55 / 58
微笑み54
しおりを挟む
少し時間ができたので書き上がり次第、投稿あげていきます!
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
次の日になりました。
本日もシオンには早く帰るよう言ってあり、学園が終わる頃にリンとカイは待ち合わせすることになりました。
「少し早いけど先に行って王都の街を見てこようか?」
「良いわね。昨日は観光できなかったし」
それはリンのせいなんだけどなぁ~?
カイは心で思っても口には出さなかった。
すでにシオンの格好をしたリンは護衛騎士を伴って、学園の周辺を探索してから、学園に近いカフェで時間を潰すことにした。
「流石は王都、オシャレなお店が多いわね♪」
「フレイムハート家の領地も負けてないよ。でも人口だけは勝てないね、流石王都は多いね」
一服していると学園の生徒が見かける様になった。
「どうやら学園が終わった見たいだよ。約束の場所に行こうか」
「そうね。ユーリさんやセーラさんをお待たせする訳には行かないわね」
またシオンの振りをして、ナチュラルに門をくぐると学食の個室へ向かった。
「まぁ!待っていましたわ♪」
すでに来ていたセーラが出迎えてくれた。
「よろしくお願いします!」
「こちらこそ!それで本日のターゲットはクロウ王子ですわ!」
セーラがメラメラと燃えていた。
「彼は前にシオン様と抱き合っていたという噂があり、私的に要注意人物ですわ」
「シオンお姉様と抱き合っていた!?」
リンは驚いたがカイは冷静だった。
「シオン姉がそんなことする訳ないよ。おおかた、階段から落ちそうになって受け止められただけなんじゃないの?」
カイは正解をズバリと言い当てた!?
「もしそうだとしても、私のシオン様に触れたのです!万死に値しますわ!」
「そうよ!シオンお姉様と抱き合うなんて羨まけしからんですわ!」
なんだろう?この2人似たもの同志なのか………
最初にあったユーリさんの方がまともだったのかな?
カイは不安になった。
「クロウ王子には放課後に屋上に来てと伝えてあります。是非とも悩殺しちゃってください♪」
「任せてください!」
『大丈夫かな~~?』
カイだけは不安を抱えたまま着いて行くのだった。
屋上へ行くとクロウ王子がすでに来ていた。
「やぁ、シオンから誘ってくるなんて珍しいね。今日はどんな用件なんだい?」
シオンだけが屋上のドアを開けて入って行った。学園の屋上は花壇とベンチなどがあり、生徒達が休憩できる様になっていた。
「少しクロウ様とお話がしたくって♪」
クロウは少し驚いた顔をしたが、すぐに笑顔になって答えた。
「そうか。嬉しいよ。今日は日当たりも良い、そこのベンチに座ろうか」
「はい」
2人は仲良く隣に座った。
「それでシオン、自分に話って何かな?」
シオンの顔を見ながらクロウは尋ねた。
「クロウ様は私のことをどう思っているのかな~って?」
えっ?
クロウの思考が一瞬停止した。
「まだ誰からも私のことについて、しっかりと言われてないので、クロウ様の気持ちが知りたいの」
シオンに化けたリンは上目遣いで目をウルウルさせながらクロウに迫った。
『あの時の告白はシオンに信じてもらえて無かったのか?』
過去に抱きしめられた時、実はシオンに告白済みなのだが、リンは知らなかった。
「あの時、シオンに告白したのだが、本気にしてもらえなかったのかな?」
えっ?とリンは思考が停止してしまった。
物陰からセーラ王女がやっぱり告白していたのね!とメラメラと燃えていた。
「あ、あの時は突然で、も、もう一度、ハッキリとして欲しいと思って・・・」
リンはとっさに言い訳を口にしたが悪くない言い方だった。
クロウはそう言われてしまうと、確かに成り行きで口にしてしまったため、正式に伝えるべきだと思ってしまい、少し不思議に思っていた違和感が消えてしまった。
「た、確かにあの時は突然で申し訳無かった」
クロウも面と向かって言われて顔が赤くなった。
ドキドキ
クロウも冷静沈着な王子であっても年頃の男の子である。
「ねぇ~?もう一度、イッてよ♪♪」
リンの甘ったるい声と肩を寄せてくる体温に冷静では無くなっていた。
『な、何かがおかしい!?だが、これは本当にシオンなのか!???』
フッと耳元に息を吹きかけると、流石のクロウも我慢できなくなり、真っ赤になりながら、ごめん!と言って、その場を逃げていった。
「はぁ~、情けないわね」
クロウ王子が走って出て行くのを見送ると隠れていたセーラ達が出てきた。
「流石はリンちゃんね!クロウめ!シオン様に告白するとは許せないわ!いい気味よw」
クスクスと笑いながら上機嫌だった。
「これで本物のシオン様と見分けることができないと、弱味を握ったわ。お疲れ様」
「いえ、まさか本当に告白していたのは予想外でしたが楽勝でしたわ♪」
ワイワイとリンとセーラは楽しそうに話した。
「本当に良いのかなぁ~」
カイだけは心配そうに2人を見るのだった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【後書き】
愚者の声
「常識人のカイ君は大変だなぁ~」
シオン
「本当に手の掛かる妹で申し訳ないわね」
愚者の声
「カイ君!君がこの小説の最後の良心なんだ!頑張って止めてくれたまえ!」
カイ
『ブルッ、なんか悪寒が走ったような・・・・」
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
次の日になりました。
本日もシオンには早く帰るよう言ってあり、学園が終わる頃にリンとカイは待ち合わせすることになりました。
「少し早いけど先に行って王都の街を見てこようか?」
「良いわね。昨日は観光できなかったし」
それはリンのせいなんだけどなぁ~?
カイは心で思っても口には出さなかった。
すでにシオンの格好をしたリンは護衛騎士を伴って、学園の周辺を探索してから、学園に近いカフェで時間を潰すことにした。
「流石は王都、オシャレなお店が多いわね♪」
「フレイムハート家の領地も負けてないよ。でも人口だけは勝てないね、流石王都は多いね」
一服していると学園の生徒が見かける様になった。
「どうやら学園が終わった見たいだよ。約束の場所に行こうか」
「そうね。ユーリさんやセーラさんをお待たせする訳には行かないわね」
またシオンの振りをして、ナチュラルに門をくぐると学食の個室へ向かった。
「まぁ!待っていましたわ♪」
すでに来ていたセーラが出迎えてくれた。
「よろしくお願いします!」
「こちらこそ!それで本日のターゲットはクロウ王子ですわ!」
セーラがメラメラと燃えていた。
「彼は前にシオン様と抱き合っていたという噂があり、私的に要注意人物ですわ」
「シオンお姉様と抱き合っていた!?」
リンは驚いたがカイは冷静だった。
「シオン姉がそんなことする訳ないよ。おおかた、階段から落ちそうになって受け止められただけなんじゃないの?」
カイは正解をズバリと言い当てた!?
「もしそうだとしても、私のシオン様に触れたのです!万死に値しますわ!」
「そうよ!シオンお姉様と抱き合うなんて羨まけしからんですわ!」
なんだろう?この2人似たもの同志なのか………
最初にあったユーリさんの方がまともだったのかな?
カイは不安になった。
「クロウ王子には放課後に屋上に来てと伝えてあります。是非とも悩殺しちゃってください♪」
「任せてください!」
『大丈夫かな~~?』
カイだけは不安を抱えたまま着いて行くのだった。
屋上へ行くとクロウ王子がすでに来ていた。
「やぁ、シオンから誘ってくるなんて珍しいね。今日はどんな用件なんだい?」
シオンだけが屋上のドアを開けて入って行った。学園の屋上は花壇とベンチなどがあり、生徒達が休憩できる様になっていた。
「少しクロウ様とお話がしたくって♪」
クロウは少し驚いた顔をしたが、すぐに笑顔になって答えた。
「そうか。嬉しいよ。今日は日当たりも良い、そこのベンチに座ろうか」
「はい」
2人は仲良く隣に座った。
「それでシオン、自分に話って何かな?」
シオンの顔を見ながらクロウは尋ねた。
「クロウ様は私のことをどう思っているのかな~って?」
えっ?
クロウの思考が一瞬停止した。
「まだ誰からも私のことについて、しっかりと言われてないので、クロウ様の気持ちが知りたいの」
シオンに化けたリンは上目遣いで目をウルウルさせながらクロウに迫った。
『あの時の告白はシオンに信じてもらえて無かったのか?』
過去に抱きしめられた時、実はシオンに告白済みなのだが、リンは知らなかった。
「あの時、シオンに告白したのだが、本気にしてもらえなかったのかな?」
えっ?とリンは思考が停止してしまった。
物陰からセーラ王女がやっぱり告白していたのね!とメラメラと燃えていた。
「あ、あの時は突然で、も、もう一度、ハッキリとして欲しいと思って・・・」
リンはとっさに言い訳を口にしたが悪くない言い方だった。
クロウはそう言われてしまうと、確かに成り行きで口にしてしまったため、正式に伝えるべきだと思ってしまい、少し不思議に思っていた違和感が消えてしまった。
「た、確かにあの時は突然で申し訳無かった」
クロウも面と向かって言われて顔が赤くなった。
ドキドキ
クロウも冷静沈着な王子であっても年頃の男の子である。
「ねぇ~?もう一度、イッてよ♪♪」
リンの甘ったるい声と肩を寄せてくる体温に冷静では無くなっていた。
『な、何かがおかしい!?だが、これは本当にシオンなのか!???』
フッと耳元に息を吹きかけると、流石のクロウも我慢できなくなり、真っ赤になりながら、ごめん!と言って、その場を逃げていった。
「はぁ~、情けないわね」
クロウ王子が走って出て行くのを見送ると隠れていたセーラ達が出てきた。
「流石はリンちゃんね!クロウめ!シオン様に告白するとは許せないわ!いい気味よw」
クスクスと笑いながら上機嫌だった。
「これで本物のシオン様と見分けることができないと、弱味を握ったわ。お疲れ様」
「いえ、まさか本当に告白していたのは予想外でしたが楽勝でしたわ♪」
ワイワイとリンとセーラは楽しそうに話した。
「本当に良いのかなぁ~」
カイだけは心配そうに2人を見るのだった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【後書き】
愚者の声
「常識人のカイ君は大変だなぁ~」
シオン
「本当に手の掛かる妹で申し訳ないわね」
愚者の声
「カイ君!君がこの小説の最後の良心なんだ!頑張って止めてくれたまえ!」
カイ
『ブルッ、なんか悪寒が走ったような・・・・」
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
逃げた村娘、メイドになる
家具付
恋愛
村で散々な扱いを受けてきたサイヴァは、端切れから美しい服を作り、村長の娘にやっかまれて物置に閉じ込められる。物置きで不思議な声に導かれ、やっとそこから脱した彼女は、家を滅茶苦茶にされた事から、村を逃げ出す事を決意した。祖母の手紙を頼りに、お屋敷のお嬢様にお仕えする事になったサイヴァだったが、物置で聞こえた不思議な声は、彼女の予想外の事をもたらし……!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
わたしのことがお嫌いなら、離縁してください~冷遇された妻は、過小評価されている~
絹乃
恋愛
伯爵夫人のフロレンシアは、夫からもメイドからも使用人以下の扱いを受けていた。どんなに離婚してほしいと夫に訴えても、認めてもらえない。夫は自分の愛人を屋敷に迎え、生まれてくる子供の世話すらもフロレンシアに押しつけようと画策する。地味で目立たないフロレンシアに、どんな価値があるか夫もメイドも知らずに。彼女を正しく理解しているのは騎士団の副団長エミリオと、王女のモニカだけだった。※番外編が別にあります。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
旦那様、そんなに彼女が大切なら私は邸を出ていきます
おてんば松尾
恋愛
彼女は二十歳という若さで、領主の妻として領地と領民を守ってきた。二年後戦地から夫が戻ると、そこには見知らぬ女性の姿があった。連れ帰った親友の恋人とその子供の面倒を見続ける旦那様に、妻のソフィアはとうとう離婚届を突き付ける。
if 主人公の性格が変わります(元サヤ編になります)
※こちらの作品カクヨムにも掲載します
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
死に戻るなら一時間前に
みねバイヤーン
恋愛
「ああ、これが走馬灯なのね」
階段から落ちていく一瞬で、ルルは十七年の人生を思い出した。侯爵家に生まれ、なに不自由なく育ち、幸せな日々だった。素敵な婚約者と出会い、これからが楽しみだった矢先に。
「神様、もし死に戻るなら、一時間前がいいです」
ダメ元で祈ってみる。もし、ルルが主人公特性を持っているなら、死に戻れるかもしれない。
ピカッと光って、一瞬目をつぶって、また目を開くと、目の前には笑顔の婚約者クラウス第三王子。
「クラウス様、聞いてください。私、一時間後に殺されます」
一時間前に死に戻ったルルは、クラウスと共に犯人を追い詰める──。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
魅了の魔法を使っているのは義妹のほうでした・完
瀬名 翠
恋愛
”魅了の魔法”を使っている悪女として国外追放されるアンネリーゼ。実際は義妹・ビアンカのしわざであり、アンネリーゼは潔白であった。断罪後、親しくしていた、隣国・魔法王国出身の後輩に、声をかけられ、連れ去られ。
夢も叶えて恋も叶える、絶世の美女の話。
*五話でさくっと読めます。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
義理姉がかわいそうと言われましても、私には関係の無い事です
渡辺 佐倉
恋愛
マーガレットは政略で伯爵家に嫁いだ。
愛の無い結婚であったがお互いに尊重し合って結婚生活をおくっていければいいと思っていたが、伯爵である夫はことあるごとに、離婚して実家である伯爵家に帰ってきているマーガレットにとっての義姉達を優先ばかりする。
そんな生活に耐えかねたマーガレットは…
結末は見方によって色々系だと思います。
なろうにも同じものを掲載しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
溺愛されていると信じておりました──が。もう、どうでもいいです。
ふまさ
恋愛
いつものように屋敷まで迎えにきてくれた、幼馴染みであり、婚約者でもある伯爵令息──ミックに、フィオナが微笑む。
「おはよう、ミック。毎朝迎えに来なくても、学園ですぐに会えるのに」
「駄目だよ。もし学園に向かう途中できみに何かあったら、ぼくは悔やんでも悔やみきれない。傍にいれば、いつでも守ってあげられるからね」
ミックがフィオナを抱き締める。それはそれは、愛おしそうに。その様子に、フィオナの両親が見守るように穏やかに笑う。
──対して。
傍に控える使用人たちに、笑顔はなかった。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】離縁ですか…では、私が出掛けている間に出ていって下さいね♪
山葵
恋愛
突然、カイルから離縁して欲しいと言われ、戸惑いながらも理由を聞いた。
「俺は真実の愛に目覚めたのだ。マリアこそ俺の運命の相手!」
そうですか…。
私は離婚届にサインをする。
私は、直ぐに役所に届ける様に使用人に渡した。
使用人が出掛けるのを確認してから
「私とアスベスが旅行に行っている間に荷物を纏めて出ていって下さいね♪」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる