4 / 84
0章:プロローグ!
聖剣…………えっ?
しおりを挟む
まずは彼の事を尋ねる事にした。
「余り時間がないので手短に聞くわ。貴方は誰?どうしてここにいるのかしら?」
シオンもお人好しなだけではなく、敵か味方かわからないので、すぐに剣を抜けるように集中していた。
「………俺はアーク。旅の剣士だ。魔王軍と戦う為に隠された聖剣を求めてやってきた」
旅の剣士ね………
「表の魔王軍は貴方が?」
「ああ、運悪く鉢合わせになってな。魔王軍に聖剣を奪われる訳にはいかないから戦うハメになった」
「あんた、魔法も使うのか?」
「どうしてそう思う?」
「倒された魔物に魔法で焼かれたと思われる傷があった」
アークは目を閉じて少し考えてから答えた。
「そうだ。多少の魔法が使える」
「わかったわ。魔王軍から聖剣を守ってくれてありがとう。…………でも─」
ここでシオンは剣を抜き、アークの首に当てた。
「シオン!?」
「聖剣の事は勇者の隠れ里でも一部の者しか知らなかった情報よ!旅の剣士が聞き込みで知れる情報ではないのよ。貴方の目的はなに!」
シオンの剣幕にアークは答えた。
「………詳しくは言えない。ただ、大切な人を救うのに聖剣が必要だった。それだけだ」
アークはシオンの目をじっと見詰めて答えた。
「どうやら嘘ではなさそうね。わかったわ。魔王軍に対抗するには1人でも腕利きが必要だからね。取り敢えず敵ではないと信じましょう」
カチンッと剣を鞘にしまった。
「シオンいいのか?」
「ええ、私は人を見る眼はあるからね。彼は少なくとも敵ではないわ。それより早速、聖剣を手に入れるわよ!」
シオンはアークに手を貸して起き上がらせ、目の前の扉に手を当てた。
ゴゴゴゴッ!!!!!
重たい石の扉が開いていった。
「俺が押した時はびくともしなかったんだがな?」
「これも勇者の血脈じゃないと作動しないのよ。まぁ、壊せば別だけどね」
扉が開き中に入ると、部屋の中央に聖剣が石の台座に突き刺さっていた。
「さぁ!グレン、引いてちょうだいなっ!」
シオンは腰に手を当て、指を突き刺していった。
「どうして俺なんだよ」
「グレン?か弱い女の子に力仕事をさせようって言うの?酷いわ!?」
「………シオン、そのぶりっ子ヤメロ。気持ち悪い!それより、本当はどうなんだ?」
「ん~、罠とかあったら嫌じゃん?」
グレンは口をパクパクさせた。
「お、おまっ─!?」
「ほら、怪我しても私の回復魔法があるし?」
この二人のやり取りを見ていたアークがグレンの肩を叩いた。
「………苦労するな」
「うぅぅ………会って間もないのにわかってくれるか!?」
グレンが泣き出してしまった。失敬な!
「さてと、さっそく引いてみるか………」
グレンが聖剣に触れると─
あばばばばばばば!!!!!!!!
感電しグレンが痺れた。
「やっぱり罠があったか」
いや、感心してないで助けろよ?
「うきゅ~!」
そんなに強い電撃では無かったのかダメージは少なそうだ。
「さて、どうしようかな?」
いや、はやく回復魔法を掛けてあげて!?
『………私に………ふ……………て』
「あれ?グレンなにか言った?」
ようやくグレンに回復魔法を掛けながら尋ねた。
「………ぐふっ、何も言ってねぇ……」
『私に………触れて』
「あ、やっぱり聞こえた!」
辺りを見渡し聖剣を見つめた。
「どうしたシオン?」
「『女性』の声が聞こえるのよ。私に触れてって」
「聖剣が呼んでいるのか?」
シオンはゆっくりと近付き、ツンツンッと触ってみた。
キュルン
「げっ!魔力がごっそり奪われた!?」
少し触っただけなのに!?
「いや、電撃を喰らうよりましだろう?」
すると聖剣が光だした。
『勇者の末裔よ。待っていました』
「おおっ!はっきり聞こえる!」
『魔力が足りず申し訳ありませんでした。魔王が復活した今、私の力を振るって世界を救って下さい』
「話のわかる聖剣だね♪」
『貴女には私を引きヌク【素質】があります』
「いやー!照れるね♪」
『では儀式を始めましょう』
「儀式ってなんだ?」
「ただ抜くだけじゃダメなの?」
『はい、正式な手順を踏まないと正しい力が出せないのです』
ふむふむ!
『シオンでしたね。貴女に魔王を討つ為に自分を犠牲にする覚悟がありますか?』
モチのロンよ!!!
「ええ、大切な家族や友人、そして生まれ故郷を守る為なら何でもやるわ!」
『………貴女の覚悟しかと聞き届けました。では儀式を始めましょう!』
ごくりっ!
何でも来なさい!必ず乗り越えてやるわ!!!
『では……………脱いで下さい』
・
・
・
・
・
・
・
・
「………えっ?」
「余り時間がないので手短に聞くわ。貴方は誰?どうしてここにいるのかしら?」
シオンもお人好しなだけではなく、敵か味方かわからないので、すぐに剣を抜けるように集中していた。
「………俺はアーク。旅の剣士だ。魔王軍と戦う為に隠された聖剣を求めてやってきた」
旅の剣士ね………
「表の魔王軍は貴方が?」
「ああ、運悪く鉢合わせになってな。魔王軍に聖剣を奪われる訳にはいかないから戦うハメになった」
「あんた、魔法も使うのか?」
「どうしてそう思う?」
「倒された魔物に魔法で焼かれたと思われる傷があった」
アークは目を閉じて少し考えてから答えた。
「そうだ。多少の魔法が使える」
「わかったわ。魔王軍から聖剣を守ってくれてありがとう。…………でも─」
ここでシオンは剣を抜き、アークの首に当てた。
「シオン!?」
「聖剣の事は勇者の隠れ里でも一部の者しか知らなかった情報よ!旅の剣士が聞き込みで知れる情報ではないのよ。貴方の目的はなに!」
シオンの剣幕にアークは答えた。
「………詳しくは言えない。ただ、大切な人を救うのに聖剣が必要だった。それだけだ」
アークはシオンの目をじっと見詰めて答えた。
「どうやら嘘ではなさそうね。わかったわ。魔王軍に対抗するには1人でも腕利きが必要だからね。取り敢えず敵ではないと信じましょう」
カチンッと剣を鞘にしまった。
「シオンいいのか?」
「ええ、私は人を見る眼はあるからね。彼は少なくとも敵ではないわ。それより早速、聖剣を手に入れるわよ!」
シオンはアークに手を貸して起き上がらせ、目の前の扉に手を当てた。
ゴゴゴゴッ!!!!!
重たい石の扉が開いていった。
「俺が押した時はびくともしなかったんだがな?」
「これも勇者の血脈じゃないと作動しないのよ。まぁ、壊せば別だけどね」
扉が開き中に入ると、部屋の中央に聖剣が石の台座に突き刺さっていた。
「さぁ!グレン、引いてちょうだいなっ!」
シオンは腰に手を当て、指を突き刺していった。
「どうして俺なんだよ」
「グレン?か弱い女の子に力仕事をさせようって言うの?酷いわ!?」
「………シオン、そのぶりっ子ヤメロ。気持ち悪い!それより、本当はどうなんだ?」
「ん~、罠とかあったら嫌じゃん?」
グレンは口をパクパクさせた。
「お、おまっ─!?」
「ほら、怪我しても私の回復魔法があるし?」
この二人のやり取りを見ていたアークがグレンの肩を叩いた。
「………苦労するな」
「うぅぅ………会って間もないのにわかってくれるか!?」
グレンが泣き出してしまった。失敬な!
「さてと、さっそく引いてみるか………」
グレンが聖剣に触れると─
あばばばばばばば!!!!!!!!
感電しグレンが痺れた。
「やっぱり罠があったか」
いや、感心してないで助けろよ?
「うきゅ~!」
そんなに強い電撃では無かったのかダメージは少なそうだ。
「さて、どうしようかな?」
いや、はやく回復魔法を掛けてあげて!?
『………私に………ふ……………て』
「あれ?グレンなにか言った?」
ようやくグレンに回復魔法を掛けながら尋ねた。
「………ぐふっ、何も言ってねぇ……」
『私に………触れて』
「あ、やっぱり聞こえた!」
辺りを見渡し聖剣を見つめた。
「どうしたシオン?」
「『女性』の声が聞こえるのよ。私に触れてって」
「聖剣が呼んでいるのか?」
シオンはゆっくりと近付き、ツンツンッと触ってみた。
キュルン
「げっ!魔力がごっそり奪われた!?」
少し触っただけなのに!?
「いや、電撃を喰らうよりましだろう?」
すると聖剣が光だした。
『勇者の末裔よ。待っていました』
「おおっ!はっきり聞こえる!」
『魔力が足りず申し訳ありませんでした。魔王が復活した今、私の力を振るって世界を救って下さい』
「話のわかる聖剣だね♪」
『貴女には私を引きヌク【素質】があります』
「いやー!照れるね♪」
『では儀式を始めましょう』
「儀式ってなんだ?」
「ただ抜くだけじゃダメなの?」
『はい、正式な手順を踏まないと正しい力が出せないのです』
ふむふむ!
『シオンでしたね。貴女に魔王を討つ為に自分を犠牲にする覚悟がありますか?』
モチのロンよ!!!
「ええ、大切な家族や友人、そして生まれ故郷を守る為なら何でもやるわ!」
『………貴女の覚悟しかと聞き届けました。では儀式を始めましょう!』
ごくりっ!
何でも来なさい!必ず乗り越えてやるわ!!!
『では……………脱いで下さい』
・
・
・
・
・
・
・
・
「………えっ?」
0
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

冤罪だと誰も信じてくれず追い詰められた僕、濡れ衣が明るみになったけど今更仲直りなんてできない
一本橋
恋愛
女子の体操着を盗んだという身に覚えのない罪を着せられ、僕は皆の信頼を失った。
クラスメイトからは日常的に罵倒を浴びせられ、向けられるのは蔑みの目。
さらに、信じていた初恋だった女友達でさえ僕を見限った。
両親からは拒絶され、姉からもいないものと扱われる日々。
……だが、転機は訪れる。冤罪だった事が明かになったのだ。
それを機に、今まで僕を蔑ろに扱った人達から次々と謝罪の声が。
皆は僕と関係を戻したいみたいだけど、今更仲直りなんてできない。
※小説家になろう、カクヨムと同時に投稿しています。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる