悪女と言われた令嬢は隣国の王妃の座をお金で買う!

naturalsoft

文字の大きさ
上 下
48 / 106

【新章】王宮へ

しおりを挟む
【作者から一言】
私も気付いていたのですが、読者の方から問い合わせがあり、帝国の【皇帝】の妻なら【王妃】ではなく【皇妃】ではないか?と言うことで、今後の流れの中で修正するかも知れません。

ただイラストなど修正するのがメンド………ゴホンッ、今後は違和感のないよう調整します。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

なんやかんやでシオンは北部を少し周った後、時間的な問題で、早々にエスタナ帝国の首都である【帝都アスターナ】に向かい到着した。

ハル「ここまで長った…………」
アキ「ようやく着いた」
リオン「感無量!ハラハラ………」
ゼータ「早く酒が飲みたいですぜぇ~」
護衛騎士「本当に着いたの?夢じゃない?」
護衛騎士「キョロキョロ、トラブルはいねぇ~~か~?」
護衛騎士「観光できるかなぁ~~」
アメリア「凄い!建物大きい!早く市場をみてみたい!キランッ」

仲間達はそれぞれの想いをぶちまけていた。

ってか、残りの護衛騎士達の名前だそうよ?被ってて誰が何を言ってるかわかんないよ!
【ナレーションさんのクレーム】

naturalsoft『すみません!近日中に何とかします!』


「さぁ!↑【無駄口】↑叩いてないでサッサといくわよ~!」

シオンは仲間達の言葉を無視して王宮へと向かった。馬車は綺麗な石畳の上をゆっくり進んでいく。

「ついに来てしまった………」

シオンは憂鬱な顔で落ち込んでいた。

「お嬢、嫌なのはわかりますが諦めて下さい」
「ここまできて往生際が悪いですよ」

はぁ~~と深いため息をついた。

「行きたくねぇ~~」

おいコラッ!令嬢がそんな言葉使いで良いのか!?

「何でそんなに嫌なんですか?」
「だって!行ったら人妻になるのよっ!」

ブハッ!!!!

仲間達は一斉に吹き出した。

「ゴホッ!ゴホッ!いきなり何を言っているんですか!?」

「だって、王妃になったら、チョメチョメしないといけないんだよ!私はもっと自由に恋愛してみたいのよーーーーー!!!!」

ムキーーーー!!!!!と、なって叫んだ。

「「「えっ!?」」」

仲間達は、こいつ何言ってんだ?みたいな顔でシオンをみた。
このお気楽トラブルメーカーにそんな願望があったとは!?

「おいっ!願望って言うなっ!」

「でも意外です。お嬢にそんな可愛い野望があったなんて♪」
「本当に意外………」
「明日は雪かな?いや、ブリザードになるかも」

「乙女なお嬢…………」

ポツリッと誰かが呟くと───

ドッ!!!
ワハハハハハッ!!!!!
大笑いが起きた。

「ほぅ?」

昼間なのに暗い影が揺らめいたそうだ。
その後、悲惨な悲鳴が響き渡ったと言う………

【完】










「って、終わってないわよ!」

プンスカ怒るシオンに、涙目になった仲間達が恨みごとを吐いた。

「いたた……お嬢、痛いですよ~~」
「乙女なお嬢でも、性格は変わらないっすね」

「バカな事を言ってないで行くわよ~」

こうして騒がしい一行は王城へと向かう。

「近づいてきたわね」
「長かったよ~~」
「感無量だよ~~」

なんか冒頭と同じ事を始めてしまった。
しかし、ついに到着した!到着してしまった!?

「クッ、殺せ!私もここまでか!?」

「はいはい、クッコロごっこ遊びは良いですから入りますよ~」

さっきまでとは違い、完璧なメイドの表情になったハルとアキはシオンの後ろにしっかりと背筋を伸ばして歩いていく。

「私は護衛騎士リオン!お仕えするシオンお嬢様をお連れした。開門をお願いする!」

!?

「お久しぶりです。皇帝陛下がずっとお待ちしておりましたよ。すぐにご案内致します」

まだ数回だが、顔馴染みとなった門番に連れられて王城の中に入った。

ドキドキッ
ドキドキッ

1度、待合室へ通され、お呼びが掛かるまでここで待った。

「お嬢、心臓の音が大きいです。静かにしてください!それか止めて下さい?」
「ええっ!?そんなの聞こえるの!ってか、死ねってことじゃない!?メイドとしてどうなのよ!?」

いや、お嬢の顔を見ていてばわかるから。
そんなに緊張して。

まさか、何でも打算的な考えができるシオンお嬢様が、こんなにウブだったとは予想外です!

扉が開くと連絡係りの騎士がやってきた。

「お待たせしました。皇帝陛下がお呼びです」
「ぴゃい!」

ぴゃい?

「お嬢様、緊張のし過ぎです。落ち着いて下さい。はい!ヒーヒーフー、ヒーヒーフー!」

ヒーヒーフー!ヒーヒーフー!

なんてことでしょう!
普段ならバカにするなーと、お怒りになるお嬢様が壊れました!?

連絡にきた騎士は、どうすればいいのかわからず固まっていた。

「ハルの冗談はたちが悪いんだから、こんな時に言うなよ」

「いえ、緊張しているお嬢様を和ませようとしただけなんですが………まさか、ここまで壊れているとは思いませんでしたわ」

「お嬢様は恋愛にポンコツっすね~」

う~~ん!
どうするべきかと考えていると──
リオンの何気ない一言で事態が動いた。

「確かに王妃になる為に、ここにきたけれど王宮に住んだからと言って、いきなり伽(とぎ)をする訳じゃないんですからね?」

!?

「そうなの!!!?」

ああぁ~~そういうことだったか~~~!!!!

仲間達は脱力してしまった。
お前は何を聞いていたんだ!と説教タイムが始まるのだった。


【連絡に来た騎士】
『早く行かないと怒られるですが………』


自分は何を見せられているんだろうと、現実逃避する可哀想な騎士がいるのでした。




しおりを挟む
感想 18

あなたにおすすめの小説

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?

gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。 そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて 「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」 もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね? 3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。 4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。 1章が書籍になりました。

【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?

アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。 泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。 16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。 マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。 あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に… もう…我慢しなくても良いですよね? この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。 前作の登場人物達も多数登場する予定です。 マーテルリアのイラストを変更致しました。

挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました

結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】 今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。 「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」 そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。 そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。 けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。 その真意を知った時、私は―。 ※暫く鬱展開が続きます ※他サイトでも投稿中

余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました

結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】 私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。 2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます *「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています ※2023年8月 書籍化

結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?

おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました! 皆様ありがとうございます。 「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」 眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。 「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」 ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。 ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視 上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。

【完結】引きこもり令嬢は迷い込んできた猫達を愛でることにしました

かな
恋愛
乙女ゲームのモブですらない公爵令嬢に転生してしまった主人公は訳あって絶賛引きこもり中! そんな主人公の生活はとある2匹の猫を保護したことによって一変してしまい……? 可愛い猫達を可愛がっていたら、とんでもないことに巻き込まれてしまった主人公の無自覚無双の幕開けです! そしていつのまにか溺愛ルートにまで突入していて……!? イケメンからの溺愛なんて、元引きこもりの私には刺激が強すぎます!! 毎日17時と19時に更新します。 全12話完結+番外編 「小説家になろう」でも掲載しています。

〖完結〗幼馴染みの王女様の方が大切な婚約者は要らない。愛してる? もう興味ありません。

藍川みいな
恋愛
婚約者のカイン様は、婚約者の私よりも幼馴染みのクリスティ王女殿下ばかりを優先する。 何度も約束を破られ、彼と過ごせる時間は全くなかった。約束を破る理由はいつだって、「クリスティが……」だ。 同じ学園に通っているのに、私はまるで他人のよう。毎日毎日、二人の仲のいい姿を見せられ、苦しんでいることさえ彼は気付かない。 もうやめる。 カイン様との婚約は解消する。 でもなぜか、別れを告げたのに彼が付きまとってくる。 愛してる? 私はもう、あなたに興味はありません! 設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 沢山の感想ありがとうございます。返信出来ず、申し訳ありません。

処理中です...