて頂きたい。すでに王妃となる者を選んでいるのではないですか?」
「えっ、どういうことです?」
シオンが口を挟んだ。
「最初から王妃になる者は決まっている出来レースではないか?と聞いているのです」
!?
マリアの言葉にゼノンは首を振った。
「それはありえません。皆、平等に精査してから決めると誓いましょう。ただ………」
「ただ、なんですか?」
「現段階では、シオン令嬢が1番ポイントが高いですね。そして、自分もこのまま行って欲しいと思っています」
一瞬目を開いたが、マリアは微笑みながら、なるほどと呟いた。
それからしばらく、マリアとゼノン皇帝の質問の応酬は続いた。
何故か、シオンの好きな食べ物から始まり、好きな色や花、服などお互いに話していき、和やかな時間が流れた。
「それと遅くなったが、シオンのドレスを持ってきた。今度の夜会はそれを着て出てほしい」
大きな箱を持った従者が入ってきた。
「ただすまない。母君が来るとは知らなかったので、母君のドレスが………」
「それは大丈夫ですわ。自前の物がございます。流石に、私までドレスを贈られても困りますもの」
………うんお母様にドレスなんて贈ったら、お父様が切れて戦争仕掛けるわよね。
ただでさえ、お母様に花束など送ってくる勇者が後を絶たないのに。
これが、美しさとは罪いうことなのかしら?
(なんか違うよ?)
ゼノン皇帝が帰った後、箱を開けてみると、青色のゼノン皇帝の瞳と髪の色のドレスだった。
「むぅ~なかなかやりますね」
何故かお母様が唸っていた。
それから、1度着てみてから細かい所の直しなど、メイドとお母様に、ずっと着せ替え人形にされるシオンだった。
もう、おしまいにしてーーーー!!!!
※おしまいと姉妹を掛けてみたサブタイでした♪
「ご無沙汰しております。本日はどういった御用件でしょうか?」
応接室に通すとシオンが応対して尋ねた。
「明後日の夜会の前にシオンの母君に挨拶したいと思ってな。呼んで貰えるだろうか?」
なるほど。お母様に会いたかったと言うことでしたか。
メイドに呼びに行かせると、少し経ってからお母様がやってきました。
「失礼致します。帝国の太陽、ゼノン皇帝陛下にお目通りできて恐悦至極でございます」
………マジか。
私はメッチャ、フランクに話していたわよ!
シオンの母、マリアは部屋に入ると同時に、ドレスの裾を掴んで挨拶した。
「…………シオンには姉君がいらしたのか?母君と挨拶したかったのだが?」
???
皇帝陛下?ボケてるの???
「おほほほっ、皇帝陛下も冗談が御上手ですこと。私(わたくし)がシオンの母であるマリア・オリオンでございます」
!!???
「えっ?」
ゼノン皇帝陛下は、マリアとシオンを何度も交互に見て驚いていた。
「本当に???」
「ゼノン皇帝陛下、マジです!」
「マジなのか!?」
腕を組んで生命の神秘を感じるゼノンだった。
「コホンッ、大変失礼した。お世辞抜きでとても若くて美しいので勘違いしました」
「いえいえ、お気になさらずに。それに、どうやらうちのシオンとも良好な関係を築けているようで安心しましたわ」
シオンと皇帝のやり取りをみて、ようやくマリアの目が優しくなった。
「はい。シオン令嬢には大変助けられています。感謝してもしたりないぐらいです。だから、俺がシオン令嬢を守ると誓います」
「なるほど。私のシオンは人質同然に向かい入れられたと思っていたのですが、今回、皇帝陛下は妃を1人しか娶らないと伺いました。その理由を伺ってもよろしいでしょうか?」
ゼノンはしっかりとマリアの目をみて答えた。
「恥ずかしい話ですが、代々7人もの妃を迎えたせいで、帝国の財政が厳しいのが理由です。それと行き違いになりましたが、シオン令嬢を守る為に、本気で妃になりたい者だけ集まるように連絡したのです。嫌なら来なくても良いと言う意味で」
「なるほど。うちのシオンは帝国中を見て周っていたと伺っています。それについては何も言いません。ただ1つだけ教えて頂きたい。すでに王妃となる者を選んでいるのではないですか?」
「えっ、どういうことです?」
シオンが口を挟んだ。
「最初から王妃になる者は決まっている出来レースではないか?と聞いているのです」
!?
マリアの言葉にゼノンは首を振った。
「それはありえません。皆、平等に精査してから決めると誓いましょう。ただ………」
「ただ、なんですか?」
「現段階では、シオン令嬢が1番ポイントが高いですね。そして、自分もこのまま行って欲しいと思っています」
一瞬目を開いたが、マリアは微笑みながら、なるほどと呟いた。
それからしばらく、マリアとゼノン皇帝の質問の応酬は続いた。
何故か、シオンの好きな食べ物から始まり、好きな色や花、服などお互いに話していき、和やかな時間が流れた。
「それと遅くなったが、シオンのドレスを持ってきた。今度の夜会はそれを着て出てほしい」
大きな箱を持った従者が入ってきた。
「ただすまない。母君が来るとは知らなかったので、母君のドレスが………」
「それは大丈夫ですわ。自前の物がございます。流石に、私までドレスを贈られても困りますもの」
………うんお母様にドレスなんて贈ったら、お父様が切れて戦争仕掛けるわよね。
ただでさえ、お母様に花束など送ってくる勇者が後を絶たないのに。
これが、美しさとは罪いうことなのかしら?
(なんか違うよ?)
ゼノン皇帝が帰った後、箱を開けてみると、青色のゼノン皇帝の瞳と髪の色のドレスだった。
「むぅ~なかなかやりますね」
何故かお母様が唸っていた。
それから、1度着てみてから細かい所の直しなど、メイドとお母様に、ずっと着せ替え人形にされるシオンだった。
もう、おしまいにしてーーーー!!!!
※おしまいと姉妹を掛けてみたサブタイでした♪
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