【改稿版】微笑みの悪役令嬢!~微笑むだけで上手くいくものですわ~

naturalsoft

文字の大きさ
上 下
52 / 58

微笑み51

しおりを挟む
学園が始まり、妹弟を残して学校へ向かいました。
なぜかリンとカイの事は学園の友人達に秘密にして欲しいと言われた。

シオンは首を傾げましたが、可愛い妹弟のお願いだ。聞かない訳にはいかないだろう。
いつも通り学園が終わると帰宅しました。

「えっ?出かけているの?」
「はい。王都を見て周りたいと」

私も一緒に行きたかったなぁ~

「あ、でも2人じゃ危険かも」

よし!私も行こう!
シオンが心配して迎えに行こうとした時───

「シオンお嬢様、リン様とカイ様はきちんと護衛を付けて出掛けております」
「えっ?そうなの???」


「勉強で疲れて帰ってくるシオンお嬢様に、迷惑は掛けられないと、先に2人で王都探索してくるとの事です。次の休みの日にはシオンお嬢様と一緒に出掛けたいとの事です」

なるほど。
そういう事なら今日は部屋で読書かな?
ちょっと心配だけどね。

ちなみに、本日は午前だけの授業で時間はタップリあった。


その頃───

「シオンお姉様は自宅に戻った頃ね!」

( ´Д`)=3
「はぁ~~、ねぇリン。本当にやるの?」

妹のリンはシオンそっくりに変装していた。
元々良く似ており、シオンが癖っ毛ある髪質だが、リンはサラサラヘアーのため、薬剤を使ってクルクルドリルヘアーを作った。

「これでシオンお姉様の婚約者候補に近付いて、シオンお姉様に相応しいのか確かめてやるのよ!」
「ため息しか出ないけど、僕もシオン姉(ねぇ)の婚約者には興味があるから手伝うよ」

2人は予め婚約者候補達の情報及び、シオンの交友関係を調べており、顔と名前など頭に入れていた。

「ため息を付きたいのはこちらですよ。まったく。今回だけですからね」

シオンの護衛騎士であるグレイが、深いため息を付きながら言った。

「グレイさん、迷惑をお掛けします」
「カイ様は良いんですが、リン様が暴走しないか心配でね………」

「こらっ!今の私はシオンお姉様なんだからねっ!」

「ならまずは、シオンお姉様とか言わないように」
「おっと、いけない。あーあー、テステス………よし!大丈夫!」

何が大丈夫なのか分からないが、2人は学園に入って行った。

「本当に大丈夫か?」

グレイは護衛騎士のなので入口までしか入れない。
まぁ、本当なら2人も入れないのだが………

シオンは妹弟が来ているので、用事があると言って早く帰っていた為、学園にはまだ多くの生徒が残っていた。

「あれ?シオン?帰ったんじゃ無かったの?」

ユーリと鉢合わせした。
ユーリは転生者であり、貴族、平民関係なく、フランクに話し掛ける人物である。

「あ、えーと………」

コソッ
「リン落ち着いて、友人のユーリさんだよ」

おおっ!そうだった!

「コホンッ、ユーリさん、ちょっと用事があって戻ってきたの」

『ユーリさん?いつもはユーリって呼んでるのに?』

洞察に優れたユーリは違和感を覚えた。そして、側にいる見知らぬ人物に視線をやった。

「シオン、そちらの方は?」
「あっ、こっちは私の弟なの♪」

!?

「シオンの弟!?」

驚くユーリにカイが丁寧に挨拶をした。

「始めまして。シオン姉(ねぇ)の弟でカイ・クロス・フレイムハートと言います。いつも姉がお世話になっています」

カイは深々と頭を下げた。

「今日はカイを学園の案内に連れてきたの」

「…………へぇ?なるほどね。シオン、ちょっと今日【約束】していた学食へ行こうか?」

「えっ、約束?」
「忘れちゃった?この前の御礼にパンケーキ奢るって約束じゃん」

「ああ、そうそう!」

「うんうん、じゃっ行こうかっ!」

ユーリに誘導され、学食へやってきました。

「へぇ~、個別の様になっている場所もあるんだ?」
「何言ってるの?いつも来ているでしょ?」

!?

「そ、そうだね。あはははっ………」

「それより、ここなら他の生徒に話を聞かれる心配はないわ。どうしてシオンの姉妹がシオンの格好で来ているのか教えて♪」

「いきなりバレてるーーーー!?」

驚くリンにカイは当たり前だよと軽くため息まじりに呟くのだった。




◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【後書き】
シオン
「いきなりバレてるーーーー!?」

愚者の声
「当たり前だよ………はぁ~」

シオン
「しかも一番見つかったらヤバい人物にバレてるじゃない!」
愚者の声
「そだねー(棒読み)」

シオン
「これは絶対にユーリ面白がって、事態が大きくなるヤツじゃん!」

愚者の声
「オラ!ワクワクしてきたぞっ!」

シオン
「ほう?私の大事な妹弟が危ない目にあったら、覚悟はできているんでしょうね?」

!?

愚者の声
「だ、ダイジョウブデスデス~~」
逃げっ!


しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

逃げた村娘、メイドになる

家具付
恋愛
村で散々な扱いを受けてきたサイヴァは、端切れから美しい服を作り、村長の娘にやっかまれて物置に閉じ込められる。物置きで不思議な声に導かれ、やっとそこから脱した彼女は、家を滅茶苦茶にされた事から、村を逃げ出す事を決意した。祖母の手紙を頼りに、お屋敷のお嬢様にお仕えする事になったサイヴァだったが、物置で聞こえた不思議な声は、彼女の予想外の事をもたらし……!

真実の愛は、誰のもの?

ふまさ
恋愛
「……悪いと思っているのなら、く、口付け、してください」  妹のコーリーばかり優先する婚約者のエディに、ミアは震える声で、思い切って願いを口に出してみた。顔を赤くし、目をぎゅっと閉じる。  だが、温かいそれがそっと触れたのは、ミアの額だった。  ミアがまぶたを開け、自分の額に触れた。しゅんと肩を落とし「……また、額」と、ぼやいた。エディはそんなミアの頭を撫でながら、柔やかに笑った。 「はじめての口付けは、もっと、ロマンチックなところでしたいんだ」 「……ロマンチック、ですか……?」 「そう。二人ともに、想い出に残るような」  それは、二人が婚約してから、六年が経とうとしていたときのことだった。

死に戻るなら一時間前に

みねバイヤーン
恋愛
「ああ、これが走馬灯なのね」  階段から落ちていく一瞬で、ルルは十七年の人生を思い出した。侯爵家に生まれ、なに不自由なく育ち、幸せな日々だった。素敵な婚約者と出会い、これからが楽しみだった矢先に。 「神様、もし死に戻るなら、一時間前がいいです」  ダメ元で祈ってみる。もし、ルルが主人公特性を持っているなら、死に戻れるかもしれない。  ピカッと光って、一瞬目をつぶって、また目を開くと、目の前には笑顔の婚約者クラウス第三王子。 「クラウス様、聞いてください。私、一時間後に殺されます」 一時間前に死に戻ったルルは、クラウスと共に犯人を追い詰める──。

魅了の魔法を使っているのは義妹のほうでした・完

瀬名 翠
恋愛
”魅了の魔法”を使っている悪女として国外追放されるアンネリーゼ。実際は義妹・ビアンカのしわざであり、アンネリーゼは潔白であった。断罪後、親しくしていた、隣国・魔法王国出身の後輩に、声をかけられ、連れ去られ。 夢も叶えて恋も叶える、絶世の美女の話。 *五話でさくっと読めます。

【完結】所変われば品変わる―後悔しても、もう遅い―

仲村 嘉高
恋愛
小国であるアフェクシオン王国。 その国の第二王女が、ぜひにと請われて大国のアッロガンテ国へと輿入れする事になった。 嫁いだその日に結婚式という、忙しない日程での婚姻。 その結婚式の場で、夫となる国王が叫んだ。 「お前は聖女ではなかったのか!?」 言われた王女は驚き、焦る。 「私は確かに、自国では聖女と呼ばれておりました」 しかし、国王は納得しない。 「それならばなぜ、治癒魔法が使えないのか」と。 王女の国と、嫁いだ先では『聖女』の定義が違っていた。

仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが

ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。 定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──

【完結】離縁ですか…では、私が出掛けている間に出ていって下さいね♪

山葵
恋愛
突然、カイルから離縁して欲しいと言われ、戸惑いながらも理由を聞いた。 「俺は真実の愛に目覚めたのだ。マリアこそ俺の運命の相手!」 そうですか…。 私は離婚届にサインをする。 私は、直ぐに役所に届ける様に使用人に渡した。 使用人が出掛けるのを確認してから 「私とアスベスが旅行に行っている間に荷物を纏めて出ていって下さいね♪」

【完結】殿下、自由にさせていただきます。

なか
恋愛
「出て行ってくれリルレット。王宮に君が住む必要はなくなった」  その言葉と同時に私の五年間に及ぶ初恋は終わりを告げた。  アルフレッド殿下の妃候補として選ばれ、心の底から喜んでいた私はもういない。  髪を綺麗だと言ってくれた口からは、私を貶める言葉しか出てこない。  見惚れてしまう程の笑みは、もう見せてもくれない。  私………貴方に嫌われた理由が分からないよ。  初夜を私一人だけにしたあの日から、貴方はどうして変わってしまったの?  恋心は砕かれた私は死さえ考えたが、過去に見知らぬ男性から渡された本をきっかけに騎士を目指す。  しかし、正騎士団は女人禁制。  故に私は男性と性別を偽って生きていく事を決めたのに……。  晴れて騎士となった私を待っていたのは、全てを見抜いて笑う副団長であった。     身分を明かせない私は、全てを知っている彼と秘密の恋をする事になる。    そして、騎士として王宮内で起きた変死事件やアルフレッドの奇行に大きく関わり、やがて王宮に蔓延る謎と対峙する。  これは、私の初恋が終わり。  僕として新たな人生を歩みだした話。  

処理中です...