現代転生 _その日世界は変わった_

胚芽米

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第160話 もう一つの事件(8)

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-日本 千葉県館山市-

「きゃあああ!!!」

「落ち着け!早く!」

「うわあああ!!!」

辺り一面にサイレンの音が響き渡る。警察、消防、救急。

「こっちです!我々が誘導します!」

「小中学校、公民館の避難所は意味ない!遠くに避難させろ!」

「学校側は集団で避難させろ!子供達が危ないぞ!」

ぎゃあおおおおおううううう!!!!!

「な、何だあれは…」

「化け物だ…」

「すげぇ…映画の撮影か?」

「めっちゃバズりそう!」

ドカーン!

「クソ!また爆発が…おい、どうなってる?自衛隊は!?」

「練馬の陸自に連絡がいってるらしいですが、到着はまだ…」

「早くしろ!こっちの状況か?こっちは…やばいぞ。館山に複数の不明生物が…ファンタジーゲームで言う空飛ぶライオンみたいな奴と緑色の小人が、あとそれとデカいコガネムシ虫みたいなのが…」
_________________
「…現在、千葉館山市上空に到着!」

「周囲の民間人に細心の注意を払え!確認できるエイリアン共は撃ち殺せ!」

上空を飛んでいる5機のUH-1がそれぞれに分かれて行く。うち2機は俺達が乗っている機体に付いてきている。

「目標の情報はアフリカで虐殺を行った個体と類似している!該当する個体は見つけ次第ただちに発泡!ただしその近辺にいるとされている少女達には撃つな!優先はあくまで非人間型の地球外生命体だ!」

田村は先程から無線で仲間、同僚に呼びかけている。

ッ…ビカーーー!!!!!

「田村さん!機体前方にて謎の発光!」

「な、なんだと…のわあっ!」

その時、ガタガタと揺れる機体。どうやら巨大な衝撃波と光のようだ。

「派手にやってやがるぞ!本当に地球人の仲間もいるんだろうな!?」

中谷は向かいの席、俺の隣にいるヒカルにそう言うと、ヘリコプターの窓から外の景色を見る。

「確認したところ…何か黒いドロドロしてる奴…それと二足歩行の狼もいます…陸自との連携が必要です」

『既に陸上自衛隊、木更津駐屯地の第4対戦車ヘリコプター隊の前方火力支援、ならび第1師団の投入が検討されている。東京に対テロ用として配備された部隊の一部もそちらに向かっている』

「この際何でも構いません!我々だけじゃあ対処できない!」

「おい!中谷!左だ!」

田村の言う声に我帰り、すぐ様俺合わせた三人が目を見張りながら移り変わる景色を見ていく。

「……なんだ……あれ?」
_________________
ファランクスは短く呟く。

「[氷瀑]」

「[焔]!」

「[雷槌]」

「[念動]!」

「[状態変化][焔][氷瀑][酸]」

「[運動変化][滝壺][土遁][爆砕]!」

氷、炎、雷、水に酸、大地や周りの木々を抉る戦いが繰り広げられる。

数々の中位魔法、上位魔法の嵐の中心にいた人物は二人いた。

ファランクスとアナリス。

「[石化][漆黒][斬撃][衝撃波]」

「[超速移動][身体強化[焔][百光]!!!」

「君さっきから張り切りすぎ。そんなに大きな声出さないでいいじゃないか」

「うるさい!」

「にしても上位魔法と中位魔法の4つ同時使用か。すごいなアナリスは。やっぱり君は強いよ」

「だーかーらー!うるさい!」

凄まじい速さでエネルギーの塊が駆け巡る。体内にある魔力とこの世界に存在する僅かな魔力が全て具現化しようとしているのか、いくつもの暗く、だが明るく光った狭間ができている。

そこから様々な魔法が飛び出し、一対一の戦いとは思えないほどの迫力と衝撃がそこにあった。

「…?なんだろう…アナリス。君と僕何かおかしい。種明かし…?」

ファランクスは疑問を浮かばせながらも、魔法を否していくのが見える。

「魔法の詠唱自体する必要もないのになんで僕は喋っているんだ?ん?」

ファランクスはアナリスから距離を取る。その笑顔はまだ染み付きながらも懐疑を示していた。

「心の中にある言葉が溢れ出てくる。君一種の心理魔法でも使った?」

「残念違いまーす!これはね、お互いの内実をさらけ出すこの世界でやっと私が創くれた魔法なの!」

「どういうことだい?そういうのは魔法省が禁止を…そういうことか」

「あの世界の束縛はこの世界では関係ない!倫理やらや威力が問題の禁忌魔法も使える!」

「だからこんなにも戦いの最中長々と喋ってしまうと。でも君はどうしてそんな事をするんだい?」

「そこまで喋るってのは効いたんだな?
私の[白日]が。じゃあ終わりだ。魔法使い同士の戦いでは何が勝つ?」

「さあ?何なんだろうね」

ファランクスはそう言いながら魔法を次から次へと具現化させる。

「[塩化][爆散][降下]。にしてもなんで今までその魔法を使わなかったの?僕以外にもいるのに」

「過去を話すのが怖いから。お前は知ってんだろ?」

「そういうことか。まったく誰が考えたのかも分からない魔法の名前を言う事になるとは。人間様が付けたやつなんか嫌いだよ」

塩の雨が降り注ぎ、周囲の空気が爆散していく。さらにはありとあらゆる力の法則が乱れ、一気に私の元へと伸し掛かる。

「それでこの後はどうするんだい?君との戦いは益々面白くなりそうだ。君はただの凌辱で済ませたらもったいない!決めたよ!
僕は君の喉を奪って犯して殺す!」

「やれるものなら!今までそう威勢のいいやつは死ぬって学ばなかったの!?」

私は精一杯言葉を汚くした瞬間、ヘリコプターの羽音が近づいてきた。











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