悪女と言われた令嬢は隣国の王妃の座をお金で買う!

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本題、真実を知った。帰っていい?

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シオンはルドルフ・ファーレンに尋ねた。

「それで、私に何を期待して、何をさせようと考えていらっしゃるのでしょうか?」

「単刀直入に言おう。帝国を救って欲しいのじゃ」

????

「それはどういう意味でしょうか?腐敗した貴族を排除して、民を豊かにする事?それともうちの実家は防衛で応戦はしても攻めたことはありませんが?」

ルドルフは顎の髭を触りながら言った。

「ヴァイス侯爵が叛乱を企んでおる。それを止めて欲しい」

!?

「はぁっ!?それはどういう事ですか!?」

「北の国から多くの武器や物資を秘密裏に輸入して、集めておる。今回、皇帝は妃を1人しか娶らないと宣言したそうじゃ。故に、武力を持って御息女を王妃にする様に迫るつもりらしい」

えっ?どういう事?カノンさん何も言ってなかったよね?その話は知らないんだけど???

「ちょっとタイム!情報が多過ぎるわ」

ハルとアキなど交えて意見を述べた。

シオン「えっ、なに?それなら、私は王宮に行かなければ王妃にならなくて良いって事?」
ハル「今までの苦労は何だったのでしょうか?」
アキ「これで、オリオン辺境伯領へ帰れる!?」
護衛騎士「マジで?ならすぐに帰りましょうよ!」
護衛騎士「メチャクチャありがたい情報ですね!」


ルドルフは嫌な汗を欠いた。
『しまった!この情報は知らなかったのか!マズイ事になったのぅ』

目の前で色々と話したが、取り敢えずルドルフの話を最後まで聞くことになった。

「コホンッ、取り敢えず、4月に王宮に集まった者達で1年間の【妃選定の儀】を行うそうじゃ」

なるほどね~~
今までの私の苦労はいったい………

脱力するシオンに続けて言った。

「シオン令嬢のお陰で、ヴァイス侯爵の派閥は半減した事で、武器などは集まったが、それを持つ兵士が集められておらん。ゼファー子爵が、先程、派閥脱退の書類を提出したそうでな。ゼファー子爵の脱退に、他の貴族も離反する者が続出しそうじゃわい」

「やっぱり?」

首を傾げてアキが尋ねた。

「お嬢、どういうことですか?」

「今回の事件で、東部の真ん中から南半分が離脱するでしょう?そうすれば、今までヴァイス侯爵が怖くて、仕方なく献金していた貴族も、ゼファー子爵に付くってことよ。献金を支払わなくてもよくなるし、商売も南側に販路を広げれるから問題なくなるのよ。それに近々、ゼファー子爵は陞爵するでしょうしね」

「流石じゃな。大局が見えておる。安心したわい。【アイツ】の意志は引き継がれておるんじゃな」

???

「アイツとは?」
「ワシのライバルじゃったガイル・オリオンじゃよ。…………ワシが殺したがな」

!?

「ゼータ、さっき言いかけたのって………」
「はい。お嬢のお祖父さんを殺したのが、目の前の御人です」

そうなのね。だから聞き覚えがあったのか。

「ルドルフさん、少なくとも私は気にしていません。お互いに国の為に、信念の為に戦ったのですから。この私だって、先の戦いで帝国兵を殺しました。恨むのはお門違いでしょう」

ルドルフは目をこれでもかと開いて驚いた。

「無論、人によっては許せない方もいるでしょう。でも、今、この場に置いては問題ありません。だから謝罪など不要です」

「そうか。強いのぅ」

憑き物が落ちたようにルドルフは晴れやかになった。

「それで、私にどうしろと言うのですか?」

「別に何もしなくてよい。しいて言うなら、妃選定の儀にでて欲しいと言う所かのぅ?お主が動けば、結果的に、ヴァイス侯爵、及び他の腐った貴族が力を失くしていきそうじゃからな」

「妃選定の儀ねぇ~出なくてもいいなら帰りたいけど───」

シオンは目を瞑ると、奴隷にされ、殺害された女性達を思い出していた。

「少し借りができたから妃選定の儀にはでるわ。でも皇帝陛下が、使えないヤツなら、こっちから振ってやるわよ!」

「お嬢らしいですね」

ルドルフはテーブルに黒いメダルを置いた。

「これを渡しておこう。これと同じ紋様のある建物や人物に会うことがあれば見せるとよい。ワシが後ろ盾になっておると協力してくれる。ワシの方からも連絡はしておくでな」

ルドルフ・ファーレンは隠退したと言っても、軍部に強い影響力を持つ。これは心強いわね。

「ルドルフ様のお話はわかりました。こちらはいつも通り、勝手に動きますがよろしいのですね?」

「うむ、好きにしなさい。困った事があればワシが力になる」

「それでは2つほどお聞きしたい事があります」


シオンは疑問に思っていた事を尋ねた。




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