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購買店でデート?ですよ!
しおりを挟むテクテクテクッと、イージスとシオンはダンジョンの購買店へやってきました。
「それで何を買うの?」
ダンジョンの購買店はけっこう広く、現代でいう所のちょっとしたスーパーぐらいの大きさがあった。それも道を挟んで2つ並んでいた。
これは必要な物がごちゃごちゃしないよう、装備品と消耗品が別れていた。
今回、イージスが来たのは消耗品のある購買店であった。
「そうだなぁ~、新しい『ダンジョン飯』を買いにきたんだよ」
消耗品の購買店には薬草やポーション類以外にも『ダンジョン飯』という食糧も扱っていた。
「ほうほう?新しい調味料の『味噌』でも買いにきたのかな?」
「流石に詳しいな。それも買うけど、妹のお気に入りの『コンソメ』を買いに来たんだ。スター学園の購買店はシオンのおかげで、他より安く買えるからね」
固体の『コンソメ』はフリーズドライ技術の結晶とも言える。長期保存に適しており、荷物もかさ張らない。お湯を注ぐだけでこの世界ではとんでもなく美味しいスープが飲めるという三拍子揃ったアイテムなのだ!
他にも具材を煮込んで投入するだけでもメチャクチャ美味しい!今までの塩味とチーズ、干し肉のダンジョン飯から解放された時代が到来したのだ。
シオンの名前が大陸中に広まったのは過剰表現ではないのである!
「コンソメかぁ~あれに色々な具材を入れて煮込むと美味しいんだよね~」
「そうだね。僕も好きなんだ」
!?
「えっ、私の事が?」
「い、いや!コンソメスープが好きってことだよ!わかってやっているだろう!?」
シオンはえへへっと笑って濁した。
「まったく、命が幾つ合っても足りないよ………」
どこに王子達の目があるのかわからないのだ。イージスは少し辺りをキョロキョロして、胸を撫で下ろした。
「朝はマリアに任せたから見てなかったけど、色々と増えているね」
「シオンのアイデアから派生した商品だよ。本当にこれらの商品を見るとシオンは天才だと思うよ」
えへへへッ、まぁ前世の記憶を頼りに試行錯誤した結果なんだけどね。
「せっかくだし私も『たまごスープ』買っていこうかな?」
フリーズドライスープの種類も増えて、今ではシオンの設立した『ダンジョン飯・研究所』の研究員達によって日々、新しいレシピが作られているのだ。
「まさか玉子が長期保存できるなんて信じられなかったよ」
「そうだよね。いつもは産みたてを調理して食べるからね」
イージスとシオンはまるで恋人の様に、ショッピング?を楽しんだ。
これが、大勢の買い物客(生徒)に見られているとも気付かずに…………
そしてシオン達は買い物の帰りに、食事をしていく事にした。この購買店は前にも述べたがけっこう広く、奥にはダンジョンに潜る前の食事ができるようになっていた。
「いっぱいかったね~」
「そうだね。僕は何度も来るのが面倒だからまとめ買いするんだよ」
雑談に花を咲かせながら、美味しい料理を食べるのは、まさにデートと呼べるものだった。無論、イージスやシオンにはそのつもりは無かったのだが………
「これが新しいダンジョン飯か?」
「そうそう、スープの元になる味噌より甘く作ってあって、スティック状のキュウリなどを付けて食べるの♪」
綺麗に盛られたキュウリやニンジンといったスティック状の野菜を1つ摘まんで食べた。
うん!カリッとムシャムシャと、うまし!
「本当だ!甘辛い味噌がキュウリに合って旨いよ!これなら野菜嫌いな人でも食べられるね!」
色々なご飯の種類が増えており、堪能するイージス達であった。
そして次の日─
ダンジョンの調査の為、入口に集まっていた。
「あの~?どうして僕までここにいるんでしょうか?」
何故かイージスまでいました………
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