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第158話 もう一つの事件(6)
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-日本 神奈川県 金山湾-
「おい!何だあれ!?」
「海の中に何かいるぞ!」
「フェリーのすぐ横を通ってる!」
「早いぞ!飛んでる!」
「2匹いないか?緑色のと赤色のとで」
_________________
ザザーッという波の音、弾ける水。そして…
「ぎいやあああぁぁぁぁっっっっ!!!」
あたしの叫び声。風を切る程の衝撃。グルングルンと視界が回る。
「…なんだコイツ…?どうして振り切れないんだ?」
その理由となっているのが今喋ったコイツ。魔王軍幹部のエルターゼ。見た目は意外にも緑色の人に近い姿。一対の大きな羽と二本の角が生えており、顔がゴツい以外は…いや意外と人間じゃねぇこいつ。
「舐めんなぁぁよぉぉ!」
あたしはそう言いながら奴の首元にナイフを向ける。現状あたしは羽にしがみついている状況。さらには回転しながら海上をグルグルとしているという。
「…深い世界に案内してやろう」
「は!?」
エルターゼがそう言った瞬間、突如として高度を下げる。眼前には海が迫っている。
ザブン!
「ゴブブブ…!」
海の中。一瞬でそれを理解できた。にも関わらずこの悪魔はスピードこそ少し落ちたものの、凄まじい回転と速さを維持している。
「ガバババ……」
このままじゃ窒息で死ぬ。その前に奴の喉元を切り裂く。だがその前にだ…
ザクッ!
最初からこうすれば良かった。奴の羽にナイフを突きつけるが…
カチン!
(…マジかよ…ナイフが通らない…とか)
思ったよりの硬さだ。羽にナイフが通らない。マズイ。非常にマズイ。
「…どうだ。お前達人間じゃあ魔族には勝てんと言う事d…」
そうエルターゼが喋った瞬間である。何かが頭上を掠める。その時の衝撃は凄まじい物だ。あたしとエルターゼはバラバラに分かれてしまう。
しかし頭上を通ったあの物体の挙動。間違いない。
ザブン!……ヒュン!
あたしは魔法の力で水面を飛ぶと予想通りの物体に跳び乗る。
「…ぎゃあああ!!!」
「うおっ!?なんだ!?」
「きゃあ!」
阿鼻叫喚となるその物体の上というより見た事のない大きさの船。
「…なんだよこれ。なんて船だ…?」
「…え、フェリーだが。千葉に向かう…」
近くにいた男性が答えてくれた。どうやらフェリーなるものに乗ってしまったらしい。丁度良かった。呼吸ができる動く島ができたと…思えば…
「…あいつは!?」
「はあ!?あいつって?大体なんで海に…」
「うるさい!あいつはどこだよ!緑色の変な…」
その刹那、ドゴン!という突き破る音。そしてフェリー自身がガタン!と言い傾き始める。
「フェリーが!?」
「どうなってんの!?一体!?」
周りがパニックに陥る中、あたしだけはフェリーの頭上を見据える。
「……なんだよ。あたしを見つめてるだけか」
「…チビノクセニ…」
「おい小声で言うなお前、こっちは聞こえてんだよ全て。聴覚舐めんな」
「…ふん!そうかそうか。俺も耳は良いぞ」
エルターゼはそう笑った瞬間、フェリーの中へと突っ込んでいく。ガラガラガラという音と共に傾き出した船内から突如として黒い物体が飛んでくる。
「フハハハ!」
笑い声が響く。まさしく魔王の幹部に相応しいと言うべきか。投げられた黒いワゴンRを避けて、突き破られた船内へと入る。
「なんだコイツ!逃げろ!」
「やばいぞ!化け物だ!」
船内、客室ではなくどうやら車両が詰められている場所に来たようだ。その場にいた人達が一斉に逃げている。
「貴様は厄介だな。本来ならばここで俺が避れば溺れ死ぬ運命のはずだが」
「あたしはそうはならないの分かったんだ」
「あぁ、だからこうする」
その瞬間、3本の頂点を結べば三角形になりそうな指を持つ大きな手をこちらへと向ける。
「死ね」
エルターゼはそのまま小さい火球をこちらへと投げてくる。
ボン!
身を翻し、トラックの横に隠れる。エルターゼはいわゆる車庫の中心にいる状態だ。火球は地面に着弾した途端、破裂するような爆発を起こした。単純な火球ではないらしい。
エルターゼは続け様に火球を放つ。さっき火球を放ったのは右手、今度は左手、また右手と攻撃を繰り返してくる。
見た目こそそこまでないが、その数、そしてその効果がなんとも嫌らしい。トラックの
ドア部分についた火球がそこに焦げを作ったと思った瞬間、内側から爆発したようにドアが吹き飛んでいた。
つまり当たれば外傷こそ目立たないが問題は内部から破裂し、運悪ければ内臓が…
(ああいうの禁止されてなかったっけ?ヒカルが言ってたような…)
その時、トラックの影から覗く光景が目を疑うようになる。
「終わりにしてやろう…」
エルターゼはそう言うと、火球、しかしその火球は奴が両手を合わせ、段々と手と手の距離を離していく過程で大きくなっていく。
不思議な事にフェリーの天井に付きそうにも関わらず、天井は燃えていない。
「弾けろ」
エルターゼは火球を投げる。その大きさは大型トラックに匹敵しそうだ。
ドゴーン!!!!!
……………
ガクン
「な、何が一体…起きてんだ?」
「マジでやばいな…」
「一人ずつボートに乗るようお願いします!」
「落ち着いて、こちらへ!お子さんを先に!」
フェリーが大きく揺れる。と同時にフェリーが目に見えて水の中へ入っていくのが分かる。
「このままじゃ沈没する!」
「ねぇ、早く乗せて!」
エルターゼはその声を聞きながら、眼前の光景を見る。
衝撃で砕けた自動車、壁に押し付けられたトラック、燃えて落ち行く証明、風穴が空いたフェリーの側面、海水で溢れる車庫。
あの訳の分からぬ奴は死んだと高を括っていた時
ギィィィ
「……?」
エルターゼは音のする方を見る。そこにいたのは青い服を着た男、どうやら客室の方からドア経由でここへ来たらしい。
「…何を見ている?」
「…ッッ!な、お前一体…!」
「貴様には関係のないことだ、燃えるがよい」
そう言って火球の照準を向けた時だ。そのドアから何かの影が通り過ぎる。
「!?」
エルターゼは直感でその何かの方向に目を合わせる。
ガン!ガン!
自動車を潰す、いや踏むような音が段々こちらへと近づく。
「……」
無言でその方向に火球を投げつける。自動車のバンパーにぶつかり、エンジン事爆発する。
ドカン!!!
炎と煙がその自動車を覆う中、咄嗟に背後に気配を感じ、手で掴もうという動作を行う。
だがそこには誰もいない。
「……よお、やっぱ引っかかってくれたな」
今度は下から声がする、掴もうとした方ではない手で火球を作り、真下に投げる。しかしそこにもいない。
「…クソ、どこにいる?」
「上」
その瞬間、眼前の光景を奴の小さな顔で阻まれる。
落下しながら手に持ったナイフを…だが体には届かない範囲だ。リーチがそこまでな…
「ぐっっ!!!」
だが何故だか首元を掠った。咄嗟の機転で避けれたものの。
「…魔法省の犬め…」
「好きに言いなよ」
少女はそう言うと残骸だらけ、海水で満ちた床に着地する。まずどうして生きているのかを知りたいが…まあ些細な事だ。
「お前は楽しめそうだ」
エルターゼは笑いながら高速移動を始めた。
「おい!何だあれ!?」
「海の中に何かいるぞ!」
「フェリーのすぐ横を通ってる!」
「早いぞ!飛んでる!」
「2匹いないか?緑色のと赤色のとで」
_________________
ザザーッという波の音、弾ける水。そして…
「ぎいやあああぁぁぁぁっっっっ!!!」
あたしの叫び声。風を切る程の衝撃。グルングルンと視界が回る。
「…なんだコイツ…?どうして振り切れないんだ?」
その理由となっているのが今喋ったコイツ。魔王軍幹部のエルターゼ。見た目は意外にも緑色の人に近い姿。一対の大きな羽と二本の角が生えており、顔がゴツい以外は…いや意外と人間じゃねぇこいつ。
「舐めんなぁぁよぉぉ!」
あたしはそう言いながら奴の首元にナイフを向ける。現状あたしは羽にしがみついている状況。さらには回転しながら海上をグルグルとしているという。
「…深い世界に案内してやろう」
「は!?」
エルターゼがそう言った瞬間、突如として高度を下げる。眼前には海が迫っている。
ザブン!
「ゴブブブ…!」
海の中。一瞬でそれを理解できた。にも関わらずこの悪魔はスピードこそ少し落ちたものの、凄まじい回転と速さを維持している。
「ガバババ……」
このままじゃ窒息で死ぬ。その前に奴の喉元を切り裂く。だがその前にだ…
ザクッ!
最初からこうすれば良かった。奴の羽にナイフを突きつけるが…
カチン!
(…マジかよ…ナイフが通らない…とか)
思ったよりの硬さだ。羽にナイフが通らない。マズイ。非常にマズイ。
「…どうだ。お前達人間じゃあ魔族には勝てんと言う事d…」
そうエルターゼが喋った瞬間である。何かが頭上を掠める。その時の衝撃は凄まじい物だ。あたしとエルターゼはバラバラに分かれてしまう。
しかし頭上を通ったあの物体の挙動。間違いない。
ザブン!……ヒュン!
あたしは魔法の力で水面を飛ぶと予想通りの物体に跳び乗る。
「…ぎゃあああ!!!」
「うおっ!?なんだ!?」
「きゃあ!」
阿鼻叫喚となるその物体の上というより見た事のない大きさの船。
「…なんだよこれ。なんて船だ…?」
「…え、フェリーだが。千葉に向かう…」
近くにいた男性が答えてくれた。どうやらフェリーなるものに乗ってしまったらしい。丁度良かった。呼吸ができる動く島ができたと…思えば…
「…あいつは!?」
「はあ!?あいつって?大体なんで海に…」
「うるさい!あいつはどこだよ!緑色の変な…」
その刹那、ドゴン!という突き破る音。そしてフェリー自身がガタン!と言い傾き始める。
「フェリーが!?」
「どうなってんの!?一体!?」
周りがパニックに陥る中、あたしだけはフェリーの頭上を見据える。
「……なんだよ。あたしを見つめてるだけか」
「…チビノクセニ…」
「おい小声で言うなお前、こっちは聞こえてんだよ全て。聴覚舐めんな」
「…ふん!そうかそうか。俺も耳は良いぞ」
エルターゼはそう笑った瞬間、フェリーの中へと突っ込んでいく。ガラガラガラという音と共に傾き出した船内から突如として黒い物体が飛んでくる。
「フハハハ!」
笑い声が響く。まさしく魔王の幹部に相応しいと言うべきか。投げられた黒いワゴンRを避けて、突き破られた船内へと入る。
「なんだコイツ!逃げろ!」
「やばいぞ!化け物だ!」
船内、客室ではなくどうやら車両が詰められている場所に来たようだ。その場にいた人達が一斉に逃げている。
「貴様は厄介だな。本来ならばここで俺が避れば溺れ死ぬ運命のはずだが」
「あたしはそうはならないの分かったんだ」
「あぁ、だからこうする」
その瞬間、3本の頂点を結べば三角形になりそうな指を持つ大きな手をこちらへと向ける。
「死ね」
エルターゼはそのまま小さい火球をこちらへと投げてくる。
ボン!
身を翻し、トラックの横に隠れる。エルターゼはいわゆる車庫の中心にいる状態だ。火球は地面に着弾した途端、破裂するような爆発を起こした。単純な火球ではないらしい。
エルターゼは続け様に火球を放つ。さっき火球を放ったのは右手、今度は左手、また右手と攻撃を繰り返してくる。
見た目こそそこまでないが、その数、そしてその効果がなんとも嫌らしい。トラックの
ドア部分についた火球がそこに焦げを作ったと思った瞬間、内側から爆発したようにドアが吹き飛んでいた。
つまり当たれば外傷こそ目立たないが問題は内部から破裂し、運悪ければ内臓が…
(ああいうの禁止されてなかったっけ?ヒカルが言ってたような…)
その時、トラックの影から覗く光景が目を疑うようになる。
「終わりにしてやろう…」
エルターゼはそう言うと、火球、しかしその火球は奴が両手を合わせ、段々と手と手の距離を離していく過程で大きくなっていく。
不思議な事にフェリーの天井に付きそうにも関わらず、天井は燃えていない。
「弾けろ」
エルターゼは火球を投げる。その大きさは大型トラックに匹敵しそうだ。
ドゴーン!!!!!
……………
ガクン
「な、何が一体…起きてんだ?」
「マジでやばいな…」
「一人ずつボートに乗るようお願いします!」
「落ち着いて、こちらへ!お子さんを先に!」
フェリーが大きく揺れる。と同時にフェリーが目に見えて水の中へ入っていくのが分かる。
「このままじゃ沈没する!」
「ねぇ、早く乗せて!」
エルターゼはその声を聞きながら、眼前の光景を見る。
衝撃で砕けた自動車、壁に押し付けられたトラック、燃えて落ち行く証明、風穴が空いたフェリーの側面、海水で溢れる車庫。
あの訳の分からぬ奴は死んだと高を括っていた時
ギィィィ
「……?」
エルターゼは音のする方を見る。そこにいたのは青い服を着た男、どうやら客室の方からドア経由でここへ来たらしい。
「…何を見ている?」
「…ッッ!な、お前一体…!」
「貴様には関係のないことだ、燃えるがよい」
そう言って火球の照準を向けた時だ。そのドアから何かの影が通り過ぎる。
「!?」
エルターゼは直感でその何かの方向に目を合わせる。
ガン!ガン!
自動車を潰す、いや踏むような音が段々こちらへと近づく。
「……」
無言でその方向に火球を投げつける。自動車のバンパーにぶつかり、エンジン事爆発する。
ドカン!!!
炎と煙がその自動車を覆う中、咄嗟に背後に気配を感じ、手で掴もうという動作を行う。
だがそこには誰もいない。
「……よお、やっぱ引っかかってくれたな」
今度は下から声がする、掴もうとした方ではない手で火球を作り、真下に投げる。しかしそこにもいない。
「…クソ、どこにいる?」
「上」
その瞬間、眼前の光景を奴の小さな顔で阻まれる。
落下しながら手に持ったナイフを…だが体には届かない範囲だ。リーチがそこまでな…
「ぐっっ!!!」
だが何故だか首元を掠った。咄嗟の機転で避けれたものの。
「…魔法省の犬め…」
「好きに言いなよ」
少女はそう言うと残骸だらけ、海水で満ちた床に着地する。まずどうして生きているのかを知りたいが…まあ些細な事だ。
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