俺の眼鏡を返して

kozu

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3、眼鏡は小さな魔法檻の中 Ⅱ

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ルーフェス Side

火の玉に導かれ、受取所に着いた。もうすでに魔法檻があり、中に人間がいることが確認できた。
会場より近い距離で見れるためか幼い印象を受けたが、成人であることに間違いはないのだろう。今はもうおとなしい。

寝顔を見ようとしたとき、自分の魔力ではない火の玉がこちらに向かってきた。後ろに付いてくるよう魔法がかけられていたのだろうか、小さな魔法檻に入れられた 穴が2つ開いている、ひょろ長い変な物 が運ばれてきた。

それには見覚えがあり、人間を見たときに床に落ちていたのを思い出した。
人間の持ち物だとわかったので、運ばれてきた魔法檻を受け取る。

檻がふたつになったところで自宅に帰るだけだ。魔力に問題はない。
右腕を軽く振り上げ“自身と、人間の入った檻と小さな檻を”
左腕を軽く振り上げ“家に”
両腕を軽く振り下ろし“移動する”
魔法がかけられると、足元がふわりとなくなるような感覚がしたのち、自宅前に着いた。

人間の部屋を作るために自宅に魔法をかける。動作は移動したときと変わらず “人間の部屋を”、“住めるように”、“作る”魔法をかけた自宅。そのドアを開けた。

内装はドジっぽい人間のためにシンプルであまり物を置かないような配置にした。
基本家具は壁沿いに、真ん中の空いたスペースに魔法檻を運び入れる。小さな魔法檻は人間が蹴ると危ないのでダイニングテーブルへ置いた。
魔法檻に入っている人間を見るため、同じ目線になるよう檻を上げる。中を見ると人間は小さな寝息を立てて寝ている。
手枷がついたまま寝てしまっているので、檻に触れ、手枷を解除する魔法をかける。
人間の手枷はとろりと魔法檻に吸収されるように消えた。

拘束がなくなり、固定されていた体は解放され、寝がえりが打てるようになった人間はうっすらと目を開けてこちらを見た。

不意打ちの、気の抜けた、まぬけな、かわいさ、にひとり声を抑えて悶絶したルーファスだった。

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