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第95話 米軍VS異世界人(3)
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6時間。追い詰めて6時間が経過しようとしていた。臨時で置かれた作戦本部にはいくつものライトが設置されている。
「赤外線に異常は?なかったのか?」
「現在生命体を確認できません」
隣では兵士のやりとりが聞こえる。衛星での捜索が行われ、ヘリコプターでの捜索は燃料の都合上打ち切りとなった。
「闇に紛れて逃げるつもりか…」
私は短く呟やいた。隣ではシャーロットが来た時と変わらない風貌で立っている。日が沈んてから既に30分が経過しようとしていた。
「TSAの部隊、米軍の部隊も完璧に揃ってる。逃げられるはずがない」
シャーロットはこちらを向かずにそう言う。 とそこに米軍の司令官らしき男がこちらへとやって来る。
「失礼。少しいいですかな?」
白髭を生やしたその男は続けて
「このままでは事態は一行に進展しません。そこで包囲を狭めるというのはどうですかな?」
「狭める?」
私はそう聞き返した。
「ええ、部隊を山に送り込み、捜索するのです。追い詰め、袋のネズミとするのです。予備の部隊の準備も完了しています」
「…なるほど。攻めるわけか」
「いいんじゃないかしら。その作戦」
「うむ。私からも異論はない。すまないがよろしく頼む」
「おまかせを。アメリカ合衆国の力を見せつけてやります」
白髭はそう言って去って行った。
「これならば彼らも逃げられないんじゃないかしら」
シャーロットは私の顔を見てそう言った。
米軍の動きは早かった。すぐに中へと入る部隊が編成され、運ばれてきた燃料をヘリコプターに入れていく。
『車両での包囲完了!いつでも捜索可能です!』
コンピューターの置かれたテントの中からそんな声がする。
「…最初からこうするべきだったな。いささか慎重になりすぎた」
フォードはこの一日を思い浮かべながらそう言うと前へと歩き出す。
前線。そう言うべき道路にはAPCやハンヴィー、JLTVなどの車両が並べられていた。取り逃したとも言える場所、彼らが出てくるならここからだろう。
「よし、では突入開……」
そこにいた先程の白髭は無線越しに言おうと時、ふと言うのをやめる。
私は白髭がある一点に集中してるのを訝しげに見る。何故突入開始と言わないのかと。
「トーマス、あれ」
シャーロットも同じ白髭と同じ場所を見ている。
そこにいたのは…先程取り逃がしたはずの5人の若者。距離は結構離れている。
間違いない。彼らの、独特の髪色はまさしく…
「…っ!すぐにヘリと部隊をこちらに送れ!早くしろ!」
白髭は自分の立場を思い出したのか無線越しに怒鳴る。とここで同じく彼らに気づいた兵士が口々に
「司令!こっちに来ます!」
「撃ちますか?」
「待て!まだ撃つな!」
白髭がそう言った時、上空をAH-64Dが2機通過する。続いてUH-60が2機
ヘリのババババという音が大きく聞こえる。だがその羽音を破るかのような出来事が起きる。
「撃たないでー!僕らは敵じゃありません!」
黒髪の少年がそう言ってきたのだ。
_________________
俺は目の前にいる車両と当てられるライトに若干の目を瞑りながら呟く。
「大丈夫なのか?殺されたりしないよな?」
「今はね。だから…」
「撃たないでー!僕らは敵じゃありません!」
ヒカルが手でメガホンを作ってそう言った。兵士達が驚くのがこの距離でも見える。
「キルア…お前の耳が頼りなんだからな」
「うるさいなあ、分かってるよガイム」
キルアは面倒だと言わんばかりにそう言ってくる。
「だからお願いです!撃たないでください!」
ヒカルは大声で言う。俺達もゆっくりと歩みを進める。
正直めちゃくちゃ怖い。前と比べ今回は死が目前に迫る感じがピリピリとする。
「まだ…まだだって」
「ほんとにキルアさんお願いします。私達の作戦の成功を」
カノンが心配するようにそう言う。
_________________
「何故衛星に映らなかったんだ…」
「だからお願いします!撃たないでください!」
私の声を遮るようにしてそう言ってくる。
「…化け物が。何を戯言を…」
反吐が出るとはまさにこのことだ。ニューヨークを火の海にした元凶は間違いなくお前達だというのに、
「まだ…まだ撃つな」
白髭はそう言って兵士を静止する。彼らがゆっくりと我々に距離を詰めるのが見える。APCことLAV-25の砲塔は全て彼らを捉えている。
「……撃て!」
白髭は短くそう言った。
_________________
「なんだか焦ってる感じがするよ。あの人達」
「焦りか…ここまでは順調だな…けどもし俺の予想が正しいなら…」
ヒカルがそこまで言って止める。全員黙って歩き出す。アナリスは一言も喋らずに集中してるのが見える。そしてキルアがおもむろにに叫ぶ。
「撃てだって!」
「アナリス!カノン!」
「オッケー!」
「はい!」
アナリスとカノンがそう言うと巨大な土壁が地面から現れ、それにカノンが剣を向ける。そこに衝撃と爆音が当たり、頑丈とは言えない土壁はひび割れだらけになる。
「ァァ…イッ!!!」
アナリスは地面に手を向け、衝撃波を走らせる。
それは土壁を崩すと共にその向こうにいた兵士達、そして車両を吹き飛ばす。
「行くぞぉ!強行突破だぁ!」
ヒカルは叫びながら走り出した。
「赤外線に異常は?なかったのか?」
「現在生命体を確認できません」
隣では兵士のやりとりが聞こえる。衛星での捜索が行われ、ヘリコプターでの捜索は燃料の都合上打ち切りとなった。
「闇に紛れて逃げるつもりか…」
私は短く呟やいた。隣ではシャーロットが来た時と変わらない風貌で立っている。日が沈んてから既に30分が経過しようとしていた。
「TSAの部隊、米軍の部隊も完璧に揃ってる。逃げられるはずがない」
シャーロットはこちらを向かずにそう言う。 とそこに米軍の司令官らしき男がこちらへとやって来る。
「失礼。少しいいですかな?」
白髭を生やしたその男は続けて
「このままでは事態は一行に進展しません。そこで包囲を狭めるというのはどうですかな?」
「狭める?」
私はそう聞き返した。
「ええ、部隊を山に送り込み、捜索するのです。追い詰め、袋のネズミとするのです。予備の部隊の準備も完了しています」
「…なるほど。攻めるわけか」
「いいんじゃないかしら。その作戦」
「うむ。私からも異論はない。すまないがよろしく頼む」
「おまかせを。アメリカ合衆国の力を見せつけてやります」
白髭はそう言って去って行った。
「これならば彼らも逃げられないんじゃないかしら」
シャーロットは私の顔を見てそう言った。
米軍の動きは早かった。すぐに中へと入る部隊が編成され、運ばれてきた燃料をヘリコプターに入れていく。
『車両での包囲完了!いつでも捜索可能です!』
コンピューターの置かれたテントの中からそんな声がする。
「…最初からこうするべきだったな。いささか慎重になりすぎた」
フォードはこの一日を思い浮かべながらそう言うと前へと歩き出す。
前線。そう言うべき道路にはAPCやハンヴィー、JLTVなどの車両が並べられていた。取り逃したとも言える場所、彼らが出てくるならここからだろう。
「よし、では突入開……」
そこにいた先程の白髭は無線越しに言おうと時、ふと言うのをやめる。
私は白髭がある一点に集中してるのを訝しげに見る。何故突入開始と言わないのかと。
「トーマス、あれ」
シャーロットも同じ白髭と同じ場所を見ている。
そこにいたのは…先程取り逃がしたはずの5人の若者。距離は結構離れている。
間違いない。彼らの、独特の髪色はまさしく…
「…っ!すぐにヘリと部隊をこちらに送れ!早くしろ!」
白髭は自分の立場を思い出したのか無線越しに怒鳴る。とここで同じく彼らに気づいた兵士が口々に
「司令!こっちに来ます!」
「撃ちますか?」
「待て!まだ撃つな!」
白髭がそう言った時、上空をAH-64Dが2機通過する。続いてUH-60が2機
ヘリのババババという音が大きく聞こえる。だがその羽音を破るかのような出来事が起きる。
「撃たないでー!僕らは敵じゃありません!」
黒髪の少年がそう言ってきたのだ。
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俺は目の前にいる車両と当てられるライトに若干の目を瞑りながら呟く。
「大丈夫なのか?殺されたりしないよな?」
「今はね。だから…」
「撃たないでー!僕らは敵じゃありません!」
ヒカルが手でメガホンを作ってそう言った。兵士達が驚くのがこの距離でも見える。
「キルア…お前の耳が頼りなんだからな」
「うるさいなあ、分かってるよガイム」
キルアは面倒だと言わんばかりにそう言ってくる。
「だからお願いです!撃たないでください!」
ヒカルは大声で言う。俺達もゆっくりと歩みを進める。
正直めちゃくちゃ怖い。前と比べ今回は死が目前に迫る感じがピリピリとする。
「まだ…まだだって」
「ほんとにキルアさんお願いします。私達の作戦の成功を」
カノンが心配するようにそう言う。
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「何故衛星に映らなかったんだ…」
「だからお願いします!撃たないでください!」
私の声を遮るようにしてそう言ってくる。
「…化け物が。何を戯言を…」
反吐が出るとはまさにこのことだ。ニューヨークを火の海にした元凶は間違いなくお前達だというのに、
「まだ…まだ撃つな」
白髭はそう言って兵士を静止する。彼らがゆっくりと我々に距離を詰めるのが見える。APCことLAV-25の砲塔は全て彼らを捉えている。
「……撃て!」
白髭は短くそう言った。
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「なんだか焦ってる感じがするよ。あの人達」
「焦りか…ここまでは順調だな…けどもし俺の予想が正しいなら…」
ヒカルがそこまで言って止める。全員黙って歩き出す。アナリスは一言も喋らずに集中してるのが見える。そしてキルアがおもむろにに叫ぶ。
「撃てだって!」
「アナリス!カノン!」
「オッケー!」
「はい!」
アナリスとカノンがそう言うと巨大な土壁が地面から現れ、それにカノンが剣を向ける。そこに衝撃と爆音が当たり、頑丈とは言えない土壁はひび割れだらけになる。
「ァァ…イッ!!!」
アナリスは地面に手を向け、衝撃波を走らせる。
それは土壁を崩すと共にその向こうにいた兵士達、そして車両を吹き飛ばす。
「行くぞぉ!強行突破だぁ!」
ヒカルは叫びながら走り出した。
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