【改稿版】微笑みの悪役令嬢!~微笑むだけで上手くいくものですわ~

naturalsoft

文字の大きさ
上 下
17 / 58

微笑み16

しおりを挟む
「風よ!疾風の刃となりて敵を切り裂け!旋風刃・連破!!!」

シオンが風の中級魔法を放った!しかも風の刃を1枚飛ばす魔法を改良し、複数の刃を飛ばす魔法を放ったのだ。

複数の風の刃がワイバーンに向かった!

しかし!?

「なっ!?避けた!!!?」

ワイバーンは器用にも尻尾を振って、急旋回して魔法を避けた。

「速い!!!」

空中を自在に飛ぶワイバーンにほんろうされる。少しでもスキを見せると急降下して爪で襲い掛かってくる。ワイバーンが降りて来るときに投げナイフなどで攻撃するが硬い鱗に阻まれてダメージを与える事が出来ないでいた。

「もっと、森の奥まで行きましょう!木々が深くなればそうそう降りて来れないわ!」

「「「了解!!!」」」

シオンは閃光魔法を放ち、ワイバーンが怯んだ所で森の奥へと駆け出した。

「はぁはぁ!!!」
「なかなか手強い!」

走りながらワイバーンを気にして気配を探る。段々と木々が深くなり森の中が暗くなっていく。

「ワイバーンがやってきます!」

上空にワイバーンの気配を感じた!しかし、森の木々が邪魔で降りて来れない。するとワイバーンは火炎のブレスを放ってきた!

「散開!!!」

シオン達がいた場所に、木々を焼きながら火炎のブレスが着弾した!ワイバーンはすぐに火炎放射器のように周辺の木々を燃やし始めた。

「ゴッホ!ゴッホ!」
「まずいわ!」


煙に巻かれ、咳き込むシオン達だったがシオンだけは冷静に戦況を読んでいた。煙に巻かれているが視界が遮られワイバーンもシオン達を見失っていた。しかも煙と炎の熱で、ワイバーンの超感覚も狂わせていたのは嬉しい誤算であったが、そこまではシオンはわからなかった。

「水の龍よ!我が手に宿りて敵を討て!水龍陣!!!」

煙の立ち込める中から突然、水の龍がワイバーンに襲い掛かった。ワイバーンはとっさに避けた!

「あれも避けるのか!!!?」

グレイはワイバーンの反射神経に驚くが、まだシオンの魔法は終わっていなかった!

「風の刃は避けたけど、水の龍はまだ終わっていない!」

上空に登った水の龍がUターンして降りてきた!ワイバーンは下からの攻撃には敏感だが、自分の上からの攻撃には対処出来なかった。背中から水の龍をまともに受け、そのまま地面に激突した!


グルルルルル!!!!!


地面に激突したワイバーンは威嚇するが、そのスキをシオン達は見逃さなかった!

「喰らいなさい!」

アルカはワイバーンに丸い玉を投げた。すると丸い玉から、圧縮されていた大量の白い液体がワイバーンの身体に降り注いだ。


するとみるみる内に、ワイバーンの動きが鈍った。アルカが投げたのはフレイムハート謹製のトリモチ接着剤だったのだ。

「やったわ!これで飛べないはずよ!」

瞬時に、グレイとナイカが剣と槍で攻撃した。

グギャァァァァァ!!!!!

痛みに吼えるワイバーン!しかしワイバーンもヤられているばかりでは無かった。首を動かし、火炎のブレスを吐いた!

「ちぃ!水の龍で炎が鎮火したばかりだって言うのに!」

走りながらブレスを避ける。ナイカさんが盾を前にして補助魔法を掛ける!

「グレイさん!決めて下さい!」

腕力強化のストロングの魔法をグレイに掛ける!

「私がスキを作ります!緑の深淵よ、その深き緑に束縛されん!グリーン・バインド!」

地面の草が急に伸びてワイバーンを束縛した。千切ろうともがくが、トリモチと草がゴムのように弾力があり抜け出せない。

「うおぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

グレイさんの気合いの一撃がワイバーンを一閃する!

「剣技・破邪一刀!」

剣に聖属性の魔力を纏わせてワイバーンの首を一刀両断した!

「ふぅー」

深く息を吐いた。

「なかなか手強かったですね」

シオン達はSランク冒険者だ。それでも苦労する相手だったと言うことだったのだ。

「ワイバーンが森に入った瞬間にすぐに襲ってきたのが気になります。少し森を探索しましょう!アルカ、先行して探ってきてくれる?私達はワイバーンを解体しておくから」

「はっ!畏まりました!」

アルカは忍者のように音も無く森の奥へと消えていった。

「さぁ!楽しい解体を始めますか!」
「余り、お嬢様に血の飛び散る解体をして欲しくないのですがね」

ワクワクしているシオンを見て、グレイはため息を吐くのだった。








解体が終わり、しばらく経った頃アルカが戻ってきた。

「シオンお嬢様!森の奥で卵を見つけました!」

卵!?

アルカは人の身体の半分はある大きな卵を抱えて戻ってきた。

「うわぁ~大きな卵だね~」
「この卵を守る為に森に入る者達をすぐに襲っていたのか」
「卵焼き何個作れるかなぁ~?」

っん?なんか卵がビクついた様な?

「卵は一つだけでした。鳥の巣みたな所にあったので燃やしておきました」

「うん、正しい判断だね!別の魔物の巣に使われるかも知れないからね」


こうして解体したワイバーンと卵を持って凱旋したシオン達であった。

そしてストレス発散できて、テンション高いシオンはこの小説始まって以来の口数が多かった。







◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【後書き】

愚者の声
「いやーファンタジーって良いですねー」

シオン
「これは恋愛ジャンルなんだけど?」

愚者の声
「恋愛ってなーに?美味しいの?」


シオン
「ふ、ふふふ……………」
(ムカつきますわ)


「黒より黒く闇より暗き漆黒に我が深紅の混淆を望みたもう。覚醒のとき来たれり。無謬の境界に落ちし理。無行の歪みとなりて現出せよ!踊れ踊れ踊れ、我が力の奔流に望むは崩壊なり。並ぶ者なき崩壊なり。万象等しく灰塵に帰し、深淵より来たれ!これが人類最大の威力の攻撃手段、これこそが究極の攻撃魔法、エクスプロージョン!」


愚者の声
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああ!!!!!」


プスプス…………


シオン
「焼いても食えませんね。また、つまらぬ者を爆裂させてしまった」



愚者の声
φ(..)
犯人は…………シオ………ン、ガクッ
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

逃げた村娘、メイドになる

家具付
恋愛
村で散々な扱いを受けてきたサイヴァは、端切れから美しい服を作り、村長の娘にやっかまれて物置に閉じ込められる。物置きで不思議な声に導かれ、やっとそこから脱した彼女は、家を滅茶苦茶にされた事から、村を逃げ出す事を決意した。祖母の手紙を頼りに、お屋敷のお嬢様にお仕えする事になったサイヴァだったが、物置で聞こえた不思議な声は、彼女の予想外の事をもたらし……!

魅了の魔法を使っているのは義妹のほうでした・完

瀬名 翠
恋愛
”魅了の魔法”を使っている悪女として国外追放されるアンネリーゼ。実際は義妹・ビアンカのしわざであり、アンネリーゼは潔白であった。断罪後、親しくしていた、隣国・魔法王国出身の後輩に、声をかけられ、連れ去られ。 夢も叶えて恋も叶える、絶世の美女の話。 *五話でさくっと読めます。

死に戻るなら一時間前に

みねバイヤーン
恋愛
「ああ、これが走馬灯なのね」  階段から落ちていく一瞬で、ルルは十七年の人生を思い出した。侯爵家に生まれ、なに不自由なく育ち、幸せな日々だった。素敵な婚約者と出会い、これからが楽しみだった矢先に。 「神様、もし死に戻るなら、一時間前がいいです」  ダメ元で祈ってみる。もし、ルルが主人公特性を持っているなら、死に戻れるかもしれない。  ピカッと光って、一瞬目をつぶって、また目を開くと、目の前には笑顔の婚約者クラウス第三王子。 「クラウス様、聞いてください。私、一時間後に殺されます」 一時間前に死に戻ったルルは、クラウスと共に犯人を追い詰める──。

筆頭婚約者候補は「一抜け」を叫んでさっさと逃げ出した

基本二度寝
恋愛
王太子には婚約者候補が二十名ほどいた。 その中でも筆頭にいたのは、顔よし頭良し、すべての条件を持っていた公爵家の令嬢。 王太子を立てることも忘れない彼女に、ひとつだけ不満があった。

毒殺されそうになりました

夜桜
恋愛
 令嬢イリスは毒の入ったお菓子を食べかけていた。  それは妹のルーナが贈ったものだった。  ルーナは、イリスに好きな恋人を奪われ嫌がらせをしていた。婚約破棄させるためだったが、やがて殺意に変わっていたのだ。

【完結】待ち望んでいた婚約破棄のおかげで、ついに報復することができます。

みかみかん
恋愛
メリッサの婚約者だったルーザ王子はどうしようもないクズであり、彼が婚約破棄を宣言したことにより、メリッサの復讐計画が始まった。

もしもヒロインが生粋の貴族であったなら!(by転生悪役令嬢より

naturalsoft
恋愛
初めまして。いつもお馴染みの【シオン】と申します。今回は久々の悪役令嬢を務めさせて頂きますわ。 最近は、髪の色と同じく頭の中身がピンク色のヒロインばかりなので、一風変わったヒロインをお楽しみ下さいませ~ これが本当の【真】のヒロインの在るべき姿なのですから………

婚約破棄を申し込まれたので、ちょっと仕返ししてみることにしました。

夢草 蝶
恋愛
 婚約破棄を申し込まれた令嬢・サトレア。  しかし、その理由とその時の婚約者の物言いに腹が立ったので、ちょっと仕返ししてみることにした。

処理中です...