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3章:アーティファクト
訳あり
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ルビーはグレンとアークに魔法を掛けた。
「これは?」
「呪いの炎は私の魔力には反応しないの。だから私の魔力を二人に纏わせたの」
うん?私は?やだよ!?私だけ炎に包まれるのは!?
「わ、私は!?私にもしてよ~!」
「えっ?あ、ごめんね。聖剣を持っていたら襲われないから。言うの忘れててごめんなさい」
なるほど。腐っても聖剣ということか………
『いえ、腐ってませんよ?百合が好きなだけです♪グフフフ』
もう嫌!こいつ!?
「どうかしました?」
ルビーが心配そうに尋ねる。
「うん、大丈夫デス」
こうしてシオン達はついに廃墟になった都市へと足を踏み入れた。
都市は50年という歳月と魔王軍の進軍によりほとんどが倒壊していたが、元々が石材で作られた建物が多い都市だったので原型を留めていた。
「…………不思議ね。虫一匹いないわ」
シオンに言われてグレンがキョロキョロして見渡した。
「本当だ。静かだな?」
「生物というものがこの都市に存在していないようだ」
「こっちよ!」
ルビーは都市の奥へと進んでいきます。疑問に思ったシオンが尋ねました。
「ねぇ、ルビーはよくここに来るの?」
「………いいえ、年に何回かね」
「でも、貴方の魔力を纏わせれば何人でも連れてこれるのでしょう?どうして都市の復興をしなかったの?」
ルビーは重たい口を開いた。
「正直、私はあなたが聖剣を出すまでは奥まで案内するつもりは無かったわ。適当に廻って、時間制限があるからと切り上げる予定だったの。国王様の命令を無視できないからね。でも─」
ルビーは都市の中央にある城を見詰めた。
「聖剣を持つ勇者であれば、この50年の悪夢を終わらせる事ができる!」
険しい顔で城を見るルビーにシオンは気圧された。
「なぁ?都市が滅んだのは50年前でルビーの産まれる前だろう?どうしてそこまで思い詰めているんだ?」
デリカシーのないグレンが直接聞いてきた。
「…………ごめんなさい。今は言えない。でも、火のアーティファクトの所に着いたら説明するわ」
何やら訳ありのようだ。シオンはそれ以上の事は聞かずに先を急いだ。城壁都市であった場所は中央に小さな城があり、半壊していたが入口から入る事ができた。
「ここから地下へ行けるの」
入口をくぐり抜け、中庭になっていた場所の隅っこの地面に短剣を刺すと地下への階段が現れた。
「隠し通路!?」
「どうして君がこんな事を知っている?」
「……………」
アークの質問を無視してルビーは降りて行った。
「シオン、気を付けろよ?」
「そうだな。何を隠しているのかわからない以上、罠の可能性も考えておけよ」
アークとグレンの忠告に頷くシオンだった。
「これは?」
「呪いの炎は私の魔力には反応しないの。だから私の魔力を二人に纏わせたの」
うん?私は?やだよ!?私だけ炎に包まれるのは!?
「わ、私は!?私にもしてよ~!」
「えっ?あ、ごめんね。聖剣を持っていたら襲われないから。言うの忘れててごめんなさい」
なるほど。腐っても聖剣ということか………
『いえ、腐ってませんよ?百合が好きなだけです♪グフフフ』
もう嫌!こいつ!?
「どうかしました?」
ルビーが心配そうに尋ねる。
「うん、大丈夫デス」
こうしてシオン達はついに廃墟になった都市へと足を踏み入れた。
都市は50年という歳月と魔王軍の進軍によりほとんどが倒壊していたが、元々が石材で作られた建物が多い都市だったので原型を留めていた。
「…………不思議ね。虫一匹いないわ」
シオンに言われてグレンがキョロキョロして見渡した。
「本当だ。静かだな?」
「生物というものがこの都市に存在していないようだ」
「こっちよ!」
ルビーは都市の奥へと進んでいきます。疑問に思ったシオンが尋ねました。
「ねぇ、ルビーはよくここに来るの?」
「………いいえ、年に何回かね」
「でも、貴方の魔力を纏わせれば何人でも連れてこれるのでしょう?どうして都市の復興をしなかったの?」
ルビーは重たい口を開いた。
「正直、私はあなたが聖剣を出すまでは奥まで案内するつもりは無かったわ。適当に廻って、時間制限があるからと切り上げる予定だったの。国王様の命令を無視できないからね。でも─」
ルビーは都市の中央にある城を見詰めた。
「聖剣を持つ勇者であれば、この50年の悪夢を終わらせる事ができる!」
険しい顔で城を見るルビーにシオンは気圧された。
「なぁ?都市が滅んだのは50年前でルビーの産まれる前だろう?どうしてそこまで思い詰めているんだ?」
デリカシーのないグレンが直接聞いてきた。
「…………ごめんなさい。今は言えない。でも、火のアーティファクトの所に着いたら説明するわ」
何やら訳ありのようだ。シオンはそれ以上の事は聞かずに先を急いだ。城壁都市であった場所は中央に小さな城があり、半壊していたが入口から入る事ができた。
「ここから地下へ行けるの」
入口をくぐり抜け、中庭になっていた場所の隅っこの地面に短剣を刺すと地下への階段が現れた。
「隠し通路!?」
「どうして君がこんな事を知っている?」
「……………」
アークの質問を無視してルビーは降りて行った。
「シオン、気を付けろよ?」
「そうだな。何を隠しているのかわからない以上、罠の可能性も考えておけよ」
アークとグレンの忠告に頷くシオンだった。
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