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第100話 米軍VS異世界人(8)

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ヒューーー

涼しい風が俺の足元を伝う。その風が縦横無尽に飛んで行ったミサイルの炎を消す。2発のミサイルは通った跡を煙で現し、その姿は消えた。

「……あいつら人間か?」

ヒカルも驚いたのかそう言った。二人の少女がミサイルを吹き飛ばしたらそらそうなる。

「…ほんとにうまくいくとは…」

「すごい力でしたよあれ…」

二人共想い想いの感想を言った直後、戦闘機が俺達の真上を通り過ぎる。

「いつ次の攻撃が来るか分かんない。ひとまず街まで逃げればなんとかなる」

「でも上に戦闘機がある状況でか?走れないだろ…」

俺は過大評価している戦闘機に恐れ…をなしている。正直あんなの今まで見たことなかったから…いや、ニューヨークであったがあれが敵となるのは想定していなかった。いや少しは…

「だから森の中に行くんだ。森の中だったらミサイルは通らないし、焼き払われたら終わりだけど少なくとも地上の奴らはどうにか撒くことが可能だし…戦闘機も。方角とか分かるやついるか?」

「あたし分かるよ。[方位]の魔法は仕事上使う時があるからね」

「そうかキルア、異世界にも東西南北があって助かったな。よしそれでは……」

ダダダダダダ!!!

「うおっ!…ってまじかよぉぉぉ」

高速道路の車線を走る車みたく戦闘機が低空飛行をしてそして…

機関砲である。

機関砲は地面を抉り、火花を散らす。銃弾が俺達へと近付いて来るが、幸いにもその弾丸はお馴染みの奴のおかげで当たらない。

「…これアナリスいなかったら詰んでる、あとカノンも」

「おい、待て!そこにあたしの名前が入ってないのはなんでだ!」

「今それどころじゃねぇだろ!」

俺は言い合うヒカルとキルアにそう言う。俺もその中に名前は入ってないが…俺自身の自己評価も低いのでもう気にはしないことにした。俺も覚醒?かなんかをドイツでしたこたほ分からないが。

戦闘機は俺達が向かう街の方に過ぎてったかと思うと雲の中へと消える。また後ろへと回られる…そんな予感がした。

「今だな」

俺はそう言うと森の中に一足先に入っていく。続いてアナリスとヒカル

「こーゆのはレディファーストじゃないの?」

「いやもともと女性に毒味させるためにレディファーストにさせたとかなんとかで…」

「う~ん。なんというか…ですね」

カノンが苦笑しながら森の中に入ってくる。そしてキルアはピョンと飛びながら森の中にスタッと着地する。その姿はチビっ子忍者のように見える。

「よし、この無駄に明るいライトがあるスマホで行こう」

こうして俺達は街へと向かわなければならなくなった。
_________________
「あ、あいつら一体なんなんだ!?」

トラックの運転手が叫びながら兵士に言う。

「あれは人型の…化け物みたいな物でして…」

「おいおい…冗談じゃねぇぞ!」

トラックの運転手は怒鳴る。怒りやら恐怖ならで忙しい様子だ。でも車の上に化け物がいましたとなったらそうなるだろう。

正直私達にもあいつらの正体が分からない。だから私達が調査しなければならない。

全ては人類の安息の地、この地球を守るため。生態系に属さない他の生き物は人間以外に必要ないのだ。

「あのトラックの運転手、ずっと気づかなかったのかしらね。もし電話しなかったら」

「繋がったらまだ良かったものだ。あともう少しでアンドルーズからまた援軍が来るらしいな」

「そうね」

運転手が乗っていたトラック。そのロゴは大手の輸送製品を運ぶトラックだった。それを手がかりにその会社の本社に連絡を入れ、そこからトラックの運転手に数珠つなぎで連絡が入った、ということになるらしい。

そしてこれはシャーロットの観察眼がその行動を起こさせたと私は考える。彼女が第一にそう提案したからだ。

『対向車線の完全封鎖完了!流れ弾の心配もありません』

『住民の退避開始!包囲網を半径5kmに拡大!』

『負傷者の救出完了!死者はいません!引き続き指示を!』






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