深夜バイトの小話

kozu

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某日、食用工場にて、夜勤バイトの手際

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発泡スチロールが来た。蓋を開け中の状態を確認する。
氷が半分以上解けて水が多い。中身を箱から取り出し、作業台へ乗せる。中に入っていた人間の唇は紫色をしている。


早速、追加の声を出す機能を失わせる薬を注入する。注入させた部分を覆うように止血シールを張る。


次に、下の穴に挿入された針金の先を掴んで引き抜く作業だ。人間を引き寄せる。

針金から空気を入れた時にいっぱい出る小さな針は、いわば〈この工場まで生かすための処理〉になる。小さな針は体内で溶けてこの工場までは人間は生きる。

たまに体内で全部の小さな針が溶けていない状態で到着する時がある。引っかかりがないことを確認してから引かないと面倒なので、確認は怠らない。

針金を持ち、刺さっているまま右に一回り、左に一回りして引っかかりがないことを確認して、抜き取る。
水分を吸って固くなっているため柔軟性はほぼない針金だったものが肉棒からヌポンッと音を立て最後まで出た。引き抜いた針金の拡張された長さ30センチ以上、太さ2cm以上じゃないと人間は処分対象になってしまう。この人間は大丈夫そうだ。
肉棒に空気を入れられて、無理に拡張された穴は血を流すことなくぽっかりと開いたまま、空気の入った針金の支えのなくなった肉棒が重力に従い、フルフルと揺れている。

人間をひっくり返し、同じように後ろの穴に刺されている針金も同様に小さな針が溶けてなくなっていることを確認してから、全部引き抜く。
先ほどはすんなり出たが、後ろの穴は中の臓器が折れ曲がっているためさっきより慎重に針金を引き抜く。
人間の後頭部を作業台に押さえつけ、少し強めに針金を引く。
プポッと音をたてて、後ろの穴に空気を入れられ膨らんだ針金が半分以上抜けたことが針金に刻まれたメモリから分かる。
肉棒と同じ素材の針金が入っているため、水分を吸って固くなっている。残りを後ろの穴から尻尾のように生えた針金を掴んで、最後まで全部引き抜く。
後ろの穴は引き抜きた時にブボッと音をたてた。今まで入っていた空気入りの針金がなくなり、物欲しそうにな穴があいてる。人間はビクンビクンと体が揺れてる。


次の作業に移るため、準備を進める。壁にあるダストボックスを開けるとフックが連動して出てくる。このフックは人間をどこも傷つけることなく吊るすことができる。人間の下の穴がダストボックスにくるよう多少フックの位置を調節する。
人間の柔らかい胴体を上から下にグググと押し出すように刺激する。人間は歯をかみしめ、顔を真っ赤にして息を乱している。
我慢していた糸が切れたように、前後の拡張された穴からドプドプとゼリー状の液体なのか固体なのかわからない青色のモノが出てくる。

関を切ったように拡張された穴よりも太いゼリーが止まることなく出ている。
時々、ブチュブチュ音を立てて、前の肉棒の穴からコブシ大の塊だったり、数珠つなぎのようにゼリーが出る。後ろの穴からスイカみたいに太いゼリーの塊を出している。
それでも、前と後ろの穴から1本ずつゼリーが切れずにダストボックスに落ちているのはシュールとしか言いようがない。人間が喉をさらし、ブリュっと最後まで前後同時にゼリーを全部出し切った。
人間は肩で息をしている。


人間が前後の穴から出したゼリーは前の工場で人間に入れられ、その効果は人間の体内に作用し、消化器のものを全て先ほど出した青色のゼリーが包み、体の外から押し出す刺激で前後の下の穴から出る。ゼリーが包むことにより鼻につくあの特有の匂いはしないし、ゼリーで包まれてるので飛び散ることもない。
ゼリーが前後の穴を拡げながら通ってきたため、空気入りの針金を抜きた時より拡がっている。
ゼリーが通ってきた臓器の内壁をコーティングしているらしい。なぜコーティングされるかは分からない。

吊るされた人間を作業台に下し、バーコードピアスを機械で読みこむ。機械の画面には中級レストラン行きとある。
ピアスで読み込んだ時に発行される中級用と書かれたシールを人間の額に貼り、流れているベルトコンベアに人間を乗せる。

あとは自動配送だ。

この工場で行われるのはだ。
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