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さよならアルトゥール王
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詐欺グループを捕まえた場所で、聞き覚えのある声がしたと思ったら、ヴェルパス国のアルトゥール王と水の聖女と言っていたミューカの姿が。
「騙しやがって。何が水の聖女だ。とんだインチキじゃないか」
「うっさいわね! あんたの方こそ、あんな貧乏な国だと思わなかったわ」
「お前が来たからさらにお金が無くなったんじゃないか!」
「はぁ?! 人のせいにするっていうの?」
何やら言い争いながら来ているようです。
その後ろにもヴェルパス国の騎士たちの姿が見えます。
アルトゥール王はパトリック王に気づくと、びくっとして立ち止まりました。
しかしすぐに気を取り直して、ローブから顔を出しました。
「これはこれは、パトリック王ではありませんか。こんなところで何をなさっているのですか?」
「アルトゥール王。詐欺グループを捕まえていたところです」
そういって、商品の中に水が出てくる箱を見つけると、勢いよく「そう! この女もグループの一人なんです!」と言い出しました。
「それで、アンステア国の被害が大きくなる前に仲間を捕まえに来たんですよ!」
「そうなのですか! さすがアルトゥール王」
絶対テキトーなことを言っているアルトゥール王だけど、手柄を自分のものにしようとするところはうまいですわね。
「この詐欺グループを捕まえてくださったのは聖女様とイルゼ様です。感謝いたします」
「聖女と、イルゼ」
アルトゥール王は顔をしかめて、やっと私とイルゼがいるのに気付いたようで、にやりと嫌な笑いを浮かべました。
「そう、私が二人に命令してここに来させたんです。このニセ聖女を預けますので。さ、帰るぞ、ユリアーネ。イルゼ」
この期におよんで、何を言っているんでしょうか。
「何をおっしゃっているのですか! 追放したのはアルトゥール王ではありませんか」
「そっちこそ何を言ってるんだ」
ちらちらとパトリック王の様子をうかがいながらも、私を連れて帰るためにぐっとアルトゥール王は私の腕をつかみました。
「いたっ」
シュッ。
その瞬間目の前には剣が。アルトゥール王に向けて、イルゼが剣を向けていたのです。
「何をするんだ、イルゼ」
「ユリアーネ様からその汚い手をお離しください」
「なんだと」
怒りかけたアルトゥール王でしたが、イルゼのするどい眼光におどおどしながら「落ち着きなさい」と弱々しく言いました。
「私は勝手に逃亡しましたが、ユリアーネ様はあなたが追放した。ユリアーネ様は渡さない」
「じゃあイルゼは帰ってくるのだな」
「ご自由に。覚悟はできております」
「ふふん、重罰を与えてやる」
「アルトゥール王、そんなことはやめてください!」
「うるさい!」
こんなときでさえイルゼは私を助けてくれたのに、私はイルゼを助けることができないなんて……。
助けを求める目でパトリック王のほうを見ると、パトリック王は考え事をするようにアルトゥール王を見ていました。
お一人でなにか納得したようにうなずくと、毅然とした態度でアルトゥール王に言いました。
「お待ちください。アルトゥール王」
「どうなさいました? パトリック王」
「イルゼは我が国の騎士になってもらいました」
「は?」
「私はイルゼにこの国を守ってもらう契約をしたのです。そのため勝手にイルゼを連れて行くというのは、我がアンステア国にケンカを売るということですぞ」
「しかし……イルゼは我が国の騎士です」
「騎士も誰につくのか、自分で選べる時代です」
パトリック王は事情を知らないはずですが、私たちの状況を見て察してくれたようです。
イルゼもそのことに気づき、パトリック王に頭を下げました。
「それとも力づくで連れて帰りますか?」
パトリック王が強気な笑みを浮かべます。
「誰か、イルゼを捕まえろ!」
アルトゥール王は、パトリック王の雰囲気に気後れしながら言いましたが、イルゼに勝てる騎士はおらず、誰も出てきません。
一人の騎士が出てきましたが、私とイルゼに頭を下げました。
「イルゼ様にはたくさんの恩があります。ユリアーネ様もずっとヴェルパス国の安泰をお祈りしていただきありがとうございました。これからはご自由にお過ごしください」
他の騎士も一緒に頭を下げてくれました。
「ば、ばかもん! 頭を下げる必要はない。イルゼ、お前なんかより強い騎士はいっぱいいるだからな」
そう言って、アルトゥール王は帰っていきました。
その場に放置された、自称水の聖女も他の詐欺グループメンバーとわかり、一緒にパトリック王の騎士たちに連れられて行きました。
アルトゥール王はこのニセ聖女から「国に利益になる」と粗悪品をたくさん購入していたことも後からわかりました。
「今回放っておくと国民の混乱は防げませんでした。早期発見ありがとうございました」
「少しでもお役に立ててうれしいですわ」
「ユリアーネ様、イルゼ様、この国で暮らしていただけませんでしょうか」
「この国で?」
「これからも何があるかわかりません。ユリアーネ様のお祈りとイルゼ様の剣術で国を守っていただけると心強いのです」
私はイルゼを見ます。イルゼも私と同じ気持ちのようで、うなずきました。
「申し訳ございません、パトリック王。今回の旅で世界中の困っている方たちの助けになりたい思いましたので、いろんなところへ行こうと思っています」
「そうですか、それは残念です。いや、しかし! たまに帰ってきていただき、数か月過ごすというのはどうでしょう? 住む場所も用意しますし、アルトゥール王になにか嫌がらせをされても手助けいたします」
「それなら、ありがたいですわ。いかがでしょう、イルゼ」
「そうですね。帰ってくる場所があるというのもいいものです」
その日はパトリック王に用意していただいたお部屋で休むことに。
お城から見える月は海に浮かんでとってもキレイだったので、イルゼを誘って一緒にお庭で月を見ていました。
「イルゼ、本当にありがとうございました」
そう言うと、イルゼは後ろからそっと抱きしめてくれました。
「イルゼ?」
「アルトゥール王が来たとき、あなたと離れてしまうのではないかと本気で思いました」
私も。
パトリック王が言ってくださらなかったらどうなっていたのか。
「これからもずっと一緒にいてくださいね」
「もちろんです」
イルゼはそう言うと、手を離し、横に立ってほほ笑みます。
ヴェルパス国にいたころとは全然ちがい、優しく安心できる笑顔は私の心もほんわかとあたたかくしてくれます。
これからも様々な困難が待っているかもしれませんが、イルゼとなら乗り越えて行けるでしょう。
その夜は手をつなぎ、ずっとイルゼと月を見ていました。
1週間ほど滞在し、サリーさんご夫婦に会いにも行きました。
ご主人もすっかり元気になって、今度サリーさんの実家に行くらしいという話も聞きました。
パトリック王は、 ヴェルパス国の騎士やメイドなど、こちらに来たい人たちがいたら来ていただいて構わないとおっしゃっていました。
「そんなことしたら国と国との関係が悪くなりませんか?」
「ヴェルパス国との交流がなくなってもこちらは痛くも痒くもありません。まぁ数年以内に勝手につぶれそうですしね」
ふふ、とパトリック王は笑っていました。
国を出る直前、パトリック王に食料や旅の道具などいろいろとご用意していただきました。
「ユリアーネ様、いきましょう」
「ユリアーネ、でしょ」
「そうでした。次はどこへ行きましょうか、ユリアーネ」
「そうねぇ。今度はあちらの森が気になるので行ってみましょうか」
イルゼの差し出された大きな手を掴みます。
馬に乗り、草原を見つめます。
今度はどのような出会いが待っているのでしょうか。いつかは両親にも会えるかしら。
私とイルゼは、次の場所に向かって進み始めました。
End
「騙しやがって。何が水の聖女だ。とんだインチキじゃないか」
「うっさいわね! あんたの方こそ、あんな貧乏な国だと思わなかったわ」
「お前が来たからさらにお金が無くなったんじゃないか!」
「はぁ?! 人のせいにするっていうの?」
何やら言い争いながら来ているようです。
その後ろにもヴェルパス国の騎士たちの姿が見えます。
アルトゥール王はパトリック王に気づくと、びくっとして立ち止まりました。
しかしすぐに気を取り直して、ローブから顔を出しました。
「これはこれは、パトリック王ではありませんか。こんなところで何をなさっているのですか?」
「アルトゥール王。詐欺グループを捕まえていたところです」
そういって、商品の中に水が出てくる箱を見つけると、勢いよく「そう! この女もグループの一人なんです!」と言い出しました。
「それで、アンステア国の被害が大きくなる前に仲間を捕まえに来たんですよ!」
「そうなのですか! さすがアルトゥール王」
絶対テキトーなことを言っているアルトゥール王だけど、手柄を自分のものにしようとするところはうまいですわね。
「この詐欺グループを捕まえてくださったのは聖女様とイルゼ様です。感謝いたします」
「聖女と、イルゼ」
アルトゥール王は顔をしかめて、やっと私とイルゼがいるのに気付いたようで、にやりと嫌な笑いを浮かべました。
「そう、私が二人に命令してここに来させたんです。このニセ聖女を預けますので。さ、帰るぞ、ユリアーネ。イルゼ」
この期におよんで、何を言っているんでしょうか。
「何をおっしゃっているのですか! 追放したのはアルトゥール王ではありませんか」
「そっちこそ何を言ってるんだ」
ちらちらとパトリック王の様子をうかがいながらも、私を連れて帰るためにぐっとアルトゥール王は私の腕をつかみました。
「いたっ」
シュッ。
その瞬間目の前には剣が。アルトゥール王に向けて、イルゼが剣を向けていたのです。
「何をするんだ、イルゼ」
「ユリアーネ様からその汚い手をお離しください」
「なんだと」
怒りかけたアルトゥール王でしたが、イルゼのするどい眼光におどおどしながら「落ち着きなさい」と弱々しく言いました。
「私は勝手に逃亡しましたが、ユリアーネ様はあなたが追放した。ユリアーネ様は渡さない」
「じゃあイルゼは帰ってくるのだな」
「ご自由に。覚悟はできております」
「ふふん、重罰を与えてやる」
「アルトゥール王、そんなことはやめてください!」
「うるさい!」
こんなときでさえイルゼは私を助けてくれたのに、私はイルゼを助けることができないなんて……。
助けを求める目でパトリック王のほうを見ると、パトリック王は考え事をするようにアルトゥール王を見ていました。
お一人でなにか納得したようにうなずくと、毅然とした態度でアルトゥール王に言いました。
「お待ちください。アルトゥール王」
「どうなさいました? パトリック王」
「イルゼは我が国の騎士になってもらいました」
「は?」
「私はイルゼにこの国を守ってもらう契約をしたのです。そのため勝手にイルゼを連れて行くというのは、我がアンステア国にケンカを売るということですぞ」
「しかし……イルゼは我が国の騎士です」
「騎士も誰につくのか、自分で選べる時代です」
パトリック王は事情を知らないはずですが、私たちの状況を見て察してくれたようです。
イルゼもそのことに気づき、パトリック王に頭を下げました。
「それとも力づくで連れて帰りますか?」
パトリック王が強気な笑みを浮かべます。
「誰か、イルゼを捕まえろ!」
アルトゥール王は、パトリック王の雰囲気に気後れしながら言いましたが、イルゼに勝てる騎士はおらず、誰も出てきません。
一人の騎士が出てきましたが、私とイルゼに頭を下げました。
「イルゼ様にはたくさんの恩があります。ユリアーネ様もずっとヴェルパス国の安泰をお祈りしていただきありがとうございました。これからはご自由にお過ごしください」
他の騎士も一緒に頭を下げてくれました。
「ば、ばかもん! 頭を下げる必要はない。イルゼ、お前なんかより強い騎士はいっぱいいるだからな」
そう言って、アルトゥール王は帰っていきました。
その場に放置された、自称水の聖女も他の詐欺グループメンバーとわかり、一緒にパトリック王の騎士たちに連れられて行きました。
アルトゥール王はこのニセ聖女から「国に利益になる」と粗悪品をたくさん購入していたことも後からわかりました。
「今回放っておくと国民の混乱は防げませんでした。早期発見ありがとうございました」
「少しでもお役に立ててうれしいですわ」
「ユリアーネ様、イルゼ様、この国で暮らしていただけませんでしょうか」
「この国で?」
「これからも何があるかわかりません。ユリアーネ様のお祈りとイルゼ様の剣術で国を守っていただけると心強いのです」
私はイルゼを見ます。イルゼも私と同じ気持ちのようで、うなずきました。
「申し訳ございません、パトリック王。今回の旅で世界中の困っている方たちの助けになりたい思いましたので、いろんなところへ行こうと思っています」
「そうですか、それは残念です。いや、しかし! たまに帰ってきていただき、数か月過ごすというのはどうでしょう? 住む場所も用意しますし、アルトゥール王になにか嫌がらせをされても手助けいたします」
「それなら、ありがたいですわ。いかがでしょう、イルゼ」
「そうですね。帰ってくる場所があるというのもいいものです」
その日はパトリック王に用意していただいたお部屋で休むことに。
お城から見える月は海に浮かんでとってもキレイだったので、イルゼを誘って一緒にお庭で月を見ていました。
「イルゼ、本当にありがとうございました」
そう言うと、イルゼは後ろからそっと抱きしめてくれました。
「イルゼ?」
「アルトゥール王が来たとき、あなたと離れてしまうのではないかと本気で思いました」
私も。
パトリック王が言ってくださらなかったらどうなっていたのか。
「これからもずっと一緒にいてくださいね」
「もちろんです」
イルゼはそう言うと、手を離し、横に立ってほほ笑みます。
ヴェルパス国にいたころとは全然ちがい、優しく安心できる笑顔は私の心もほんわかとあたたかくしてくれます。
これからも様々な困難が待っているかもしれませんが、イルゼとなら乗り越えて行けるでしょう。
その夜は手をつなぎ、ずっとイルゼと月を見ていました。
1週間ほど滞在し、サリーさんご夫婦に会いにも行きました。
ご主人もすっかり元気になって、今度サリーさんの実家に行くらしいという話も聞きました。
パトリック王は、 ヴェルパス国の騎士やメイドなど、こちらに来たい人たちがいたら来ていただいて構わないとおっしゃっていました。
「そんなことしたら国と国との関係が悪くなりませんか?」
「ヴェルパス国との交流がなくなってもこちらは痛くも痒くもありません。まぁ数年以内に勝手につぶれそうですしね」
ふふ、とパトリック王は笑っていました。
国を出る直前、パトリック王に食料や旅の道具などいろいろとご用意していただきました。
「ユリアーネ様、いきましょう」
「ユリアーネ、でしょ」
「そうでした。次はどこへ行きましょうか、ユリアーネ」
「そうねぇ。今度はあちらの森が気になるので行ってみましょうか」
イルゼの差し出された大きな手を掴みます。
馬に乗り、草原を見つめます。
今度はどのような出会いが待っているのでしょうか。いつかは両親にも会えるかしら。
私とイルゼは、次の場所に向かって進み始めました。
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