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話し合いです!

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次の日─

シオンはグランが来る時間がわからないため、朝から準備に追われていた。

「皆さん!本日のお客様は最上位の『おもてなし』をしてください!粗相すると戦争になるかも知れません!」

「「「はい!シオンお嬢様!!!」」」

シオンの『屋敷』はシルクード領が発展しても、防犯上の設備を少し増設したくらいで、内部は前とほとんど変わっていない。それは、余り大きいと掃除が大変で、メイドや執事をたくさん雇わないといけないという理由からであった。
しかし、シオンの魔術とウンディーネのお陰で、外見は新築のように綺麗になっていた。

ただ、待ち人はなかなか現れなかった。

「…………あれ?」
「来ませんね~?」

グランがやって来たのは午後になってからであった。

「………すまぬ。少々遅れてしまった」

顔色の悪いグランを見て、シオンはびっくりした。昨日と別人である!そして、何故か国王様も一緒に来ていたのだ。

「どうしたんですか!?大丈夫ですか!」

「あ、頭が…………」
「ただの二日酔いだ。気にしないでくれ………」

コテンッ!

「何をやっているんですか~」

シオンは盛大にずっこけた!
屋敷へ入ると冷たい水を用意し、ようやく話し合いの席に着いた。

ゴグゴクッ!!!

「ぷはー!助かった。さっきよりマシになった!」
「本当になー」

一体何があったのか、ずいぶんと打ち解けているようだ。

「ごほんっ!それで、私にどのようなご用件でしょうか?」

グランも先ほどとは違い、背筋を伸ばしてシオンと向き合った。

「ウンディーネ殿に用がある。会わせてくれぬか?」
「待て!」

そこに国王様が待ったを掛けた。

「まずは理由を話して貰いたい。四大精霊であるウンディーネに何か危害を加えられても困る!」

「国王様、グランさんなら大丈夫ですよ?」
「シオン君はコイツが何者か知らないからそんな事が言えるのだ!」

「いえ、知っていますよ?詳しくは言えませんが、私はある程度相手が何者かわかるのです。だから朝から最上位のおもてなしの用意をしてたんですよ!」

国王は驚いた顔でシオンを見た。

「知っていて屋台の手伝いをさせたのか?」

えっ?そこですか!?

「違いますよ!グランのお爺さんが手伝いを申し出てくれたからです!」

おっと、話が逸れましたね。本題に戻りましょう。

「そ・れ・よ・り!どうしてウンディーネに会いたいのですか?」

少しの沈黙の後、グランは重たい口を開いた。

「ノームの居場所が知りたいのだ」

!?

「「「ノーム!!!」」」

その場にいた皆が驚いた。

「ノームって誰?」

ズコーッ!!!

「何で驚いたんだ!?」
「ごめんなさい!ノリで………」

はぁ~とため息を吐かれて続けました。

『ノームとは妾と同じく四大精霊の一柱である』

部屋の隅から水が滴り落ちてウンディーネが現れた。

「ディーネ!?もうっ!勝手に出てきちゃダメでしょう!」
「すまぬな主殿よ。しかし、同じ四大精霊の話題が出たのじゃ。話ぐらいは聞いてみようではないか?」

ウンディーネはグランに向き合いそう言った。

「して、どうしてノームの居場所が知りたいのじゃ?」
「ワシは昔、ノームに会った事があるのだ」

!?

「それは本当か!?」
「うむ、我が帝国の王族は強さが求められるのじゃ。若き日には、ダンジョンに潜りレベルを上げたものじゃのぅ。そんな時じゃった。ダンジョンで魔物に襲われ、深手を負った時にノームが現れて魔物を倒し、ワシの手当てをしてくれたのじゃ」

「ノームがそんな事を………」
「ノームは褐色のスレンダーな『美女』じゃった。北の部族の様な民族衣装を着ていたのぅ………」

グランは遠い日の想い出を思い出すように目を瞑りしみじみしていた。

「それで?まだ明確な回答を貰っていないけど?」
「そうじゃな。あれ以来、ノームの目撃情報はない。ワシはあの時の礼が言いたいのだよ」

もしそれが本当なら問題ないのだけれど………

「それだけではあるまい?リュミナス王国だけ四大精霊を囲っているのが面白くないのだろう?」
「それはそうじゃ。一国のみ強大な力を手に入れては他国には脅威じゃ。特にアーデン法王国は何か企んでおるようじゃしの?」

悪びれもなく、別の目的もサラッというグランは流石であった。

「ノーム…………ね?」
「ディーネは他の四大精霊の居場所を知っているの?」

シオンの問い掛けにウンディーネは少し困ったように答えた。

「妾達は、この世界の自然界のバランスを保つ為に、それぞれの地域に存在しているのじゃ。昔は自由に動けたのじゃが、いつの間にかその地域から移動が出来なくなっておった。故に、近付けばある程度の場所はわかるが、ここからだと正確な場所はわからぬ」

ウンディーネの言葉にグランは落胆した。

「でも、近くに行けばわかるんだよね?ウンディーネが帝国に行けば分かるって事だよね?」

!?

「シオン君!何を言うんだ!」
「そうですよシオンお嬢様!ウンディーネ様がここから居なくなりますと、温泉街などに支障がでますよ!」

国王様とアンさんが反論した。

「でもね。ウンディーネと会ったとき、寂しそうだったから………他の精霊さんも1人で寂しいかなって思ったの………」

シオンの一言にその場が静かになった。







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