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3章:アーティファクト
最後の試練!
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「な、なんで!?早く消さないと!」
シオンが慌てて火を消そうとしたがルビーが止めた。
「…………大丈夫。最後の仕事だから」
「はぁ?なにを言って─」
「グレン、わかっているでしょう?」
ルビーは燃えながらグレンを指さした。
「い、嫌だ!僕はやりたくない!?聖剣リリーいう通り、全部のアーティファクトを探さなくても魔王ぐらい倒せる!だから─」
怯えて嫌がるグレンが理解出来なかった。一体何が起きているのよ!?
「各アーティファクトと『守護者』は対(つい)の存在、お互いに惹かれ合うのよ。初めて会った時から私にはわかっていたわ。そして貴方も」
状況が理解できないシオンは何気に言った。
「えっ、グレンが火のアーティファクトの守護者なの!?やったじゃない!グレンなら信用できるし、火のアーティファクトの力を使いたい放題ね♪」
そんなシオンを、察しのよいアークが肩を叩いた。
「なに???」
「火のアーティファクトの権能を忘れたか?」
えっ?なんのこと!?
シオンは決して頭は悪くないのだが、察しの悪さは筋金入りだった。
「………最後にグレンが私を殺す事で、火のアーティファクトの力が取り戻すわ」
!?
そうだった!愛する者を死なせる事で『炎の精霊』に産まれ変わらせるんだった!?
「グレン、お願い!私を貴方の力にならせて?一緒に戦いたいの」
「ルビーは50年もの間苦しんだじゃないか!もう十分だろう!?どうして、また死なないといけないんだよ!」
ルビーは燃えながらグレンに近付いた。
「………熱くない?」
「うん、これは精霊の炎。術者の願った者しか燃やさないの」
ルビーはそのままグレンを抱き締めた。
「私の為に泣いてくれてありがとう。そんな貴方だから私は役に立ちたいと思うの。50年前、守護者や勇者がいない中で、必死に私を護ってくれていた人達を守れず、逆に50年も苦しめてしまった。だから、今度は『私』が役に立ちたいの…………お願いグレン」
「くっ………どうして僕なんだよ!」
グレンは溢れる涙を止めることができず、嗚咽を鳴らしながらルビーを逆に抱き締めた。
「グレンが優しい守護者で良かった。大丈夫、貴方は1人じゃないわ。シオンやアーク、そして『私』もずっと側にいるから」
「ああ、ごめん………本当にごめん」
グレンは腰の剣を抜いた。
「グレン!待って!?何か方法があるはずよ!みんなで考えましょう!ルビーが死なない方法を─」
グレンはシオンが止める前にルビーを剣で突き刺した。
「ありがとう。グレン…………私の守護………者……」
貫かれたルビーは一気に燃え上がり、しばらく燃え続けると、後には何も残らなかった。
バチンッ!
「くっ、どうしてルビーを刺したのよ!?みんなで考えれば他に方法があったかも知れないでしょう!」
シオンはグレンを引っ張叩いた!
『グレン君を責めないで下さい。仕方がなかったんです。火のアーティファクトの宝石(器)は長年、邪霊に浸食されて使い物にならなくなっていました。1度壊して再生させないといけなかったのです』
聖剣リリーは宝石を叩き壊した時に全てを理解したのだった。本来、聖属性の力を増幅する聖なる宝石が、魔に染まっていたことを。
『火の力は再生も司ります。1度全て壊さないといけなかったのです』
「だからって!何にも悪いことをしていない女の子が死ぬ理由にならないわ!」
ルビーは精霊で人間ではないのだが、この場にそんな野暮な事をいう者はいなかったのだった。
シオンが慌てて火を消そうとしたがルビーが止めた。
「…………大丈夫。最後の仕事だから」
「はぁ?なにを言って─」
「グレン、わかっているでしょう?」
ルビーは燃えながらグレンを指さした。
「い、嫌だ!僕はやりたくない!?聖剣リリーいう通り、全部のアーティファクトを探さなくても魔王ぐらい倒せる!だから─」
怯えて嫌がるグレンが理解出来なかった。一体何が起きているのよ!?
「各アーティファクトと『守護者』は対(つい)の存在、お互いに惹かれ合うのよ。初めて会った時から私にはわかっていたわ。そして貴方も」
状況が理解できないシオンは何気に言った。
「えっ、グレンが火のアーティファクトの守護者なの!?やったじゃない!グレンなら信用できるし、火のアーティファクトの力を使いたい放題ね♪」
そんなシオンを、察しのよいアークが肩を叩いた。
「なに???」
「火のアーティファクトの権能を忘れたか?」
えっ?なんのこと!?
シオンは決して頭は悪くないのだが、察しの悪さは筋金入りだった。
「………最後にグレンが私を殺す事で、火のアーティファクトの力が取り戻すわ」
!?
そうだった!愛する者を死なせる事で『炎の精霊』に産まれ変わらせるんだった!?
「グレン、お願い!私を貴方の力にならせて?一緒に戦いたいの」
「ルビーは50年もの間苦しんだじゃないか!もう十分だろう!?どうして、また死なないといけないんだよ!」
ルビーは燃えながらグレンに近付いた。
「………熱くない?」
「うん、これは精霊の炎。術者の願った者しか燃やさないの」
ルビーはそのままグレンを抱き締めた。
「私の為に泣いてくれてありがとう。そんな貴方だから私は役に立ちたいと思うの。50年前、守護者や勇者がいない中で、必死に私を護ってくれていた人達を守れず、逆に50年も苦しめてしまった。だから、今度は『私』が役に立ちたいの…………お願いグレン」
「くっ………どうして僕なんだよ!」
グレンは溢れる涙を止めることができず、嗚咽を鳴らしながらルビーを逆に抱き締めた。
「グレンが優しい守護者で良かった。大丈夫、貴方は1人じゃないわ。シオンやアーク、そして『私』もずっと側にいるから」
「ああ、ごめん………本当にごめん」
グレンは腰の剣を抜いた。
「グレン!待って!?何か方法があるはずよ!みんなで考えましょう!ルビーが死なない方法を─」
グレンはシオンが止める前にルビーを剣で突き刺した。
「ありがとう。グレン…………私の守護………者……」
貫かれたルビーは一気に燃え上がり、しばらく燃え続けると、後には何も残らなかった。
バチンッ!
「くっ、どうしてルビーを刺したのよ!?みんなで考えれば他に方法があったかも知れないでしょう!」
シオンはグレンを引っ張叩いた!
『グレン君を責めないで下さい。仕方がなかったんです。火のアーティファクトの宝石(器)は長年、邪霊に浸食されて使い物にならなくなっていました。1度壊して再生させないといけなかったのです』
聖剣リリーは宝石を叩き壊した時に全てを理解したのだった。本来、聖属性の力を増幅する聖なる宝石が、魔に染まっていたことを。
『火の力は再生も司ります。1度全て壊さないといけなかったのです』
「だからって!何にも悪いことをしていない女の子が死ぬ理由にならないわ!」
ルビーは精霊で人間ではないのだが、この場にそんな野暮な事をいう者はいなかったのだった。
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