15 / 84
1章:隠れ里攻防戦!
呪い………
しおりを挟む
片膝を付いているキングレオにアイラは見下ろしながら言った。
「ここまでよ!あなたが見下した人間に事に敗れるなんてどんな気持ちかしら?」
「まだ魔力が尽きないとは………本当は貴様が勇者なのではないのか?」
キングレオは皮肉で言ったが、アイラは澄ました顔で言い返した。
「私ごときが勇者な訳ないでしょう?勇者とは『悲しみの慟哭』を乗り越えた者にしかなれないのだから………」
アイラは静かに拳に魔力を込めた。
「貴様が魔法を使わなかったのは、我々が大規模魔法の対抗策を用意していたのを知っていたからか?」
「知ってはいないわ?ただ、魔王軍も私の事を知っているから予想ができただけよ。だから私も魔力を使った格闘術の修行をしていたのですから」
キングレオは一言そういって、眼を閉じた。
「さぁ!この村を襲った報いを受けなさい!」
魔力を込めたアイラが振りかぶった。キングレオも眼をカッ!と開き、最後の抵抗をした。
「貴様こそ近付き過ぎたな!」
アイラはキングレオの四本の腕を警戒していたが、戦い開戦時の尻尾が地面から飛び出した。
アイラは間一髪で避けるとそのまま手をナイフのように細めてキングレオを貫こうとした!
ドスッ!
!?
「なっ!?」
驚きの声を上げたのはアイラだった。アイラの足に矢が刺さっていた。キングレオは腕を交差してブロックしていたが、アイラを見て後方へ跳び去った。
アイラも後ろに下がると、足に刺さった矢を抜いた。
パキパキッ…………
「これはっ!?」
矢が刺さった所から身体が『石』になっていった。そこに、笑い声が響いた。
『クククッ………ようやく隙をみせましたね?』
マスクをした時のような、くもった声が聞こえてきた。目を声のした方にやると空に黒いマントで全身を纏った人物が浮いていた。それを見たキングレオが叫んだ!
「なんのマネだ!シェイドデス!?」
!?
「シェイドデス!?魔王軍4魔将軍が1人!?」
アイラが解呪を試みるが、進行を遅らせるしか出来なかった。
「くっ、なんて強力な呪いなの!?」
そんなアイラを見てシェイドデスは言った。
『流石の大賢者アイラでもキングレオとの戦いで魔力を使い、疲弊している状態では解呪はできないでしょう?何せエルフ皇女ですら解呪出来ず【石像になっている】のですから』
シェイドデスの言葉にアークが叫んだ!
「シェイドデス!!!!!!!」
アークは炎の魔法を使い攻撃を仕掛けた。
しかしシェイドデスの身体に吸い込まれると、そのまま跳ね返ってきた!
ドガッーーーーン!!!!
「ぐはっ!?」
目の前で着弾しアークが吹き飛んだ。
『誰かと思ったらアークじゃないですか?キングレオよ、まだ始末してなかったのですか?』
「黙れ!それよりどうして手を出した!今回の作戦は俺に任されていたはずだぞ!」
『助けてあげたのに随分なもの言いですね。私は保険ですよ。チャンスがあれば手伝うようにと魔王様から言われたのです。文句があれば魔王様に言って下さい』
キングレオは歯ぎしりして唸った。
「クソッ!俺はまだ本気を出していなかったのだがな!アイラよ、くだらない邪魔が入った。1人の武人として詫びよう」
パリッパリッ…………
「ふふっ、私にも油断があったのは認めるわ。まさか魔王直属の将軍二人がやってくるなんて予想外だったわ」
後ろでアークがシオンに手当てされて起き上がった。
「シェイドデス!貴様だけはここで殺す!殺してやる!!!!!」
剣を構えてシェイドデスを睨み付け、駆け出した。
「アイラ様!今すぐ手当てを!」
「おか………アイラさん、すぐに治すから!」
グレンとシオンも後に続いた。それをみたアイラは覚悟を決めた。
『シオン、ごめんね………』
「ここまでよ!あなたが見下した人間に事に敗れるなんてどんな気持ちかしら?」
「まだ魔力が尽きないとは………本当は貴様が勇者なのではないのか?」
キングレオは皮肉で言ったが、アイラは澄ました顔で言い返した。
「私ごときが勇者な訳ないでしょう?勇者とは『悲しみの慟哭』を乗り越えた者にしかなれないのだから………」
アイラは静かに拳に魔力を込めた。
「貴様が魔法を使わなかったのは、我々が大規模魔法の対抗策を用意していたのを知っていたからか?」
「知ってはいないわ?ただ、魔王軍も私の事を知っているから予想ができただけよ。だから私も魔力を使った格闘術の修行をしていたのですから」
キングレオは一言そういって、眼を閉じた。
「さぁ!この村を襲った報いを受けなさい!」
魔力を込めたアイラが振りかぶった。キングレオも眼をカッ!と開き、最後の抵抗をした。
「貴様こそ近付き過ぎたな!」
アイラはキングレオの四本の腕を警戒していたが、戦い開戦時の尻尾が地面から飛び出した。
アイラは間一髪で避けるとそのまま手をナイフのように細めてキングレオを貫こうとした!
ドスッ!
!?
「なっ!?」
驚きの声を上げたのはアイラだった。アイラの足に矢が刺さっていた。キングレオは腕を交差してブロックしていたが、アイラを見て後方へ跳び去った。
アイラも後ろに下がると、足に刺さった矢を抜いた。
パキパキッ…………
「これはっ!?」
矢が刺さった所から身体が『石』になっていった。そこに、笑い声が響いた。
『クククッ………ようやく隙をみせましたね?』
マスクをした時のような、くもった声が聞こえてきた。目を声のした方にやると空に黒いマントで全身を纏った人物が浮いていた。それを見たキングレオが叫んだ!
「なんのマネだ!シェイドデス!?」
!?
「シェイドデス!?魔王軍4魔将軍が1人!?」
アイラが解呪を試みるが、進行を遅らせるしか出来なかった。
「くっ、なんて強力な呪いなの!?」
そんなアイラを見てシェイドデスは言った。
『流石の大賢者アイラでもキングレオとの戦いで魔力を使い、疲弊している状態では解呪はできないでしょう?何せエルフ皇女ですら解呪出来ず【石像になっている】のですから』
シェイドデスの言葉にアークが叫んだ!
「シェイドデス!!!!!!!」
アークは炎の魔法を使い攻撃を仕掛けた。
しかしシェイドデスの身体に吸い込まれると、そのまま跳ね返ってきた!
ドガッーーーーン!!!!
「ぐはっ!?」
目の前で着弾しアークが吹き飛んだ。
『誰かと思ったらアークじゃないですか?キングレオよ、まだ始末してなかったのですか?』
「黙れ!それよりどうして手を出した!今回の作戦は俺に任されていたはずだぞ!」
『助けてあげたのに随分なもの言いですね。私は保険ですよ。チャンスがあれば手伝うようにと魔王様から言われたのです。文句があれば魔王様に言って下さい』
キングレオは歯ぎしりして唸った。
「クソッ!俺はまだ本気を出していなかったのだがな!アイラよ、くだらない邪魔が入った。1人の武人として詫びよう」
パリッパリッ…………
「ふふっ、私にも油断があったのは認めるわ。まさか魔王直属の将軍二人がやってくるなんて予想外だったわ」
後ろでアークがシオンに手当てされて起き上がった。
「シェイドデス!貴様だけはここで殺す!殺してやる!!!!!」
剣を構えてシェイドデスを睨み付け、駆け出した。
「アイラ様!今すぐ手当てを!」
「おか………アイラさん、すぐに治すから!」
グレンとシオンも後に続いた。それをみたアイラは覚悟を決めた。
『シオン、ごめんね………』
0
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

冤罪だと誰も信じてくれず追い詰められた僕、濡れ衣が明るみになったけど今更仲直りなんてできない
一本橋
恋愛
女子の体操着を盗んだという身に覚えのない罪を着せられ、僕は皆の信頼を失った。
クラスメイトからは日常的に罵倒を浴びせられ、向けられるのは蔑みの目。
さらに、信じていた初恋だった女友達でさえ僕を見限った。
両親からは拒絶され、姉からもいないものと扱われる日々。
……だが、転機は訪れる。冤罪だった事が明かになったのだ。
それを機に、今まで僕を蔑ろに扱った人達から次々と謝罪の声が。
皆は僕と関係を戻したいみたいだけど、今更仲直りなんてできない。
※小説家になろう、カクヨムと同時に投稿しています。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる