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3章:アーティファクト
呪いの炎
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魔法で周囲を照らしながら地下へと降りていった。それなりに降りて行った所で目の前に扉が現れた。
「ふぅ………シオン、覚悟は良いかしら?多分戦闘になるわ。扉を開く前に覚悟を決めて」
ルビーの言葉に軽く聖剣を構えた。
「ルビーは何を知っているの?そして、扉の向こうには何がいるの?」
「この扉の向こうには大公バランがいるわ」
!?
「はっ?でも50年前に死んだんじゃ………」
「大公は火のアーティファクトの力で生きているわ。それこそ、火のアーティファクトの門番として存在しているの」
ルビーは驚くシオンに続けた。
「私の願いは早く大公を眠らせて欲しいの。50年前、最愛の人を亡くした大公の叫びに火のアーティファクトは共鳴してしまった。火のアーティファクトは【呪いの炎】なの。火のアーティファクトの『所有者を心から愛する者』を炎で燃やすことで、【炎の精霊】へと産まれ変わらす事ができるのよ」
!?
「呪いの炎…………」
「所有者を愛する者を殺すと、炎の精霊にするのか?ただ殺すだけじゃダメなんだな?」
「そう、それこそが呪いの炎と呼ばれるゆえんよ。戦力を増強したい場合は親しい人間を炎で焼かないといけないの。相手の同意が必要なのよ。でも余程のことがないと、自分を殺して欲しいなんて言わないでしょう。それに、それほど愛してくれている人を、死なせるのだから最悪な権能なのよ」
ルビーは歯をくいしばって吐き捨てるように言った。
「今の大公の精神は火のアーティファクトに支配されているわ。都市に近付く者を殺すように操られているの。だから扉を開けると炎の精霊との戦いになるわ。火のレジストを最大にして挑まないと死ぬわよ!」
「わかったわ。全力で戦う!でも、ルビーって何者なの?50年前の事を見てきたように言うのね?」
50年前にはクラマさん以外はその場に居なかったはずなのだが?一体ルビーって何者なんだろうか?
「………私は─」
「まぁまぁ、良いじゃないか?取り敢えず敵じゃないなら」
グレンが言葉を遮って言った。
「グレン?」
「ルビーが何者でも僕達のやる事は変わらない。言い辛いことを無理に聞き出さなくてもいいだろう?」
まぁ、確かにね。
「そうね。無理には聞かないわ。火のアーティファクトのことで嘘を言っているとは思えないしね。今はこの後の戦闘に全力を尽くしましょう!」
アークも同意して、遂に扉を開くのだった。
「ふぅ………シオン、覚悟は良いかしら?多分戦闘になるわ。扉を開く前に覚悟を決めて」
ルビーの言葉に軽く聖剣を構えた。
「ルビーは何を知っているの?そして、扉の向こうには何がいるの?」
「この扉の向こうには大公バランがいるわ」
!?
「はっ?でも50年前に死んだんじゃ………」
「大公は火のアーティファクトの力で生きているわ。それこそ、火のアーティファクトの門番として存在しているの」
ルビーは驚くシオンに続けた。
「私の願いは早く大公を眠らせて欲しいの。50年前、最愛の人を亡くした大公の叫びに火のアーティファクトは共鳴してしまった。火のアーティファクトは【呪いの炎】なの。火のアーティファクトの『所有者を心から愛する者』を炎で燃やすことで、【炎の精霊】へと産まれ変わらす事ができるのよ」
!?
「呪いの炎…………」
「所有者を愛する者を殺すと、炎の精霊にするのか?ただ殺すだけじゃダメなんだな?」
「そう、それこそが呪いの炎と呼ばれるゆえんよ。戦力を増強したい場合は親しい人間を炎で焼かないといけないの。相手の同意が必要なのよ。でも余程のことがないと、自分を殺して欲しいなんて言わないでしょう。それに、それほど愛してくれている人を、死なせるのだから最悪な権能なのよ」
ルビーは歯をくいしばって吐き捨てるように言った。
「今の大公の精神は火のアーティファクトに支配されているわ。都市に近付く者を殺すように操られているの。だから扉を開けると炎の精霊との戦いになるわ。火のレジストを最大にして挑まないと死ぬわよ!」
「わかったわ。全力で戦う!でも、ルビーって何者なの?50年前の事を見てきたように言うのね?」
50年前にはクラマさん以外はその場に居なかったはずなのだが?一体ルビーって何者なんだろうか?
「………私は─」
「まぁまぁ、良いじゃないか?取り敢えず敵じゃないなら」
グレンが言葉を遮って言った。
「グレン?」
「ルビーが何者でも僕達のやる事は変わらない。言い辛いことを無理に聞き出さなくてもいいだろう?」
まぁ、確かにね。
「そうね。無理には聞かないわ。火のアーティファクトのことで嘘を言っているとは思えないしね。今はこの後の戦闘に全力を尽くしましょう!」
アークも同意して、遂に扉を開くのだった。
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