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初耳なんですが!?
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話が脱線したが、シオンは7人の妃に宛てがわれる王妃宮の説明を受けた。
「この王城の裏手に王妃達が住まう【宮殿】があります。宮殿と言っても城ではなく、庭付きの屋敷だとお考え下さい。基本的にそこが各王妃達の住まいとなります」
ふむふむ。
私は普通の8畳間の部屋さえあれば十分なんだけどね。前世は庶民だったし。
「自分の住まう屋敷は、基本的に住む王妃の管轄となります。連れてくるメイドや執事、料理人など、警備の方は十分に気を付けて下さい」
「えっ?そちらで準備してくれないの?」
シオンは思わず聞き返した。
「うん♪シオンお嬢様、ちょっと黙ろうか?」
ハルはとても良い笑顔で微笑み、他のメンバーは何度目かの頭が痛くなった。
「えっ?どういうこと???」
「シオンは頭は良いはずだが、世間知らずなんだな………」
ゼノン皇帝いつの間にか呼び捨てになっている。
「はぁ~~~、無知なお嬢様の為に講義しましょう。ここは元々敵国のお城です。はい、そこから紹介されて雇った人材が信用できますか?」
おふっ!?
そりゃ当然だわ…………
流石のシオンも両手を顔に当てて、穴があったら入りたいと思った。
「そういう事です。だから普通は他の王妃達も何ヶ月も前に来て、屋敷に毒針など仕込まれてないか、調べて、家具なども入れ替えするのです。だと言うのにお嬢様は、遠回りばかりして。まったくもう!」
そうだったのかーーーーー!!!?
「ヤヴァいわね。何も用意していないわ」
宰相首を傾げた。
「変ですね。オリオン辺境伯家から使いの者が来て、屋敷の準備をしているはずですが?」
「えっ?」
ハルが答えた。
「奥様が気を利かせたのです。お嬢様は別の事を考えているようで、王妃宮の管理する人材の手配がないと心配されて、小分けにして少しづつ人材をこちらに送って下さったのです」
なんだってーーーーー!!!!?
「私、なにも聞いてないけど?」
「言ってませんので」
ハルが冷たいよ………ショボーン
「まぁ、準備が出来ているのなら安心ですな。くれぐれも暗殺には気を付けて下さい」
宰相さん、怖いから!?
「あ、あはははっ、ここにくる前とは別の恐怖が襲っているんだけど?」
引き攣った顔で乾いた笑いをするのだった。
・
・
・
・
・
・
・
・
・
部屋を後にすると、シオン達は割り振りられた王妃宮に向かった。
「けっこう離れているんだね~~」
「そうね。この距離を移動するのは面倒ですね~」
しばらく歩いて行くと、高い壁に囲まれた屋敷が見えてきた。
「確かに城ではないけど、2階建ての大きな屋敷ね。ってか、あれを管理するのに何人必要かしら?」
「お母様、何人ほど送ってくれたのかしら?」
門の所に行くと………
「なんで屋敷なのに城門みたいな門があるの!?」
「そりゃ、暗殺者から身を守る為でしょう」
身も蓋もない言い方だな。
呼び鈴の役目を持つ場所を叩き、扉が開くのを待った。
少しするとギギギッと大きな音と共に扉が開いた。
そして扉の先には───
「「シオンお嬢様!お待ちしておりました!!!」」
執事とメイド、そして屋敷の警備の騎士団が両サイドに一列で並んでいた。
「えっ?」
「これは私も予想外………」
騎士団が50人も居たからだ。
ってか、この王城の近くにこれだけの私兵を配備して大丈夫なの!?
「本当にお待ちしておりました。シオンお嬢様」
「セバス!?あなたがここに来て大丈夫なの?」
執事のセバスは実家にいた時の家令筆頭だ。執事長とも言う。
「すでに息子に家令を譲って来ました。私は最後までシオンお嬢様にお仕え致します」
「ありがとう!それにみんなも、こんな危険な隣国まで来てくれて、本当にありがとう!」
みんなの気持ちが嬉しく、笑顔で御礼をいった。
「すでに屋敷の中は時間を掛けて隅々までチェックが終わっております。なかなか楽しかったです。隠し通路に、カビに似せたヒ素の毒薬などオンパレードでした。ハハハハッ」
マジでっ!?
洒落になってないよ!?
「ナイスです!師匠!」
アキはセバスに懐いていたので、セバスの下で軽口を聞いています。
「アキ、ここにいる間は修行のやり直しです。メイドの数は足りていますので」
「げっ!?」
また、あの地獄の訓練をするの!?
「………常闇の蜘蛛と殺りあったのでしょう?この警備でも少ないぐらいです。そして、もっと強くなって貰わないと困ります」
!?
「はいっ!」
そう、セバスは春夏秋冬(しゅんかしゅうとう)のトップを務める頭領なのです。
ハル、アキ以外にも、ほぼ居なくなったメンバーの代わりに、若手も育ってきています。
だから屋敷のトラップも気づけたのです。
ちなみに、この屋敷のメイド、執事達は春夏秋冬のタマゴ達です。がんばれ!若人(わこうど)よ!
メイドと執事、料理人も含めて20ほど。護衛騎士団50人。
シオン達を含めると約80人がこの王妃宮に暮らす仲間になります!
大きい屋敷で良かった!
いえ、流石に屋敷に全ては入れません。
庭に騎士団の『宿舎』があるので、ほとんどはそこで寝泊まりになります。
お嬢は『常識』って言葉を覚えようか?
「この王城の裏手に王妃達が住まう【宮殿】があります。宮殿と言っても城ではなく、庭付きの屋敷だとお考え下さい。基本的にそこが各王妃達の住まいとなります」
ふむふむ。
私は普通の8畳間の部屋さえあれば十分なんだけどね。前世は庶民だったし。
「自分の住まう屋敷は、基本的に住む王妃の管轄となります。連れてくるメイドや執事、料理人など、警備の方は十分に気を付けて下さい」
「えっ?そちらで準備してくれないの?」
シオンは思わず聞き返した。
「うん♪シオンお嬢様、ちょっと黙ろうか?」
ハルはとても良い笑顔で微笑み、他のメンバーは何度目かの頭が痛くなった。
「えっ?どういうこと???」
「シオンは頭は良いはずだが、世間知らずなんだな………」
ゼノン皇帝いつの間にか呼び捨てになっている。
「はぁ~~~、無知なお嬢様の為に講義しましょう。ここは元々敵国のお城です。はい、そこから紹介されて雇った人材が信用できますか?」
おふっ!?
そりゃ当然だわ…………
流石のシオンも両手を顔に当てて、穴があったら入りたいと思った。
「そういう事です。だから普通は他の王妃達も何ヶ月も前に来て、屋敷に毒針など仕込まれてないか、調べて、家具なども入れ替えするのです。だと言うのにお嬢様は、遠回りばかりして。まったくもう!」
そうだったのかーーーーー!!!?
「ヤヴァいわね。何も用意していないわ」
宰相首を傾げた。
「変ですね。オリオン辺境伯家から使いの者が来て、屋敷の準備をしているはずですが?」
「えっ?」
ハルが答えた。
「奥様が気を利かせたのです。お嬢様は別の事を考えているようで、王妃宮の管理する人材の手配がないと心配されて、小分けにして少しづつ人材をこちらに送って下さったのです」
なんだってーーーーー!!!!?
「私、なにも聞いてないけど?」
「言ってませんので」
ハルが冷たいよ………ショボーン
「まぁ、準備が出来ているのなら安心ですな。くれぐれも暗殺には気を付けて下さい」
宰相さん、怖いから!?
「あ、あはははっ、ここにくる前とは別の恐怖が襲っているんだけど?」
引き攣った顔で乾いた笑いをするのだった。
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部屋を後にすると、シオン達は割り振りられた王妃宮に向かった。
「けっこう離れているんだね~~」
「そうね。この距離を移動するのは面倒ですね~」
しばらく歩いて行くと、高い壁に囲まれた屋敷が見えてきた。
「確かに城ではないけど、2階建ての大きな屋敷ね。ってか、あれを管理するのに何人必要かしら?」
「お母様、何人ほど送ってくれたのかしら?」
門の所に行くと………
「なんで屋敷なのに城門みたいな門があるの!?」
「そりゃ、暗殺者から身を守る為でしょう」
身も蓋もない言い方だな。
呼び鈴の役目を持つ場所を叩き、扉が開くのを待った。
少しするとギギギッと大きな音と共に扉が開いた。
そして扉の先には───
「「シオンお嬢様!お待ちしておりました!!!」」
執事とメイド、そして屋敷の警備の騎士団が両サイドに一列で並んでいた。
「えっ?」
「これは私も予想外………」
騎士団が50人も居たからだ。
ってか、この王城の近くにこれだけの私兵を配備して大丈夫なの!?
「本当にお待ちしておりました。シオンお嬢様」
「セバス!?あなたがここに来て大丈夫なの?」
執事のセバスは実家にいた時の家令筆頭だ。執事長とも言う。
「すでに息子に家令を譲って来ました。私は最後までシオンお嬢様にお仕え致します」
「ありがとう!それにみんなも、こんな危険な隣国まで来てくれて、本当にありがとう!」
みんなの気持ちが嬉しく、笑顔で御礼をいった。
「すでに屋敷の中は時間を掛けて隅々までチェックが終わっております。なかなか楽しかったです。隠し通路に、カビに似せたヒ素の毒薬などオンパレードでした。ハハハハッ」
マジでっ!?
洒落になってないよ!?
「ナイスです!師匠!」
アキはセバスに懐いていたので、セバスの下で軽口を聞いています。
「アキ、ここにいる間は修行のやり直しです。メイドの数は足りていますので」
「げっ!?」
また、あの地獄の訓練をするの!?
「………常闇の蜘蛛と殺りあったのでしょう?この警備でも少ないぐらいです。そして、もっと強くなって貰わないと困ります」
!?
「はいっ!」
そう、セバスは春夏秋冬(しゅんかしゅうとう)のトップを務める頭領なのです。
ハル、アキ以外にも、ほぼ居なくなったメンバーの代わりに、若手も育ってきています。
だから屋敷のトラップも気づけたのです。
ちなみに、この屋敷のメイド、執事達は春夏秋冬のタマゴ達です。がんばれ!若人(わこうど)よ!
メイドと執事、料理人も含めて20ほど。護衛騎士団50人。
シオン達を含めると約80人がこの王妃宮に暮らす仲間になります!
大きい屋敷で良かった!
いえ、流石に屋敷に全ては入れません。
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お嬢は『常識』って言葉を覚えようか?
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