悪女と言われた令嬢は隣国の王妃の座をお金で買う!

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貧しい人々が助かる!?

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シオンとアメリアが夢中になって話し合っていた。
地元の平民であるアメリアの目の付け所の意見は、とてもシオンの役に立っていた。

自分にはない視点から、商品の価値や用途を言ってくれるので、とても助かった。

「ありがとうアメリア。とても参考になるわ」
「いえいえ、こちらも楽しいです!」

最初の混乱が嘘の様に会話が弾み、シオンはアメリアの意見を参考にメモしていく。

そこに、扉をノックする音が聞こえた。

「シオンお嬢様、昼食をお持ちしました」

護衛の騎士が入ってきた。

「もうそんな時間?時間が経つのは早いわね。アメリア、先に昼食にしましょう」

宿の食事は毒味も兼ねて、外で買ってきている。
出来立てのパンにチーズとサラダと言うシンプルなものだ。

「ここにはチーズはあるのよね?」
「はい。チーズは保存が効いて長持ちしますし、帝国では酪農も盛んなので安価で手に入りますので」

なるほどね。
このチーズ、なにか付加価値を付けて売れないかしら?
シオンがチーズを見ながら思案していると、心配になったアメリアが言った。

「大丈夫ですか?何か悪い事を企んでいる様な怖い顔でチーズをみてましたが?」
「怖い顔って失礼ね!ただ、このチーズで何か商売ができないかな?と思っただけよ」

シオンにそう言われてアメリアもチーズを直視した。

「普段食べているものですからね。安価で庶民の口に入るものですから、これに何かしようとは考えられないですね」

「でも、貴族もチーズは食べるわよ?」
「確かにそうですが、チーズにも種類がありますし、この寒い時期ですとホットワインと一緒に、干し葡萄とチーズを食べるのが一般的でしょうか?」

そこでシオンはうん?と思った。

「チーズを使った料理はないの?」
「あるにはありますが、基本的に塩気のあるチーズをパンやワインと一緒に食べるのが主流です」

「なるほど。お酒のおツマミと庶民のおかず程度の認識なのね。それなら──」

シオンの中で色々と構想が形になりつつある中で、アメリアの一言に衝撃を受けた。

「所でこれはなんですか?」

シオンの買ってきた作物をみて尋ねた。

「これはジャガイモ………こちらでは土芋と言う作物とサツマイモ………赤芋という作物ね。じゃがバタとか焼き芋とか美味しいのよね~」

シオンの言葉にアメリアは真っ青になって叫んだ!

「た、食べたんですか!!!?これには毒があるんですよ!」

???

「はっ?何を言っているの?バカなの?土芋は繁殖力もあるし、短期間で実るので食べ物として優秀でしょう?これのおかげで我が領地では、飢え死にする人が居なくなったほど優秀な食べ物よ?結構保存も長持ちするし軍の兵站にも使えるのよ」

シオンの言葉にアメリアは絶句した。

「う、嘘よ………飢えて我慢できなくなった人がこれを食べて苦しんだのも……」

それを聞いてシオンはようやくピンッときた。

「ああ、土芋にはこの緑色の芽には毒素が含まれるの、こっちの全て茶色状態なら食べられるのよ。芽の出た物は畑に植えれば次の収穫が見込めるの。それにこの土芋は様々な料理に使えるの。塩とバターで食べるだけでも美味しいし、バターの代わりにチーズを使っても良いわね♪」

この事を知っていれば、飢えて死ぬ人も少なくなり、今の領民の暮らしもマシになっていたはずだった。アメリアは自分の無知を知り落ち込むのだった。









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