【改稿版】微笑みの悪役令嬢!~微笑むだけで上手くいくものですわ~

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微笑み40

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シオンは背中に冷や汗をダラダラ流しながら重たい口を開いた。

「ごめんなさい。突然の告白に驚いて返事をしてしまいました。先日、クロウ様からも告白されてまずは友達からとお伝えしています。今すぐと言うのは私にも気持ちの整理が付きません」

シオンは正直に話した。

「ほほぅ?クソガキは1人ではなかったか・・・」

フシューーーと重たい息を吐くお父様はすでに別の生物のようだ。

「まぁまぁ♪いつの間に告白されたのか聞きたいわ♪」

お母様はニコニコだった。

「こほん、取り敢えずレオン王子は私達の隠しアイテムを見つけ出したけれど、その後の求婚を認める訳には行きません。今回はあくまで婚約者選びの一貫ですので」

お母様がこの場を納める様に言った。

「流石にシオンの気持ちもあるし、今回は貴方達3人を婚約者候補とします。あっ、異論のある方はいつでも辞退して良いわよ?それでこれから一年後、シオンには1番心を寄せた方と正式に婚約して頂きます」

「まったく予想外のことばかりで遺憾ではあるが、一番大事なのは娘が幸せになることだからな」

お父様は苦虫を噛んだかの様な顔をしているが、この中で1番シオンの幸せを願っているのは理解できた。

「今日の事で、正式に契約書として王家に提出して、各自の家にも正式な婚約者候補となり、一年後にシオンが選んだ方が婚約者とする書類を送ります」

あれポイントの評価は?
シオンの疑問にレイラが答えた。

「今回の試験とコーディネイトの試験はこれで終了します。まさか正解者が出るとは思っていなかったのと、参加者の本気度が知りたかったのが1番の目的だったのよ」

なるほど。
これはしてやられたね。

「そうだっのか。安心して良いのか、決着がつかず残念がればいいのか・・・」
「レオン王子が先走ってくれたおかげで助かったかもしれないね」

クロウとアーネストはレオンをみた。
レオンは緊張と父親からの殺気のため、固まっていた。

「はぁ~、ヘタレのお兄様が急にやる気を出すとこうなるのよね~」
「でもびっくりしましたね~シオンが、はいっ!て言った時は~~」

セーラとユーリはレオンのやらかしに頭が痛くなる思いだった。

「これからはもっとしっかりフォローしないと危険よね」
「そうだね~見てる分には面白いんだけど」

部外者のユーリは楽しそうであった。

「ユーリ、親友とはいえシオンをお義姉と呼べるかどうかの瀬戸際なの。面白がらないで協力して!」
「はいはい、これからもレオン王子のフォローしますよ」

どうやらやる気はあるようだ。

こうして大盛況だったコーディネイト大会および、シオンの婚約者を決めるパーティは終了したのだった。

『つ、疲れた・・・早く休みたい』

1番疲れたシオンにお母様はダメ推しの発言をした。

「紳士である婚約者候補たちはこの書類を家に戻り当主に渡して下さい。セーラ王女とユーリさんだったかしら?今日は止まっていかない?シオンとパジャマパーティなどどうかしら?

!?


まだイベントは続くのですか!?
シオンが絶望の表情をしているとセーラとユーリは秒で返事をした。

「「ぜひ!お願いします!!!!」」

ひーーーん!となるシオンでした。

「ず、ずるいぞセーラ!」

レオンが反論するがーーー

「あん?まさかシオンと一緒に泊まるつもりか?」
「いえ、なんでもありません!」

父親の人睨みですぐに引いた。

「さぁ、皆さん夕飯でも食べていって下さい♪」

お母様が笑顔で言いました。
皆さん、私も含めて疲れていたので、ダンジョンの非常用出口から屋敷へ帰りました。

いやー便利ですね~~
ダンジョンとはいったい………


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【後書き】

愚者の声
「家庭用のダンジョンって良くない!?」


シオン
「一家に一ダンジョンあればレベル上げ放題ですわね♪」

愚者の声
「そこの目の前のあなたも、ダンジョン如何ですか~~?今ならエリクサーも付けて、たったの1億円でプライスです!」

シオン
「まぁ!安くてお買い得ですわね♪」

愚者の声&シオン
『ただし命の保証はしませんがね?』

クククッ!
(悪役令嬢)



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