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第197話 テロリスト首謀者
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大統領車列の襲撃。この大きな仕事を任され、まとめ役のなった彼は貰い受けた野蛮人を引き連れ、カリフォルニアへと上陸した。
彼は今、隣にいたその野蛮人が撃ち抜かれたことをすぐに理解した。私以外の全ては撃ち抜かれていた。
ただ一人、私だけが無事だった。狙われなかったのか、生かされたのか、いやもしかしたら銃弾が掠めた可能性だってある。
私は右で死んだ彼を無下にするかのようにバン!とドアを開け、彼を盾とした。
「逃がすな。足くらいなら撃って構わん」
冷酷な声が聞こえた。暖かみの欠片もなかった。それを言ったのは多分、後ろ目に見た黒コート姿の男、CIAのような風貌の奴だろう。奴だけが武装した特殊部隊とは違っていた。
私は逃げた。今は名もなき者となり、このような様になったのは何故かを思い返しながら…
(やはりアメリカはクソったれだ。何もかもクソったれだ…)
____________________
-2004年 アフガニスタン クンドゥーズ州-
2004年、米軍によるアフガニスタン侵攻から3年。全ての始まりはあの日からである。
2001年9月11日
アメリカ合衆国ニューヨークの世界貿易センタービル。
バージニア州アーリントンの国防総省本庁舎。
ペンシルベニア州シャンクスビル
以上3つの場所に合計4機の飛行機が突入あるいは墜落し、2977人死亡、25000人以上の負傷、100億ドルのインフラ被害と物的被害を出すという最悪のテロ事件。
後に9.11同時多発テロと呼ばれるこの事件をきっかけに当時のアメリカ政府はテロを実行に移したテロ組織の温床であるアフガニスタンへの侵攻を開始。
アフガニスタン紛争と呼ばれるこの先20年続く紛争の始まりである。
足を踏み入れたこの地で私達アメリカ海兵隊は政府が求めるままに行動した。
だがその報いはこれである。ある日私達の小隊は一般車に偽装した車に乗って、言い渡された任務を遂行しようとしていた。
ゲリラのような戦法、当時はそれを行うつもりであった。体裁を整えるためかあくまで極秘という付箋を貼って。
政府は何としてでもテロの首謀者を捕まえ、いや排除しようとあらゆる手を使っているのが見て取れた。無論私達も多数のアメリカ国民の命を奪ったあの事件に激しい怒りを覚えた。
しかし空を飛行機の影が覆い、そこから一般車ましてや戦車すらも貫く弾丸が放たれるのは10秒もかからなかった。
何分か気を失い、ひっくり返り、炎上する車やら、道に大きく外れ、露出した岩肌にぶつかる車、そこから必死に這いずるように出てくる兵士達。
炎と鉄屑、そして血と死骸の地獄へとその場を一気に変えた。
上空を見上げ、心底驚いたのはその飛行機は間違いなく米軍のものだったからだ。
後に聞いた話では、海兵隊本部が実行しようとしていた作戦は空軍には上手く伝わっていなかった。念の為の偵察衛星が私達の上空を旋回していたらしいが、上官がそれを一蹴し、すぐ様地上を跡形もなく消し去ったということらしい。
私は当時若く、まだ伍長という階級の低い立場だった。だが国のために働こうとしたこの想いは国によって打ち砕かれた。
私はあの事故以降文字が読めなくなっていた。
彼は今、隣にいたその野蛮人が撃ち抜かれたことをすぐに理解した。私以外の全ては撃ち抜かれていた。
ただ一人、私だけが無事だった。狙われなかったのか、生かされたのか、いやもしかしたら銃弾が掠めた可能性だってある。
私は右で死んだ彼を無下にするかのようにバン!とドアを開け、彼を盾とした。
「逃がすな。足くらいなら撃って構わん」
冷酷な声が聞こえた。暖かみの欠片もなかった。それを言ったのは多分、後ろ目に見た黒コート姿の男、CIAのような風貌の奴だろう。奴だけが武装した特殊部隊とは違っていた。
私は逃げた。今は名もなき者となり、このような様になったのは何故かを思い返しながら…
(やはりアメリカはクソったれだ。何もかもクソったれだ…)
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-2004年 アフガニスタン クンドゥーズ州-
2004年、米軍によるアフガニスタン侵攻から3年。全ての始まりはあの日からである。
2001年9月11日
アメリカ合衆国ニューヨークの世界貿易センタービル。
バージニア州アーリントンの国防総省本庁舎。
ペンシルベニア州シャンクスビル
以上3つの場所に合計4機の飛行機が突入あるいは墜落し、2977人死亡、25000人以上の負傷、100億ドルのインフラ被害と物的被害を出すという最悪のテロ事件。
後に9.11同時多発テロと呼ばれるこの事件をきっかけに当時のアメリカ政府はテロを実行に移したテロ組織の温床であるアフガニスタンへの侵攻を開始。
アフガニスタン紛争と呼ばれるこの先20年続く紛争の始まりである。
足を踏み入れたこの地で私達アメリカ海兵隊は政府が求めるままに行動した。
だがその報いはこれである。ある日私達の小隊は一般車に偽装した車に乗って、言い渡された任務を遂行しようとしていた。
ゲリラのような戦法、当時はそれを行うつもりであった。体裁を整えるためかあくまで極秘という付箋を貼って。
政府は何としてでもテロの首謀者を捕まえ、いや排除しようとあらゆる手を使っているのが見て取れた。無論私達も多数のアメリカ国民の命を奪ったあの事件に激しい怒りを覚えた。
しかし空を飛行機の影が覆い、そこから一般車ましてや戦車すらも貫く弾丸が放たれるのは10秒もかからなかった。
何分か気を失い、ひっくり返り、炎上する車やら、道に大きく外れ、露出した岩肌にぶつかる車、そこから必死に這いずるように出てくる兵士達。
炎と鉄屑、そして血と死骸の地獄へとその場を一気に変えた。
上空を見上げ、心底驚いたのはその飛行機は間違いなく米軍のものだったからだ。
後に聞いた話では、海兵隊本部が実行しようとしていた作戦は空軍には上手く伝わっていなかった。念の為の偵察衛星が私達の上空を旋回していたらしいが、上官がそれを一蹴し、すぐ様地上を跡形もなく消し去ったということらしい。
私は当時若く、まだ伍長という階級の低い立場だった。だが国のために働こうとしたこの想いは国によって打ち砕かれた。
私はあの事故以降文字が読めなくなっていた。
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