【改稿版】微笑みの悪役令嬢!~微笑むだけで上手くいくものですわ~

naturalsoft

文字の大きさ
上 下
3 / 58

微笑み3

しおりを挟む
王女様に引きずられ教室の窓際に行くと複数の女子生徒が待っていました。

「セーラ王女様以外に、微笑みの令嬢様と御一緒出来るなんて幸せですわ!」
「わたくしも勉強を頑張ったかいがありましたわ!」
「聖女様と同じクラス………ジ~ン」

私は彼女達のテンションの高さについていけず、セーラ王女に視線をやるとニッコリと笑い、腕を組んできた。

「シオン様はお茶会などほとんど出席されませんでしたから、ゆっくりお話したいと思っていたのですわ♪」

王女様!貴女もですか!?
私が何をしたと?私はタダの一般人ですよ?

私が戸惑い、どういえば良いのか迷っているとSクラスの担任が入ってきて席に着けと言った。私は丁度良いと自分の席に着いたのだった。

「さて、皆さん入学おめでとうございます。私はこのクラスの担任になりますクリス・マクライです。このSクラスは入学試験で上位に入った者が入れるクラスです。これから選択科目で自分の個性を伸ばして行くことになりますが、それでも成績上位者として恥ずかしくない学園生活を送って下さい」

Sクラスともなると教師も無駄にイケメンなんですねー!

大人の色気がムンムンですよ

「では皆さん、講堂へ移動しましょう!」

講堂で新入生のセレモニーがあるようだ。

「微笑みの令嬢、どうか私と一緒に講堂へ行きませんか?」

ふと見るとアーレスト様が手を出して来ました。
私は微笑んでセーラ王女へ指をさしました。

「なるほど、先約されましたか。残念です」

片目をウインクしてあっさり引き下がった。

う~む、手馴れていますね。

セーラ王女様と先ほど話が途中になっていましたので、一緒に講堂へ向かいました。
何故かセーラ王女様が腕を組んでくるのが困りましたね。でも、同世代とこんな風にじゃれ合う機会がありませんでしたから、嫌ではありません♪
ちょっと嬉しいです。

講堂へ着くと、またまた大歓声が沸き上がりました。


おおぅ!!!


ビリビリっと歓声の声に後退りますよ。
でもセーラ王女様が腕を組んでいるので逃げれません。

ラスボスからは逃げられないの状態です。

私は困った顔でセーラ王女様を見ると、王女様はドヤ顔で当然ですわと、私を引っ張って前に進んだ。

壇上で学園長が話をしている間、講堂にいる全生徒からの視線を感じて居心地が悪かったデスデス。
(私が何をしたと言うのですか?)

そしてイレギュラーが起こりました。

「では、予定にはありませんでしたが、この国の宝であるシオン・クロス・フレイムハート嬢に一言頂きたいと思います。新入生の皆さんも気になって仕方なさそうですからね」


ちょっとーーーーー!!!
無茶振りしないでよーーー!!!!

私は戸惑いながら、ドナドナ~される感じで壇上に上がりました。

さて、何を話せば良いのやら………

「シオンさん、突然で申し訳ありません。何か一言で良いので抱負など語って頂ければと思います」

学園長はそう言うが、話す事の苦手な私に何を話せとおっしゃるのですか!

悩みながら私は考える事を放棄した。

マイクにより普段の小さな声が増幅して、ちゃんとした大きさで講堂に響いた。
(ちなみにマイクは風魔法で声を増幅している魔導具です)

ああぁ、何で私はあんな事を口走ったのだろうか!?やり直したいよ!!!

シオンは激しく後悔していた。


私は、みんなの大好きな学園生活を満喫しましょう。と、言うはずが───


「………みんな大好き♡」


そして儚げに微笑みます。


考える事を放棄したことにより続きを、はしょったのだった。

それを聞いて、私の微笑んだ顔を見た生徒達はドッキューーーーーーン!!!と胸を射たれて、大勢の生徒達がその場で崩れ落ちた。

私はカオスとなった講堂の壇上でアワアワしてその場で固まり半泣きになりながら教師と一緒に後にするのでした。

そして学園の伝説的セレモニーとして後世まで語り継がれることになったのでした。

何故に!!!?どうしてこうなった!?

解せぬ!!!!








◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【後書き】

愚者の声
「クスクスッ」

シオン
「………なんですか?」

愚者の声
「みんな大好き!プークスクスッ」

シオン
「遺言はそれでいいのね?」

愚者の声
「えっ!?ちょっと!ジョーダ──」

シオン
「滅殺!!!」

愚者の声
ぎゃあぁぁぁぁぁ!!!!!





しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

逃げた村娘、メイドになる

家具付
恋愛
村で散々な扱いを受けてきたサイヴァは、端切れから美しい服を作り、村長の娘にやっかまれて物置に閉じ込められる。物置きで不思議な声に導かれ、やっとそこから脱した彼女は、家を滅茶苦茶にされた事から、村を逃げ出す事を決意した。祖母の手紙を頼りに、お屋敷のお嬢様にお仕えする事になったサイヴァだったが、物置で聞こえた不思議な声は、彼女の予想外の事をもたらし……!

旦那様、そんなに彼女が大切なら私は邸を出ていきます

おてんば松尾
恋愛
彼女は二十歳という若さで、領主の妻として領地と領民を守ってきた。二年後戦地から夫が戻ると、そこには見知らぬ女性の姿があった。連れ帰った親友の恋人とその子供の面倒を見続ける旦那様に、妻のソフィアはとうとう離婚届を突き付ける。 if 主人公の性格が変わります(元サヤ編になります) ※こちらの作品カクヨムにも掲載します

魅了の魔法を使っているのは義妹のほうでした・完

瀬名 翠
恋愛
”魅了の魔法”を使っている悪女として国外追放されるアンネリーゼ。実際は義妹・ビアンカのしわざであり、アンネリーゼは潔白であった。断罪後、親しくしていた、隣国・魔法王国出身の後輩に、声をかけられ、連れ去られ。 夢も叶えて恋も叶える、絶世の美女の話。 *五話でさくっと読めます。

【完結】皇太子の愛人が懐妊した事を、お妃様は結婚式の一週間後に知りました。皇太子様はお妃様を愛するつもりは無いようです。

五月ふう
恋愛
 リックストン国皇太子ポール・リックストンの部屋。 「マティア。僕は一生、君を愛するつもりはない。」  今日は結婚式前夜。婚約者のポールの声が部屋に響き渡る。 「そう……。」  マティアは小さく笑みを浮かべ、ゆっくりとソファーに身を預けた。    明日、ポールの花嫁になるはずの彼女の名前はマティア・ドントール。ドントール国第一王女。21歳。  リッカルド国とドントール国の和平のために、マティアはこの国に嫁いできた。ポールとの結婚は政略的なもの。彼らの意志は一切介入していない。 「どんなことがあっても、僕は君を王妃とは認めない。」  ポールはマティアを憎しみを込めた目でマティアを見つめる。美しい黒髪に青い瞳。ドントール国の宝石と評されるマティア。 「私が……ずっと貴方を好きだったと知っても、妻として認めてくれないの……?」 「ちっ……」  ポールは顔をしかめて舌打ちをした。   「……だからどうした。幼いころのくだらない感情に……今更意味はない。」  ポールは険しい顔でマティアを睨みつける。銀色の髪に赤い瞳のポール。マティアにとってポールは大切な初恋の相手。 だが、ポールにはマティアを愛することはできない理由があった。 二人の結婚式が行われた一週間後、マティアは衝撃の事実を知ることになる。 「サラが懐妊したですって‥‥‥!?」

死に戻るなら一時間前に

みねバイヤーン
恋愛
「ああ、これが走馬灯なのね」  階段から落ちていく一瞬で、ルルは十七年の人生を思い出した。侯爵家に生まれ、なに不自由なく育ち、幸せな日々だった。素敵な婚約者と出会い、これからが楽しみだった矢先に。 「神様、もし死に戻るなら、一時間前がいいです」  ダメ元で祈ってみる。もし、ルルが主人公特性を持っているなら、死に戻れるかもしれない。  ピカッと光って、一瞬目をつぶって、また目を開くと、目の前には笑顔の婚約者クラウス第三王子。 「クラウス様、聞いてください。私、一時間後に殺されます」 一時間前に死に戻ったルルは、クラウスと共に犯人を追い詰める──。

【完結】所変われば品変わる―後悔しても、もう遅い―

仲村 嘉高
恋愛
小国であるアフェクシオン王国。 その国の第二王女が、ぜひにと請われて大国のアッロガンテ国へと輿入れする事になった。 嫁いだその日に結婚式という、忙しない日程での婚姻。 その結婚式の場で、夫となる国王が叫んだ。 「お前は聖女ではなかったのか!?」 言われた王女は驚き、焦る。 「私は確かに、自国では聖女と呼ばれておりました」 しかし、国王は納得しない。 「それならばなぜ、治癒魔法が使えないのか」と。 王女の国と、嫁いだ先では『聖女』の定義が違っていた。

幼馴染がそんなに良いなら、婚約解消いたしましょうか?

ルイス
恋愛
「アーチェ、君は明るいのは良いんだけれど、お淑やかさが足りないと思うんだ。貴族令嬢であれば、もっと気品を持ってだね。例えば、ニーナのような……」 「はあ……なるほどね」 伯爵令嬢のアーチェと伯爵令息のウォーレスは幼馴染であり婚約関係でもあった。 彼らにはもう一人、ニーナという幼馴染が居た。 アーチェはウォーレスが性格面でニーナと比べ過ぎることに辟易し、婚約解消を申し出る。 ウォーレスも納得し、婚約解消は無事に成立したはずだったが……。 ウォーレスはニーナのことを大切にしながらも、アーチェのことも忘れられないと言って来る始末だった……。

私の手からこぼれ落ちるもの

アズやっこ
恋愛
5歳の時、お父様が亡くなった。 優しくて私やお母様を愛してくれたお父様。私達は仲の良い家族だった。 でもそれは偽りだった。 お父様の書斎にあった手記を見た時、お父様の優しさも愛も、それはただの罪滅ぼしだった。 お父様が亡くなり侯爵家は叔父様に奪われた。侯爵家を追い出されたお母様は心を病んだ。 心を病んだお母様を助けたのは私ではなかった。 私の手からこぼれていくもの、そして最後は私もこぼれていく。 こぼれた私を救ってくれる人はいるのかしら… ❈ 作者独自の世界観です。 ❈ 作者独自の設定です。 ❈ ざまぁはありません。

処理中です...