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第181話 過去のおはなし(17)
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「……前に僕達が来た時はこんなんじゃなかったですよね。小隊長」
「あ、あぁ、俺も何がなんだか分からねぇ…一体全体何があったってんだ…」
王都からの騎士団がドラゴン騒動が粗方終わり、それ帰還だと言った僅か一日後、帰路に付いていた彼らは再び街に戻って来ていた。
「…街から逃げた住人によると、どうやら魔王軍幹部の襲撃があったみたいで…」
「だとしても…街一つが一晩で瓦礫の山になるのか…!?」
騎士団は今回街の中、とりわけ冒険者ギルドから話を聞き入れるつもりだった。
だがそれは改めて破られた対魔物用の結界とその先に広がる粉々に砕けた街路、そして広がり、いまだ燃え盛る瓦礫の山に阻まれ、用意に行くことはできなかった。
「…生き残りを捜しましょう」
「そ、そうだな」
かくして騎士団は街へと踏み入れることになった。
「結界が機能していない、どこに魔物が潜んでいるか分からんぞ、油断するな」
「は、はい」
やがて騎士達はかつて冒険者ギルドと言われた建物の前にやって来た。
「…な、なんだこれ…」
「おい、全員死んでるのか…仮にも前線の街の奴らだろ…」
「魔王軍幹部はそう安々と倒せるもんじゃない」
瓦礫を退かし、火を消し飛ばしながら、中へと足を踏み入れていく。
「…どんな戦いがあったかは分からんが、こんな残酷なのは今まで見たことがない…俺も…」
「小隊長…ん?あの人もしかしたら…小隊長!こちちに息がある人が!」
「な、なんだと!?ほんとか!?」
「瓦礫が…邪魔で…」
「全員こっちに来い!こいつを退かすぞ!」
小隊長は騎士達を呼び付け、瓦礫を退かそうとする。瓦礫に埋もれた人影、微かに息があるのか僅かに揺れ動くその体、やがて紫色の髪と黒のローブが露わになる。
「…見たところ服も破けてない、こんな場所にいなから無傷ってのは考えにくいが…とにかくここから運ぶぞ」
小隊長はそう言うとその人影、少女の体の全容を瓦礫から出そうとする。
「…!こ、こいつは…!」
「…?」
「俺をぶっ飛ばした奴じゃねぇか!」
「え…?」
「クソ何の因果だってんだ…」
小隊長は顔を多少ムッとさせながらもどうにかその少女を安定した体制にさせる。どうやら意識は失っているらしい。
隊長はスッと立ち上がるとその少女の一番近くにいた騎士に一瞥して
「…お前こいつを運べるか?」
「え?」
「俺達は他の生存者を捜す。俺は一回こいつにぶっ飛ばされた身だ、お前らにとっても俺にとってもバツが悪い…こいつにとってもな。いけるな?」
「はい、大丈夫です!」
その騎士は依然彼女と話したことがあった。小隊長がぶっ飛ばされた後、怒り心頭の小隊長をなだめ、彼女達と交渉した。
小隊長はどうにか怒りを沈め、彼女達との交渉はうまくいった。そう言えばもう一人ショートヘアの金髪の少女がいたはずだが…
騎士は少女の体を慎重に運ぼうとした。怪我は目立たないとは言え、彼女は10代の少女なのだ、扱い方はデリケートにならざるを得ない。
だが運ぶ必要はないようだった、少女は今ゆっくりと目を開けたのだ。
「…あ」
「…!大丈夫か!?君!?」
「生きてる私…?」
「大丈夫だ生きてる、立てるか?」
「…大丈夫」
少女はゆっくりと立ち上がり、騎士の姿を見るやいなや
「あいつは…!あの…」
「あいつ…?」
「ダークエルフ…、耳が長くて髪の色が…何だっけよく思い出せない」
「とりあえず落ち着こう、おそらく記憶が混濁してるんだと思う。何があったんだい?ここで?」
「…魔王軍幹部を名乗ったダークエルフ…そうだ、ファランクスって奴がここを…」
「ファランクス…」
その名は聞いたことがある。魔王軍討伐隊の前線を何度も押し返し、挙句の果てには本陣を何度も襲撃され、撤退を余儀なくされるほどの実力者。聞けば魔法の天才だと言うが…
「…やり合ったのか?そいつと?」
「多分殺せてない…それに…私…」
「何だ?」
「人…殺した…」
「……」
騎士は何も言わなかった。ただ彼女の表情を見てゆっくりと目を閉じた。
「…私…大事な人を殺されてどうかしてた…」
「大事な人っていうのはあの子かい…ここにいない…」
「ベラドンナ…でも彼女の声が聞こえた。私があいつに魔法打って…目の前が暗くなった後に…」
「なんて言ってた?」
「『私は大丈夫』って言ってた。彼女最期死ぬのを怖がってたのに…」
そして彼女はゆっくりと胸に秘めた思いを吐き出すようにして語った。
彼女はベラドンナという子の声が聞こえた後、謎の場所にいたらしい。
そこは木製の屋敷、吹き抜けた複数の部屋の区画とその部屋を囲うようにして存在する軒下、横に動く藁でできたような扉、そしてその屋敷の庭である場所に彼女は立っていたらしい。
彼女は庭から屋敷を覗いていた。すると急に雨が降り出した。そして全体的に赤かった建物に雷が降ってきたかと思うと気づけばその屋敷の柱が燃え、周囲で燃えている人達がいつの間にか現れたという。いずれも若かった。
その人達ははだけた服を着ていたという、男性はブカブカの服と裾の長いズボン、女性は裾の長いスカートの一枚だけしか着る、というよりは羽織っていないのか燃える衣服、そしてすぐに皮膚やら髪やらに火が移っていったらしい。そして次に雷は自分の前に落ちた。右目は防いだが、左目は失明し、体が燃えるような感覚に陥ったらしい。
次に目を瞬きした後は現世に戻ってこれた。傷もなく、ということらしい。
「…多分私が人を殺したから…バチが当たったんだと思う。死ななかっただけマシだった…」
「…君が人を殺した話はおそらくなかったことになる。ここで起きたことは多分魔王軍幹部が全てやったってことになるだろう。君はどうするつもりだ?」
「自主する、治安当局に…じゃないと…私…許されない」
「…君が報いる方法は他にもある。人を助けるんだ」
「え…?何言って…」
「死んだ命は嘆いても戻らない。もちろん人殺しは駄目だ…けどそれは彼らがしでかした結果でもある…それなら君は冒険者として…人を助け続ければいい」
「…誰が許すの?」
「…偉大なる先人だ、彼の声が僕の脳内には聞こえる」
「……何言ってるか分からない」
「君は死んだここの人達の分の命を引き継いでファランクスを討つんだ。君ならできる…いや君にしかできない。自主はその後にすべき…らしい」
彼女、アナリスは目を瞑った。少しの涙を溢しながら
「……私って自分勝手だよ…ほんとに…ごめん…」
「あ、あぁ、俺も何がなんだか分からねぇ…一体全体何があったってんだ…」
王都からの騎士団がドラゴン騒動が粗方終わり、それ帰還だと言った僅か一日後、帰路に付いていた彼らは再び街に戻って来ていた。
「…街から逃げた住人によると、どうやら魔王軍幹部の襲撃があったみたいで…」
「だとしても…街一つが一晩で瓦礫の山になるのか…!?」
騎士団は今回街の中、とりわけ冒険者ギルドから話を聞き入れるつもりだった。
だがそれは改めて破られた対魔物用の結界とその先に広がる粉々に砕けた街路、そして広がり、いまだ燃え盛る瓦礫の山に阻まれ、用意に行くことはできなかった。
「…生き残りを捜しましょう」
「そ、そうだな」
かくして騎士団は街へと踏み入れることになった。
「結界が機能していない、どこに魔物が潜んでいるか分からんぞ、油断するな」
「は、はい」
やがて騎士達はかつて冒険者ギルドと言われた建物の前にやって来た。
「…な、なんだこれ…」
「おい、全員死んでるのか…仮にも前線の街の奴らだろ…」
「魔王軍幹部はそう安々と倒せるもんじゃない」
瓦礫を退かし、火を消し飛ばしながら、中へと足を踏み入れていく。
「…どんな戦いがあったかは分からんが、こんな残酷なのは今まで見たことがない…俺も…」
「小隊長…ん?あの人もしかしたら…小隊長!こちちに息がある人が!」
「な、なんだと!?ほんとか!?」
「瓦礫が…邪魔で…」
「全員こっちに来い!こいつを退かすぞ!」
小隊長は騎士達を呼び付け、瓦礫を退かそうとする。瓦礫に埋もれた人影、微かに息があるのか僅かに揺れ動くその体、やがて紫色の髪と黒のローブが露わになる。
「…見たところ服も破けてない、こんな場所にいなから無傷ってのは考えにくいが…とにかくここから運ぶぞ」
小隊長はそう言うとその人影、少女の体の全容を瓦礫から出そうとする。
「…!こ、こいつは…!」
「…?」
「俺をぶっ飛ばした奴じゃねぇか!」
「え…?」
「クソ何の因果だってんだ…」
小隊長は顔を多少ムッとさせながらもどうにかその少女を安定した体制にさせる。どうやら意識は失っているらしい。
隊長はスッと立ち上がるとその少女の一番近くにいた騎士に一瞥して
「…お前こいつを運べるか?」
「え?」
「俺達は他の生存者を捜す。俺は一回こいつにぶっ飛ばされた身だ、お前らにとっても俺にとってもバツが悪い…こいつにとってもな。いけるな?」
「はい、大丈夫です!」
その騎士は依然彼女と話したことがあった。小隊長がぶっ飛ばされた後、怒り心頭の小隊長をなだめ、彼女達と交渉した。
小隊長はどうにか怒りを沈め、彼女達との交渉はうまくいった。そう言えばもう一人ショートヘアの金髪の少女がいたはずだが…
騎士は少女の体を慎重に運ぼうとした。怪我は目立たないとは言え、彼女は10代の少女なのだ、扱い方はデリケートにならざるを得ない。
だが運ぶ必要はないようだった、少女は今ゆっくりと目を開けたのだ。
「…あ」
「…!大丈夫か!?君!?」
「生きてる私…?」
「大丈夫だ生きてる、立てるか?」
「…大丈夫」
少女はゆっくりと立ち上がり、騎士の姿を見るやいなや
「あいつは…!あの…」
「あいつ…?」
「ダークエルフ…、耳が長くて髪の色が…何だっけよく思い出せない」
「とりあえず落ち着こう、おそらく記憶が混濁してるんだと思う。何があったんだい?ここで?」
「…魔王軍幹部を名乗ったダークエルフ…そうだ、ファランクスって奴がここを…」
「ファランクス…」
その名は聞いたことがある。魔王軍討伐隊の前線を何度も押し返し、挙句の果てには本陣を何度も襲撃され、撤退を余儀なくされるほどの実力者。聞けば魔法の天才だと言うが…
「…やり合ったのか?そいつと?」
「多分殺せてない…それに…私…」
「何だ?」
「人…殺した…」
「……」
騎士は何も言わなかった。ただ彼女の表情を見てゆっくりと目を閉じた。
「…私…大事な人を殺されてどうかしてた…」
「大事な人っていうのはあの子かい…ここにいない…」
「ベラドンナ…でも彼女の声が聞こえた。私があいつに魔法打って…目の前が暗くなった後に…」
「なんて言ってた?」
「『私は大丈夫』って言ってた。彼女最期死ぬのを怖がってたのに…」
そして彼女はゆっくりと胸に秘めた思いを吐き出すようにして語った。
彼女はベラドンナという子の声が聞こえた後、謎の場所にいたらしい。
そこは木製の屋敷、吹き抜けた複数の部屋の区画とその部屋を囲うようにして存在する軒下、横に動く藁でできたような扉、そしてその屋敷の庭である場所に彼女は立っていたらしい。
彼女は庭から屋敷を覗いていた。すると急に雨が降り出した。そして全体的に赤かった建物に雷が降ってきたかと思うと気づけばその屋敷の柱が燃え、周囲で燃えている人達がいつの間にか現れたという。いずれも若かった。
その人達ははだけた服を着ていたという、男性はブカブカの服と裾の長いズボン、女性は裾の長いスカートの一枚だけしか着る、というよりは羽織っていないのか燃える衣服、そしてすぐに皮膚やら髪やらに火が移っていったらしい。そして次に雷は自分の前に落ちた。右目は防いだが、左目は失明し、体が燃えるような感覚に陥ったらしい。
次に目を瞬きした後は現世に戻ってこれた。傷もなく、ということらしい。
「…多分私が人を殺したから…バチが当たったんだと思う。死ななかっただけマシだった…」
「…君が人を殺した話はおそらくなかったことになる。ここで起きたことは多分魔王軍幹部が全てやったってことになるだろう。君はどうするつもりだ?」
「自主する、治安当局に…じゃないと…私…許されない」
「…君が報いる方法は他にもある。人を助けるんだ」
「え…?何言って…」
「死んだ命は嘆いても戻らない。もちろん人殺しは駄目だ…けどそれは彼らがしでかした結果でもある…それなら君は冒険者として…人を助け続ければいい」
「…誰が許すの?」
「…偉大なる先人だ、彼の声が僕の脳内には聞こえる」
「……何言ってるか分からない」
「君は死んだここの人達の分の命を引き継いでファランクスを討つんだ。君ならできる…いや君にしかできない。自主はその後にすべき…らしい」
彼女、アナリスは目を瞑った。少しの涙を溢しながら
「……私って自分勝手だよ…ほんとに…ごめん…」
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