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第171話 過去のおはなし(7)
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ドラゴンは図太い胴体の割には足は4本足のためか細いとまでは言わずも太くはなかった。
物理的な攻撃で倒すのは得策じゃない。そもそもドラゴンの外角が硬いため普通の攻撃じゃあ効かない。
それと…
「足治ってない?」
横でベラドンナが気づいたように足から煙が出て、次第に穴から這い出るようにして、ドラゴンは真っ直ぐとこちらを見据えていた。
「…再生能力も高いわけか、よし今言ったとおりに行こう」
「分かった」
ベラドンナは頷いたのを合図にしてか、ドラゴンは熱風と共にこちらへと押し寄せて来る。
「何も考えずに突進とは…」
だがその突進はかなりの命取りだ。図体ゆえ避けるのも難しい。
私はその突進をドラゴンが通った道、溶岩に変化したが私がそれらのほとんどを回収したため、穴となっている場所へと逃げる。ドラゴンはその図体ゆえここには入れない。しかしベラドンナがいない。
ドラゴンは通り過ぎて行くと同時に地面がジュワッと変化していく。土が溶岩になるというのは聞いたことないがこれも一種の魔法なのだろうか。
「よし、そろそろ…」
私はドラゴンが通り過ぎた後からひょいと出た。そして察した。
「うん、そういうことか」
笑顔でそう言ったと思う。あのドラゴンはいつの間にか振り向いて、そしてこちらに口を向けていた。溢れる熱気と共に。
ズザァァァァ!!!!
もはやそれは炎のブレスではない、エネルギーそのものの塊、光線に近い。
「いけるかな…ベラド!」
私はベラドンナに呼び掛けるが、返事がない。
「[反射板]!」
そう言った瞬間、ドラゴンのブレスは私の目の前で無理やり止まり、私以外の直線上のものを飲み込んで行く。
「やばすぎ…ベラド早く!」
だがベラドンナはまだ来ない。反射板は直接の物理攻撃に当たらなければ意味がない。そしてあまりに威力が強過ぎると受けるので精一杯だっていうのに。
「…ごめん、お待たせ!」
ふと声が上空からした。彼女は根のような濃い緑の何かの上に立っていた。彼女の足元をよく見れば細い根がドラゴンの上体近くまで伸びている。
「[反射板]!」
ベラドンナはそう叫んだ。そして私の前に降りてきた。
そして物理的な遠距離攻撃を反射する二つの魔法が彼女ら自身に展開される。ドラゴンのブレスはまだ反射できない。
「…あぁ、もうマジ…死ぬって…早く離れないと…」
「まだ…いける!」
結構諦めモードの私にベラドンナはまだ自信ありげの様子だった。そして…
グワン
次元が歪むような感覚と共にドラゴンのブレスは反射されていた。ドラゴンは自身のブレスの物理的なエネルギーによって大きく仰け反っていた。
「…今やらないと」
私はベラドンナ、ドラゴンが行動するより早く動く。チャンスは今しかない。先程よりまともに動けない今しか。
「[重力波]!!!」
私は見様見真似で彼女が先程飛ぼうとしたドラゴンに向けた魔法を使う。その精度は完璧ではないが、ドラゴンは徐々に地面にめり込んで行く。
「待って!私もすぐに手伝う!」
ベラドンナは慌てたように駆け寄り、ドラゴンに向けて押しつぶすように私と同じ魔法を使った。
「…あなたの見方だとどのくらい沈めて…次に行くの?」
「かーなり沈める」
「そもそもあなた…私の対巨大魔物用の魔法を一瞬で使えるようになるなんて…何者?」
「言ってたじゃん……ベラド自身で」
「え?」
そしてグガガガという音と共にドラゴンは遂に土層から岩石層まで沈む。それを気に魔法をやめ、最後の作業へと移る。
「次は…えーっと?」
「羽を二度と使えないようにする。言ってるそばから使おうとしてるけど…」
ドラゴンは自身の足でこのクーデターは登れないことを悟り、飛んで脱出を図ろうとしていた。
「でもよく気づいたね。あのドラゴンの移動は得意じゃないって」
「まあ見たからね、いろいろと。それに私達も甲冑つければ動きが鈍くなるのと同じで、あのドラゴンは魔法が一切効かない、一体どれだけ熱と硬い皮膚を持ってんだろうなーって」
「な、長いね」
そして私はもう一つのことに気づいていた。あのドラゴンはベラドンナの重力波のみで地面に叩きつけられていた。つまり飛ぶこともそこまで得意じゃないことになる。
「どうせだしなんかもっとカッコいい魔法で決めよう。遠い国での名前の魔法がカッコいいみたいだし」
「…名前変えただけじゃん。もとからしようとしていた魔法とは変わりないのに…」
「まあまあ…じゃあ教えるね…」
バサッバサッ
ドラゴンは私達と同じくらいの高さまで飛んできていた。
「行くよ…せーの!」
ベラドンナは掛け声に合わせろと言わんばかりにそして
「「ジャッジメント」」
魔法によって次元から現れた光の手と闇の手がドラゴンの羽を真上から潰していった。
物理的な攻撃で倒すのは得策じゃない。そもそもドラゴンの外角が硬いため普通の攻撃じゃあ効かない。
それと…
「足治ってない?」
横でベラドンナが気づいたように足から煙が出て、次第に穴から這い出るようにして、ドラゴンは真っ直ぐとこちらを見据えていた。
「…再生能力も高いわけか、よし今言ったとおりに行こう」
「分かった」
ベラドンナは頷いたのを合図にしてか、ドラゴンは熱風と共にこちらへと押し寄せて来る。
「何も考えずに突進とは…」
だがその突進はかなりの命取りだ。図体ゆえ避けるのも難しい。
私はその突進をドラゴンが通った道、溶岩に変化したが私がそれらのほとんどを回収したため、穴となっている場所へと逃げる。ドラゴンはその図体ゆえここには入れない。しかしベラドンナがいない。
ドラゴンは通り過ぎて行くと同時に地面がジュワッと変化していく。土が溶岩になるというのは聞いたことないがこれも一種の魔法なのだろうか。
「よし、そろそろ…」
私はドラゴンが通り過ぎた後からひょいと出た。そして察した。
「うん、そういうことか」
笑顔でそう言ったと思う。あのドラゴンはいつの間にか振り向いて、そしてこちらに口を向けていた。溢れる熱気と共に。
ズザァァァァ!!!!
もはやそれは炎のブレスではない、エネルギーそのものの塊、光線に近い。
「いけるかな…ベラド!」
私はベラドンナに呼び掛けるが、返事がない。
「[反射板]!」
そう言った瞬間、ドラゴンのブレスは私の目の前で無理やり止まり、私以外の直線上のものを飲み込んで行く。
「やばすぎ…ベラド早く!」
だがベラドンナはまだ来ない。反射板は直接の物理攻撃に当たらなければ意味がない。そしてあまりに威力が強過ぎると受けるので精一杯だっていうのに。
「…ごめん、お待たせ!」
ふと声が上空からした。彼女は根のような濃い緑の何かの上に立っていた。彼女の足元をよく見れば細い根がドラゴンの上体近くまで伸びている。
「[反射板]!」
ベラドンナはそう叫んだ。そして私の前に降りてきた。
そして物理的な遠距離攻撃を反射する二つの魔法が彼女ら自身に展開される。ドラゴンのブレスはまだ反射できない。
「…あぁ、もうマジ…死ぬって…早く離れないと…」
「まだ…いける!」
結構諦めモードの私にベラドンナはまだ自信ありげの様子だった。そして…
グワン
次元が歪むような感覚と共にドラゴンのブレスは反射されていた。ドラゴンは自身のブレスの物理的なエネルギーによって大きく仰け反っていた。
「…今やらないと」
私はベラドンナ、ドラゴンが行動するより早く動く。チャンスは今しかない。先程よりまともに動けない今しか。
「[重力波]!!!」
私は見様見真似で彼女が先程飛ぼうとしたドラゴンに向けた魔法を使う。その精度は完璧ではないが、ドラゴンは徐々に地面にめり込んで行く。
「待って!私もすぐに手伝う!」
ベラドンナは慌てたように駆け寄り、ドラゴンに向けて押しつぶすように私と同じ魔法を使った。
「…あなたの見方だとどのくらい沈めて…次に行くの?」
「かーなり沈める」
「そもそもあなた…私の対巨大魔物用の魔法を一瞬で使えるようになるなんて…何者?」
「言ってたじゃん……ベラド自身で」
「え?」
そしてグガガガという音と共にドラゴンは遂に土層から岩石層まで沈む。それを気に魔法をやめ、最後の作業へと移る。
「次は…えーっと?」
「羽を二度と使えないようにする。言ってるそばから使おうとしてるけど…」
ドラゴンは自身の足でこのクーデターは登れないことを悟り、飛んで脱出を図ろうとしていた。
「でもよく気づいたね。あのドラゴンの移動は得意じゃないって」
「まあ見たからね、いろいろと。それに私達も甲冑つければ動きが鈍くなるのと同じで、あのドラゴンは魔法が一切効かない、一体どれだけ熱と硬い皮膚を持ってんだろうなーって」
「な、長いね」
そして私はもう一つのことに気づいていた。あのドラゴンはベラドンナの重力波のみで地面に叩きつけられていた。つまり飛ぶこともそこまで得意じゃないことになる。
「どうせだしなんかもっとカッコいい魔法で決めよう。遠い国での名前の魔法がカッコいいみたいだし」
「…名前変えただけじゃん。もとからしようとしていた魔法とは変わりないのに…」
「まあまあ…じゃあ教えるね…」
バサッバサッ
ドラゴンは私達と同じくらいの高さまで飛んできていた。
「行くよ…せーの!」
ベラドンナは掛け声に合わせろと言わんばかりにそして
「「ジャッジメント」」
魔法によって次元から現れた光の手と闇の手がドラゴンの羽を真上から潰していった。
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