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微笑み48
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作戦が決まるとシオン達はすぐに行動を開始した。
「土魔法を使えるものはこの浜辺に大きな穴を作ってくれ!」
「かしこまりました!」
騎士団の行動は早かった。
「先に何匹か捉えて効果があるか確認した所、効果がありました!」
「よし、シオン令嬢の予想が当たったな。では作戦はこのまま行くぞ!」
「「はっ!」」
着々と準備が進む中、痺れクラゲの数も増えているように見えた。
「念のため、穴は複数作った方が良いかもしれませんね」
「では直ちに取り掛かります!」
僅か30分ほどで準備が整った。
街の人々にも協力してもらい、漁に使う網とモリも用意してもらった。
「ではいきます!取りこぼしが出たら対応お願いします!」
シオンは両手を前に出して呪文を唱えた。
「荒ぶる風よ。全てを薙ぎ倒す荒々しい暴風よ。今こそ我が願いを聞き届け、目の前にある愚かなる者に裁きを与えん!ウインド・トルネード!」
シオンの魔法で目の前の海に大きな竜巻がおこり、海水と共に痺れクラゲ達を大空へ巻き上げた。
「今です!」
「任せろ!紅蓮の焔よ!我が前に立ちはだかる愚かなる者に、地獄の業火を与えん!灼熱の焔よ全てを焼き尽くさん!プロミネンス・ノヴァ!!!」
灼熱の業火が巻き上がる竜巻に巻き込まれる様に天高く炎が立ち上がった。
「魔法は効かないのではありませんでしたか?」
「そうだね~でも、海水が炎で熱せられた熱と水蒸気は防げないでしょう。これで痺れクラゲは死ぬでしょう。それと水分も抜けて干からびてくれれば、一石二鳥よ♪」
シオンは竜巻を操作して竜巻を浜辺に開けた穴に入れた。
「グッ、砂煙が酷いな………」
「他の者は平気か?」
竜巻が収まると風でみんな砂だらけだった。
「ちょっと、ミスった。でも穴の中は良い感じになってる」
周囲に痺れクラゲが散らばっていたが、全て死んでいた。穴の中には干からびた痺れクラゲが多く入っていた。成功だ!
「これで研究して素材に使えれば、この街の収入になる!」
隊長さんも喜んでいた。
「この痺れクラゲの素材は一度、この街の冒険者ギルドに引き取って貰って、その後、私のフレイムハート家が買取ります」
「どうして一度冒険者ギルドに?」
「多くの冒険者がいなくなって、ギルド長も逮捕されて大変でしょう?少しでも運営の力になれたらと思って」
ああ、優しいな。
だからオレはシオンを好きになったんだ。
シオンの想いに応えようと周囲の騎士達も素材を運ぶ手伝いを買ってでた。
「全部ではないがほとんど片付いたか?」
「はい。残りの数ぐらいなら街の人々でも大丈夫でしょう」
シオン達がひと息入れて、そろそろ帰ろうとした時だった。
まだ死んでいない痺れクラゲが襲ってきたのは!?
「危ない!」
シオンの足元に砂で隠れて見えなかった痺れクラゲが、シオンの足に絡み着こうとしていた。
隊長はシオンを突き飛ばしたが、シオンの足首には刺された後があった。
「このっ!」
すぐに痺れクラゲを倒すとシオンを抱き起こした。
「すまない!大丈夫か!?」
「ケホケホッ、大丈夫………」
「シオンお嬢様!大変、刺されてます!」
アルカが気づいて叫んだ。
!?
「すぐに吸い出す!」
「えっ!?ちょっ!?」
なんと隊長はフルフェイスの兜の口元を開くと、シオンの足首に口付けして、毒を吸い出し始めた。
「やっ………あっ、ん………」
シオンが悩まし気な声を上げるが隊長は気づかず吸い続けた。
周囲も余りに必死な様子で止めるのも忘れて呆然と見守るだけだった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【後書き】
愚者の声
「ハァハァ………イイね!」
シオン
「死ねーーーーー!!!!」
ドッコーーーーン!!!!
ヘブシッ!?
愚者の声
「グフッ!?何をする!?」
シオン
「不純な事を考えたからですわ」
愚者のの
「いったい何を基準に!?この小説にはお色気が必要だと思わない?」
シオン
「それは貴方の頭がピンクに染まっているからですわ!神社へ御参りに行って煩悩を消してきてもらいなさい!」
愚者の声
「それじゃ、僕の存在も消えちゃうじゃん!」
シオン
『身体の全てが煩悩で出来ているの!?』
「土魔法を使えるものはこの浜辺に大きな穴を作ってくれ!」
「かしこまりました!」
騎士団の行動は早かった。
「先に何匹か捉えて効果があるか確認した所、効果がありました!」
「よし、シオン令嬢の予想が当たったな。では作戦はこのまま行くぞ!」
「「はっ!」」
着々と準備が進む中、痺れクラゲの数も増えているように見えた。
「念のため、穴は複数作った方が良いかもしれませんね」
「では直ちに取り掛かります!」
僅か30分ほどで準備が整った。
街の人々にも協力してもらい、漁に使う網とモリも用意してもらった。
「ではいきます!取りこぼしが出たら対応お願いします!」
シオンは両手を前に出して呪文を唱えた。
「荒ぶる風よ。全てを薙ぎ倒す荒々しい暴風よ。今こそ我が願いを聞き届け、目の前にある愚かなる者に裁きを与えん!ウインド・トルネード!」
シオンの魔法で目の前の海に大きな竜巻がおこり、海水と共に痺れクラゲ達を大空へ巻き上げた。
「今です!」
「任せろ!紅蓮の焔よ!我が前に立ちはだかる愚かなる者に、地獄の業火を与えん!灼熱の焔よ全てを焼き尽くさん!プロミネンス・ノヴァ!!!」
灼熱の業火が巻き上がる竜巻に巻き込まれる様に天高く炎が立ち上がった。
「魔法は効かないのではありませんでしたか?」
「そうだね~でも、海水が炎で熱せられた熱と水蒸気は防げないでしょう。これで痺れクラゲは死ぬでしょう。それと水分も抜けて干からびてくれれば、一石二鳥よ♪」
シオンは竜巻を操作して竜巻を浜辺に開けた穴に入れた。
「グッ、砂煙が酷いな………」
「他の者は平気か?」
竜巻が収まると風でみんな砂だらけだった。
「ちょっと、ミスった。でも穴の中は良い感じになってる」
周囲に痺れクラゲが散らばっていたが、全て死んでいた。穴の中には干からびた痺れクラゲが多く入っていた。成功だ!
「これで研究して素材に使えれば、この街の収入になる!」
隊長さんも喜んでいた。
「この痺れクラゲの素材は一度、この街の冒険者ギルドに引き取って貰って、その後、私のフレイムハート家が買取ります」
「どうして一度冒険者ギルドに?」
「多くの冒険者がいなくなって、ギルド長も逮捕されて大変でしょう?少しでも運営の力になれたらと思って」
ああ、優しいな。
だからオレはシオンを好きになったんだ。
シオンの想いに応えようと周囲の騎士達も素材を運ぶ手伝いを買ってでた。
「全部ではないがほとんど片付いたか?」
「はい。残りの数ぐらいなら街の人々でも大丈夫でしょう」
シオン達がひと息入れて、そろそろ帰ろうとした時だった。
まだ死んでいない痺れクラゲが襲ってきたのは!?
「危ない!」
シオンの足元に砂で隠れて見えなかった痺れクラゲが、シオンの足に絡み着こうとしていた。
隊長はシオンを突き飛ばしたが、シオンの足首には刺された後があった。
「このっ!」
すぐに痺れクラゲを倒すとシオンを抱き起こした。
「すまない!大丈夫か!?」
「ケホケホッ、大丈夫………」
「シオンお嬢様!大変、刺されてます!」
アルカが気づいて叫んだ。
!?
「すぐに吸い出す!」
「えっ!?ちょっ!?」
なんと隊長はフルフェイスの兜の口元を開くと、シオンの足首に口付けして、毒を吸い出し始めた。
「やっ………あっ、ん………」
シオンが悩まし気な声を上げるが隊長は気づかず吸い続けた。
周囲も余りに必死な様子で止めるのも忘れて呆然と見守るだけだった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【後書き】
愚者の声
「ハァハァ………イイね!」
シオン
「死ねーーーーー!!!!」
ドッコーーーーン!!!!
ヘブシッ!?
愚者の声
「グフッ!?何をする!?」
シオン
「不純な事を考えたからですわ」
愚者のの
「いったい何を基準に!?この小説にはお色気が必要だと思わない?」
シオン
「それは貴方の頭がピンクに染まっているからですわ!神社へ御参りに行って煩悩を消してきてもらいなさい!」
愚者の声
「それじゃ、僕の存在も消えちゃうじゃん!」
シオン
『身体の全てが煩悩で出来ているの!?』
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