152 / 237
第128話 如何にして悪へと堕ちたか(3)
しおりを挟む
「これよりギロチンによる処刑を行う」
……
「どういうことだ!?ギロチンの刃が折れたぞ!」
「馬鹿な!新品同様のオリハルコン製だ!」
……
「ではこれより多重魔法による処刑を行うとする」
……
「な、何故だ…あれ程魔法を喰らって…何故生きていられる…」
「魔法による中毒もなし…次だ!」
……
「窒息死させよ!絞首、水攻め、何でもありだ!やれ!」
「ぬるい!釜茹でも追加だ!体中を煮込み、切り刻んでやれ!」
……
「何故だ…どうして生きておられる…貴様はもはや人ではない!」
_________________
-ヴェルムート王国 沿岸-
ザザーンと揺れる大きな船、その船のマストには何重にも巻かれた鎖。
「しぶとい…しぶとい…!何故死なん!おとなしく死ね!何故2週間飲まず食わずで生きておられる!答えろ!どんな魔法を使った!何故解除できない!答えろ!バルトシュタイン!」
白髭をボウボウに生やした海賊のような船長はそう言ってくる。
「だが…貴様はボロボロだ…今から行うのは投棄…貴様をこの大海に投げ捨ててやる!この世界の半分を占める広大な海で貴様は一人ぼっち…ぐふふあははは!」
私は全力で抗っていた。目の前の死に。刃では折れない体に変化し、魔法に耐えた。空気を大きく吸い込み、全力で窒息に耐えた。彼らはそれがただ耐えているだけとは気づかなかった。
魔法は使えない。特殊な鎖は魔力を奪う。だが私の日々の鍛錬は遂に魔力を奪う速度より回復する速度の方が上回っていた。
飢えと喉の乾きに苦しめば、ひたすらにあちこちから栄養をとった。それ程までに死に抗っていた。
死が怖いのかすら分からなかった。だがここで死んではいけないという焦燥に刈られていた。
だが…それも今日までだろう。既に体力は限界だった。
もうすぐで目的地だと言う。広大な海に私は捨てられる。まるでゴミのように。
しかし、船員の一人が慌てた様子で目の前にいる船長に伝える。
「大変です!見張りからの伝令より高速でこちらへと接近してくる魔物を発見!もうすぐそこにいると!」
「な、何!?魔法及び弓道具による撃墜をしろ!とっととやれ!」
「は、はい!」
直後に魔法や矢が空いっぱいに広がる。そして船長は船から身を乗り出し、様子を確認したかと思った瞬間、顔に絶望が走る。
「な……な、何故…あ、あの速さは…!ありえない!」
船長はガタンと地面に尻を着く。その顔には涙すらでそうだ。そこまでの恐怖が彼を襲っていた。
私はゆっくりと顔を上げる。そこいたのは緑色の悪魔だった。
そいつは空を飛んでいた。魔法や矢をものともしていなかった。
そいつはあまりにも速かった。一瞬にして船の上へと辿り着いた。
「う、上だ!上にいる!」
船員は驚き見上げながらそう言った瞬間、マスト上部の見張り台にいた船員が落ちてくる。
「うわあああ!!!」
ぐしゃっ!
肉がひしゃげた音とともにその船員は動かなくなる。
「よくもぉ!」
船員はサーベルを取り出し、一斉にその悪魔を囲む。その姿は船を奪おうとする海賊と変わらない。
だが、悪魔は笑ったかと思うと凄まじい速さで甲板場を回る。
一瞬にして回る中、次々と船員を船の壁や床に叩きつけ、引きずりながらあっさりと殺していく。
気づけば、辺りには血の海ができ、恐怖の顔を浮かべた船長と私、悪魔以外に誰もいなかった。
悪魔は喜々として私に話しかける。
「王国の騎士団長、武神とまで言われた英雄がこのザマとは、な」
私はゆっくりと顔を合わせる。
「どうした?もう喋れなくなるほど弱くなったか?可哀想だな」
「可哀想…」
「おや、少しは喋れて安心した。そう可哀想、なんとも哀れな姿じゃないか、英雄よ」
「……」
「…まぁいいさ。俺はエルターゼ、魔王様の配下の一人にして幹部の一人、お前には用があったここにきた。単刀直入に言おう、貴様を勧誘しに来たのだ。我らが魔王軍にな」
「……」
「どういうことか分からないか?そうだろうな。お前達人間からしたら魔物が人間を誘うなどとは考えつかないか?」
「……そうだ。魔物と人間の仲が良いなら私はここにいない」
「だが世には魔物を躾ける者もいるそうではないか。テイマーなどという希少種が」
エルターゼは話を一旦区切ると
「昔の話をしてやろう。お前達が戦争を起こす前、世界にはエルフ、ドワーフ、竜人、魔族、そして人間が分けられた領土で暮らしていた。ところが強大な力を持つ魔族はこう考えた。そうだ世界を支配してやろうと」
「……」
「彼らは元いた魔物を増やし強化し、支配を強めようとした。魔族は固定された身体を持たないということを利用し、各々の個性を利用した軍隊を作り出し、他種族への領土進行を開始した」
エルターゼは一息に喋る。
「これに対抗するため、他種族は結託、エルフの魔法、ドワーフの技術、竜人の变化、そして人間という物量を利用し、魔族と戦った。その結果、魔族は大幅に数を減らし、戦いは終わった。だが魔族以外の種族にも多大な被害があった。ただ一つを除いて」
私はこの先を知っていた。だがエルターゼが話したいことが分からない。
「そう人間。他の種族に劣りながらも物量、さらには戦いで授かった魔法や技術で戦いで疲弊した他種族を支配していった。分けられていた領土の大半は人間が保有することになった。ここまでは人間が知っていることだ」
エルターゼはそう言うとニヤリと顔を歪ませる。
「魔族には支配するという本能が刻まれている。魔族は本能に従い戦った。魔物もまた本能で様々な種族を殺している。お前達には考えもつかないだろうな。魔物がどうして人を襲うのかを少しでも考えたことがあるか?どうして増えるのか考えたことがあるか?」
エルターゼは不気味にクククと言い出す。
「お前達はそれを人間の敵として容赦なく殺す。俺達に感情がないと思っているのか?だから平気で殺せるのか?人間以外の種族は長寿ゆえ、子が産まれないと言うのにお前達はあちこちで妊み、子を産み、湧いてくる。残酷だな、俺達はそっちのけか」
エルターゼは私へと近づく。
「人間は勝手な生き物だ。自らの支配を守るために勝手を通す生き物、お前もそれを味わってきただろう。そうでなければ何故ここにいる?お前は何故奴らの側にいる?そして奴らはお前に何をした?よく考えてみろ」
「……そう、あなたの言うとおりだ。私は尽くしていた人間に裏切られた」
「だが魔王様は寛大だ。そのようなことはしない。お前もこちらに来い。その心の闇、実に似つかわしい。鎖を今外してやる」
そう言った瞬間、エルターゼは鎖に触れる。直後鎖はパタンと地面に落ちる。
「契約の証だ。闇の衣、これを含めば絶大な闇の力を得る」
そう言うとどこからかエルターゼは三本指の手に禍々しい黒の塊を私に与えようとする。
私は解き放たれた体でそれをゆっくりと受け取り、それを一気に口に含む。
その瞬間、体中に巡る不思議な感覚、だがすぐに治まった。
「適応が早いな。だがこれでお前も我らの仲間だ。ではまず奴を殺せ。俺に証明して見せろ」
エルターゼは三角形の三本指を船長に指す。船長はこれまで黙っていたが、指された瞬間、「ひいっ」と情けない声を上げる。
「剣はこいつらのを使え」
エルターゼは船員のサーベルを拾い、私に投げる。
「ま、待ってくれぇ!た、頼む!助けて!」
船長は泣きながら懇願する。
「お、同じ人間だろ!そんな、や、やめてくれぇ!」
私は何も言わずに近づく。私はこの日、人間を捨てた。
……
「どういうことだ!?ギロチンの刃が折れたぞ!」
「馬鹿な!新品同様のオリハルコン製だ!」
……
「ではこれより多重魔法による処刑を行うとする」
……
「な、何故だ…あれ程魔法を喰らって…何故生きていられる…」
「魔法による中毒もなし…次だ!」
……
「窒息死させよ!絞首、水攻め、何でもありだ!やれ!」
「ぬるい!釜茹でも追加だ!体中を煮込み、切り刻んでやれ!」
……
「何故だ…どうして生きておられる…貴様はもはや人ではない!」
_________________
-ヴェルムート王国 沿岸-
ザザーンと揺れる大きな船、その船のマストには何重にも巻かれた鎖。
「しぶとい…しぶとい…!何故死なん!おとなしく死ね!何故2週間飲まず食わずで生きておられる!答えろ!どんな魔法を使った!何故解除できない!答えろ!バルトシュタイン!」
白髭をボウボウに生やした海賊のような船長はそう言ってくる。
「だが…貴様はボロボロだ…今から行うのは投棄…貴様をこの大海に投げ捨ててやる!この世界の半分を占める広大な海で貴様は一人ぼっち…ぐふふあははは!」
私は全力で抗っていた。目の前の死に。刃では折れない体に変化し、魔法に耐えた。空気を大きく吸い込み、全力で窒息に耐えた。彼らはそれがただ耐えているだけとは気づかなかった。
魔法は使えない。特殊な鎖は魔力を奪う。だが私の日々の鍛錬は遂に魔力を奪う速度より回復する速度の方が上回っていた。
飢えと喉の乾きに苦しめば、ひたすらにあちこちから栄養をとった。それ程までに死に抗っていた。
死が怖いのかすら分からなかった。だがここで死んではいけないという焦燥に刈られていた。
だが…それも今日までだろう。既に体力は限界だった。
もうすぐで目的地だと言う。広大な海に私は捨てられる。まるでゴミのように。
しかし、船員の一人が慌てた様子で目の前にいる船長に伝える。
「大変です!見張りからの伝令より高速でこちらへと接近してくる魔物を発見!もうすぐそこにいると!」
「な、何!?魔法及び弓道具による撃墜をしろ!とっととやれ!」
「は、はい!」
直後に魔法や矢が空いっぱいに広がる。そして船長は船から身を乗り出し、様子を確認したかと思った瞬間、顔に絶望が走る。
「な……な、何故…あ、あの速さは…!ありえない!」
船長はガタンと地面に尻を着く。その顔には涙すらでそうだ。そこまでの恐怖が彼を襲っていた。
私はゆっくりと顔を上げる。そこいたのは緑色の悪魔だった。
そいつは空を飛んでいた。魔法や矢をものともしていなかった。
そいつはあまりにも速かった。一瞬にして船の上へと辿り着いた。
「う、上だ!上にいる!」
船員は驚き見上げながらそう言った瞬間、マスト上部の見張り台にいた船員が落ちてくる。
「うわあああ!!!」
ぐしゃっ!
肉がひしゃげた音とともにその船員は動かなくなる。
「よくもぉ!」
船員はサーベルを取り出し、一斉にその悪魔を囲む。その姿は船を奪おうとする海賊と変わらない。
だが、悪魔は笑ったかと思うと凄まじい速さで甲板場を回る。
一瞬にして回る中、次々と船員を船の壁や床に叩きつけ、引きずりながらあっさりと殺していく。
気づけば、辺りには血の海ができ、恐怖の顔を浮かべた船長と私、悪魔以外に誰もいなかった。
悪魔は喜々として私に話しかける。
「王国の騎士団長、武神とまで言われた英雄がこのザマとは、な」
私はゆっくりと顔を合わせる。
「どうした?もう喋れなくなるほど弱くなったか?可哀想だな」
「可哀想…」
「おや、少しは喋れて安心した。そう可哀想、なんとも哀れな姿じゃないか、英雄よ」
「……」
「…まぁいいさ。俺はエルターゼ、魔王様の配下の一人にして幹部の一人、お前には用があったここにきた。単刀直入に言おう、貴様を勧誘しに来たのだ。我らが魔王軍にな」
「……」
「どういうことか分からないか?そうだろうな。お前達人間からしたら魔物が人間を誘うなどとは考えつかないか?」
「……そうだ。魔物と人間の仲が良いなら私はここにいない」
「だが世には魔物を躾ける者もいるそうではないか。テイマーなどという希少種が」
エルターゼは話を一旦区切ると
「昔の話をしてやろう。お前達が戦争を起こす前、世界にはエルフ、ドワーフ、竜人、魔族、そして人間が分けられた領土で暮らしていた。ところが強大な力を持つ魔族はこう考えた。そうだ世界を支配してやろうと」
「……」
「彼らは元いた魔物を増やし強化し、支配を強めようとした。魔族は固定された身体を持たないということを利用し、各々の個性を利用した軍隊を作り出し、他種族への領土進行を開始した」
エルターゼは一息に喋る。
「これに対抗するため、他種族は結託、エルフの魔法、ドワーフの技術、竜人の变化、そして人間という物量を利用し、魔族と戦った。その結果、魔族は大幅に数を減らし、戦いは終わった。だが魔族以外の種族にも多大な被害があった。ただ一つを除いて」
私はこの先を知っていた。だがエルターゼが話したいことが分からない。
「そう人間。他の種族に劣りながらも物量、さらには戦いで授かった魔法や技術で戦いで疲弊した他種族を支配していった。分けられていた領土の大半は人間が保有することになった。ここまでは人間が知っていることだ」
エルターゼはそう言うとニヤリと顔を歪ませる。
「魔族には支配するという本能が刻まれている。魔族は本能に従い戦った。魔物もまた本能で様々な種族を殺している。お前達には考えもつかないだろうな。魔物がどうして人を襲うのかを少しでも考えたことがあるか?どうして増えるのか考えたことがあるか?」
エルターゼは不気味にクククと言い出す。
「お前達はそれを人間の敵として容赦なく殺す。俺達に感情がないと思っているのか?だから平気で殺せるのか?人間以外の種族は長寿ゆえ、子が産まれないと言うのにお前達はあちこちで妊み、子を産み、湧いてくる。残酷だな、俺達はそっちのけか」
エルターゼは私へと近づく。
「人間は勝手な生き物だ。自らの支配を守るために勝手を通す生き物、お前もそれを味わってきただろう。そうでなければ何故ここにいる?お前は何故奴らの側にいる?そして奴らはお前に何をした?よく考えてみろ」
「……そう、あなたの言うとおりだ。私は尽くしていた人間に裏切られた」
「だが魔王様は寛大だ。そのようなことはしない。お前もこちらに来い。その心の闇、実に似つかわしい。鎖を今外してやる」
そう言った瞬間、エルターゼは鎖に触れる。直後鎖はパタンと地面に落ちる。
「契約の証だ。闇の衣、これを含めば絶大な闇の力を得る」
そう言うとどこからかエルターゼは三本指の手に禍々しい黒の塊を私に与えようとする。
私は解き放たれた体でそれをゆっくりと受け取り、それを一気に口に含む。
その瞬間、体中に巡る不思議な感覚、だがすぐに治まった。
「適応が早いな。だがこれでお前も我らの仲間だ。ではまず奴を殺せ。俺に証明して見せろ」
エルターゼは三角形の三本指を船長に指す。船長はこれまで黙っていたが、指された瞬間、「ひいっ」と情けない声を上げる。
「剣はこいつらのを使え」
エルターゼは船員のサーベルを拾い、私に投げる。
「ま、待ってくれぇ!た、頼む!助けて!」
船長は泣きながら懇願する。
「お、同じ人間だろ!そんな、や、やめてくれぇ!」
私は何も言わずに近づく。私はこの日、人間を捨てた。
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~
真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。
アルバートの屈辱
プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。
『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。
幼妻は、白い結婚を解消して国王陛下に溺愛される。
秋月乃衣
恋愛
旧題:幼妻の白い結婚
13歳のエリーゼは、侯爵家嫡男のアランの元へ嫁ぐが、幼いエリーゼに夫は見向きもせずに初夜すら愛人と過ごす。
歩み寄りは一切なく月日が流れ、夫婦仲は冷え切ったまま、相変わらず夫は愛人に夢中だった。
そしてエリーゼは大人へと成長していく。
※近いうちに婚約期間の様子や、結婚後の事も書く予定です。
小説家になろう様にも掲載しています。
旦那の真実の愛の相手がやってきた。今まで邪魔をしてしまっていた妻はお祝いにリボンもおつけします
暖夢 由
恋愛
「キュリール様、私カダール様と心から愛し合っておりますの。
いつ子を身ごもってもおかしくはありません。いえ、お腹には既に育っているかもしれません。
子を身ごもってからでは遅いのです。
あんな素晴らしい男性、キュリール様が手放せないのも頷けますが、カダール様のことを想うならどうか潔く身を引いてカダール様の幸せを願ってあげてください」
伯爵家にいきなりやってきた女(ナリッタ)はそういった。
女は小説を読むかのように旦那とのなれそめから今までの話を話した。
妻であるキュリールは彼女の存在を今日まで知らなかった。
だから恥じた。
「こんなにもあの人のことを愛してくださる方がいるのにそれを阻んでいたなんて私はなんて野暮なのかしら。
本当に恥ずかしい…
私は潔く身を引くことにしますわ………」
そう言って女がサインした書類を神殿にもっていくことにする。
「私もあなたたちの真実の愛の前には敵いそうもないもの。
私は急ぎ神殿にこの書類を持っていくわ。
手続きが終わり次第、あの人にあなたの元へ向かうように伝えるわ。
そうだわ、私からお祝いとしていくつか宝石をプレゼントさせて頂きたいの。リボンもお付けしていいかしら。可愛らしいあなたととてもよく合うと思うの」
こうして一つの夫婦の姿が形を変えていく。
---------------------------------------------
※架空のお話です。
※設定が甘い部分があるかと思います。「仕方ないなぁ」とお赦しくださいませ。
※現実世界とは異なりますのでご理解ください。
五歳の時から、側にいた
田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。
それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。
グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。
前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。
【12/29にて公開終了】愛するつもりなぞないんでしょうから
真朱
恋愛
この国の姫は公爵令息と婚約していたが、隣国との和睦のため、一転して隣国の王子の許へ嫁ぐことになった。余計ないざこざを防ぐべく、姫の元婚約者の公爵令息は王命でさくっと婚姻させられることになり、その相手として白羽の矢が立ったのは辺境伯家の二女・ディアナだった。「可憐な姫の後が、脳筋な辺境伯んとこの娘って、公爵令息かわいそうに…。これはあれでしょ?『お前を愛するつもりはない!』ってやつでしょ?」
期待も遠慮も捨ててる新妻ディアナと、好青年の仮面をひっ剥がされていく旦那様ラキルスの、『明日はどっちだ』な夫婦のお話。
※なんちゃって異世界です。なんでもあり、ご都合主義をご容赦ください。
※新婚夫婦のお話ですが色っぽさゼロです。Rは物騒な方です。
※ざまあのお話ではありません。軽い読み物とご理解いただけると幸いです。
※コミカライズにより12/29にて公開を終了させていただきます。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる