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忙しい日々の始まり!レベルがヤバイ事に・・・

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それからしばらくは忙しい日々が続きました。
荒れた田畑を緑聖魔術で回復させていき、わずが一週間でシルクード領は豊かな黄金麦畑が靡く地になりました。

ガイルさんも前回の報酬は貰い過ぎとの事で、しばらく護衛として居てくれる事になりました。
今では一部の若い人達に剣術の訓練をして貰っています!

「ガイルさんは教えるのが上手いですね!」
「ああ、昔色々と教えていたからな」

私は前から思っていたことを聞いてみた。

「どうして安い賃金で護衛を受けてくれたの?」
「そうだな………俺は昔、近衛騎士団に所属していたんだ。ただ、中央貴族が腐って不正を働くようになってな。それを告発したら逆に首になったって訳だ」

何よそれ!と、私は憤慨したよ!?
ガイルさんは苦笑いしながら続けた。

「傭兵をやりながら、理不尽な暴力を受けている人々を助けてやりたいと思って、事情のある奴には格安で仕事を受けていたんだ」

カッケー!カッコいいよ!ガイルさん!!!

「偉いね!ガイルさん。あぁ~あ、ガイルさんみたいな人がお父さんだったら良かったなぁ~」

!?

「聖女や天使と呼ばれているお嬢ちゃんにそう言われると、背中が痒くなるぜ」

ポンポンッとシオンの頭を撫でながら、ガイルとシオンはシルクード領内を見て廻った。

「なぁ、お嬢ちゃんここだけの話、あの宝石はどうしたんだ?」

いくら王都にいたとしても、貧乏子爵家にあんな国宝級の宝石があるわけないのだ。

「ん~?ガイルさんなら教えても良いかな?」

シオンは他言無用と約束させて話した。

「あの琥珀って宝石は、実は植物の樹脂が長い年月で化石になったものなんですよ?」

ガイルは驚き目を開いた!

「詳しい原理は知りませんが、樹木の樹脂が化石となる過程の高温・高圧の下で、酸化、蒸発、重合などの化学変化を起こし、その結果として誕生するそうなの。まぁ、学説書の受け売りなんですけどね。そして植物が原料なら…………出来るかもと思って試行錯誤してたら出来ました」

あっけらかんと言うシオンに、ガイルは頭を抱えた。この事実が露見すれば大変な事になるだろう。特に『琥珀』は、エルフの住む亜人連合からしか出土せず、太陽の輝きと呼ばれる宝石なのだ。

しかも、『魔法の触媒』に使えるため魔術師にはダイヤモンドより高値で取引される。これが作り放題となれば、戦争さえ起こり得るのだ。

知ってか知らずか、シオンはガイルに向かって秘密だよ?と笑うのだった。

『このお嬢ちゃん、俺を逃がさない為に言ったな?』

意外にしたたかなお嬢ちゃんだと思いつつ、それが嫌だと思っていない自分に笑うのだった。

「それより、ガイルさん一般的にレベルってどれだけあれば凄いの?」

前から思っていた事を聞いてみた。

「そうだなぁ~、一般的な男性なら成人で10~15レベルぐらいかな?騎士団に入るには最低レベルが20以上から。ただし有効なスキルや魔法を持って居れば特例で20以下でも加入できる」

ふむふむ………

「30以上になれば騎士団から近衛騎士団に入る事ができる。40以上から副隊長レベルで、50を超えると英雄レベルだな」

鑑定でガイルさんのレベルが41で飛び抜けて高かったのは近衛騎士団にいたからなんだね。
それよりも─

ダラダラ…………
ダラダラ…………

私のレベル52ほどあるんだけど?
だって、シルクード領内の田畑を片っ端から緑聖魔術を掛けてたらどんどん上がっていったんだもん!

ピコンッ!レベルが上がりました。

アウチッ!また上がったよ!?
バレるとヤバそうだから黙っておこう。


こうして心配事が増えていくシオンであった。








すぴー!

深夜、ぐっすり眠っているシオンの屋敷に、ガイルがコッソリやって来た。

「あら、ガイルさん。どうしたのですか?屋敷の者達を集めて?」

ガイルはメイドや執事達に昼間の事を話した。

「お嬢ちゃんがな、俺の事を本当のお父さんだったら良かったと言っていたんだ」

「それは…………!?」

専属メイドのアンさんも何かに気付いたように呟いた。

「お嬢ちゃんは、とんでもねぇ凄い奴だ。貧困に喘ぐ領民の為に頭を下げて、身を粉にして働いている。お前達の忠誠心も大したものだよ。だがな、あいつはまだ五歳なんだ。五歳の子供なんだよ!過剰に期待するのはわかるが、普通の子供なら親に甘えたい年齢なんだ。それをわかって欲しい………」

メイド、執事達は自分達が子供のシオンに対してどう接してきたのか思いだして恥じた。

「ガイル殿の仰る通りです。我々はシオンお嬢様に甘えていたのかも知れません」

自分の不甲斐なさに身を震わせ、使用人達はもっとシオンに接する事を気を付けるように話し合うことになった。

そのシオンと言うと、中身は大人?見掛けは子供なコ○ン君であったので、全然気にしていなかったのは言うまでもない。


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