封印されし聖剣戦記！～幻のアーティファクトを求めて～

4章：クロスロード公国

開戦！

その夜、魔族達は攻めてきた。国王は騎士団を小隊に別けて城塞都市の郊外、つまり城壁の外に家を構える民達を教会に避難させた。

少数で各民家を訪ねて避難させていた。幸い、王都は貿易で盛んなため人の出入りは多い。
しかし大規模にすると魔族に気付かれて作戦を変更するかも知れなかったからだ。

そして、人々が寝静まった時間に─

ウオォォォォォォオオオオオオオオ！！！！！！！！！

多くの魔物が攻めて来たのだった。

『殺せ！犯せ！喰らえ！！！』

オークやゴブリンで構成された第一陣はハンマーや斧を持っていた。城門の扉を破壊する為だ。
しかし魔物達は気付かなかった。本来であれば城壁に見張りの兵士がおり、城壁の外に異変があれば鐘を鳴らして知らせることになっていた。しかし、城壁の上には誰も居なかった。

多くの魔物達が城門の前にたどり着き、城門に斧やハンマーを打ち込み始めた。

「そろそろじゃな。詠唱開始！」

魔物達が城門にたどり着く少し前に、城壁の上にしゃがんで隠れていた公国の魔法使い達が詠唱を開始していた。そして、後ろの魔物達も十分に近付いてきたのを見計らって一斉に魔法を放った！

ガラド老師はまず目印になるよう、１番魔物が密集している中心に炎の魔法を放った。暗闇の中、他の魔法使い達は号令の下、一斉に魔法を放った！

突如、城壁から空を明るく照らすような炎の魔法が何十個も発射された。

ドッガーーーーーーーン！！！！！！

幸いにも魔物達は山の方からやってきたので、郊外の麦畑を踏み砕きながら襲ってきたため、周囲に民家はほとんど無かったのが幸いであった。そして魔族に見せ付ける為に『炎』系の魔法を使ったのだった。

本来であれば風系の魔法か水系の魔法で魔物達を粉砕するのがベストであったが、魔族に作戦でバレていたんだぞ！と、メッセージが込められていたのだ。

この初擊で約300体もの魔物が吹き飛んだのだった。そして中央で魔物達を指揮していた魔王軍の兵士であるミノタウロスも消し飛んだ事で、指揮する者がいなくなった。
動揺する魔物達に、城門が開いたのだった。

何が起きたのか、起きているのかわからない魔物達に、城門の後ろで待ち構えていた騎士団長のドームが一気に飛び出して城門の前にいた魔物達を蹴散らした。

「一匹も逃すな！倒しまくれ！！！！」

オオオォォォォォォォォォ！！！！！！

魔法使い達ばかり良い所を取られないよう、騎士団も士気が高く、雄叫びを上げながら魔物達に突撃した！