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微笑み29
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フレイムハート家から招待状が届いた。
「マジで招待状がきたぞ!?」
よっしゃー!!!
ヘタレキングこと、レオン王子は舞い上がっていた。そして、それを冷めた目で見つめるセーラー王女………
「はぁー!招待状が届いただけで、この浮かれよう。まったく情けない!」
セーラー王女は気付いていた。フレイムハート公爵があの時いた私達だけではなく、Sクラスの同等の立場の人間にも招待状を送っている事に。
一方、同じくあの場にいたアーレストは──
「あの公爵が本当に招待状を送って来るとは………しかも、シオン令嬢の天然のおかげでお泊まりまでよく許したものだ。いったい何を企んでいるのやら?」
アーレストはセーラ王女と同じく、この招待をそのままの意味で受け取っていなかった。流石は次期宰相を狙う知能派である。
「何かあった時の為、父や屋敷の者にはしっかりとフレイムハート家へ行くことを伝えておかねばならないか?」
自分との連絡が途絶えた時の為の対策を講じておくのだった。
今回の1番のラッキーなイケメンズである。クロウ・エンミリオンは─
「なんでフレイムハート家から招待状が届くんだ?しかもお泊まりでだと!?」
突然の招待状に驚きを隠せないクロウだったが、差出人がフレイムハート家当主からだったため、裏を勘ぐってしまった。
「まだ日にちがあるし、まずは学校でシオン嬢に内容を確認しよう。招待状の偽装はあり得ないが、何も知らずに行くのはまずい。この様子だと他の者にも招待状が行っている可能性が高いか」
レオン以外の男性陣は、しっかりと招待状の意味と裏を取ろうと動き出したのだった。ただ1人レオン王子を除いて。そう、すでにシオンに相応しい相手かどうかのフレイムハート家からの試験は始まっているのだ。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
招待状の日時になりました。現代でいう所の土、日曜日の2連休です。
クロウは学校で、シオンに招待状の事を確認して献花のパーティーの出来事を知った。クロウもシオンとの縁を結ぶ為に情報収集をしっかりと行っていて最悪、公爵と戦う事も視野に入れて万全な態勢でやって来た。
「あの娘を溺愛している公爵が、シオン嬢の住む別宅へ呼ぶ事がおかしい。しかも、お泊まりまで許すとは………何が待ち構えているのやら……」
緊張した様子で、フレイムハート家の門を潜る。
アーレストも、クロウと同じく緊張したおもむきでフレイムハート家の門を叩いた。
「私以外にも呼ばれているようだし、万が一は無いと思うが……公爵の意図が読めないうちは油断できない」
この二人は公爵の性格をしっかりと把握し、どうして呼ばれたのか?普通のお茶会の訳がないと、腹をくくってやって来たのだ。
しかし──
「なぁセーラ、俺の格好おかしくないか?」
「もう!お兄様、これで何回目ですか?まったく……」
唯一、別の意味で緊張して来たヘタレキングのレオンはセーラ王女とユーリを馬車に乗せてやって来た。
「はぁー、セーラも大変ねー?」
「うぅ……ユーリだけよ!わかってくれるのは……」
なんていうか、先の二人と違いまったく緊張感が無かったのでした。
時間差でフレイムハート家の屋敷にやって来た各々は、まず中庭で訓練しているフレイムハート騎士団の錬度について驚いた。約30人ほどではあるが、集団練習では一子乱れない動きで行動し、組み手ではお互いに、【剣舞】を観ているような動きで戦っている。
「……すごい!」
「王国騎士団より数段上だぞ!?」
お金持ちのフレイムハート家では別宅でも、兎に角広く、門の横には騎士団の宿舎まである。
(過去に説明してあります)
ようやく屋敷の中に入ると、侍女に案内されてお茶会の会場へと向かいます。
お茶会の会場に向かいます。
長い廊下を歩き、【地下】へと向かう階段を降りていきます。
お茶会の会場……?
向かっている???
本当に???
なんて事でしょう!
地下へと降りるとそこは【ダンジョン】でした。
流石はお金持ちのフレイムハート家ですね♪
屋敷の下にダンジョンを作るなんて、お茶目なんだから♪
いやいやいやいやいや!!!!??
おかしいから!?
地下へと降りると、ちょっとした広間になっており、部屋の中央には場違いな豪勢なテーブルが置いてあり、紅茶やケーキ、クッキーなどお茶会の飾り付けがしてあった。無論、周りは石のレンガで作られたような壁に石畳である。
違和感のパッない異色を放っていた。
「みんな……来た。【パーティー】を始めましょう」
いつもと感じの違う微笑みを、みんなに向けるシオンだった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【後書き】
愚者の声
「クックックッ!ただのお泊まり会ではないのだよ!」
シオン
「本当のパーティーはこれからですわ♪」
愚者の声&シオン
「「クックックッ!!!」」
「マジで招待状がきたぞ!?」
よっしゃー!!!
ヘタレキングこと、レオン王子は舞い上がっていた。そして、それを冷めた目で見つめるセーラー王女………
「はぁー!招待状が届いただけで、この浮かれよう。まったく情けない!」
セーラー王女は気付いていた。フレイムハート公爵があの時いた私達だけではなく、Sクラスの同等の立場の人間にも招待状を送っている事に。
一方、同じくあの場にいたアーレストは──
「あの公爵が本当に招待状を送って来るとは………しかも、シオン令嬢の天然のおかげでお泊まりまでよく許したものだ。いったい何を企んでいるのやら?」
アーレストはセーラ王女と同じく、この招待をそのままの意味で受け取っていなかった。流石は次期宰相を狙う知能派である。
「何かあった時の為、父や屋敷の者にはしっかりとフレイムハート家へ行くことを伝えておかねばならないか?」
自分との連絡が途絶えた時の為の対策を講じておくのだった。
今回の1番のラッキーなイケメンズである。クロウ・エンミリオンは─
「なんでフレイムハート家から招待状が届くんだ?しかもお泊まりでだと!?」
突然の招待状に驚きを隠せないクロウだったが、差出人がフレイムハート家当主からだったため、裏を勘ぐってしまった。
「まだ日にちがあるし、まずは学校でシオン嬢に内容を確認しよう。招待状の偽装はあり得ないが、何も知らずに行くのはまずい。この様子だと他の者にも招待状が行っている可能性が高いか」
レオン以外の男性陣は、しっかりと招待状の意味と裏を取ろうと動き出したのだった。ただ1人レオン王子を除いて。そう、すでにシオンに相応しい相手かどうかのフレイムハート家からの試験は始まっているのだ。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
招待状の日時になりました。現代でいう所の土、日曜日の2連休です。
クロウは学校で、シオンに招待状の事を確認して献花のパーティーの出来事を知った。クロウもシオンとの縁を結ぶ為に情報収集をしっかりと行っていて最悪、公爵と戦う事も視野に入れて万全な態勢でやって来た。
「あの娘を溺愛している公爵が、シオン嬢の住む別宅へ呼ぶ事がおかしい。しかも、お泊まりまで許すとは………何が待ち構えているのやら……」
緊張した様子で、フレイムハート家の門を潜る。
アーレストも、クロウと同じく緊張したおもむきでフレイムハート家の門を叩いた。
「私以外にも呼ばれているようだし、万が一は無いと思うが……公爵の意図が読めないうちは油断できない」
この二人は公爵の性格をしっかりと把握し、どうして呼ばれたのか?普通のお茶会の訳がないと、腹をくくってやって来たのだ。
しかし──
「なぁセーラ、俺の格好おかしくないか?」
「もう!お兄様、これで何回目ですか?まったく……」
唯一、別の意味で緊張して来たヘタレキングのレオンはセーラ王女とユーリを馬車に乗せてやって来た。
「はぁー、セーラも大変ねー?」
「うぅ……ユーリだけよ!わかってくれるのは……」
なんていうか、先の二人と違いまったく緊張感が無かったのでした。
時間差でフレイムハート家の屋敷にやって来た各々は、まず中庭で訓練しているフレイムハート騎士団の錬度について驚いた。約30人ほどではあるが、集団練習では一子乱れない動きで行動し、組み手ではお互いに、【剣舞】を観ているような動きで戦っている。
「……すごい!」
「王国騎士団より数段上だぞ!?」
お金持ちのフレイムハート家では別宅でも、兎に角広く、門の横には騎士団の宿舎まである。
(過去に説明してあります)
ようやく屋敷の中に入ると、侍女に案内されてお茶会の会場へと向かいます。
お茶会の会場に向かいます。
長い廊下を歩き、【地下】へと向かう階段を降りていきます。
お茶会の会場……?
向かっている???
本当に???
なんて事でしょう!
地下へと降りるとそこは【ダンジョン】でした。
流石はお金持ちのフレイムハート家ですね♪
屋敷の下にダンジョンを作るなんて、お茶目なんだから♪
いやいやいやいやいや!!!!??
おかしいから!?
地下へと降りると、ちょっとした広間になっており、部屋の中央には場違いな豪勢なテーブルが置いてあり、紅茶やケーキ、クッキーなどお茶会の飾り付けがしてあった。無論、周りは石のレンガで作られたような壁に石畳である。
違和感のパッない異色を放っていた。
「みんな……来た。【パーティー】を始めましょう」
いつもと感じの違う微笑みを、みんなに向けるシオンだった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【後書き】
愚者の声
「クックックッ!ただのお泊まり会ではないのだよ!」
シオン
「本当のパーティーはこれからですわ♪」
愚者の声&シオン
「「クックックッ!!!」」
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