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11、 眼鏡の入った透明な箱を抱えて麦茶を飲む
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ドイム (トウマ Side)
煙草臭い白い髪の奴はまっすぐに入ってきたドアに向かって歩き出して終始鼻を啜り、部屋を出ていった。
見送る背中は 悲しい って言っているような気がした。
部屋から煙草臭い白い髪の奴がいなくなり、張りつめていた緊張がなくなった。
その場に崩れるようにゆっくり座る。
先ほど自分で奪い取って捨てた茶色の煙草が床を転がっている。
感情のまま白い髪の奴の手から奪い、床に投げ捨てたせいで煙草はまっすぐではなくなってる。
この煙草のせいで咳が止まらないくらい苦しんだという事実があり、同時に煙草臭い白い髪の奴が一筋の涙を流している先ほどの光景が脳内をよぎる。
呼吸できなかった事実と白い髪の奴が涙を流した事実の間に挟まれて、感情の処理が追い付かない。
奪い取ったうえ床に叩き捨てたのは自分のため、煙草の端を指先で拾い上げ、先ほど華麗にごみ箱入ったカラフルな箱が入ってるごみ箱に捨てた。
拾うのにも抵抗があったが、さっさと煙草のことを忘れてしまいたい。
部屋を1周見渡し、思い出した。
ソファに下されるまでは持っていた 眼鏡の入っている透明な箱がない。
ソファに戻り眼鏡を探す。すぐに見つかった。ソファにあった透明な箱を拾い上げる。
煙草臭い白い髪の奴が出ていったドアの方からバンと大きな音を立てて勢いよく開いた。ソファに隠れながらドアを見ると、白い髪の奴が両手にお盆を持って部屋に入ってきた。
ダイニングテーブルの上にお盆を置くと何か言ってからドアを閉め部屋を出ていった。
ドアの音にビビってちょっとビクついたが、ソファの影になっていたから多分見えてないだろう。
ソファからダイニングテーブルのお盆を見る。お盆にはご飯と味噌汁と焼き魚とサラダが見えた。
白い髪の奴は部屋を出るとき何か言っていた。何を言っていたのか分からないけれど。
生活音が大きいと白い髪の奴は怒っていそうな気がする…
反対に、部屋から出ていく時の白い髪の奴の声からは怒っていなそうな気がする…
白い髪の奴が怒っているのか 怒っていないのか、それすらも分からなくなってきた。
ソファに座り直し考える。さっきまで状況から怒っているパターンと、怒ってないパターンがありそうだ。
そうなるといろんなパターンがあるよなと、白い髪の奴がお盆を置いて部屋から出ていったこと、部屋を出ていく時に何か言っていたことも含めて悶々と怒っているのか、それとも 怒っていないのかを考えていたら、再びドアが開いた。
ソファからドアを見る。
白い髪の奴が部屋に入ってきた。ただ、部屋から出ていった時とは白い髪の奴の髪型と服が違うし両手には茶色の液体が入ったグラスを持っている。
前髪は先ほどまで下していたが今は耳にかかってるし、服もさっきの部屋着と全体的な服の雰囲気が変わっている。
白い髪の奴はソファに来た。髪型と服が変わって部屋に入ってきた時からもう白い髪の奴からは煙草の匂いはしてこない。
ソファに座ることはせず、グラスを差し出してきた。
差し出されたグラスを見る。次に白い髪の奴を見る。白い髪の奴の耳にかかった髪は全体的にしっとりしてる。
白い髪の奴はもう片方に持っていたグラスから中に入っている液体を飲んだ。そこではっとする。
飲めってことか。
グラスを受け取る。グラスに入ってる中身を見ると茶色の液体でさっきまで冷えていたのか結露し、グラスを持っている手を濡らす。白い髪の奴も同じような物を飲んでるため飲んでも問題ないだろう。
ひとくちだけ飲むと麦茶に似た味わいが口の中に広がる。
喉が思っていたより乾いていたのかグラスの中の麦茶を全部飲んでしまった。
冷たい麦茶が喉を通り体内に入っていった。一息つくと何も言わず白い髪の奴は空のグラスを取り上げた。正直、もうちょっと麦茶を飲みたかった。
なので、ソファから降りて白い髪の奴を追いかけようとした。が、すぐに終わった。
椅子に座って白い髪の奴はテーブルのお盆の飯を食べ始めた。2人分キッチリ用意されていることから、同じく椅子に座り お盆を見る。
先ほどはよく見えなかったが卵もあった。
眼鏡の入った透明な箱をテーブルに置いて、箸とご飯茶碗を持って食べ始める。
食べている間に白い髪の奴は自分の使ったお盆を持って部屋を出て行ったり、麦茶の入ったピッチャーを持ってきてグラスに注いだり忙しくしている。
煙草臭い白い髪の奴はまっすぐに入ってきたドアに向かって歩き出して終始鼻を啜り、部屋を出ていった。
見送る背中は 悲しい って言っているような気がした。
部屋から煙草臭い白い髪の奴がいなくなり、張りつめていた緊張がなくなった。
その場に崩れるようにゆっくり座る。
先ほど自分で奪い取って捨てた茶色の煙草が床を転がっている。
感情のまま白い髪の奴の手から奪い、床に投げ捨てたせいで煙草はまっすぐではなくなってる。
この煙草のせいで咳が止まらないくらい苦しんだという事実があり、同時に煙草臭い白い髪の奴が一筋の涙を流している先ほどの光景が脳内をよぎる。
呼吸できなかった事実と白い髪の奴が涙を流した事実の間に挟まれて、感情の処理が追い付かない。
奪い取ったうえ床に叩き捨てたのは自分のため、煙草の端を指先で拾い上げ、先ほど華麗にごみ箱入ったカラフルな箱が入ってるごみ箱に捨てた。
拾うのにも抵抗があったが、さっさと煙草のことを忘れてしまいたい。
部屋を1周見渡し、思い出した。
ソファに下されるまでは持っていた 眼鏡の入っている透明な箱がない。
ソファに戻り眼鏡を探す。すぐに見つかった。ソファにあった透明な箱を拾い上げる。
煙草臭い白い髪の奴が出ていったドアの方からバンと大きな音を立てて勢いよく開いた。ソファに隠れながらドアを見ると、白い髪の奴が両手にお盆を持って部屋に入ってきた。
ダイニングテーブルの上にお盆を置くと何か言ってからドアを閉め部屋を出ていった。
ドアの音にビビってちょっとビクついたが、ソファの影になっていたから多分見えてないだろう。
ソファからダイニングテーブルのお盆を見る。お盆にはご飯と味噌汁と焼き魚とサラダが見えた。
白い髪の奴は部屋を出るとき何か言っていた。何を言っていたのか分からないけれど。
生活音が大きいと白い髪の奴は怒っていそうな気がする…
反対に、部屋から出ていく時の白い髪の奴の声からは怒っていなそうな気がする…
白い髪の奴が怒っているのか 怒っていないのか、それすらも分からなくなってきた。
ソファに座り直し考える。さっきまで状況から怒っているパターンと、怒ってないパターンがありそうだ。
そうなるといろんなパターンがあるよなと、白い髪の奴がお盆を置いて部屋から出ていったこと、部屋を出ていく時に何か言っていたことも含めて悶々と怒っているのか、それとも 怒っていないのかを考えていたら、再びドアが開いた。
ソファからドアを見る。
白い髪の奴が部屋に入ってきた。ただ、部屋から出ていった時とは白い髪の奴の髪型と服が違うし両手には茶色の液体が入ったグラスを持っている。
前髪は先ほどまで下していたが今は耳にかかってるし、服もさっきの部屋着と全体的な服の雰囲気が変わっている。
白い髪の奴はソファに来た。髪型と服が変わって部屋に入ってきた時からもう白い髪の奴からは煙草の匂いはしてこない。
ソファに座ることはせず、グラスを差し出してきた。
差し出されたグラスを見る。次に白い髪の奴を見る。白い髪の奴の耳にかかった髪は全体的にしっとりしてる。
白い髪の奴はもう片方に持っていたグラスから中に入っている液体を飲んだ。そこではっとする。
飲めってことか。
グラスを受け取る。グラスに入ってる中身を見ると茶色の液体でさっきまで冷えていたのか結露し、グラスを持っている手を濡らす。白い髪の奴も同じような物を飲んでるため飲んでも問題ないだろう。
ひとくちだけ飲むと麦茶に似た味わいが口の中に広がる。
喉が思っていたより乾いていたのかグラスの中の麦茶を全部飲んでしまった。
冷たい麦茶が喉を通り体内に入っていった。一息つくと何も言わず白い髪の奴は空のグラスを取り上げた。正直、もうちょっと麦茶を飲みたかった。
なので、ソファから降りて白い髪の奴を追いかけようとした。が、すぐに終わった。
椅子に座って白い髪の奴はテーブルのお盆の飯を食べ始めた。2人分キッチリ用意されていることから、同じく椅子に座り お盆を見る。
先ほどはよく見えなかったが卵もあった。
眼鏡の入った透明な箱をテーブルに置いて、箸とご飯茶碗を持って食べ始める。
食べている間に白い髪の奴は自分の使ったお盆を持って部屋を出て行ったり、麦茶の入ったピッチャーを持ってきてグラスに注いだり忙しくしている。
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